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犬用品市場レポート|単価+17.5%

犬用品 市場レポート

犬用品EC市場の動向を、主要ECモールのデータから把握したいEC事業者の方に向けたレポートです。2026年2月〜4月は、推定売上が約143億円(前年同期比▲5.6%)、販売数量は約355万個(▲19.6%)、平均単価は約4,000円(+17.5%)でした。販売数が二桁減速する一方、平均単価が前年比+17.5%上昇し、療法食・機能性フードへの購買シフトが市場の単価を支える構造が鮮明になっています(Nint ECommerce 調べ・推計値)。

本レポートのサマリー

  • 市場規模: 約143億円(前年同期比 ▲5.6%)
  • 販売数量: 約355万個(前年同期比 ▲19.6%)
  • 平均単価: 約4,000円(前年同期比 +17.5%)
  • 主要サブカテゴリ: ドッグフード・サプリメント(62.3%) / トイレ用品(10.7%) / 首輪・胴輪・リード(4.7%)
  • キートレンド: 療法食シフトによる単価上昇、トイレ用品の構成比拡大、首輪・リード・ウェアの伸長

犬用品市場の規模と推移

2026年2月〜4月の市場規模は約143億円、前年同期比▲5.6%でした。販売数量が▲19.6%と二桁減少した一方、平均単価が+17.5%上昇しており、市場は「販売数を抑えながら、1点あたりの単価で売上を支える」フェーズに入っています。背景には、ドッグフード領域における療法食・機能性フードへの購買シフトがあると考えます。

指標前年同期比
推定売上約143億円▲5.6%
販売数量約355万個▲19.6%
平均単価約4,000円+17.5%
Nint ECommerce 調べ(推計値)

単価上昇が販売数減少を一部相殺する局面では、低価格の消耗品と高単価のケア・療法領域の二層を意識した品揃え設計が有効です。隣接領域のペット用品市場レポートでも単価上昇による下支え構造が同様に確認でき、ペット領域全体で医療・ケア軸へのシフトが並行しています。

サブカテゴリ別の構成と勝ち負け

売上構成比はドッグフード・サプリメントが62.3%と中心を占めますが、構成比は前年差▲3.6ポイントと縮小しました。代わって、トイレ用品(+0.7pt)、首輪・胴輪・リード(+0.7pt)、キャリーバッグ・カート(+0.5pt)、ドッグウェア(+0.5pt)が軒並み構成比を伸ばし、フード一辺倒からアクセサリー・周辺グッズへ重心が分散しています。

順位サブカテゴリ構成比前年差(pt)推定売上YoY平均価格
1ドッグフード・サプリメント62.3%▲3.6▲10.7%約4,400円
2トイレ用品10.7%+0.7+0.6%約3,800円
3首輪・胴輪・リード4.7%+0.7+12.2%約2,500円
4キャリーバッグ・カート4.7%+0.5+5.5%約10,000円
5ドッグウェア4.4%+0.5+6.1%約2,100円
Nint ECommerce 調べ(推計値)

首輪・胴輪・リードが売上YoY+12.2%と全カテゴリ中最も伸びており、散歩関連アクセサリーが市場拡大の起点になっています。トイレ用品も微増で推移し、消耗品需要の底堅さがうかがえます。事業者は、伸長カテゴリのアクセサリー類とトイレ用品の高機能化、ドッグフード分野の療法食・機能性領域への参入で、複数の成長軸を組み合わせる余地があります。

価格帯別の販売構成と購買行動

価格帯別の売上構成比は、低価格帯(6,000円未満)42.0%、中価格帯(6,000円〜1万1,000円)30.7%、高価格帯(1万1,000円以上)27.3%でした。販売数を支える低価格帯の消耗品と、売上を支える中・高価格帯の療法食・機能性フードの二極構造が、市場全体を形成しています。

価格帯売上構成比
低価格帯(6,000円未満)42.0%
中価格帯(6,000円〜1万1,000円)30.7%
高価格帯(1万1,000円以上)27.3%
Nint ECommerce 調べ(推計値)

低価格帯(6,000円未満・構成比42.0%)

