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単品通販・リピート通販の競合分析|ECモールデータで見る4つの観点と手順

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単品通販・リピート通販の競合分析|ECモールデータで見る4つの観点と手順

最終更新: 2026年9月10日

「単品通販・リピート通販の分析」と聞いて思い浮かぶのは、LTV、F2転換率、引き上げ率といった自社の顧客データの分析ではないでしょうか。定期購入モデルである以上、そこに力点を置くのは当然の選択です。

一方で、自社の顧客データには写らないものがあります。同じ悩みを抱える生活者が、自社以外のどのブランドを、いくらで、どれくらい買っているのか。これはCRMをどれだけ深掘りしても出てきません。

本記事では単品通販の分析を「CRM層」と「市場層」の2層に整理したうえで、ECモールの販売データから市場と競合を読む手順を、サプリメント・化粧品・健康食品といった商材ならではの4つの観点に絞って解説します。

この記事の要点

  • 単品通販の分析は顧客データのCRM層と市場データの市場層に分かれる。
  • モールでは売価と販売実績は見えるが、継続率とCPAは見えない。
  • 単品通販固有の観点は売上規模・単価正規化・セット構成・レビュー。
  • 手作業は工数・再現性・履歴の3点で限界が来る。
  • 分析は商品開発・価格設計・広告投下の意思決定に接続する。
Nint ECommerce|サプリ・化粧品カテゴリで競合が何をいくらで売っているかをデータで見る

単品通販・リピート通販の「分析」は2層に分かれる

単品通販(定期通販・リピート通販とも呼ばれます)の分析とは、自社の顧客データを扱う「CRM層」と、市場と競合を扱う「市場層」の2つを指します。目的も指標もデータの出どころも異なるため、まずどちらの話をしているのかを切り分けます。

見るもの主な指標データの出どころ
CRM層(内側)自社顧客の購買行動LTV/F2転換率/引き上げ率/継続率/解約率/CPA自社カート・MA・広告アカウント
市場層(外側)カテゴリの需要と競合の動き市場規模/競合ブランドの売上規模/価格帯構成/新規参入ECモールの販売データ、公的統計

CRM層は自社システムの中にデータがあるため、意識しなくても分析対象になります。問題は市場層です。市場層のデータは定義上、自社のどのシステムにも入っていません。「やらない」のではなく「視界に入らない」という形で空白になり、自社LPで完結しやすい単品通販ではその空白がさらに見えにくくなります。

市場全体の規模感は経済産業省「電子商取引に関する市場調査」(令和6年度調査・2025年8月公表)などの公的統計が起点になりますが、年次かつ大分類の粒度のため「自社カテゴリで、いま誰がどう売っているか」の解像度には届きません。そこを埋めるのが次章以降のモールデータです。

なぜ自社LP中心の単品通販でもECモールを見るのか

自社LPと定期購入で完結させる設計は、顧客との関係を自社で握るうえで合理的な選択です。そのうえでモールを見る理由は3つに整理できます。

  • カテゴリの需要総量はモールに現れる。自社LPの売上は広告投下量に縛られますが、モールには「そのカテゴリを買いたい人」が広告と無関係に集まります。需要の絶対量と季節性を見るには素直な指標です。
  • 競合の多くは自社LPとモールを併用している。モール側の商品構成・価格・セット設計は、その企業がLPで何を仕掛けているかの手がかりになり、しかも常時観測できます。
  • 新規参入ブランドはモールから始まることが多い。LPの立ち上げには広告予算が要る一方、モール出品は在庫と登録だけで始められるためです。

モールに限らないEC全般の調査項目は、ECサイトの競合調査ガイド|調査項目・分析手順・ツール活用の実践方法でチェックリストとして整理しています。

モールで見えるもの/見えないもの

期待値を先に切っておきます。モールの販売データで分かるのは「売り場で起きた結果」だけで、裏側の収益構造は分かりません。

モールで見えるものモールでは見えないもの
カテゴリ・ブランド・商品単位の販売実績(推計)定期購入の継続率・解約率
販売価格とその推移、ポイント施策顧客獲得単価(CPA)とLTV
レビューの件数・評価・増加ペースLP上のオファー設計と引き上げ導線
商品構成(内容量・セット・SKU展開)原価と実際の利益率

