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カテゴリ分析とは?EC市場での自社ポジション把握の手順【2026年版】

#市場規模 #ECモール運営ノウハウ #データ分析手法 #ECデータ #フレームワーク
カテゴリ分析とは?

カテゴリ分析とは、特定の商品カテゴリ(市場)全体の規模・トレンド・競合構成を把握し、その中で自社がどの位置(シェア・価格帯・成長率)にあるかを定量的に明らかにする分析である。「なんとなく売れている」「たぶん競合に取られている」といった感覚的な議論を、数字に基づく意思決定へ変えるための土台になる。

本記事は、EC事業責任者・マーケティング責任者・商品企画・MD・営業企画の方が、自社が今どのカテゴリで何位・どの価格帯・どのくらいのシェアにいるのかを「数字」で把握するための実行手順をまとめたものです。市場規模 → 競合シェア → 自社ポジション → 施策という意思決定の流れに沿って、何を・どの順に見ればよいかを具体的に解説します。なお、競合「企業」を個別にマークする方法を含む全体像は、EC競合分析の全体像(5階層フレームワーク)はこちらで扱っています。本記事はその大きな枠組みの中で、カテゴリ単位の自社ポジション把握に焦点を当てた下位ユースケースに位置づけられます。

この記事の要点(先に結論)

  • カテゴリ分析とは、市場規模・トレンド・競合構成・価格分布の中で自社の座標を定量化する分析
  • 把握の順番は「①市場規模 → ②市場情勢 → ③競合メーカー → ④人気商品 → ⑤価格分布」の5階層
  • 到達点は「市場規模 × 推定シェア」で自社の取り分(シェア)の増減を語れる状態をつくること
  • 複数モールで戦うなら、自社ポジションは合算でなくモールごとに別々に把握する
  • 競合の売上は非公開のため、推計値である前提で傾向・構成比・推移を読む

最終更新: 2026年6月28日

カテゴリ分析とは:定義と重要性

カテゴリ分析とは、自社が扱う商品が属するカテゴリ(市場)全体を一つの単位として捉え、その規模・成長率・競合構成・価格帯分布を把握したうえで、自社がその市場の中でどの位置にいるかを定量化する分析です。個々の競合企業を追う「競合分析」が点であるのに対し、カテゴリ分析は市場という面を俯瞰し、その面の中での自社の座標を確かめる作業だと考えると整理しやすくなります。

なぜこれが重要かというと、自社の売上が伸びた・落ちたという事実は、市場全体の動きと重ねて初めて意味を持つからです。市場が前年より拡大している中で自社が横ばいなら、それは実質的なシェア低下を意味します。逆に市場が縮小する中で売上を維持できていれば、相対的にはポジションが上がっています。カテゴリ分析は、こうした「市場の中の自社」という相対的な視点を数字で持つための分析であり、参入・撤退、価格戦略、商品企画、競合の優先順位づけといった経営判断の出発点になります。

なぜ今カテゴリ分析が重要なのか:思い込みを疑う

カテゴリ分析が重要なのは、長年の経験で培った「自社のポジションはこうだ」という感覚が、実データと食い違っていることが少なくないからです。担当者の肌感覚は貴重な資産ですが、それを裏付ける数字がないまま施策を打つと、伸びている市場を見逃したり、すでに縮小している価格帯に資源を投じたりするリスクがあります。

たとえばある家電メーカーでは、充電器カテゴリについて「オンラインでは低単価帯が売れる」という先入観を持っていました。ところが実際のカテゴリデータを見ると、想定していた価格帯ではなく、想定より高単価のハイスペック品に大きな市場があることが分かったといいます。同社の担当者は次のように振り返っています。

「『オンラインは低単価が売れる』という先入観とは逆に、単価が2倍する商品の大きな市場があったのです。これにより、次に取るべき手段が明確になりました」

家電メーカー 通販営業担当

このように、カテゴリ分析の第一の価値は「思い込みを疑い、市場の実像をデータで確かめる」ことにあります。この発見につながった事例を見ると、データで先入観を覆すプロセスがより具体的に分かります。

