植物性ミルク市場レポート|売上+15.2%・豆乳が柱
本記事は、豆乳やアーモンドミルクなどの植物性ミルクをECで販売する事業者・メーカーの方に向けた市場レポートです。主要ECモールにおける2026年4〜6月の植物性ミルク市場の推定売上は約5.4億円(前年同期比+15.2%)、推定販売数は約17.5万点(同+16.7%)、平均単価は約3,061円(同▲1.3%)でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。伸びをつくったのは値上げではなく、買われた点数の増加です。売上の65.7%を豆乳が占める構造を、サブカテゴリ別・価格帯別に読み解きます。
本レポートのサマリー
- 市場規模: 約5.4億円(前年同期比 +15.2%)
- 販売数量: 約17.5万点(前年同期比 +16.7%)
- 平均単価: 約3,061円(前年同期比 ▲1.3%)
- 主要サブカテゴリ: 豆乳(65.7%)/アーモンドミルク(21.7%)/その他(11.7%)
- キートレンド: 上位2カテゴリがそろって+20%前後/伸びの源は単価ではなく販売数(+16.7%)
植物性ミルクのEC市場規模と推移
2026年4〜6月の植物性ミルクのEC市場規模は約5.4億円、前年同期比+15.2%でした。販売数は+16.7%と売上の伸びを上回り、平均単価は▲1.3%とわずかに下がっています。つまり金額の伸びは値上げではなく、買われた回数の増加によるものです。飲料のなかで数量ベースの二桁伸長を保つ領域は限られており、植物性ミルクはその一つです。上位カテゴリ全体の動きは水・ソフトドリンクのEC市場規模レポートで扱っており、本記事はそのなかの植物性ミルクを深掘りします。
| 指標 | 2026年4〜6月 | 前年同期 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 推定売上 | 約5.4億円 | 約4.6億円 | +15.2% |
| 推定販売数 | 約17.5万点 | 約15.0万点 | +16.7% |
| 平均単価 | 約3,061円 | 約3,100円 | ▲1.3% |
平均単価が3,000円台という数字は、1本あたりの価格ではありません。この市場の主流は紙パックのケース販売・まとめ買い(12本入り・24本入りなど)で、1回の注文が箱単位になるためです。単価が小幅に下がっているのは値崩れではなく、買いやすい容量・本数構成へ注文が分散した結果です。通年で飲まれる商材で、6月前後がやや高くなる動きも見られます。
サブカテゴリ別の構成と勝ち負け
植物性ミルク市場は、豆乳が65.7%、アーモンドミルクが21.7%を占め、この2カテゴリで市場の87.4%に達します。しかも伸び率も高く、豆乳が+19.6%、アーモンドミルクが+20.4%と、いずれも市場全体の+15.2%を上回りました。一方で「その他」(11.7%)は▲9.3%、ライスミルク(0.7%)は▲5.4%、ココナッツミルク(0.2%)は▲1.5%と前年を下回っています(Nint ECommerce調べ・推計値)。
| サブカテゴリ | 構成比 | 前年同期比 | 販売数(前年同期比) | 平均単価 |
|---|---|---|---|---|
| 豆乳 | 65.7% | +19.6% | 124,113点(+22.6%) | 2,834円 |
| アーモンドミルク | 21.7% | +20.4% | 32,240点(+15.3%) | 3,607円 |
| その他 | 11.7% | ▲9.3% | 16,418点(▲8.4%) | 3,816円 |
| ライスミルク | 0.7% | ▲5.4% | 1,387点(▲15.6%) | 2,561円 |
| ココナッツミルク | 0.2% | ▲1.5% | 785点(▲29.4%) | 1,633円 |
上位2カテゴリの中身は対照的です。豆乳は販売数が+22.6%と売上(+19.6%)を上回り、単価は▲2.4%。まとめ買いの回数が増え、1点あたりは少し安くなりました。アーモンドミルクは逆に販売数+15.3%に対し売上+20.4%、単価は+4.4%の3,607円で、点数と単価の両方が伸びています。なお、オーツミルクなど比較的新しい種類は独立したサブカテゴリではなく「その他」(平均単価3,816円)に含まれます。この区分は▲9.3%と前年を下回りましたが、内訳の個別の動きは本レポートのデータからは切り分けられません。乳製品側の需要の動きはチーズ・乳製品市場レポート、飲料としての併売の広がりはコーヒーEC市場レポートでも扱っています。
