自転車市場レポート|ヘルメット+61.5%
自転車・サイクリング市場で何が売れているのかを、主要ECモールのデータから把握したいEC事業者の方に向けたレポートです。2026年2月〜4月は、販売数量が前年同期比+9.9%(約87万個)と伸びる一方、推定売上は約85億円(+1.8%)の微増、平均単価は約9,800円(▲7.3%)と低下しました。安全用品の需要拡大と電動アシスト自転車の底堅さが同時に進む市場構造を、サブカテゴリ・価格帯の両面から読み解きます(Nint ECommerce 調べ・推計値)。
目次
本レポートのサマリー
- 市場規模: 約85億円(前年同期比 +1.8%)
- 販売数量: 約87万個(前年同期比 +9.9%)
- 平均単価: 約9,800円(前年同期比 ▲7.3%)
- 主要サブカテゴリ: 電動アシスト自転車(46.2%) / 自転車用アクセサリー(17.7%) / ヘルメット(5.4%)
- キートレンド: 安全用品需要の拡大、ヘルメット推定売上+61.5%、低単価化と数量増の同時進行
自転車・サイクリング市場の規模と推移
2026年2月〜4月の市場規模は約85億円、前年同期比+1.8%でした。販売数量が+9.9%と伸びるなかで平均単価が▲7.3%へ低下しており、市場は「数量増 × 単価低下」フェーズに入っています。背景には、安全関連の比較的手頃な用品が数量を押し上げた構造があると考えられます。
| 指標 | 値 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 推定売上 | 約85億円 | +1.8% |
| 販売数量 | 約87万個 | +9.9% |
| 平均単価 | 約9,800円 | ▲7.3% |
単価低下と数量増が併存する局面では、数量を稼ぐ低価格帯と、売上を支える高単価帯の二極で品揃えを設計することが有効です。レジャー・健康志向の周辺市場として、スポーツ・アウトドア市場レポートもあわせて参考になります。
サブカテゴリ別の構成と勝ち負け
売上構成比は電動アシスト自転車が46.2%と市場の中心を占めます。注目はヘルメットで、構成比は5.4%ながら前年差+2.0ポイント、推定売上は+61.5%と最も高い伸びを示しました。
| 順位 | サブカテゴリ | 構成比 | 前年差(pt) | 推定売上YoY | 平均価格 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 電動アシスト自転車 | 46.2% | +0.2 | +2.3% | 約12万8,000円 |
| 2 | 自転車用アクセサリー | 17.7% | +0.4 | +4.3% | 約3,900円 |
| 3 | ヘルメット | 5.4% | +2.0 | +61.5% | 約3,600円 |
| 4 | キッズ・ジュニア用自転車 | 4.8% | +0.2 | +5.2% | 約2万3,000円 |
| 5 | シティサイクル | 4.7% | ▲0.6 | ▲10.1% | 約3万円 |
ヘルメットの伸びは、着用努力義務の浸透という制度要因が需要を後押ししたことが要因と推察される一方、シティサイクルは構成比▲0.6ポイント・推定売上▲10.1%と縮小しています。安全関連と電動アシストへ需要が移り、標準的な軽快車が相対的にシェアを譲る構図が見られます。事業者は伸長カテゴリであるヘルメット・アクセサリーの品揃え強化に張る余地があります。
価格帯別の販売構成と購買行動
価格帯別の売上構成比は、低価格帯(2万3,000円未満)35.5%、中価格帯(2万3,000円〜14万円)37.7%、高価格帯(14万円以上)26.8%でした。販売数を支える低価格帯と、売上単価を支える高価格帯の双方が市場を形成しています。
| 価格帯 | 売上構成比 |
|---|---|
| 低価格帯(2万3,000円未満) | 35.5% |
| 中価格帯(2万3,000円〜14万円) | 37.7% |
| 高価格帯(14万円以上) | 26.8% |
低価格帯(2万3,000円未満・構成比35.5%)
子供乗せ用のチャイルドシート周辺用品、キッズヘルメット、折りたたみ自転車、キックバイクなどが上位を占めます。安全用品と子供向けの数量が市場全体の販売数増を主導しています。手頃な価格で繰り返し購入されやすく、リピートと関連購買を促す品揃えが有効です。屋外レジャー全体の需要動向はアウトドア用品市場レポートでも詳しく解説しています。
中価格帯(2万3,000円〜14万円・構成比37.7%)
パナソニックやヤマハの26インチ電動アシスト自転車が中心です。通勤・通学・買い物を想定した標準モデルが安定した需要を持ち、変速段数やバッテリー容量で選ばれる傾向が見られます。機能と価格のバランスを訴求する売り場づくりが効果的です。
高価格帯(14万円以上・構成比26.8%)
3人乗り対応の子供乗せ電動アシスト自転車が上位を占めます。チャイルドシート一体設計や押し歩き支援など、子育て世帯の利便性に投資する層がこの価格帯を支えています。安全性・利便性の付加価値を具体的に示す提案が求められます。

