あめ・ミント・ガム市場レポート|グミ▲12.4%
本記事は、あめ・キャンディやグミ、ガム、ミントタブレットなどの菓子をECで販売する事業者・メーカーの方に向けた市場レポートです。主要ECモールにおける2026年4〜6月のあめ・ミント・ガム市場の推定売上は約7.2億円(前年同期比▲1.2%)、推定販売数は約46.2万点(同▲1.9%)、平均単価は約1,565円(同+0.7%)でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。全体はほぼ横ばいですが、中身は入れ替わっています。グミが▲12.4%と沈む一方、ミントタブレット・塩タブレットとのどあめはそろって+12.8%。嗜好品から夏の実用需要へ支出が移った構造を、サブカテゴリ別・価格帯別に読み解きます。
本レポートのサマリー
- 市場規模: 約7.2億円(前年同期比 ▲1.2%)
- 販売数量: 約46.2万点(前年同期比 ▲1.9%)
- 平均単価: 約1,565円(前年同期比 +0.7%)
- 主要サブカテゴリ: あめ・キャンディ(22.4%)/グミ(18.6%)/ガム(17.6%)/ミントタブレット・塩タブレット(16.2%)
- キートレンド: グミが▲12.4%と最大の下押し/ミントタブレット・塩タブレットとのどあめが+12.8%で穴を埋める
あめ・ミント・ガムのEC市場規模と推移
2026年4〜6月のあめ・ミント・ガムのEC市場規模は約7.2億円、前年同期比▲1.2%でした。販売数は▲1.9%と売上より深く減り、平均単価は+0.7%とわずかに上昇しています。金額の目減りは値崩れではなく、売れた点数が減ったことによるものです。この市場は通年で買われ、需要の山は年末・ギフト期の11月前後に来ます。4〜6月はそれとは別に、熱中症対策やのどのケアという実用目的の買い方が前に出る時期です。上位カテゴリ全体の動きはスイーツ・お菓子のEC市場規模レポートで扱っており、本記事はそのなかのあめ・ミント・ガムカテゴリを深掘りします。
| 指標 | 2026年4〜6月 | 前年同期 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 推定売上 | 約7.2億円 | 約7.3億円 | ▲1.2% |
| 推定販売数 | 約46.2万点 | 約47.1万点 | ▲1.9% |
| 平均単価 | 約1,565円 | 約1,554円 | +0.7% |
市場全体の▲1.2%だけを見ると「前年並みで動きがない四半期」に見えます。ところが内訳には、二桁で伸びたサブカテゴリと二桁で沈んだサブカテゴリが同時に存在し、その差引きで横ばいに落ち着いていました。全体の増減率だけでは、自社の棚がどちら側にいるのか判断できません。
サブカテゴリ別の構成と勝ち負け
市場の柱は、あめ・キャンディ(22.4%)、グミ(18.6%)、ガム(17.6%)、ミントタブレット・塩タブレット(16.2%)の4カテゴリで、合計74.8%を占めます。この4つで勢いは真っ二つに分かれました。ミントタブレット・塩タブレットが+12.8%、ガムが+1.5%とプラスを確保した一方、グミは▲12.4%、あめ・キャンディは▲3.1%と前年を下回っています。5番目のどあめも+12.8%です(Nint ECommerce調べ・推計値)。
| サブカテゴリ | 構成比 | 前年同期比 | 平均単価 |
|---|---|---|---|
| あめ・キャンディ | 22.4% | ▲3.1% | 1,231円 |
| グミ | 18.6% | ▲12.4% | 1,509円 |
| ガム | 17.6% | +1.5% | 2,166円 |
| ミントタブレット・塩タブレット | 16.2% | +12.8% | 2,360円 |
| のどあめ | 12.5% | +12.8% | 1,436円 |
| その他 | 6.7% | +2.3% | 1,656円 |
| ソフトキャンディ | 2.8% | +18.0% | 1,215円 |
| マシュマロ | 1.7% | ▲53.2% | 882円 |
| 各種あめ・ミント・ガムセット | 0.8% | +14.0% | 1,554円 |
| こんぺいとう | 0.8% | ▲13.1% | 847円 |
同じ「マイナス」でも中身は違います。グミは販売数▲8.6%・単価▲4.1%で、数量と単価が同時に下がった二重の下落です。対してあめ・キャンディは販売数が+2.3%と増え、単価が▲5.3%下がったことで売上が▲3.1%になりました。数は出ているのに金額が戻らない状態です。プラス側も対照的で、ミントタブレット・塩タブレットは販売数+6.8%と単価+5.7%の両輪、ガムは販売数▲5.5%を単価+7.4%で埋めて+1.5%に着地しました。最も落ちたマシュマロ(▲53.2%)やこんぺいとう(▲13.1%)はギフト寄りのアイテムで、近い購買層の動きは洋菓子市場レポートや和菓子市場レポートでも扱っています。
