せんべい・米菓市場レポート|せんべい4割・単価+3.7%
本記事は、せんべい・あられ・おかき・柿の種などの米菓をECで販売する事業者・メーカーの方に向けた市場レポートです。主要ECモールにおける2026年5〜7月のせんべい・米菓市場の推定売上は約7.04億円(前年同期比+4.6%)、推定販売数は約49.5万点(同+0.9%)、平均単価は約1,423円(同+3.7%)でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。数量はほぼ横ばいのまま、単価の上昇が売上を押し上げた3ヶ月です。しかも中身を開くと、ギフトの本命である詰め合わせセットだけが前年を下回っています。
本レポートのサマリー
- 市場規模: 約7.04億円(前年同期比 +4.6%)
- 販売数量: 約49.5万点(前年同期比 +0.9%)
- 平均単価: 約1,423円(前年同期比 +3.7%)
- 主要サブカテゴリ: せんべい(39.9%)/各種せんべい・米菓セット(23.0%)/あられ・おかき(22.1%)
- キートレンド: 単品の米菓が+5%前後で伸びる一方、詰め合わせセットのみ▲0.2%と足踏み

せんべい・米菓のEC市場規模と推移
2026年5〜7月のせんべい・米菓のEC市場規模は約7.04億円、前年同期比+4.6%でした。販売数は+0.9%とほぼ横ばいで、平均単価が+3.7%と伸びています。伸びは「買う人が増えたから」ではなく「1回あたりの購入金額が上がったから」もたらされたものです。隣接する和菓子カテゴリの動きは和菓子のEC市場規模レポートで扱っており、そちらは干しいも・大福・ようかんが構成の中心です。米菓は同じ「和の菓子」でも売れ方が異なります。
| 指標 | 2026年5〜7月 | 前年同期 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 推定売上 | 約7.04億円 | 約6.73億円 | +4.6% |
| 推定販売数 | 約49.5万点 | 約49.1万点 | +0.9% |
| 平均単価 | 約1,423円 | 約1,372円 | +3.7% |
5〜7月は歳暮・年始のギフト期から最も離れた時期にあたるため、この3ヶ月の数字は「ギフト需要を差し引いた素の実力」として読むのが適切です。その状態で数量を維持できているかどうかが、後半の繁忙期に向けた土台になります。
サブカテゴリ別の構成と勝ち負け
せんべい・米菓市場は、せんべいが39.9%で最大の柱です。次いで各種せんべい・米菓セットが23.0%、あられ・おかきが22.1%、柿の種が10.2%と続き、上位4サブカテゴリで市場の95%以上を占めます。注目したいのは伸び方の差です。単品のせんべい(+5.4%)、あられ・おかき(+4.9%)、柿の種(+5.1%)が+5%前後で伸びたのに対し、詰め合わせのセットだけが▲0.2%にとどまりました。
| サブカテゴリ | 構成比 | 前年同期比 | 平均単価 |
|---|---|---|---|
| せんべい | 39.9% | +5.4% | 1,157円 |
| 各種せんべい・米菓セット | 23.0% | ▲0.2% | 2,193円 |
| あられ・おかき | 22.1% | +4.9% | 1,368円 |
| 柿の種 | 10.2% | +5.1% | 1,910円 |
| その他 | 3.9% | +23.0% | 1,270円 |
単品が伸びてセットが止まっている、というこの対比が本市場の核心です。平均単価は、せんべいが1,157円、あられ・おかきが1,368円と市場平均(約1,423円)を下回るのに対し、各種せんべい・米菓セットは2,193円と1.5倍以上。単価の高い詰め合わせが横ばいでも市場全体が+4.6%伸びたのは、価格の低い単品が数を積み上げたためです。日常のおやつ・晩酌のつまみとしての反復購買が市場を支える構図です。同じ菓子でも、洋菓子のEC市場規模レポートやあめ・ミント・ガムのEC市場規模レポートとは主役の商品も単価の水準も異なります。構成比3.9%の「その他」は+23.0%と伸び幅が最大ですが、規模は小さく市場全体の方向は決めません。
価格帯別の販売構成と購買行動