価格帯別の販売構成と購買行動
平均単価(約3,061円)を基準に低・中・高の3価格帯で売上構成比を見ると、中価格帯が65.7%と過半を占め、高価格帯が33.4%で続きます。低価格帯は0.9%とごく小さく、金額のほぼすべてが中・高の2帯で動いています。前述のとおり、ここでいう価格帯は1本の値段ではなくケース・まとめ買い単位の注文金額を指します(Nint ECommerce調べ・推計値)。
| 価格帯 | 売上構成比 |
|---|---|
| 低価格帯(〜2,600円) | 0.9% |
| 中価格帯(2,600〜3,200円) | 65.7% |
| 高価格帯(3,200円〜) | 33.4% |
低価格帯: ライスミルク・ココナッツミルク
低価格帯(0.9%)は、平均単価2,561円のライスミルクと1,633円のココナッツミルクが中心です。売上構成比は小さく、販売数もライスミルクが▲15.6%、ココナッツミルクが▲29.4%と減りました。ただし単価はそれぞれ+12.1%、+39.5%と上がり、小容量のお試し買いが減ってまとめ単位の注文が残った形です。単品集客より、主力商品との併売設計が向く帯です。
中価格帯: 豆乳のケース・まとめ買い
売上構成比65.7%の中価格帯は、平均単価2,834円の豆乳が占めます。市場の金額の3分の2がここで動く主戦場です。販売数は+22.6%と伸び、単価は▲2.4%。本数構成のバリエーション、定期的な再購入のしやすさ、送料込みの価格の見え方が、この帯の勝ち負けを左右します。
高価格帯: アーモンドミルクと「その他」
高価格帯(33.4%)は、平均単価3,607円のアーモンドミルクと、3,816円の「その他」で構成されます。アーモンドミルクは点数+15.3%・単価+4.4%と両方が伸びた唯一のサブカテゴリで、この帯を引っ張りました。対する「その他」は▲9.3%で、同じ帯のなかで選ばれる中身が入れ替わっています。単価が高い帯だからこそ、容量・本数と価格の組み合わせを競合と並べて確認する価値があります(Nint ECommerce調べ・推計値)。
植物性ミルクの事業者が来期取るべき3つの打ち手
ここまでの市場データをふまえ、植物性ミルクをECで扱う事業者・メーカーが来期に向けて取るべき打ち手を3つに整理します。
打ち手1: 豆乳は「買う回数」を増やす設計に寄せる
市場の65.7%を占める豆乳は、売上+19.6%に対して販売数が+22.6%と伸び、単価は▲2.4%でした。伸びの源は1点あたりの値段ではなく購入回数です。したがって、単価を上げにいくより、12本・24本といった本数構成の選択肢を整え、定期的な再購入をしやすくする施策のほうが効きます。飲み切りやすい容量を入口に据え、次の注文までの間隔を短くする導線を用意したいところです。
打ち手2: アーモンドミルクは単価を落とさずに伸ばす
アーモンドミルク(21.7%)は売上+20.4%、販売数+15.3%、単価+4.4%の3,607円と、市場のなかで唯一、点数と単価がともに上向いたサブカテゴリです。値引きに頼らず数量を伸ばせている状態なので、来期はこの構造を崩さない判断が要です。砂糖不使用・容量違いといった品揃えの幅で選ばれる理由をつくり、価格競争には踏み込まない線引きが有効です。
打ち手3: 「その他」の内訳は商品単位で確認する
オーツミルクなどを含む「その他」(11.7%)は▲9.3%と前年を下回りましたが、この区分はさまざまな種類の合算であり、カテゴリ単位の数字だけでは自社の判断材料になりません。Nint ECommerceでは、主要ECモールでどのブランド・どの容量構成・どの価格帯の商品が売れているかを商品単位まで下りて確認でき、区分の平均に隠れた伸びしろを取り出す材料になります。
よくある質問(Q&A)
植物性ミルクのEC市場規模はどのくらいですか?
主要ECモールにおける2026年4〜6月の推定売上は約5.4億円で、前年同期比+15.2%でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。推定販売数は約17.5万点(+16.7%)、平均単価は約3,061円(▲1.3%)で、数量が伸びを主導しています。
主要ECモールで最も売れている植物性ミルクの種類は何ですか?
