チューハイ・ハイボール市場レポート|売上+5.8%
本記事は、チューハイやハイボール、カクテル、ノンアルコール飲料をECで販売する事業者・メーカーの方に向けた市場レポートです。主要ECモールにおける2026年4〜6月のチューハイ・ハイボール・カクテル市場の推定売上は約18.2億円(前年同期比+5.8%)、推定販売数は約33.8万点(同+4.0%)、平均単価は約5,376円(同+1.7%)でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。販売数と単価がともに前年を上回り、市場は前年比プラスで着地しています。チューハイ1カテゴリで売上の69.3%を占める構造を、サブカテゴリ別・価格帯別に読み解きます。
本レポートのサマリー
- 市場規模: 約18.2億円(前年同期比 +5.8%)
- 販売数量: 約33.8万点(前年同期比 +4.0%)
- 平均単価: 約5,376円(前年同期比 +1.7%)
- 主要サブカテゴリ: チューハイ(69.3%)/ハイボール(23.5%)/ノンアルコール(5.7%)
- キートレンド: 主力2カテゴリで市場の92.8%/構成比1.5%のカクテルが+24.4%で最も高い伸び/ノンアルコールは単価+6.5%が売上を牽引
チューハイ・ハイボール・カクテルのEC市場規模と推移
2026年4〜6月のチューハイ・ハイボール・カクテルのEC市場規模は約18.2億円、前年同期比+5.8%でした。推定販売数は約33.8万点(+4.0%)、平均単価は約5,376円(+1.7%)で、点数と単価が同時に前年を上回っています。平均単価が数千円台になるのは、24本入りなどのケース・箱単位でのまとめ買いが主流のためで、1本あたりの価格ではなく「1回の注文でいくら動くか」で見る指標です。上位カテゴリ全体の動きはビール・洋酒のEC市場規模レポートで扱っており、本記事はそのなかのチューハイ・ハイボール・カクテルを深掘りします。
| 指標 | 2026年4〜6月 | 前年同期 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 推定売上 | 約18.2億円 | 約17.2億円 | +5.8% |
| 推定販売数 | 約33.8万点 | 約32.5万点 | +4.0% |
| 平均単価 | 約5,376円 | 約5,285円 | +1.7% |
このカテゴリは12月に需要の山が来る通年型で、4〜6月はその手前の時期にあたります。気温が上がるにつれて低アルコール・炭酸系の商品が動き始め、ケース単位の買い置き需要が立ち上がります。1回の注文金額が大きい一方、同じ商品を繰り返し買う比率も高いため、初回の獲得より「次も同じ店で買ってもらえるか」が売上の積み上げを左右します。送料条件やケース入り数の設計が、そのまま再購入率に跳ね返る市場です。
サブカテゴリ別の構成と勝ち負け
市場の中身はチューハイ69.3%とハイボール23.5%に集中し、この2カテゴリで92.8%を占めます。前年同期比はチューハイ+6.1%、ハイボール+4.1%で、いずれも前年を上回りました。最も伸び率が高かったのは構成比1.5%のカクテルで、売上+24.4%・販売数+24.1%と、点数の増加がそのまま金額に反映されています。ノンアルコールは売上+4.9%と伸びた一方、販売数は▲1.5%で、単価+6.5%が金額を押し上げる形になりました(Nint ECommerce調べ・推計値)。
| サブカテゴリ | 構成比 | 前年同期比 | 平均単価 |
|---|---|---|---|
| チューハイ | 69.3% | +6.1% | 5,280円 |
| ハイボール | 23.5% | +4.1% | 6,325円 |
| ノンアルコール | 5.7% | +4.9% | 4,172円 |
| カクテル | 1.5% | +24.4% | 3,777円 |
4つのサブカテゴリは、伸びの中身が異なります。主力のチューハイは販売数+3.4%・単価+2.6%で、数量と単価をバランスよく積み上げました。ハイボールは販売数+6.6%と最も数量が伸びた一方、単価は▲2.3%で、売上の伸びは+4.1%にとどまっています。入り数の多いケースや価格を抑えた品目が動いた分だけ、1点あたりの金額が下がった形です。ハイボールの原料側にあたるカテゴリの動きはウイスキー市場レポート、家庭内消費のカテゴリ全体の広がりは日本酒・焼酎のEC市場規模レポートで扱っています。