せんべい・米菓は、「自分で食べるもの」と「人に贈るもの」が同居する商材です。平均単価(約1,423円)を基準に低・中・高の3価格帯で売上構成比を見ると、中価格帯が56.8%と過半を占め、高価格帯が31.1%、低価格帯が12.1%と続きます。一方、販売数量では低価格帯が36.4%、高価格帯は12.1%です。金額と数量で主役が入れ替わる二層構造の市場です。
| 価格帯 | 売上構成比 |
|---|---|
| 低価格帯 | 12.1% |
| 中価格帯 | 56.8% |
| 高価格帯 | 31.1% |
低価格帯: 日常のおやつ・つまみとしての単品
低価格帯は、袋入りのせんべいやあられ・おかきなど、自宅用の単品が中心です。売上構成比は12.1%と小さい一方、販売数量では36.4%を占め、最も多く売れているのはこの帯です。銘柄へのこだわりよりも、味の好みと1袋あたりの割安感で選ばれます。送料の負担を避けるためにまとめ買いされやすく、リピート顧客の入り口として機能するゾーンです。
中価格帯: 市場の本体をなす定番・まとめ買い
売上の56.8%を占める中価格帯が、この市場の本体です。定番銘柄の大袋、柿の種(平均単価1,910円)のような単価がやや高い単品、家庭で消費する小さめの詰め合わせが該当します。自宅用としては少し良いものを選び、ちょっとした手土産にも使える価格帯で、用途の幅が広いのが特徴です(Nint ECommerce調べ・推計値)。
高価格帯: 贈答用の詰め合わせ・地域銘菓
高価格帯は売上の31.1%を占めますが、販売数量では12.1%にとどまります。中身は各種せんべい・米菓セット(平均単価2,193円)を軸とした贈答用の詰め合わせや、産地・製法を打ち出した銘菓です。1件あたりの金額が大きく、のし・包装や配送日指定など贈答特有の要件が購入の決め手になります。金額の3割を担う帯が横ばいにとどまった点は軽く見られません。

せんべい・米菓の事業者が来期取るべき3つの打ち手
ここまでの市場データをふまえ、せんべい・米菓をECで扱う事業者が来期に向けて取るべき打ち手を3つに整理します。
打ち手1: 伸びている単品を売上の土台に据える
せんべい(39.9%・+5.4%)、あられ・おかき(22.1%・+4.9%)、柿の種(10.2%・+5.1%)の単品3カテゴリで市場の72.2%を占め、いずれも市場全体の+4.6%と同等以上に伸びています。ギフト期から遠い3ヶ月でこれだけ動いているのは、日常消費の需要が安定しているためです。定番商品の在庫を切らさないこと、まとめ買いしやすい容量・送料設計を整えることに資源を寄せる判断が有効です。年間の売上の土台は、繁忙期ではなくこの日常需要の側にあります。
打ち手2: 足踏みしている詰め合わせの中身を組み替える
各種せんべい・米菓セットは構成比23.0%と2番目に大きい柱でありながら、前年同期比▲0.2%と唯一伸びていません。平均単価2,193円と市場平均の1.5倍以上で金額への貢献が大きいだけに、ここが止まったままだと繁忙期の伸びしろが削られます。単品が+5%前後で伸びている事実を裏返せば、消費者は米菓そのものを避けてはいません。詰め合わせの構成品目・容量・価格の刻みを見直し、贈答だけでなく「家族で分けて食べる」用途にも届く選択肢を用意することが打ち手になります。
打ち手3: 二層構造を前提に品揃えと価格を設計する
売上の56.8%が中価格帯、31.1%が高価格帯である一方、数量では低価格帯が36.4%を占めます。金額を取りに行く商品と購入者数を積み上げる商品を同じ棚の設計で扱うと、どちらも中途半端になりかねません。Nint ECommerceでは、主要ECモールの競合ショップがどのサブカテゴリ・どの価格帯で品揃えを組んでいるかを把握でき、自社の価格の刻みと商品構成を見直す材料になります。
よくある質問(Q&A)
せんべい・米菓のEC市場規模はどのくらいですか?
主要ECモールにおける2026年5〜7月の推定売上は約7.04億円で、前年同期比+4.6%でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。推定販売数は約49.5万点(+0.9%)、平均単価は約1,423円(+3.7%)で、単価の上昇が売上を押し上げています。
主要ECモールで売れ筋のせんべい・米菓は何ですか?
