ヨガ・ピラティス市場レポート|ウェアが売上の55.6%
本記事は、ヨガウェアやヨガマットなどのヨガ/ピラティス関連商品をECで販売する事業者・メーカーの方に向けた市場レポートです。主要ECモールにおける2026年4〜6月のヨガ・ピラティス市場の推定売上は約9.2億円(前年同期比▲5.8%)、推定販売数は約36.2万点(同▲6.6%)、平均単価は約2,546円(同+0.9%)でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。市場は前年を下回りましたが、ブロックやボールなどの補助アイテムは二桁の伸びです。ウェアとヨガマットで売上の87.2%を占める構造を、サブカテゴリ別・価格帯別に読み解きます。
目次
本レポートのサマリー
- 市場規模: 約9.2億円(前年同期比 ▲5.8%)
- 販売数量: 約36.2万点(前年同期比 ▲6.6%)
- 平均単価: 約2,546円(前年同期比 +0.9%)
- 主要サブカテゴリ: ウェア(55.6%)/ヨガマット(31.6%)/その他ブロック・ボール等(8.1%)
- キートレンド: 主力2カテゴリが前年割れするなか補助アイテムは+21.2%/ヨガマットは販売数▲15.7%を単価で下支え
ヨガ・ピラティスのEC市場規模と推移
2026年4〜6月のヨガ・ピラティスのEC市場規模は約9.2億円、前年同期比▲5.8%でした。販売数は▲6.6%と売上以上に減り、平均単価は+0.9%とわずかに上昇しています。金額の目減りは値崩れではなく、売れた点数が減ったことによるものです。新生活や薄着の季節に運動を始める人が動く時期ですが、その入口需要が前年ほどの厚みに届きませんでした。上位カテゴリの動きはスポーツ・アウトドアのEC市場規模レポートで扱っています。
| 指標 | 2026年4〜6月 | 前年同期 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 推定売上 | 約9.2億円 | 約9.8億円 | ▲5.8% |
| 推定販売数 | 約36.2万点 | 約38.8万点 | ▲6.6% |
| 平均単価 | 約2,546円 | 約2,524円 | +0.9% |
販売数の減少幅が売上を上回り、単価は小幅に上がっている。これは価格競争による縮小とは異なる動きです。1点あたりに支払われる金額は前年並みで、減っているのは購入の回数そのものです。打ち手は値付けの見直しより「買う理由をつくる」側にあります。
サブカテゴリ別の構成と勝ち負け
ヨガ・ピラティス市場は、ウェア55.6%とヨガマット31.6%の2カテゴリで市場の87.2%に達します。ところが主力の2つはいずれも前年割れで、ウェア▲8.8%、ヨガマット▲6.9%と市場全体の▲5.8%より深く沈みました。伸びたのは「その他」(+21.2%)、ヨガタオル(+8.1%)、ヨガマットバッグ(+3.2%)という周辺アイテムです(Nint ECommerce調べ・推計値)。
| サブカテゴリ | 構成比 | 前年同期比 | 平均単価 |
|---|---|---|---|
| ウェア | 55.6% | ▲8.8% | 2,305円 |
| ヨガマット | 31.6% | ▲6.9% | 3,478円 |
| その他(ブロック・ボール等) | 8.1% | +21.2% | 2,509円 |
| ヨガタオル | 2.8% | +8.1% | 1,824円 |
| ヨガマットバッグ | 1.0% | +3.2% | 1,656円 |
| ヨガベルト | 0.8% | ▲10.8% | 1,482円 |
| ヨガマットストラップ | 0.2% | ▲18.2% | 809円 |
主力2カテゴリの中身は対照的です。ウェアは販売数▲5.6%に対し売上が▲8.8%で、1点あたりの単価が下がりました。値引きや低価格帯へのシフトが進んだ形です。一方のヨガマットは販売数が▲15.7%と大きく減りながら、売上は▲6.9%にとどまりました。本数は減っても、厚手・高機能といった単価3,478円の帯が選ばれ、金額を支えています。「その他」は売上+21.2%に対し販売数+12.9%と、点数・単価がともに伸びました。健康志向の支出の広がりはダイエット・健康のEC市場規模レポートや健康アクセサリー市場レポートでも扱っています。
価格帯別の販売構成と購買行動
平均単価(約2,546円)を基準に低・中・高の3価格帯で売上構成比を見ると、中価格帯が63.7%と過半を占め、高価格帯が31.6%で続きます。低価格帯は4.7%と小さく、金額のほとんどはウェアとヨガマットが生み出しています(Nint ECommerce調べ・推計値)。
| 価格帯 | 売上構成比 |
|---|---|
| 低価格帯 | 4.7% |
| 中価格帯 | 63.7% |
| 高価格帯 | 31.6% |
低価格帯: タオル・バッグなどの周辺小物
低価格帯(4.7%)は、ヨガタオル(1,824円)、ヨガマットバッグ(1,656円)、ヨガベルト(1,482円)、ヨガマットストラップ(809円)といった周辺小物のゾーンです。売上は小さい一方、中身は二極化しています。汗対策の実用品であるタオルは+8.1%、持ち運びを助けるバッグも+3.2%とプラスを保つ一方、ベルト(▲10.8%)とストラップ(▲18.2%)は縮小しました。本体との同時購入の設計が問われる帯です。
中価格帯: ウェアと補助アイテムが並ぶ主戦場
売上構成比63.7%の中価格帯には、平均単価2,305円のウェアと2,509円の「その他」(ブロック・ボール等)が入ります。市場の金額の大半が動く主戦場でありながら、内訳の勢いは正反対で、ウェアは▲8.8%と沈み、その他は+21.2%と伸びました。同じ価格帯で財布が開かれているのに、選ばれる中身が入れ替わっています。この帯で誰を主役に据えるかが来期の伸びしろを左右します。