価格帯別の販売構成と購買行動
平均単価(約5,376円)を基準に、サブカテゴリの平均単価で低・中・高の3価格帯に分けて売上構成比を見ると、中価格帯が69.3%で大半を占め、高価格帯が23.5%、低価格帯が7.2%となりました。ケース単位の購入が主流のため、ここでの価格帯は「1本の高級さ」ではなく「1回の注文でまとめる量と品目の違い」を映しています(Nint ECommerce調べ・推計値)。
| 価格帯 | 売上構成比 |
|---|---|
| 低価格帯(〜4,200円) | 7.2% |
| 中価格帯(4,200〜5,500円) | 69.3% |
| 高価格帯(5,500円〜) | 23.5% |
低価格帯: ノンアルコールとカクテルの入口ゾーン
低価格帯(7.2%)は、平均単価4,172円のノンアルコールと3,777円のカクテルが入るゾーンです。構成比は小さいものの、動きは対照的です。カクテルは売上+24.4%・販売数+24.1%と点数から伸び、ノンアルコールは販売数▲1.5%ながら単価+6.5%で売上を伸ばしました。1回の注文金額が最も小さく、少量から試す買い方を受け止める入口として機能する帯です。
中価格帯: 市場の約7割を占めるチューハイの主戦場
売上構成比69.3%の中価格帯は、平均単価5,280円のチューハイが単独で構成します。市場の金額の大半がこの1帯で動くため、ここでの品揃えと価格設定が売上をほぼ決めます。販売数+3.4%・単価+2.6%と、点数と単価の両方が前年を上回っており、値引きに頼らずに数量を伸ばせている帯です。定番の入り数を切らさず、注文単位ごとの送料条件を明確にしておくことが、この帯の取りこぼしを防ぐ基本になります。
高価格帯: 1回の注文額が大きいハイボール
高価格帯(23.5%)を構成するのは、平均単価6,325円のハイボールです。4つのサブカテゴリで最も1点あたりの金額が高く、販売数も+6.6%と最も伸びました。一方で単価は▲2.3%と下がっており、売上の伸び(+4.1%)は数量の伸びに届いていません。まとめ買いの単位が大きい帯だけに、値引きの深さがそのまま金額の目減りにつながります。数量を取りながら単価をどこで守るかの線引きが、この帯の利益を左右します(Nint ECommerce調べ・推計値)。
チューハイ・ハイボールの事業者が来期取るべき3つの打ち手
ここまでの市場データをふまえ、チューハイ・ハイボール・カクテル関連の商品をECで扱う事業者が来期に向けて取るべき打ち手を3つに整理します。
打ち手1: 中価格帯のチューハイを軸に、入り数と送料条件を整える
チューハイは構成比69.3%・売上+6.1%で、販売数(+3.4%)と単価(+2.6%)がともに前年を上回りました。値引きに頼らず伸ばせている帯であり、ここを崩さないことが最優先です。ケース入り数のバリエーション、送料無料になる注文金額の見せ方、欠品を出さない在庫運用を整えるだけで、同じ流入からの受注額を引き上げられます。市場の約7割が動く帯だけに、細かな条件の差が金額に直結します。
打ち手2: 伸び率の高いカクテル・ノンアルコールで受け皿を広げる
カクテルは構成比1.5%ながら売上+24.4%・販売数+24.1%と、4カテゴリで最も高い伸びを示しました。ノンアルコールも販売数▲1.5%に対し売上+4.9%で、単価+6.5%が牽引しています。構成比が小さいうちに品揃えを確保しておけば、市場が広がる局面で取り分を伸ばせます。主力のチューハイ・ハイボールと同時に購入される導線をつくれば、注文単価の底上げにもつながります。
打ち手3: ハイボールは単価▲2.3%の理由を競合の売り方から特定する
ハイボールは販売数+6.6%と最も数量が伸びながら、単価▲2.3%で売上は+4.1%にとどまりました。数量を取りに行った結果として1点あたりの金額が下がっているなら、どこで線を引くかを決める材料が必要です。Nint ECommerceでは、主要ECモールの競合ショップがどの品目・どの入り数・どの価格帯で展開しているかを把握でき、自社の値付けと品揃えを見直す材料になります。
よくある質問(Q&A)
チューハイ・ハイボールのEC市場規模はどのくらいですか?