カテゴリポジション把握の5階層フレームワーク

カテゴリ内の自社ポジションは、「①市場規模 → ②市場情勢 → ③競合メーカー → ④人気商品 → ⑤価格分布」という5つの階層を順に見ていくことで、抜け漏れなく定量化できます。上から見ていくことで「市場はどれだけ大きく、どう動いていて、誰が強く、何が売れ、どの価格帯に売上が集まっているか」が段階的に明らかになり、最終的に自社の座標が浮かび上がる構成です。Nint ECommerceの業種分析では、この5階層を一つのツール内で横断的に確認できます。各階層で何が見え、何を判断できるかを整理すると次のとおりです。

階層見られるもの分かる判断
①市場規模カテゴリ全体の推計流通額、上位メーカーのシェア構成参入余地はあるか、自社が狙える母数はどれだけか
②市場情勢前年比成長率、季節変動、月次トレンド伸びる市場か、仕掛けるべき時期はいつか
③競合メーカー上位メーカーのシェアと流通額、前年同月比誰を競合として優先的にマークすべきか
④人気商品カテゴリ内で売れている商品の売上シェア・販売量売れ筋の型(価格・スペック)は何か、自社品との差は
⑤価格分布価格帯ごとの売上ボリュームとメーカーシェア自社の価格帯に市場はあるか、移すべきか

この5階層は、座学的なフレームワーク(3CやSTPなど)が答えてくれない「では具体的に何を・どの順に見れば自社ポジションが数字になるのか」という実行レイヤーを埋めるものです。業種分析で市場規模・推定シェア・価格分布を一気に把握する(Nint ECommerce)と、5階層を分断せず一つの流れで追えます。以下、各階層を「操作の流れ」に沿って見ていきます。

①市場規模:カテゴリ全体の流通額を把握する

手順: ①ジャンル規模で指定期間の独自アルゴリズムによる推計流通額(推計値)を確認 → ②上位メーカーのシェアを合計し「その他%」を算出 → ③寡占度から参入余地を判断。

市場規模の把握は、自社が戦う市場の母数と参入余地を知る起点です。まず対象カテゴリのジャンル規模で指定期間の推計流通額(Nintによる推計値)を確認し、市場全体がいくらの市場なのかを掴みます。次に上位メーカーのシェアを合計し、それを100%から差し引いた「その他%」を見ます。この「その他%」が大きいほど、特定の強者に寡占されておらず、新規にシェアを取り合える余地が残っている市場だと読み取れます。逆に上位数社で大半を占める市場なら、参入には相応の差別化が必要だと判断できます。

Nint ECommerce ジャンル規模画面(楽天)
Nint ECommerce ジャンル規模(※データは架空値)

②市場情勢:トレンドと前年比から成長可能性を読む

手順: ①ジャンル情勢で月次の流通トレンド(推計値)を確認 → ②前年同月比で成長/縮小を判定 → ③山と谷からピーク月・閑散期を読み、仕掛ける月を1つ決める。

市場情勢は、その市場が「これから伸びるのか・縮むのか」を判断する階層です。ジャンル情勢で月次の流通トレンドを波線グラフで確認し、前年同月比を当てて成長市場か縮小市場かを見極めます。あわせてグラフの山と谷から、ピーク月(最も売れる月)・閑散期・立ち上がり月を読み取り、来季に「仕掛ける月」を一つ決めます。市場全体の伸びを把握しておくことは、後で自社の売上が伸びた・落ちたを正しく評価するための基準にもなります。市場が拡大しているのに自社が横ばいなら、それは相対的なシェア低下だからです。

③競合メーカー分析:上位メーカーのシェアと流通額

手順: ①上位20メーカーの月次流通額推移(推計値)とYoYを一覧で確認 → ②失速組(80%前後)と急伸組(160%前後)を見分ける → ③次にマークすべき競合を1社に絞る。

