インテリア小物・置物市場レポート|ゴミ箱が48.9%
本記事は、ゴミ箱・小物入れ・置物・傘立てといったインテリア小物をECで販売する事業者・メーカーの方に向けた市場レポートです。主要ECモールにおける2026年5〜7月のインテリア小物・置物市場の推定売上は約30.09億円(前年同期比+3.9%)、推定販売数は約81.7万点(同▲7.3%)、平均単価は約3,682円(同+12.1%)でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。売れた点数は減っているのに売上は伸びる——その差を埋めているのが単価の上昇です。何が売れて何が減ったのかを読み解きます。
本レポートのサマリー
- 市場規模: 約30.09億円(前年同期比 +3.9%)
- 販売数量: 約81.7万点(前年同期比 ▲7.3%)
- 平均単価: 約3,682円(前年同期比 +12.1%)
- 主要サブカテゴリ: ゴミ箱(48.9%)/小物入れ(21.6%)/置物(7.9%)
- キートレンド: 「使う道具」(ゴミ箱+5.5%・小物入れ+9.2%)が伸び、「飾るもの」(置物▲6.6%・傘立て▲7.3%)が減少

インテリア小物・置物のEC市場規模と推移
2026年5〜7月のインテリア小物・置物のEC市場規模は約30.09億円、前年同期比+3.9%でした。推定販売数は約81.7万点で▲7.3%と前年を下回った一方、平均単価は約3,682円で+12.1%まで上がっています。この市場の成長は、買う点数が増えたのではなく、1点あたりに支払われる金額が上がったことで生まれています。住空間まわりの支出全体の流れはリビング・収納家具のEC市場規模レポートで扱っており、本記事はそのなかで小物・置物にあたる領域を掘り下げます。
| 指標 | 2026年5〜7月 | 前年同期 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 推定売上 | 約30.09億円 | 約28.95億円 | +3.9% |
| 推定販売数 | 約81.7万点 | 約88.1万点 | ▲7.3% |
| 平均単価 | 約3,682円 | 約3,286円 | +12.1% |
数量が1割近く減りながら売上が伸びている以上、点数を追う売り方はこの市場では成立しにくくなっています。同じ商品を同じ値段で並べ続ければ、数量の減少がそのまま売上の減少に直結します。材質・容量・デザインを1段上げた商品を用意できた事業者が、この12.1%の単価上昇分を受け取っている構図です。
サブカテゴリ別の構成と勝ち負け
売上の柱はゴミ箱で、構成比48.9%と市場のほぼ半分を占めます。平均単価は6,007円とカテゴリ平均の1.6倍で、金額を押し上げる存在です。2番手の小物入れは21.6%・平均2,366円で、この2つで市場の7割に達します。ゴミ箱そのものの中身はゴミ箱のEC市場規模レポートで単独の市場として扱っているため、本記事では残る半分——小物入れ・置物・傘立ての側に軸を置きます。
| サブカテゴリ | 構成比 | 前年同期比 | 平均単価 |
|---|---|---|---|
| ゴミ箱 | 48.9% | +5.5% | 6,007円 |
| 小物入れ | 21.6% | +9.2% | 2,366円 |
| 置物 | 7.9% | ▲6.6% | 2,908円 |
| その他 | 5.7% | +14.1% | 3,047円 |
| 傘立て | 5.1% | ▲7.3% | 4,121円 |
並べてみると、伸び方に一本の線が引けます。伸びているのはゴミ箱(+5.5%)と小物入れ(+9.2%)、つまり毎日の片づけに「使う道具」です。減っているのは置物(▲6.6%)と傘立て(▲7.3%)、すなわち空間を「飾るもの」と、使用場面が玄関に限られるものでした。なかでも小物入れ+9.2%は市場全体の+3.9%を上回り、伸び率では最大の柱です。単価2,366円と手に取りやすく、収納の細分化が進んでいる様子がうかがえます。装飾側の需要の行き先は鏡市場レポートのような「飾りながら使える」商材とあわせて見ると輪郭がはっきりします。
価格帯別の販売構成と購買行動
この市場は、金額で見た主役と数量で見た主役が入れ替わる二層構造になっています。平均単価(約3,682円)を基準に低・中・高の3価格帯で売上構成比を見ると、中価格帯51.0%・高価格帯39.6%で、この2帯だけで金額の9割を占めます。ところが数量シェアでは低価格帯が36.8%を占め、高価格帯は11.3%にとどまります。売上を作る帯と購入件数を作る帯が、別々に存在しているということです(Nint ECommerce調べ・推計値)。
| 価格帯 | 売上構成比 |
|---|---|
| 低価格帯 | 9.4% |
| 中価格帯 | 51.0% |
| 高価格帯 | 39.6% |
低価格帯: 小さな収納の買い足し
低価格帯は、引き出しや洗面まわりを仕切る小物入れ、卓上サイズの収納などが中心です。売上構成比は9.4%と小さいのに、数量シェアでは36.8%を占めます。1点だけを選ぶというより、サイズや色をそろえて複数まとめて買う使われ方が多く、同一シリーズの展開幅がそのまま購入点数に直結します。金額は小さくても購入の入り口として機能する帯です。
中価格帯: 市場の本体となる主戦場
売上の51.0%を占める中価格帯が、この市場の本体です。標準的なサイズのゴミ箱、まとまった容量の小物入れ、傘立て(平均4,121円)などが並び、置き場所を決めて長く使う前提で選ばれます。実用性に加えて部屋に置いたときの見え方が判断材料になるため、素材感やサイズ表記の伝わり方が決め手になりやすく、単価+12.1%の影響を最も受け止めている帯でもあります。
高価格帯: 金額の4割を支える少数の購入
高価格帯は売上の39.6%を占めながら、数量シェアは11.3%にとどまります。1割の購入が金額の4割を生んでいる計算で、カテゴリ平均の1.6倍にあたる平均6,007円のゴミ箱が金額面の中心です。まとめ買いではなく「これに決める」買い方で、機能や容量、置いたときの佇まいまで比較されます。取り扱いの有無が売上を大きく左右する帯です(Nint ECommerce調べ・推計値)。