自転車・サイクリング事業者が来期取るべき3つの打ち手
打ち手1: 安全用品ラインの拡充
ヘルメットの推定売上+61.5%という伸びは、安全関連需要が市場の成長ドライバーであることを示しています。サイズ展開(幼児〜大人)と認証規格を軸に品揃えを広げ、自転車本体との関連購買を設計することで、数量と客単価の両立が見込めます。
打ち手2: 子育て世帯向け高価格帯の訴求強化
高価格帯の中心は3人乗り対応の子供乗せ電動アシストです。価格の高さそのものではなく、安全性・乗せ降ろしの利便性・対応年数といった投資対効果を具体的に提示することで、比較検討層の意思決定を後押しできます。
打ち手3: 単価低下局面での数量設計
平均単価が▲7.3%へ低下するなか、低価格帯のアクセサリー・消耗品で数量を確保し、電動アシストで売上を支える二層構造が有効です。サブカテゴリ・ブランド・JAN単位の細かな動向はNint ECommerceで自社カテゴリに絞って把握でき、季節需要に合わせた在庫・販促タイミングの最適化につながります。
よくある質問
自転車・サイクリング市場でいま伸びているカテゴリは?
ヘルメットが推定売上+61.5%と最も伸びています。安全用品全般が市場の数量増を主導しています(Nint ECommerce 調べ・推計値)。
主要ECモールで売れている価格帯はどこですか?
中価格帯(2万3,000円〜14万円)が構成比37.7%で最大です。26インチ電動アシストが中心の価格帯です(Nint ECommerce 調べ・推計値)。
平均単価が下がっているのに売上が伸びているのはなぜ?
低価格の安全用品・子供向け商品の販売数が増え、数量増が単価低下を上回ったためです(Nint ECommerce 調べ・推計値)。
まとめと、より深く分析するためのヒント
- 市場は「数量増(+9.9%)× 単価低下(▲7.3%)」で売上は微増(+1.8%)。
- ヘルメット(+61.5%)など安全用品が成長を主導、シティサイクルは縮小。
- 低価格帯で数量、高価格帯(子供乗せ電動)で売上を支える二層構造。
カテゴリ・ブランド・JAN単位での深掘りや競合比較、トレンドの先読みには、客観的なデータに基づく分析が欠かせません。主要ECモール(楽天・Amazon・Yahoo!ショッピング 等)を横断的に把握することで、品揃えと販促の意思決定の精度を高められます。

執筆者の視点
数字を眺めて印象的だったのは、平均単価が下がっているのに市場が縮んでいない点です。安全用品という比較的手頃なカテゴリが数量を押し上げ、電動アシストが売上を支える——この二層構造は、制度変更が消費行動に波及した好例と言えます。事業者にとっては、伸びる安全関連を入口に、本体・周辺へつなげる導線設計が有効と考えます。
この記事を書いた人

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト
note:https://note.com/nint_ecommerce
株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は20を超え、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。
関連サービス・資料
- Nint ECommerce:サービス詳細 / 導入事例
- 関連サービス:AIインサイトレポート / EC Talent
対象期間: 2026年2月1日〜2026年4月30日/データソース: Nint ECommerce(推計値)/対象カテゴリ: 自転車・サイクリング
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