競合メーカー分析は、カテゴリの競争構造を把握し、限られた監視リソースを誰に向けるかを決める階層です。上位メーカーのシェア構成と前年同月比を並べて見るのが基本動作になります。具体的には、上位20メーカーの月次流通額推移とYoY(前年同月比)を一覧で確認し、80%前後で失速している組と、160%前後で急伸している組を見分けます。急伸している組は次に自社のシェアを脅かす可能性が高く、失速している組はシェアを奪える機会かもしれません。こうして「次にマークすべき競合」を1社に絞り込むことで、漠然と全社を追う非効率を避けられます。

Nint ECommerce TOP20メーカー月次流通額推移画面(楽天)
Nint ECommerce TOP20メーカー月次推移(※データは架空値)

ここで重要なのは、競合の「売上」は公開されていないという前提です。モールのランキング画面やレビュー数は目安にはなりますが、各メーカーが実際にいくら売っているかは見えません。そのため競合メーカーのシェアや流通額は、推計売上(Nintによる推計値)として把握することになります。あくまで傾向と構成比を読むためのデータであり、特定メーカーの実数を断定するものではない点を踏まえて活用します。

④人気商品:カテゴリ内で誰の何が売れているか

手順: ①人気商品の売上シェアと販売量(推計値)を確認 → ②上位に共通する価格・型(容量・サイズ・スペック)を1つ抜き出す → ③自社品との差を確認し、売れ筋の型に乗れているか判断。

人気商品の階層では、カテゴリ内で実際に売れている商品の顔ぶれから「売れ筋の型」を言語化します。人気商品の売上シェアと販売量を見て、上位に並ぶ商品に共通する価格・型(容量・サイズ・スペックなど)の特徴を一つ抜き出します。たとえば「上位は大容量タイプに偏っている」「特定スペックの商品が集中している」といった共通項が見えたら、それが今この市場で支持されているスペックの仮説になります。そのうえで自社品との差を確認し、売れ筋の型に自社が乗れているか、外れているかを判断します。

⑤価格分布:自社の価格帯に市場があるか

手順: ①ジャンル価格分布で価格帯ごとの売上ボリューム(推計値)を確認 → ②自社の主力価格帯に売上が集まっているか照合 → ③厚い帯に商品を投入・移行すべきか検討。

価格分布は、自社が戦っている価格帯に十分な市場があるかを確かめる階層です。ジャンル価格分布で価格帯ごとの売上ボリュームを確認し、自社が主力としている価格帯に売上が集まっているかを見ます。もしボリュームの厚い価格帯に自社の商品がいなければ、その帯に商品を投入・移行すべきかを検討する材料になります。逆に、薄い価格帯で消耗している場合は、戦う場所そのものを見直す判断にもつながります。価格分布は値付け戦略の裏付けとして、最も実務に直結する階層の一つです。

Nint ECommerce 価格帯×メーカーシェア画面(楽天)
Nint ECommerce ジャンル価格分布(※データは架空値)

価格帯ごとの「売れる価格」を一段深く調べる手順は、価格に特化した記事で詳しく扱う予定です(公開後に本記事からも案内します)。本記事ではまず、5階層の一つとして価格分布を自社ポジションの構成要素に組み込むことを押さえておきます。

自社シェアの定量把握:推定シェアの活用

自社シェアの定量把握とは、市場規模と自社の推計売上から「自社が今カテゴリ全体の何%・おおよそ何位にいるか」を数字で捉え、その変化を毎月追っていくことです。5階層で市場の構造を理解したうえで、最後に自社の座標をこの「推定シェア」という形で確定させる——ここが本記事の核になります。多くの企業は「売上が伸びた/落ちた」までは把握していても、「市場全体の中で自分の取り分がどう動いたか」までは説明できません。カテゴリ分析の到達点は、まさにこの自社の取り分(シェア)の増減を語れる状態をつくることにあります。

具体的な見方はこうです。ジャンル情勢で自社と競合のシェア推移、そして売上指数の先月比を並置します。そのうえで、自社シェアが伸びた月に「競合も一緒に伸びているのか(=市場全体が拡大しただけ)」、それとも「競合のシェアを実際に奪えているのか(=相対的に勝っている)」を毎月判定します。この区別ができると、自社の成長が市場の追い風によるものか、競争で勝ち取ったものかが切り分けられ、次の四半期に「どこのシェアを取りにいくか」という目標を具体的に立てられます。