価格帯別の販売構成と購買行動
平均単価(約1,565円)を基準に低・中・高の3価格帯で売上構成比を見ると、中価格帯が38.6%、高価格帯が33.7%、低価格帯が27.6%と、三つの帯に分散しています。ひとつの帯に金額が偏っていないため、どの帯を主戦場に置くかで打ち手が変わるカテゴリです(Nint ECommerce調べ・推計値)。
| 価格帯 | 売上構成比 |
|---|---|
| 低価格帯 | 27.6% |
| 中価格帯 | 38.6% |
| 高価格帯 | 33.7% |
低価格帯: あめ・キャンディとギフト寄りの菓子
低価格帯(27.6%)は、あめ・キャンディ(1,231円)、ソフトキャンディ(1,215円)、マシュマロ(882円)、こんぺいとう(847円)が入る帯です。日常の買い置きとして箱・袋単位で買われる一方、金額の落ち込みが目立つ帯でもあります。あめ・キャンディは販売数を+2.3%伸ばしながら単価が▲5.3%下がり、マシュマロは単価▲37.2%と大きく崩れました。数量を取りながら1点あたりの金額を守れるかが、この帯の分かれ目になっています。
中価格帯: グミとのどあめが同居する主戦場
売上構成比38.6%で最も大きい中価格帯には、グミ(1,509円)、のどあめ(1,436円)、その他(1,656円)、各種あめ・ミント・ガムセット(1,554円)が並びます。同じ帯のなかで勢いは正反対で、グミが▲12.4%と沈む一方、のどあめは+12.8%、セット商品は+14.0%と伸びました。買われている価格の水準は変わらず、選ばれる中身が入れ替わった帯です。まとめ買い・セット買いという買い方自体は健在で、その器に何を入れるかが問われています。
高価格帯: ガムとミント・塩タブレット
高価格帯(33.7%)を構成するのは、ミントタブレット・塩タブレット(2,360円)とガム(2,166円)の2カテゴリです。どちらも単価が上がり(+5.7%/+7.4%)、市場平均1,565円を大きく上回ります。大容量・多パックのまとめ買いが定着し、値上げ後の価格でも買い控えが起きていないことが数字に表れました。ガムは販売数▲5.5%でも売上+1.5%を確保しており、単価が金額を支える構図です(Nint ECommerce調べ・推計値)。
あめ・ミント・ガムの事業者が来期取るべき3つの打ち手
ここまでの市場データをふまえ、あめ・キャンディやグミ、ガム、タブレット類をECで扱う事業者が来期に向けて取るべき打ち手を3つに整理します。
打ち手1: グミは数量と単価のどちらが崩れたかを分けて手を打つ
構成比18.6%のグミは、販売数▲8.6%・単価▲4.1%で売上▲12.4%と、市場で最大の下押し要因になりました。数量と単価が同時に下がっているため、値引きで数を取り戻す打ち手は単価側の傷を深めます。まずは自社の落ち込みが「買われる回数の減少」なのか「1点あたりの単価下落」なのかを切り分け、前者なら新フレーバーや期間限定での再訪動機づくり、後者なら大容量・複数個セットで1点単価を戻す設計へ振り分けるのが順序です。
打ち手2: 夏の機能需要を季節企画として前倒しで仕込む
ミントタブレット・塩タブレット(16.2%・+12.8%)とのどあめ(12.5%・+12.8%)が、そろって二桁で伸びました。前者は販売数+6.8%と単価+5.7%の両輪で、数量も金額も取れている数少ないゾーンです。嗜好品としての「おいしさ」ではなく、熱中症対策やのどのケアという用途で選ばれる商品群なので、需要が立ち上がる前の在庫確保と、用途が一目で伝わる商品名・説明の整備が効きます。11月前後のギフト期とは別に、この時期専用の企画枠を持つ判断が有効です。
打ち手3: 高価格帯で通用している単価水準を競合から学ぶ
市場の33.7%を占める高価格帯では、ガム(2,166円・単価+7.4%)とミントタブレット・塩タブレット(2,360円・同+5.7%)が、単価を上げながら金額を伸ばしました。市場平均1,565円の1.4倍前後の価格が受け入れられている帯であり、自社が同じ商品を安く出しているだけなら取りこぼしです。Nint ECommerceでは、主要ECモールの競合ショップがどのアイテムをどの価格帯・どの容量で展開しているかを把握でき、値付けと品揃えを見直す材料になります。
よくある質問(Q&A)
あめ・ミント・ガムのEC市場規模はどのくらいですか?