モールデータはCRM分析の代わりではなく、CRM分析が答えられない「外側の問い」だけを担当する道具です。

単品通販の競合が、どの価格帯で何をいくつ売っているか把握できていますか

ここから先の4つの観点は、モールの販売データがあると一気に実務になります。自社カテゴリでの見え方はオンライン30分のデモで確認できます。

自社カテゴリの競合売上と価格帯を見てみる

単品通販ならではの4つの分析観点

一般的な競合分析の手順をそのまま当てはめると噛み合いません。消耗品で、反復購入が前提で、内容量とセット構成が売り方の中心にある——この商材特性に合わせ、観点を4つに絞ります。

観点1:競合ブランドの売上規模を把握する

モール上の推計売上を使えば、カテゴリ内での相対的な位置関係が掴めます。絶対額より「自分がどのあたりにいるか」を知るのが目的です。手順は3段階です。

  1. 自社商材が属するジャンルを特定する。ここがずれると以降がすべてずれるため、実際に競合が登録されているジャンルを確認します。
  2. ジャンル全体の規模と直近1年程度の推移を見る。伸びているのか、単価上昇で数量が減っているのかを分けて読みます。
  3. 上位ブランドの構成と、上位に入らない「その他」の比率を見る。「その他」が厚いカテゴリほど、新規ブランドが入り込む余地が残っています。
Nint ECommerce ジャンル規模画面(主要ECモール)
Nint ECommerce ジャンル規模の画面イメージ(数値はNint ECommerceの推計値・2026年4月時点/店舗名・商品名は加工)

注意は2点。こうしたモール上の売上は公開情報から算出された推計値であり決算数値ではないこと。そしてモールをまたいだ規模比較や順位づけはしないことです。出店構造も取扱範囲も異なるため、比較は単一モール内で行い、複数モールはそれぞれ別の市場として読みます。

観点2:価格帯 × 内容量で正規化して比較する

最も事故が起きやすいのがここです。表示価格をそのまま並べても比較になりません。自社LPの定期価格は初回と2回目以降で違い、モールでは同じ中身が単品・3袋セット・定期便と別の形で並びます。すべてを「1日あたり単価」に揃えてから比較するのが解決策です。

比較対象販売形態価格内容量1日あたり単価
自社LP定期・初回3,000円30日分100円
自社LP定期・2回目以降4,500円30日分150円
モール上の競合A単品5,400円30日分180円
モール上の競合B3袋セット12,000円90日分約133円

※上表は正規化の手順を示すための計算例であり、実在する商品の価格ではありません。

この形にすると「自社の定期2回目以降(150円)は競合の単品(180円)より安いが、セット買い(133円)より高い」という構造が初めて見えます。定期の縛りを外したい層はセット購入に流れるため、継続率が伸びない原因がここにあるケースは珍しくありません。

Nint ECommerce 価格帯×メーカーシェア画面(主要ECモール)
Nint ECommerce ジャンル価格分布の画面イメージ(数値はNint ECommerceの推計値・2026年4月時点/店舗名・商品名は加工)

観点3:セット販売・まとめ買いの構成を読む

モールの「3袋セット」「6ヶ月分まとめ買い」は、自社LPの「定期◯回継続」の代替装置です。どちらも一定期間分をまとめて確保させるという同じ目的を別の手段で実現しています。セット構成を読むことは、競合のリピート設計を読むことと同義です。

  • 単品とセットの売上比率:セット比率が高いカテゴリは「まとめ買いするもの」という認識が定着しています。単品だけで参入すると価格勝負に巻き込まれます。
  • 束ね方の刻み:3袋か6袋か12袋か。刻みは商材の消費サイクルと、業界が想定する継続期間を反映します。
  • セット時の割引率:単品比で何%引きにしているか。ここが自社の定期割引率と大きく乖離していないかを確認します。

観点4:レビューの件数と増加速度を見る

反復購入商材では、評価点よりも「件数が増えるスピード」のほうが情報量があります。評価点は差がつきにくい一方、増加ペースは新規獲得と再購入がどれだけ回っているかを反映するためです。

実務では、競合の主力商品について週次でレビュー件数を記録し、差分を折れ線で持つだけで十分です。急に増えた週があれば広告投下やイベント参加などの仕掛けがあった可能性が高く、価格や露出の履歴と突き合わせると内容を推測できます。

ただしあくまで代理指標です。レビューを書くのは購入者の一部で、レビュー依頼施策の有無でも件数は変わります。単独で結論を出さず、売上推計や価格の動きと合わせて読んでください。

新規参入ブランドを早期に検知する

単品通販は1商品への依存度が高く、同じ悩みに向けた新商品の影響を直接受けます。総合通販なら1SKUの不振を他で吸収できますが、単品通販ではできません。だから新規参入の検知は「気づいたときにやる」のではなく、定点観測として仕組みに組み込みます。