Nint ECommerce 推定シェア定点観測ビュー(楽天)
Nint ECommerce シェア・売上指数先月比(※データは架空値)

「誰のシェアを奪ったか」を厳密に特定の競合名で断定する必要はありません。重要なのは、自社視点で「シェアが動いた=ポジションが変わった」という事実を客観的に捉え、その背景を仮説として持てることです。前述の家電メーカーの事例でも、データで市場の実像を把握したことで自社の構成比が動き、ポジションが変化していきました。感覚ではなく数字でポジションの変化を追えるようになると、施策の打ち手に根拠と一貫性が生まれます。なお、ここで扱うシェアはいずれも独自アルゴリズムによる推計値であり、絶対値の精度よりも「動きと方向」を読むためのものだと位置づけて活用します。

推定シェアで自社ポジションを定量化するポイント

  • 市場規模 × 推定シェアで「自社がカテゴリの何%・おおよそ何位か」を把握する
  • 自社と競合のシェア推移・売上指数先月比を並置し、毎月の変化を追う
  • 自社が伸びたとき「市場全体が伸びたのか/競合のシェアを奪えたのか」を切り分ける
  • 推計値である前提で、絶対値より「動きと方向」を読む

カテゴリ内での自社ポジションを、推計データで定量把握。

市場規模・競合メーカーのシェア・価格分布・推定シェアまで、Nint ECommerceで自社の座標を確かめる。

Nint ECommerceで確かめる

カテゴリ分析を意思決定に落とす4つの観点

カテゴリ分析は、5階層で得た数字を次の4つの観点に当てはめることで、具体的な経営判断へ落とし込めます。分析そのものが目的化しないよう、最後は必ず「何を決めるための数字か」に紐づけて使います。

  1. 参入・撤退の判断:市場規模と成長率(①②)から、その市場に資源を投じる価値があるか、撤退すべきかを決める。
  2. 競合の優先順位づけ:上位メーカーのシェアと前年同月比(③)から、限られた監視・対抗リソースを誰に向けるかを決める。
  3. 価格戦略:価格帯別の売上ボリューム(⑤)から、どの価格帯で戦うか、値付けをどう調整するかを決める。
  4. 商品企画:売れ筋の型(④)から、次に企画・改良すべき商品のスペックや方向性を決める。

この4観点に共通するのは、「数字で裏付けられた判断は、現場に迷いと水掛け論を減らす」という効果です。あるレディースシューズメーカーのEC事業責任者は、勝てる領域の見極めについて次のように語っています。

「数字で裏付けられた判断は、現場に安心感をもたらします。勝てる場所を見極め、そこに資源を集中させることは、多くのEC担当者が直面する共通の課題です」

レディースシューズメーカー EC事業責任者

カテゴリ分析は、この「勝てる場所の見極め」を感覚ではなく数字で行うための手段だと言えます。

なぜモールごとに自社ポジションを”個別に”見る必要があるのか

複数モールで販売している場合、自社ポジションは「モールごとに別々に」把握する必要があります。理由は、楽天・Amazon・Yahoo!ショッピングでは競争環境も、買い手の動き方も、勝ち筋も異なるためです。あるモールで上位を取れている商品が別のモールでは埋もれている、ということは珍しくありません。3モールを合算した平均値だけを見ていると、各モールでの本当の立ち位置が平らに均されて見えなくなり、「どのモールに次の一手を投じるべきか」という優先順位がつけられなくなります。

ここで重要なのは、これは「どのモールが大きい・強い」というモール同士の比較ではないという点です。狙いはあくまで、各モールの内側で自社が今どの位置にいるかを個別に把握し、それぞれのモールに合った打ち手を選ぶことにあります。ある工具・洗浄機メーカーは、3モールでの自社シェアが分からなかった状態から、各モール別にポテンシャルを把握して優先順位をつけられるようになったといいます。

「楽天・Yahoo・Amazonの各モールで状況や勝ち方も違うので、Nintのようなデータをしっかり把握および活用した上で適切な打ち手を考えるということはすごく重要だなと思います」