主要ECモールにおける2026年4〜6月の推定売上は約18.2億円で、前年同期比+5.8%でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。推定販売数は約33.8万点(+4.0%)、平均単価は約5,376円(+1.7%)で、数量と単価がともに前年を上回っています。
なぜ平均単価が数千円台になるのですか?
このカテゴリは24本入りなどのケース・箱単位でのまとめ買いが主流のためです。1点=1本ではなく1ケース単位で取引されるため、平均単価は約5,376円となります。1本あたりの価格ではなく、1回の注文でいくら動くかで見る指標です。
最も伸びているサブカテゴリはどこですか?
伸び率では構成比1.5%のカクテルが売上+24.4%・販売数+24.1%で最も高く、金額規模ではチューハイ(69.3%・+6.1%)が市場を牽引しています。ハイボールは販売数+6.6%と数量の伸びが最も大きい一方、単価は▲2.3%でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。
4〜6月はこのカテゴリにとってどんな時期ですか?
需要の山は12月にある通年型のカテゴリで、4〜6月はその手前の立ち上がり期にあたります。気温の上昇にあわせて低アルコール・炭酸系の商品が動き始め、ケース単位の買い置き需要が増える時期です。年末の山に向けた品揃えと在庫の準備を始める段階といえます。
まとめと、より深く分析するためのヒント
- 2026年4〜6月のチューハイ・ハイボール・カクテルEC市場は約18.2億円(前年同期比+5.8%)。販売数+4.0%・平均単価+1.7%で、数量と単価がともにプラス。
- チューハイ(69.3%・+6.1%)とハイボール(23.5%・+4.1%)で市場の92.8%。伸び率では構成比1.5%のカクテル(+24.4%)が最も高い。
- 価格帯は中(69.3%)にチューハイが集中。高(23.5%)のハイボールは販売数+6.6%と単価▲2.3%が同時に起きており、値付けの線引きが利益を左右する。
こうしたサブカテゴリ別・価格帯別の動向は、自社が扱う品目やブランド単位ではどう見えるでしょうか。Nint ECommerceでは、主要ECモール(楽天・Amazon・Yahoo!ショッピング 等)のチューハイ・ハイボール・カクテルカテゴリを、サブカテゴリ・ブランド・商品単位で深堀りし、競合ショップの品揃えや価格帯、年末の山に向けた需要の先読みに活用できます(Nint ECommerce調べ・推計値)。
関連サービス・資料
執筆者の視点
データを見て意外だったのは、最も数量が伸びたハイボールが、単価では唯一のマイナス(▲2.3%)だった点です。数を取れているのに1点あたりの金額が下がっているのは、売り方の設計で結果が変わる余地が残っているということです。逆に主力のチューハイは数量と単価を同時に伸ばしていました。同じ市場のなかで、伸ばし方がここまで分かれるのかと数字から気づかされました。
対象期間: 2026年4月〜2026年6月/データソース: Nint ECommerce(推計値)/対象カテゴリ: チューハイ・ハイボール・カクテル
この記事を書いた人

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト
note:https://note.com/nint_ecommerce
株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は20を超え、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。
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