水泳市場レポート|競泳水着45%・ゴーグル+13.4%
本記事は、競泳水着やスイミングゴーグルなどの水泳用品をECで販売する事業者・メーカーの方に向けた市場レポートです。主要ECモールにおける2026年4〜6月の水泳市場の推定売上は約10.3億円(前年同期比+5.4%)、推定販売数は約36.3万点(同+1.1%)、平均単価は約2,851円(同+4.2%)でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。売れた点数はほぼ横ばいで、伸びをつくったのは1点あたりの単価です。競技水着(競泳水着)が売上の45.3%を占める一方、販売数の主役はゴーグルとキャップという二層構造を、サブカテゴリ別・価格帯別に読み解きます。
本レポートのサマリー
- 市場規模: 約10.3億円(前年同期比 +5.4%)
- 販売数量: 約36.3万点(前年同期比 +1.1%)
- 平均単価: 約2,851円(前年同期比 +4.2%)
- 主要サブカテゴリ: 競技水着(45.3%)/フィットネス水着(19.2%)/スイミングゴーグル(11.4%)
- キートレンド: 売上の伸びは単価(+4.2%)が主導/練習用具+21.0%・その他+27.8%と用具系が伸長
水泳のEC市場規模と推移
2026年4〜6月の水泳のEC市場規模は約10.3億円、前年同期比+5.4%でした。販売数は+1.1%とほぼ前年並みで、平均単価が+4.2%と伸びています。金額の増加は「買う人が増えたから」ではなく「1点あたりに支払われる金額が上がったから」です。この4〜6月は学校のプール開き、スイミングスクールの進級、夏本番前の買い替えが重なり、6月をピークとする需要の山が立つ時期にあたります。上位カテゴリ全体の動きはスポーツ・アウトドアのEC市場規模レポートで扱っており、本記事はそのなかの水泳カテゴリを深掘りします。
| 指標 | 2026年4〜6月 | 前年同期 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 推定売上 | 約10.3億円 | 約9.8億円 | +5.4% |
| 推定販売数 | 約36.3万点 | 約35.9万点 | +1.1% |
| 平均単価 | 約2,851円 | 約2,735円 | +4.2% |
単価の上昇は一部のカテゴリに限った動きではありません。11のサブカテゴリのうち、平均単価が前年を下回ったのはキッズ・ジュニア用スイムキャップ(▲3.6%)だけで、他はすべて前年を上回りました。数量が横ばいの市場で金額が伸びているのは、値引きで数を取る競争から、機能や品質で選ばれる商品へと購入の重心が動いているためです(Nint ECommerce調べ・推計値)。
サブカテゴリ別の構成と勝ち負け
水泳市場は、競技水着が45.3%、フィットネス水着が19.2%で、水着2カテゴリだけで売上の64.5%を占めます。ただし伸びているのは水着ではありません。競技水着は+2.9%、フィットネス水着は▲0.2%と市場全体の+5.4%を下回り、二桁で伸びたのはその他(+27.8%)、練習用具(+21.0%)、スイミングゴーグル(+13.4%)、水着用インナー(+12.9%)、キッズ・ジュニア用スイミングゴーグル(+10.7%)でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。
| サブカテゴリ | 構成比 | 前年同期比 | 平均単価 |
|---|---|---|---|
| 競技水着 | 45.3% | +2.9% | 8,229円 |
| フィットネス水着 | 19.2% | ▲0.2% | 4,948円 |
| スイミングゴーグル | 11.4% | +13.4% | 1,814円 |
| スイムキャップ・水泳帽 | 5.7% | ▲1.9% | 877円 |
| その他 | 5.3% | +27.8% | 2,179円 |
| 練習用具 | 4.2% | +21.0% | 3,555円 |
| キッズ・ジュニア用スイミングゴーグル | 3.8% | +10.7% | 1,191円 |
| キッズ・ジュニア用スイムキャップ | 2.9% | +7.1% | 683円 |
| 水着用インナー | 1.7% | +12.9% | 1,328円 |
| 耳栓 | 0.3% | +9.7% | 765円 |
| ノーズクリップ | 0.1% | +3.6% | 735円 |