  • 週次:カテゴリ内の急伸商品・新着商品を確認する。直近数日で伸びた商品を拾えれば、参入から数週間で気づけます。
  • 月次:カテゴリ上位30〜50位のスナップショットを保存する。順位そのものより、先月いなかったブランドが入ってきていないかを見ます。
  • 随時:主要競合の価格変動を通知で受け取る。値下げは新規参入への防衛反応であることが多く、間接的なシグナルになります。

この3つは、いずれも「先月・先週と比べて何が変わったか」を見る作業です。単発の調査ではなく差分を追う設計にしておくことが、早期検知の条件になります。モールごとの具体的な進め方は、Amazon競合分析のやり方|競合ASIN・セラーの売上を把握する4ステップで商品単位の識別コードを起点に解説しています。

手作業でどこまでやれるか、どこで限界が来るか

一度きりの調査なら、モール画面を見て表計算ソフトにまとめる手作業で十分です。問題は、継続的な定点観測に切り替えた瞬間に3つの限界が同時に来ることです。

  • 工数:ランキング画面から商品名・価格・順位を転記する作業は1回あたり数時間かかります。毎週続けると月10数時間規模になり、担当者の可処分時間を静かに削ります。
  • 再現性:目視カウントからの手計算は集計ルールが担当者ごとに変わり、担当が代わった瞬間に過去データとの比較ができなくなります。
  • 履歴:「1ヶ月前、この競合はいくらだったか」は、その時点で記録していなければ後から取得できません。
手段向いている場面限界
モール画面の目視+表計算ソフト単発の調査。対象が5〜10商品程度工数が積み上がる/集計が属人化する/履歴が残らない
モールが提供する分析機能自社が出店しているモール内での自社データ把握自社出店分が中心で、他社や未出店モールは見えない
モール横断の分析ツール継続的な定点観測、複数モールの比較、競合との相対評価費用がかかる/運用として定着させる必要がある

表計算ソフトが不要になるわけではありません。定型的な収集はツールに任せ、仮説に沿った加工は表計算ソフトで行う棲み分けが現実的です。楽天市場を対象にした分析の組み立て方は楽天市場の売上分析方法|データ活用・RPP・転換率改善の実践ガイドにまとめています。

まず1カテゴリだけ試すなら、月額9,800円(税抜)のNint EC Lite に、アカウント登録のみで始められる無料トライアルがあります(無料トライアルの登録上限は10アイテム)。3モール横断で商品を登録し、競合の動きを追うところから試せます。

分析結果を意思決定につなげる

市場層の分析は、次の3つの意思決定に接続して初めて意味を持ちます。接続先が決まっていない分析は、きれいなレポートで終わります。

  • 商品開発:売れている価格帯・内容量・訴求の傾向から、次に出す商品の仕様を決める
  • 価格・セット設計:1日あたり単価で見た自社の立ち位置から、定期価格とセット構成を組み直す
  • 広告・チャネル:需要の季節変動に合わせて投下時期を決める。モール出店の是非を判断する

メーカーがモール展開を検討する場合は、「市場動向調査 → 競合・営業先の特定 → 流通内の把握 → 戦略策定」の4ステップの順序が有効です。参入余地を数字で押さえ、どのショップ・どの価格帯で戦うかを決め、最後に施策へ落とす。この順番を飛ばして出店すると、価格統制が崩れてから気づくことになります。

食品・飲料メーカーの事例では、導入前は1カテゴリの市場分析に相応の工数がかかっていたと語られています。導入後の変化については、次のように述べられています。

市場分析にかかる時間は、実質「10秒」です。ボタンを押すだけで、競合の売上推移や売れ筋の傾向がすぐに可視化されます

食品・飲料メーカー 代表取締役

経験や勘が間違っているということではなく、それを裏付けるデータがあるかどうかが重要だということです

食品・飲料メーカー 代表取締役

※特定のお客様の事例であり、効果や導入後の変化には個別差があります。

単品通販は担当者の経験と生活者理解が強く効く事業です。この事例が示すのは、経験を否定するのではなく裏付けを持たせることで社内や取引先への提案が通りやすくなるという順序です。この食品・飲料メーカーの進め方を事例で読む(5分)

自社LPとモール出店はカニバるのか

一概には言えず、次の3つの条件で判断が分かれます。「カニバるからやらない」「他社もやるからやる」はどちらも粗すぎます。

  • 顧客層の重なり:自社LPは広告接触で獲得する層、モールは能動的に検索する層で、重なりが小さいケースがあります。
  • 価格統制:モールでの実売価格が自社LPの定期価格を下回ると、既存の定期顧客の解約理由になります。1日あたり単価で整合させられるかが分岐点です。
  • 定期の受け皿:モールで初回購入した顧客を自社の定期に引き上げる導線を用意できるか。難しければ単発売上のチャネルと割り切って採算を組みます。

単品通販の競合分析に関するよくある質問

単品通販の分析では何を見ればいいですか?

