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猫用品市場レポート|単価+37.9%

猫用品レポート

猫用品EC市場の動向を、主要ECモールのデータから把握したいEC事業者の方に向けたレポートです。2026年2月〜4月は、販売数量が前年同期比▲33.7%(約229万個)と二桁減速する一方、推定売上は約83億円(▲8.6%)、平均単価は約3,600円で前年比+37.9%と大幅に上昇しました。療法食を中心とした医療・ケア領域への購買シフトが、単価上昇を支える構造的要因として顕在化しています(Nint ECommerce 調べ・推計値)。

本レポートのサマリー

  • 市場規模: 約83億円(前年同期比 ▲8.6%)
  • 販売数量: 約229万個(前年同期比 ▲33.7%)
  • 平均単価: 約3,600円(前年同期比 +37.9%)
  • 主要サブカテゴリ: キャットフード・サプリメント(67.5%) / トイレ用品(20.5%) / キャットタワー(4.2%)
  • キートレンド: 療法食シフトによる単価上昇、トイレ用品の構成比拡大、消耗品の価格競争

猫用品市場の規模と推移

2026年2月〜4月の市場規模は約83億円、前年同期比▲8.6%でした。販売数量が▲33.7%と二桁減少した一方、平均単価が+37.9%上昇しており、市場は「販売数を減らしながら、1点あたりの単価で売上を支える」フェーズに入っています。背景には、キャットフード領域における療法食・機能性フードへの購買シフトがあると考えられます。

指標前年同期比
推定売上約83億円▲8.6%
販売数量約229万個▲33.7%
平均単価約3,600円+37.9%
Nint ECommerce 調べ(推計値)

単価上昇が販売数減少を一部相殺する局面では、低価格の消耗品と高単価のケア・療法領域の二層を意識した品揃え設計が有効です。関連カテゴリのペット用品(犬・猫)市場レポートでも、単価上昇が売上を下支えする同様の構造が見られます。

サブカテゴリ別の構成と勝ち負け

売上構成比はキャットフード・サプリメントが67.5%と中心的な中心を占めますが、構成比は前年差▲2.3ポイントと縮小しました。代わって、トイレ用品が+2.3ポイント・推定売上+2.8%と明確に伸長し、市場の重心がフードからトイレ周辺へ動いています。

順位サブカテゴリ構成比前年差(pt)推定売上YoY平均価格
1キャットフード・サプリメント67.5%▲2.3▲11.6%約3,700円
2トイレ用品20.5%+2.3+2.8%約3,400円
3キャットタワー4.2%+0.3▲2.6%約8,700円
4ケージ2.6%+0.1▲4.9%約1万3,000円
5ベッド・マット・寝具1.3%▲0.1▲13.6%約3,600円
Nint ECommerce 調べ(推計値)

トイレ用品の伸長は、消臭・抗菌機能を備えた高機能猫砂やシステムトイレへの需要拡大が要因と推察されます。一方、キャットフード・サプリメントは構成比を落としつつも市場の中心を維持しており、後述のとおり療法食シフトによる単価押し上げが市場全体の単価上昇を主導しています。事業者は、伸長カテゴリであるトイレ用品の高機能商材と、療法食・機能性フードの品揃え強化に張る余地があります。

価格帯別の販売構成と購買行動

価格帯別の売上構成比は、低価格帯(5,000円未満)41.9%、中価格帯(5,000円〜8,000円)26.1%、高価格帯(8,000円以上)32.0%でした。販売数を支える低価格帯の消耗品と、売上を支える高価格帯の療法食という二極構造が市場を形成しています。

価格帯売上構成比
低価格帯(5,000円未満)41.9%
中価格帯(5,000円〜8,000円)26.1%
高価格帯(8,000円以上)32.0%
Nint ECommerce 調べ(推計値)

低価格帯(5,000円未満・構成比41.9%)

消臭・抗菌系の猫砂やシステムトイレ用サンドなどの消耗品が上位を占めます。大容量パック・複数個セットでの単価訴求が中心で、日常的な買い替え需要が市場の販売数を底支えしています。手頃な価格でリピートしやすい商品設計が支持を集めています。

中価格帯(5,000円〜8,000円・構成比26.1%)

ロイヤルカナンを中心とした成猫用ドライフード4kgクラスや、療法食の小袋(ユリナリーS/O・消化器サポート等)が中心です。年齢別・体質別の機能性フードへの需要が安定しており、品質と継続購入のバランスを重視する飼い主層を支えている価格帯と言えます。

高価格帯(8,000円以上・構成比32.0%)