金額の順位と数量の順位は一致しません。販売数で最も多いのはスイムキャップ・水泳帽の67,381点、次にスイミングゴーグルの65,019点で、売上45.3%を持つ競技水着は56,970点にとどまります。しかもキャップは販売数▲8.8%と大きく減り、ゴーグルは+6.0%と増えました。「金額の柱は競技水着、来店頻度の柱はゴーグルとキャップ」という二層構造で、後者のなかで勝ち負けが分かれた四半期といえます。競技志向の強い他競技の市場についてはバドミントン市場レポート、運動習慣まわりの支出の広がりはヨガ・ピラティスのEC市場規模レポートでも扱っています。
価格帯別の販売構成と購買行動
平均単価(約2,851円)を基準に低・中・高の3価格帯で売上構成比を見ると、高価格帯が45.3%、中価格帯が40.2%とほぼ二分し、低価格帯は14.5%です。金額は競技水着1カテゴリと、ゴーグル・用具・フィットネス水着の集まりがほぼ同じ大きさで並び立っています(Nint ECommerce調べ・推計値)。
| 価格帯 | 売上構成比 |
|---|---|
| 低価格帯 | 14.5% |
| 中価格帯 | 40.2% |
| 高価格帯 | 45.3% |
低価格帯: キャップ・キッズ用・小物
低価格帯(14.5%)は、スイムキャップ(877円)、キッズ・ジュニア用キャップ(683円)、同ゴーグル(1,191円)、水着用インナー(1,328円)、耳栓(765円)、ノーズクリップ(735円)が並ぶゾーンです。売上構成比は小さい一方、販売数ではキャップ67,381点、キッズ用キャップ44,172点、キッズ用ゴーグル32,956点と点数が大きく、購入の入口として機能します。学校やスクールの指定・サイズアウトによる買い替えが需要の源で、在庫の欠品が取りこぼしに直結する帯です。
中価格帯: ゴーグル・練習用具・フィットネス水着
売上構成比40.2%の中価格帯には、スイミングゴーグル(1,814円)、その他(2,179円)、練習用具(3,555円)、フィットネス水着(4,948円)が入ります。市場の伸びを実際につくったのはこの帯です。ゴーグルは+13.4%、練習用具は+21.0%、その他は+27.8%と伸び、いずれも販売数もプラスでした。反対にフィットネス水着は▲0.2%(販売数▲5.7%)と足踏みしており、同じ帯の中で「買われる中身」が用具側へ移っています。
高価格帯: 競技水着(競泳水着)
高価格帯(45.3%)を構成するのは、平均単価8,229円の競技水着です。販売数は56,970点と▲1.6%で減りましたが、単価が+4.6%上がったことで売上は+2.9%とプラスを確保しました。数が減っても金額を守れているのは、記録や大会を意識して上位モデルを選ぶ層が残っているためです。1点の金額が市場平均の3倍近いだけに、この帯の品揃えと在庫サイズの精度が売上を左右します(Nint ECommerce調べ・推計値)。
水泳の事業者が来期取るべき3つの打ち手
ここまでの市場データをふまえ、水泳用品をECで扱う事業者が来期に向けて取るべき打ち手を3つに整理します。
打ち手1: 競技水着は「本数」ではなく「1着の質」で守る
売上の45.3%を占める競技水着は、販売数▲1.6%に対し単価+4.6%で、売上を+2.9%まで押し上げました。数量が減る前提で安価な入門モデルに寄せると、平均8,229円という単価の支えを自ら削ることになります。素材・フィット・大会規定への対応といった、買い替え層が比較する軸を商品ページの前面に出し、上位モデルへの引き上げを設計するほうが金額を守れます。サイズ欠品による機会損失を防ぐ在庫運用も、この帯では単価対策と同じ重みを持ちます。
打ち手2: 数量の主役であるゴーグルとキャップで差をつける
販売数の上位はスイムキャップ・水泳帽(67,381点)とスイミングゴーグル(65,019点)ですが、四半期の結果は対照的でした。ゴーグルは売上+13.4%・販売数+6.0%と伸び、キャップは売上▲1.9%・販売数▲8.8%と減っています。キッズ・ジュニア用は両方ともプラス(ゴーグル+10.7%、キャップ+7.1%)で、家族単位の需要が支えになっています。水着購入時にゴーグル・キャップ・インナーまで一度に揃う導線をつくり、単品での価格勝負から抜けることが打ち手になります。
打ち手3: 伸びている練習用具・その他へ品揃えの資源を寄せる
練習用具は+21.0%(販売数+16.0%)、その他は+27.8%(同+11.9%)と、市場で最も伸びた2ゾーンです。構成比は4.2%と5.3%にとどまり、水着が足踏みするなかで資源を振り向ける余地があります。Nint ECommerceでは、主要ECモールの競合ショップがどのアイテム・どの価格帯で品揃えを広げているかを把握でき、周辺カテゴリへの参入判断の材料になります。
よくある質問(Q&A)
水泳用品のEC市場規模はどのくらいですか?