自社の顧客データを扱うCRM層(LTV・F2転換率・継続率)と、市場と競合を扱う市場層(市場規模・競合の売上規模・価格帯構成・新規参入)の2層に分けて見ます。多くの企業はCRM層を回せている一方、市場層は自社データに含まれないため空白になりがちです。

自社LPだけで販売していてもECモールのデータは役に立ちますか?

役に立ちます。モールにはカテゴリの需要が広告と無関係に集まるため、需要の絶対量と季節性を見るのに適しています。競合の多くは自社LPとモールを併用しており、モール側の価格・セット構成は戦略を読む手がかりになります。新規参入の早期検知の場としても機能します。

単品通販の競合の売上はどうやって調べられますか?

ECモールの公開情報をもとにした売上の推計データを使う方法があります。カテゴリ内での相対的な位置や、上位ブランドで占められている割合の把握に向いています。ただし推計値であり決算数値ではありません。モールをまたいだ規模比較や順位づけは出店構造が異なるため行わず、単一モール内にとどめます。

サプリメントや化粧品の市場規模はどこで確認できますか?

市場全体の規模感は、経済産業省「電子商取引に関する市場調査」(令和6年度調査・2025年8月公表)などの公的統計が起点になります。ただし年次かつ大分類の粒度のため「自社カテゴリで、いま誰がどう売っているか」までは分かりません。その解像度が必要なら、ECモールのジャンル単位の販売データを併用します。

定期購入の価格とモールの単発価格はどう比較すればいいですか?

すべてを「1日あたり単価」に揃えてから比較します。自社LPの定期は初回と2回目以降で価格が変わり、モールでは単品・3袋セット・定期便が並存するため、表示価格のままでは比較になりません。価格を内容量(日数分)で割ると、自社の定期価格が競合のセット購入より高いか安いかを初めて判定できます。

競合の新商品はどうやって早く気づけますか?

定点観測を仕組みにするのが有効です。週次で急伸商品・新着商品を確認し、月次でカテゴリ上位30〜50位のスナップショットを保存して「先月いなかったブランド」を探します。主要競合の価格変動を通知で受け取ると、値下げという防衛反応から間接的にも察知できます。

Excelやスプレッドシートでの競合調査では何が足りませんか?

単発の調査なら十分ですが、継続的な定点観測にすると3つの限界が来ます。転記工数が毎月積み上がること、目視カウントによる推定は集計ルールが担当者ごとに変わり再現性を欠くこと、記録していなかった過去の価格やセット構成は後から取得できないことです。定型的な収集はツール化し、仮説に沿った加工を表計算ソフトで行う棲み分けが現実的です。

単品通販の競合分析を、どこまでツールに任せるか迷っていませんか

対象カテゴリ数やモールの範囲によって、必要な機能は変わります。使いたい範囲を伝えるだけで、自社に合った条件を確認できます(オンライン・所要30分)。

利用規模に合わせた費用を相談する

まとめ:今日から着手できる3ステップ

単品通販・リピート通販の分析は、CRM層と市場層の2層で構成されます。CRM層は各社が回している一方、市場層は自社データに含まれないため空白になりやすい——ここを埋めるのが本記事の主題でした。

  1. 自社商材が属するモール上のジャンルを特定し、規模と推移を1回だけ確認する。「そもそも市場が伸びているのか」の前提が揃います。
  2. 競合3〜5ブランドの価格を、1日あたり単価に揃えた表にする。自社の定期価格が競合のセット購入と比べてどの位置かを可視化します。
  3. 週次でレビュー件数と新着商品を記録する運用を始める。最初は手作業で構いません。続かないと分かった時点でツール化を検討します。

CRM分析をやめる必要はありません。その外側に1枚レイヤーを足すだけで、価格設計と商品開発の議論の前提が変わります。

Nint ECommerce|自社カテゴリの市場規模と競合構成をデータで確認する

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この記事を書いた人

山本真大 / 株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト

note:https://note.com/nint_ecommerce

株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は100以上となり、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。

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