ロイヤルカナンのユリナリーS/O・消化器サポートといった療法食の大容量パック(4kg)が上位を占めます。獣医師の指導下で長期的に与える性質上、購買サイクルが安定し、家計内で固定支出化している傾向が見られます。あわせてPETKITに代表される自動洗浄トイレなど、利便性を高める高機能機器も伸びており、シニア猫・多頭飼育世帯の投資意欲を映しています。

Nint ECommerce|自社カテゴリの売上・競合をデータで見る

猫用品事業者が来期取るべき3つの打ち手

打ち手1: 療法食・機能性フード領域の品揃え強化

中・高価格帯の上位を療法食が占める構造は、需要が一過性ではなく構造的であることを示しています。療法食は参入障壁が高い領域ですが、シニア猫向け一般食、ユリナリーケア・消化器ケアの周辺サプリ、関節・腎臓・歯のケア用品など、隣接する機能性カテゴリには参入余地があります。「健康課題 × 価格帯」のマトリクスで自社の品揃えギャップを再点検することが有効です。

打ち手2: トイレ用品の高機能シフトに乗る

トイレ用品は構成比+2.3pt・売上YoY+2.8%と、市場全体が縮小するなかで明確に伸びたサブカテゴリです。消臭・抗菌機能の高機能猫砂や、自動洗浄トイレなどスマート家電寄りの商品まで、価格帯の上下に厚みが出ています。日用消耗品としてのリピート購買を獲得しつつ、高単価機器でアップセルを設計する二段構えが有効と考えられます。

打ち手3: 低価格帯消耗品はブランド戦略か総量単価で二択

猫砂・サンドなどの消耗品では、ライオン・ニャンとも清潔トイレなどブランド認知で価格競争から距離を置く戦略と、複数個セット販売で1個あたりの総量単価を訴求する戦略の二極化が進んでいます。中途半端な価格訴求では太刀打ちしにくくなっており、自社ブランド資産を踏まえた選択が求められます。サブカテゴリ・ブランド・JAN単位の細かな動向はNint ECommerceで自社カテゴリに絞って把握でき、品揃えと価格設計の意思決定の精度を高められます。

よくある質問

猫用品市場でいま伸びているカテゴリは?

トイレ用品が構成比+2.3pt・推定売上+2.8%と最も明確に伸長しています。消臭・抗菌の高機能猫砂と自動洗浄トイレが牽引役です(Nint ECommerce 調べ・推計値)。

平均単価が大きく上昇しているのはなぜ?

中・高価格帯の上位を療法食(ユリナリーS/O・消化器サポート等)が占めており、医療目的の高単価フードへ需要がシフトしていることが主因です(Nint ECommerce 調べ・推計値)。

主要ECモールでの売れ筋傾向は?

主要ECモール(楽天・Amazon・Yahoo!ショッピング 等)の合算推計では、低価格帯は猫砂の大容量パック、中・高価格帯はロイヤルカナンの療法食が上位を占めています(Nint ECommerce 調べ・推計値)。

まとめと、より深く分析するためのヒント

  • 市場は「販売数▲33.7% × 単価+37.9%」で売上は▲8.6%、医療・ケア領域への質的シフトが鮮明。
  • キャットフード・サプリメントが構成比を落とす一方、トイレ用品(+2.3pt)が伸長。
  • 低価格帯=消耗品(猫砂)、中・高価格帯=療法食という二極構造で、価格帯設計が来期の鍵。

カテゴリ・ブランド・JAN単位での深掘りや競合比較、トレンドの先読みには、客観的なデータに基づく分析が欠かせません。主要ECモール(楽天・Amazon・Yahoo!ショッピング 等)を横断的に把握することで、品揃えと販促の意思決定の精度を高められます。

Nint ECommerce|EC市場・競合・カテゴリのデータを見える化

執筆者の視点

数字を眺めて印象的だったのは、販売数が3割以上減るなかでも市場が崩れていない点です。療法食という比較的高単価のカテゴリが上位を占め、トイレ周りの高機能化が並走する——この構造は、ペット業界が「フード市場」から「医療・ケア市場」へ軸足を移しつつあることを示唆していると考えます。事業者にとっては、伸びるケア領域を入口にして、本体・周辺へつなげる導線設計が来期の競争力になりそうです。

関連サービス・資料

対象期間: 2026年2月1日〜2026年4月30日/データソース: Nint ECommerce(推計値)/対象カテゴリ: 猫用品

この記事を書いた人

山本真大 / 株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト

note:https://note.com/nint_ecommerce

株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は20を超え、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。

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