主要ECモールにおける2026年4〜6月の推定売上は約10.3億円で、前年同期比+5.4%でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。販売数は+1.1%とほぼ横ばいで、平均単価が+4.2%上がったことが伸びの主因です。
競泳水着は市場のどのくらいを占めますか?
競技水着(競泳水着)は売上構成比45.3%で最大のサブカテゴリです。平均単価は8,229円と市場平均の3倍近く、販売数は▲1.6%と減りながら単価+4.6%で売上は+2.9%を確保しました(Nint ECommerce調べ・推計値)。
水泳用品でモノが売れる価格帯はどこですか?
金額では高価格帯(45.3%)と中価格帯(40.2%)がほぼ二分します。低価格帯は14.5%ですが、販売数ではスイムキャップやキッズ用アイテムが最も多く、購入頻度で市場を支えるのはこの帯です。
4〜6月は水泳用品が売れやすい時期なのですか?
学校のプール開き、スイミングスクールの進級、夏本番前の買い替えが重なり、6月をピークとする需要の山が立ちます。サイズアウトによる買い替えも集中するため、在庫とサイズ展開の準備を前倒しで進める時期にあたります。
まとめと、より深く分析するためのヒント
- 2026年4〜6月の水泳EC市場は約10.3億円(前年同期比+5.4%)。販売数+1.1%に対し単価+4.2%で、伸びは単価が主導。
- 競技水着(45.3%)+フィットネス水着(19.2%)で売上の64.5%。ただし伸びたのはゴーグル+13.4%、練習用具+21.0%、その他+27.8%の用具側。
- 金額は高(45.3%)・中(40.2%)でほぼ二分。販売数の主役はキャップ67,381点とゴーグル65,019点で、頻度の柱と金額の柱が別。
こうしたサブカテゴリ別・価格帯別の動向は、自社が扱うブランドやサイズ展開の単位ではどう見えるでしょうか。Nint ECommerceでは、主要ECモール(楽天・Amazon・Yahoo!ショッピング 等)の水泳カテゴリを、サブカテゴリ・ブランド・商品単位で深堀りし、競合ショップの売れ筋や価格帯、シーズン需要の立ち上がりの先読みに活用できます(Nint ECommerce調べ・推計値)。
関連サービス・資料
執筆者の視点
意外だったのは、売上が伸びた市場なのに、水着そのものはほとんど伸びていなかった点です。金額の柱である競技水着は販売数を落とし、単価だけで前年をクリアしています。伸びを実際につくったのはゴーグルや練習用具といった、1点あたりは安い用具側でした。「売上構成比の大きいカテゴリ=伸ばすべきカテゴリ」とは限らないことが、数量と単価を分けて見ると素直に出てきます。
対象期間: 2026年4月〜2026年6月/データソース: Nint ECommerce(推計値)/対象カテゴリ: 水泳
この記事を書いた人

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト
note:https://note.com/nint_ecommerce
株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は20を超え、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。
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