せんべいが39.9%で最も大きく、各種せんべい・米菓セット(23.0%)、あられ・おかき(22.1%)、柿の種(10.2%)が続きます。この4サブカテゴリで市場の95%以上を占め、なかでも単品の3カテゴリがそろって+5%前後で伸びました。
せんべい・米菓が売れる価格帯はどこですか?
金額では中価格帯が56.8%と過半を占め、高価格帯が31.1%で続きます。一方、販売数量では低価格帯が36.4%と最も多く、主役が入れ替わります。自宅用の単品と贈答用の詰め合わせが別のレイヤーで動く市場です(Nint ECommerce調べ・推計値)。
詰め合わせセットだけが伸びていないのはなぜですか?
各種せんべい・米菓セットは平均単価2,193円と市場平均の1.5倍以上で、贈答用途の比重が高いサブカテゴリです。5〜7月は贈答需要が薄い時期にあたり、単品が伸びるなかで詰め合わせだけが▲0.2%と足踏みしました(Nint ECommerce調べ・推計値)。
まとめと、より深く分析するためのヒント
- 2026年5〜7月のせんべい・米菓EC市場は約7.04億円(前年同期比+4.6%)。販売数+0.9%に対し平均単価+3.7%で、伸びは単価の上昇によるもの。
- せんべい(39.9%・+5.4%)を筆頭に単品の米菓が+5%前後で伸びる一方、各種せんべい・米菓セット(23.0%)だけが▲0.2%と足踏み。
- 価格帯は金額で中(56.8%)・高(31.1%)が中心、数量では低(36.4%)が最多。自宅用と贈答用が別レイヤーで動く二層構造。
こうした動向は、自社が扱う銘柄や容量の単位ではどう見えるでしょうか。Nint ECommerceでは、主要ECモール(楽天・Amazon・Yahoo!ショッピング 等)のせんべい・米菓カテゴリを、サブカテゴリ・ブランド・商品単位で深堀りし、競合の売れ筋や価格帯、贈答期の品揃えの設計に活用できます(Nint ECommerce調べ・推計値)。

関連サービス・資料
執筆者の視点
データを眺めて意外だったのは、米菓の顔ともいえる詰め合わせセットだけが前年を下回っていた点です。単品のせんべいやあられ・おかきが+5%前後で伸びているので、米菓そのものが敬遠されているわけではありません。贈答から最も遠い時期の数字とはいえ、金額の3割を担う帯が動いていないのは、繁忙期の商品設計を前倒しで見直す理由になると感じました。
対象期間: 2026年5月〜2026年7月/データソース: Nint ECommerce(推計値)/対象カテゴリ: せんべい・米菓
この記事を書いた人

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト
note:https://note.com/nint_ecommerce
株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は20を超え、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。
■転載・引用について
※本記事の一部転載・引用は歓迎します。
本レポート・ブログの著作権は株式会社Nintまたは執筆者が所属する企業が所有します。
下記の禁止事項・注意点を確認の上、転載・引用の際は出典を明記してください。
【出典:株式会社Nint「記事タイトル」URL(〇年〇月〇日公開・更新)】
引用時のリンク属性については:リリース転載ではなく、記事・グラフ・データの引用の際は、必ず本ブログページのURLを出典元としてご記載お願いします。
※nofollow属性不可
本記事で使用しているデータや市場規模に関する推計値を引用いただく際は、正確な表記と文脈を保っていただけますようお願い申し上げます。また、引用や再利用の際には、事前にご連絡をいただけると幸いです。
■禁止事項
・内容の一部または全部の改変
・公序良俗に反する利用や違法行為につながる利用
・企業・商品・サービスの宣伝・販促を目的とした転載・引用
■その他の注意点
本レポートを利用することにより生じたいかなるトラブル、損失、損害等について、当社は一切の責任を負いません。この利用ルールは著作権法上認められている引用などの利用について、制限するものではありません。
■転載・引用についてのお問い合わせは下記までお願いいたします。
株式会社Nint マーケティング・ディビジョン
E-mail: marketing@nint.jp
■Nint ECデータラボをGoogleの「優先ソース」に登録
Googleの「優先ソース」にnint.jpを登録すると、検索結果のトップニュースやAIによる概要・AIモードの回答内で、本サイトの記事が強調表示されやすくなります。最新のEC市場分析を見逃したくない方はご登録ください(Googleアカウントが必要です。登録・解除はいつでも行えます)。