工具・洗浄機メーカー 営業責任者

同社の担当者は、売上の結果が商品単位で見えるようになったことで「打つべき手がはっきりし、意思決定のスピードが向上した」とも述べています。各モールを別々に見て成果を出した事例を見ると、モール個別の把握がどう成果につながったかが分かります。

各モール内での具体的な見方は、モールごとの専門記事で扱っています。下表のように、モールによって見るべき指標や勝ち方の違いがあるため、それぞれの手順を参照してください。

モールそのモール内で見るべき指標勝ち方の違い
楽天市場ショップ単位の売上構成、ジャンル内ランキング、性別セグメントなどショップ運営力やイベント商戦の活用が効きやすい
AmazonASIN(商品)単位のシェア、検索面での露出商品単位の最適化とレビュー・在庫設計が効きやすい
Yahoo!ショッピングジャンル内の売れ筋とショップ別の立ち位置ポイント施策と価格設計の比重が相対的に大きい

楽天での具体的な進め方は楽天でのカテゴリポジション把握の具体手順(4ステップ)で、AmazonについてはAmazonでのカテゴリ分析(ASIN単位)で詳しく解説しています。

見えない部分をデータで補う:推計売上の必要性

カテゴリ分析で最大の壁になるのは、競合の売上が公開されていないことです。自社の数字はRMSやセラーセントラル、GA4などで把握できますが、競合メーカーや競合ショップが実際にいくら売っているかは、目視できるランキングやレビュー数からは正確には分かりません。この「見えない部分」を埋めるのが推計売上データの役割です。モール上で観測できるデータをもとに独自アルゴリズムで推計した売上を使うことで、競合シェアや市場規模を数字として扱えるようになります。

従来、こうした把握は手作業で行われてきました。ランキング画面を目視で書き写し、Excelに転記し、価格や販売数を手集計する——しかしこの方法はコスト・時間・精度のいずれにも限界があります。競合ショップを特定するためにランキング画面を目視していた作業は条件指定での自動抽出に、検索と手集計で行っていた仕入れ候補のスクリーニングは条件一括抽出に置き換えられます。公開されない競合売上を推計データで補う方法を見ると、手作業で追えなかった範囲がどこまで定量化できるかが分かります。

ここで誤解しないでおきたいのは、Excelが不要になるわけではないということです。定型的な集計やモニタリングはツールに任せ、自社固有の視点での個別加工や最終的な意思決定資料づくりはExcelで行う、という棲み分けが現実的です。手作業の限界を補うのがツールの役割であり、両者は対立するものではありません。なお、推計売上はあくまで推計値であるため、絶対額を断定するのではなく、傾向・構成比・推移を読むために使うのが適切な活用方法です。

よくある質問(FAQ)

カテゴリ分析と競合分析は何が違う?

カテゴリ分析は市場全体の構造(規模・トレンド・競合構成・価格分布)を俯瞰し、その中での自社の位置を定量化する分析です。一方、競合分析は特定の企業を絞り込んでマークし、その売上・施策・ランキングを追う分析です。カテゴリ分析が「面(市場)の中の自社の座標」を見るのに対し、競合分析は「点(特定企業)」を深掘りする点で目的が異なります。実務では、カテゴリ分析で市場の全体像を把握してから、マークすべき競合を絞り込んで競合分析へ進むのが自然な流れです。競合企業を追う具体的な手順はEC競合分析の全体像(5階層フレームワーク)はこちらを参照してください。

カテゴリ分析はどのくらいの頻度で行うべき?

月次での定点観測が標準的な目安です。市場規模・競合シェア・価格分布は月単位で動くため、月に一度、自社シェアの増減と市場全体の動きを突き合わせることで、変化の兆しを早く捉えられます。加えて、大型セールや商戦期の前後は随時確認するのが望ましいです。需要が集中する時期は競争環境も価格も大きく変動するため、平常時より細かい粒度でポジションを確認しておくと、仕掛けと手仕舞いのタイミングを外しにくくなります。

楽天とAmazonでカテゴリ分析の進め方は違う?