豆乳が売上構成比65.7%で最も大きく、アーモンドミルク(21.7%)が続きます。この2カテゴリで市場の87.4%を占め、いずれも前年同期比+20%前後と市場全体の+15.2%を上回りました。
オーツミルクの売上はデータで見られますか?
本レポートの集計ではオーツミルクは独立したサブカテゴリではなく「その他」(構成比11.7%・前年同期比▲9.3%)に含まれます。個別の種類の動きを見る場合は、カテゴリ平均ではなく商品単位・ブランド単位での確認が必要です。
なぜ平均単価が3,000円台と高いのですか?
この市場の主流が紙パックのケース販売・まとめ買い(12本入り・24本入りなど)で、1回の注文が箱単位になるためです。1本あたりの価格ではない点に注意してください(Nint ECommerce調べ・推計値)。
まとめと、より深く分析するためのヒント
- 2026年4〜6月の植物性ミルクEC市場は約5.4億円(前年同期比+15.2%)。販売数+16.7%に対し単価は▲1.3%で、伸びの源は購入回数の増加。
- 豆乳(65.7%・+19.6%)とアーモンドミルク(21.7%・+20.4%)で市場の87.4%。豆乳は数量型、アーモンドミルクは数量と単価の両輪で伸長。
- 価格帯は中(65.7%)と高(33.4%)で金額のほぼ全部。低(0.9%)は主力との併売で扱うのが現実的。
こうしたサブカテゴリ別・価格帯別の動向は、自社が扱うブランドや容量構成の単位ではどう見えるでしょうか。Nint ECommerceでは、主要ECモール(楽天・Amazon・Yahoo!ショッピング 等)の植物性ミルクカテゴリを、サブカテゴリ・ブランド・商品単位で深堀りし、競合ショップの売れ筋や価格帯、まとめ買い需要の先読みに活用できます(Nint ECommerce調べ・推計値)。
関連サービス・資料
執筆者の視点
意外だったのは、二桁で伸びている市場なのに平均単価は下がっていた点です。飲料は値上げで金額が膨らむ例が多いなか、この市場は「買う回数」が増えて伸びていました。しかも主役は新顔ではなく豆乳で、市場の3分の2を占めながら販売数を+22.6%伸ばしています。新しい種類を追う前に、いま最も買われている商品の再購入をどう設計するか。数字を追うほど、そこに戻ってくる市場だと感じました。
対象期間: 2026年4月〜2026年6月/データソース: Nint ECommerce(推計値)/対象カテゴリ: 植物性ミルク
この記事を書いた人

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト
note:https://note.com/nint_ecommerce
株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は20を超え、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。
■転載・引用について
※本記事の一部転載・引用は歓迎します。
本レポート・ブログの著作権は株式会社Nintまたは執筆者が所属する企業が所有します。
下記の禁止事項・注意点を確認の上、転載・引用の際は出典を明記してください。
【出典:株式会社Nint「記事タイトル」URL(〇年〇月〇日公開・更新)】
引用時のリンク属性については:リリース転載ではなく、記事・グラフ・データの引用の際は、必ず本ブログページのURLを出典元としてご記載お願いします。
※nofollow属性不可
本記事で使用しているデータや市場規模に関する推計値を引用いただく際は、正確な表記と文脈を保っていただけますようお願い申し上げます。また、引用や再利用の際には、事前にご連絡をいただけると幸いです。
■禁止事項
・内容の一部または全部の改変
・公序良俗に反する利用や違法行為につながる利用
・企業・商品・サービスの宣伝・販促を目的とした転載・引用
■その他の注意点
本レポートを利用することにより生じたいかなるトラブル、損失、損害等について、当社は一切の責任を負いません。この利用ルールは著作権法上認められている引用などの利用について、制限するものではありません。
■転載・引用についてのお問い合わせは下記までお願いいたします。
株式会社Nint マーケティング・ディビジョン
E-mail: marketing@nint.jp
■Nint ECデータラボをGoogleの「優先ソース」に登録
Googleの「優先ソース」にnint.jpを登録すると、検索結果のトップニュースやAIによる概要・AIモードの回答内で、本サイトの記事が強調表示されやすくなります。最新のEC市場分析を見逃したくない方はご登録ください(Googleアカウントが必要です。登録・解除はいつでも行えます)。