インテリア小物・置物の事業者が来期取るべき3つの打ち手
ここまでの市場データをふまえ、インテリア小物・置物をECで扱う事業者が来期に向けて取るべき打ち手を3つに整理します。
打ち手1: 「使う道具」に品揃えの重心を寄せる
伸びているのは小物入れ(+9.2%)とゴミ箱(+5.5%)で、いずれも日々の片づけに使う実用品です。対して置物は▲6.6%、傘立ては▲7.3%と前年を下回りました。装飾目的の商品を広く並べるより、置き場所と用途が明確な収納・処理まわりに棚を割く判断が市場の流れと合っています。特に小物入れはサイズ違い・色違いをそろえた面での提案が効きやすい領域です。
打ち手2: 数量減を前提に、単価で売上を設計する
市場全体で販売数は▲7.3%、平均単価は+12.1%です。来期の計画を前年と同じ販売点数で組むと、着地が下振れしやすくなります。容量を1段上げた仕様、汚れに強い素材、部屋に合わせやすい色展開といった上位モデルを用意し、購入1件あたりの金額を引き上げる設計に切り替えるほうが実態に合います。値引きで点数を取り戻す方向は、単価が上がっている市場では利益を削りやすくなります。
打ち手3: 高価格帯の品揃えを競合と突き合わせて磨く
売上の39.6%を占める高価格帯は、数量シェアが11.3%しかないぶん、どの商品を置くかの判断が売上規模をそのまま決めます。Nint ECommerceでは、主要ECモールの競合ショップがどのサブカテゴリ・どの価格帯に商品を置き、そこでどれだけの売上を作っているかを把握でき、自社の高価格帯ラインの過不足を数字で確かめる材料になります。
よくある質問(Q&A)
インテリア小物・置物のEC市場規模はどのくらいですか?
主要ECモールにおける2026年5〜7月の推定売上は約30.09億円で、前年同期比+3.9%でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。推定販売数は約81.7万点で▲7.3%、平均単価は約3,682円で+12.1%と、単価の上昇が売上の伸びを支えています。
主要ECモールで売れているサブカテゴリはどれですか?
売上構成比はゴミ箱が48.9%で最も大きく、小物入れ(21.6%)が続きます。この2つで市場の約7割です。前年同期比では小物入れが+9.2%と最も伸び、置物(▲6.6%)と傘立て(▲7.3%)は前年を下回りました。
なぜ販売数が減っているのに売上は伸びているのですか?
1点あたりの単価が+12.1%上がり、数量▲7.3%の減少分を上回ったためです。容量や素材を上げた商品への置き換えが進み、同じ購入1件で支払われる金額が増えた結果といえます(Nint ECommerce調べ・推計値)。
インテリア小物で売上が集まる価格帯はどこですか?
金額では中価格帯(51.0%)と高価格帯(39.6%)で9割を占めます。一方で購入点数は低価格帯が36.8%と最も多く、金額と数量で主役が入れ替わるのがこの市場の特徴です(Nint ECommerce調べ・推計値)。
まとめと、より深く分析するためのヒント
- 2026年5〜7月のインテリア小物・置物EC市場は約30.09億円(前年同期比+3.9%)。販売数▲7.3%に対し単価+12.1%で、伸びの源泉は単価。
- ゴミ箱(48.9%)+小物入れ(21.6%)で市場の約7割。伸びるのは「使う道具」、減るのは置物・傘立てという「飾るもの」。
- 金額は中(51.0%)・高(39.6%)の2帯で9割、数量は低価格帯が36.8%。売上を作る帯と件数を作る帯が分かれている。
こうした動向は、自社が扱うブランドやシリーズ単位ではどう見えるでしょうか。Nint ECommerceでは、主要ECモール(楽天・Amazon・Yahoo!ショッピング 等)のインテリア小物・置物カテゴリを、サブカテゴリ・ブランド・商品単位で深堀りし、競合ショップの品揃えや価格帯の置き方、伸びている領域の見極めに活用できます(Nint ECommerce調べ・推計値)。

関連サービス・資料
執筆者の視点
意外だったのは、「インテリア小物」と呼ばれるカテゴリなのに、飾るための置物が減り、片づけに使う道具が伸びていた点です。置物▲6.6%・傘立て▲7.3%に対して小物入れ+9.2%という並びを見ると、部屋に何かを足すより、部屋を整える方向に支出が動いているように読めます。数量が1割近く減っても売上が伸びたこと自体が、買われ方の変化を示していると感じました。
対象期間: 2026年5月〜2026年7月/データソース: Nint ECommerce(推計値)/対象カテゴリ: インテリア小物・置物
この記事を書いた人

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト
note:https://note.com/nint_ecommerce
株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は20を超え、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。
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