骨格は共通ですが、自社ポジションはモールごとに別々に把握するのが基本です。進め方の骨格(市場規模 → 競合 → 自社ポジション)はどのモールでも変わりませんが、各モールは競争環境も勝ち筋も異なります。楽天はショップ単位の運営力やイベント商戦の比重が大きく、Amazonは商品(ASIN)単位の最適化が効きやすいといった違いがあります。なお、モール同士の規模や売上を並べて優劣を比較するのではなく、あくまで各モール内での自社の位置を個別に見ることが目的です。具体的な手順は楽天でのカテゴリポジション把握の具体手順(4ステップ)Amazonでのカテゴリ分析(ASIN単位)を参照してください。

自社サイト(自社EC)のカテゴリも同じように分析できる?

データの種類で役割を分けて考えると整理できます。自社サイト内のカテゴリ別の売れ行きや回遊は、GA4などの自社アクセスデータで正確に把握できます。一方、モール市場全体での自社の位置(競合を含めたシェアや価格帯競争)は自社データだけでは見えないため、推計データで補います。自社サイトの分析は「自分の店の中で何が売れているか」、モール市場のカテゴリ分析は「市場の中で自分がどの位置にいるか」と、見る対象が異なる別の作業として併用するのが効果的です。

カテゴリ分析に推計データを使って意思決定して大丈夫?

はい、推計値である旨を理解したうえで、傾向・構成比・推移の把握に使うのであれば十分に意思決定に活用できます。カテゴリ分析で必要なのは「市場が伸びているか」「自社のシェアが上がったか下がったか」「どの価格帯に売上が集まっているか」といった方向性であり、これらは推計データで十分に読み取れます。前述の家電メーカーの担当者も、推計データについて「カテゴリーの伸長率やトレンドの傾向を把握するには十分」と述べています。1円単位の絶対額を断定する用途には向きませんが、ポジションの相対的な変化を追う用途には適しています。

カテゴリ分析に使えるツールはどう選べばよい?

ツールを選ぶ際は、対応モールの範囲・分析の粒度(カテゴリ/メーカー/商品)・価格帯別の分析可否・データの更新頻度などの軸で比較するのが基本です。本記事はカテゴリ分析の方法論に絞っているため、ツール選定の具体的な軸についてはカテゴリ分析に使えるツールの選び方(6軸)で詳しく解説しています。あわせて、Nint ECommerceの機能の詳細はNint ECommerce の機能詳細(業種分析・市場規模・推定シェア)を参照してください。

まとめ:市場 → 自社ポジション → 施策の順で見る

カテゴリ分析は、「①市場規模 → ②市場情勢 → ③競合メーカー → ④人気商品 → ⑤価格分布」の5階層で市場を俯瞰し、市場規模 × 推定シェアで自社の座標を定量化したうえで、参入・撤退/競合の優先順位/価格戦略/商品企画の4観点に落とし込む、という流れで進めます。そして複数モールで戦うなら、自社ポジションはモールごとに別々に把握する——この順序を守ることで、感覚ではなく数字で「次に何をするか」を決められるようになります。

感覚や経験は引き続き重要な資産ですが、それを裏付ける数字があるかどうかで意思決定の確度は大きく変わります。ある寝具・家具メーカーのECチーム責任者は、その価値を次のように表現しています。

「データがあるからこそ、迷わず決められる」

寝具・家具メーカー ECチーム責任者

市場 → 自社ポジション → 施策。この順で見る習慣をつけることが、カテゴリ分析を成果につなげる第一歩です。

市場 → 自社ポジション → 施策。カテゴリ分析をNint ECommerceで始める

Nint ECommerceの業種分析なら、市場規模・市場情勢・競合メーカーのシェア・人気商品・価格分布の5階層から、推定シェアによる自社ポジションの定量把握までを一つのツールで行えます。2,300社以上のEC事業者・メーカーに活用されています。

活用例

  • カテゴリの市場規模と「その他%」から参入余地を判断する
  • 上位メーカーのシェアと前年同月比からマークすべき競合を絞る
  • 推定シェアで自社の取り分の増減を毎月定点観測する

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この記事を書いた人

山本真大 / 株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト

note:https://note.com/nint_ecommerce

株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は20を超え、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。

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