主要ECモールにおける2026年4〜6月の推定売上は約7.2億円で、前年同期比▲1.2%でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。推定販売数は約46.2万点(同▲1.9%)、平均単価は約1,565円(同+0.7%)で、点数の減少が金額の目減りにつながっています。
グミの売上はなぜ前年を下回ったのですか?
販売数が▲8.6%、平均単価が▲4.1%と、数量と単価の両方が下がったためです。売上は▲12.4%で、構成比18.6%という大きさもあり市場全体を押し下げる形になりました。同じ中価格帯のなかで、のどあめやセット商品に支出が移った動きが見られます。
この市場で伸びているサブカテゴリはどれですか?
ミントタブレット・塩タブレット(+12.8%)とのどあめ(+12.8%)が二桁で伸び、ソフトキャンディ(+18.0%)や各種セット(+14.0%)も増えました。熱中症対策やのどのケアといった実用目的の需要が動く時期であることが、構成に表れています(Nint ECommerce調べ・推計値)。
価格帯はどこに売上が集まっていますか?
中価格帯が38.6%、高価格帯が33.7%、低価格帯が27.6%と、3つの帯に分散しています。特定の帯に偏りがないため、扱う商品がどの帯にあるかで打ち手が変わります。単価が上がっているのはガムとタブレット類が入る高価格帯です。
まとめと、より深く分析するためのヒント
- 2026年4〜6月の市場は約7.2億円(前年同期比▲1.2%)。販売数▲1.9%に対し単価+0.7%で、減っているのは購入点数。
- グミ(18.6%・▲12.4%)が最大の下押し。埋めたのはミントタブレット・塩タブレット(+12.8%)とのどあめ(+12.8%)で、嗜好品から実用目的へ支出が移った。
- 価格帯は中38.6%・高33.7%・低27.6%と分散。単価が上がるのはガム(+7.4%)とタブレット類(+5.7%)の高価格帯で、低価格帯は単価下落が課題。
こうしたサブカテゴリ別・価格帯別の動向は、自社が扱うブランドや容量帯の単位ではどう見えるでしょうか。Nint ECommerceでは、主要ECモール(楽天・Amazon・Yahoo!ショッピング 等)のあめ・ミント・ガムカテゴリを、サブカテゴリ・ブランド・商品単位で深堀りし、競合ショップの売れ筋や価格帯、季節需要の立ち上がりの先読みに活用できます(Nint ECommerce調べ・推計値)。
関連サービス・資料
執筆者の視点
意外だったのは、市場全体が▲1.2%とほぼ横ばいだったことです。中身を開けば二桁の伸びと二桁の減少が同居していて、たまたま差し引きゼロに見えていただけでした。私が気になったのはあめ・キャンディで、販売数は増えているのに単価が下がって売上を落としています。「売れている」と「稼げている」がずれる典型で、点数だけを見ていると気づけない類の変化だと感じました。
対象期間: 2026年4月〜2026年6月/データソース: Nint ECommerce(推計値)/対象カテゴリ: あめ・ミント・ガム
この記事を書いた人

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト
note:https://note.com/nint_ecommerce
株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は20を超え、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。
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