高価格帯: 厚手・高機能のヨガマット
高価格帯(31.6%)を構成するのは、平均単価3,478円のヨガマットです。販売数は▲15.7%と大きく減りましたが、売上は▲6.9%にとどまりました。数が減るなかでも、厚みやグリップ、素材といった品質で選ばれる商品が残り、1点あたりの金額を押し上げています。買い替えサイクルが長い商材だけに、へたりを感じて買い替える層に届く訴求が効きます(Nint ECommerce調べ・推計値)。
ヨガ・ピラティスの事業者が来期取るべき3つの打ち手
ここまでのデータをふまえ、ヨガ・ピラティス関連商品を扱う事業者が来期に取るべき打ち手を3つに整理します。
打ち手1: ウェアは値引き以外の「選ばれる理由」をつくる
市場の55.6%を占めるウェアは、販売数▲5.6%に対し売上が▲8.8%と、数量以上に金額を落としました。平均単価2,305円の水準を守れていないことが、市場全体の▲5.8%を押し下げた最大の要因です。値引きで数を取り戻そうとしても数量の減り自体は小さく、割引の効きは限られます。サイズ展開やセット組み、着心地・機能の説明を厚くするなど、価格を下げずに選ばれる理由を商品ページ側で積み上げる打ち手が優先されます。
打ち手2: ヨガマットは「本数」ではなく「1枚の質」で稼ぐ
ヨガマットは販売数▲15.7%と落ち込みが大きい一方、売上は▲6.9%にとどまり、平均単価3,478円と市場全体(2,546円)を大きく上回ります。数を追って安価な入門用に寄せると、この帯が持つ単価の支えを自ら削ることになります。厚み・グリップ・素材・耐久性といった買い替え層が比較する軸を前面に出し、上位モデルへの引き上げを設計する方が、縮む数量のなかでも金額を守れます。バッグ(+3.2%)とのセット提案も同時購入の底上げに使えます。
打ち手3: 伸びている補助アイテムに品揃えの資源を寄せる
ブロックやボールなどの「その他」は+21.2%(販売数+12.9%)と、市場で最も伸びたゾーンです。構成比は8.1%とまだ小さく、主力2カテゴリが前年割れするなかで資源を振り向ける価値があります。Nint ECommerceでは、主要ECモールの競合ショップがどのアイテム・どの価格帯で品揃えを広げているかを把握でき、周辺カテゴリへの参入判断の材料になります。
よくある質問(Q&A)
ヨガ・ピラティスのEC市場規模はどのくらいですか?
主要ECモールにおける2026年4〜6月の推定売上は約9.2億円で、前年同期比▲5.8%でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。販売数は▲6.6%、平均単価は+0.9%で、目減りの主因は購入点数の減少です。
主要ECモールで売れ筋のヨガ関連商品は何ですか?
ウェアが55.6%で最も大きく、ヨガマット(31.6%)が続きます。この2カテゴリで市場の87.2%を占めます。伸び率で見ると、ブロック・ボールなどの「その他」が+21.2%と最も高い伸びを示しました。
ヨガ・ピラティスでモノが売れる価格帯はどこですか?
金額では中価格帯が63.7%と過半で、ウェア(2,305円)や補助アイテム(2,509円)が中心です。高価格帯(31.6%)はヨガマット(3,478円)、低価格帯は周辺小物で4.7%です(Nint ECommerce調べ・推計値)。
ヨガマットは販売数が減っているのに売上の減りが小さいのはなぜですか?
販売数▲15.7%に対して売上は▲6.9%で、平均単価が上がっているためです。厚みや素材、グリップなどの品質で選ばれる上位モデルが残り、1点あたりの金額が全体を下支えしています(Nint ECommerce調べ・推計値)。
まとめと、より深く分析するためのヒント
- 2026年4〜6月のヨガ・ピラティスEC市場は約9.2億円(前年同期比▲5.8%)。販売数▲6.6%に対し単価は+0.9%。縮小の主因は値崩れではなく購入点数の減少。
- ウェア(55.6%)+ヨガマット(31.6%)で市場の87.2%。ウェアは単価を落として▲8.8%、ヨガマットは販売数▲15.7%を単価で埋めて▲6.9%と対照的。
- ブロック・ボール等の「その他」は+21.2%(販売数+12.9%)と最も伸びたゾーン。構成比8.1%と小さく、品揃えを寄せる余地が残る。
こうした動向は、自社が扱うブランド単位ではどう見えるでしょうか。Nint ECommerceでは、主要ECモール(楽天・Amazon・Yahoo!ショッピング 等)のヨガ・ピラティスカテゴリを、サブカテゴリ・ブランド・商品単位で深堀りし、競合ショップの売れ筋や価格帯の取り方の把握に活用できます(Nint ECommerce調べ・推計値)。
関連サービス・資料
執筆者の視点
データを見て意外だったのは、市場が縮んでいるのに平均単価が上がっていた点です。しかも主力2カテゴリの中身は真逆で、ウェアは単価を落として金額を減らし、ヨガマットは本数を減らしながら1枚あたりの質で金額を守っていました。同じ「前年割れ」でも起きていることが違う。市場全体の一行だけを見て値下げに走ると、数少ない支えを自分で削ってしまうと感じた数字でした。
対象期間: 2026年4月〜2026年6月/データソース: Nint ECommerce(推計値)/対象カテゴリ: ヨガ・ピラティス
この記事を書いた人

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト
note:https://note.com/nint_ecommerce
株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は20を超え、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。
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