薄型ペットシーツの大容量パック(レギュラー1200枚/ワイド600枚)、ニュートロ シュプレモなど小型犬向けドッグフード3kgクラスが中心です。日用消耗品としてリピート購買が定着しており、まとめ買い・大容量化による単価訴求が共通項です。

中価格帯(6,000円〜1万1,000円・構成比30.7%)

ロイヤルカナン療法食(消化器サポート低脂肪・腎臓サポート等)の小袋・缶セット、機能性ドッグフードの大袋が中心です。獣医師指導下で長期的に与えられる療法食は購買サイクルが安定し、家計内で固定支出化する傾向が見られます。

高価格帯(1万1,000円以上・構成比27.3%)

療法食の4kg大容量パック、プレミアムフード(アカナ・オリジン・カナガン等)、ペットカート・キャリーバッグなどが上位を占めます。シニア犬・多頭飼育世帯の医療投資や、外出・移動の利便性ニーズに応える商材で、LTVが高い領域です。

Nint ECommerce|自社カテゴリの売上・競合をデータで見る

犬用品事業者が来期取るべき3つの打ち手

打ち手1: 散歩アクセサリー(首輪・リード・ウェア)の伸長を取りに行く

首輪・胴輪・リード(+12.2%)、ドッグウェア(+6.1%)が高い伸び率を示しており、構成比も+0.7pt・+0.5ptと拡大しています。安全性・機能性・デザイン性で差別化できる領域で、定番品と高機能品(反射素材・ハーネス型・体温調整ウェア等)の二軸ラインナップが有効です。

打ち手2: 療法食・機能性フードの品揃え強化と継続購買設計

中・高価格帯の上位を療法食(消化器サポート・腎臓サポート等)が占める構造は、需要が一過性ではなく構造的であることを示しています。療法食の参入は獣医師連携や規制対応が必要ですが、隣接する機能性カテゴリ(シニア犬用・関節サポート・腸内環境)には参入余地があります。「健康課題 × 価格帯」のマトリクスで自社品揃えのギャップを点検すると効果的です。

打ち手3: 低価格帯消耗品はリピート設計と大容量化で差別化

ペットシーツ・低価格ドッグフードは1枚あたり3〜4円台までコモディティ化が進行しています。価格競争に巻き込まれないために、消臭・抗菌機能の付加、大容量・定期便でのLTV最大化、自社ECとECモールの併売動線整理など、リピートを取りにいく設計が鍵です。サブカテゴリ・ブランド・JAN単位の細かな動向はNint ECommerceで自社カテゴリに絞って把握でき、品揃えと価格設計の意思決定の精度を高められます。

よくある質問

犬用品市場でいま伸びているカテゴリは?

首輪・胴輪・リードが推定売上+12.2%と最も伸びています。ドッグウェア(+6.1%)、キャリーバッグ・カート(+5.5%)が続き、散歩・外出関連アクセサリーが市場拡大の中心です(Nint ECommerce 調べ・推計値)。

平均単価が+17.5%上昇しているのはなぜ?

中・高価格帯の上位を療法食(ロイヤルカナンの消化器サポート低脂肪・腎臓サポート等)が占めており、医療目的の高単価フードへ需要がシフトしていることが主因です(Nint ECommerce 調べ・推計値)。

主要ECモールでの売れ筋傾向は?

主要ECモール(楽天・Amazon・Yahoo!ショッピング 等)の合算推計では、低価格帯はペットシーツの大容量パックとニュートロ シュプレモ等のフード、中・高価格帯はロイヤルカナン療法食やプレミアムフード(アカナ・オリジン)が上位を占めます(Nint ECommerce 調べ・推計値)。

まとめと、より深く分析するためのヒント

  • 市場は「販売数▲19.6% × 単価+17.5%」で売上は▲5.6%、医療・ケア領域への質的シフトが鮮明。
  • ドッグフード中心の構造は維持しつつ、首輪・リード・ウェア・カートなど散歩アクセサリーが伸長(+5〜12%)。
  • 低価格帯=消耗品、中・高価格帯=療法食・プレミアムフードの二極構造が来期の価格帯設計の鍵。

カテゴリ・ブランド・JAN単位での深掘りや競合比較、トレンドの先読みには、客観的なデータに基づく分析が欠かせません。主要ECモール(楽天・Amazon・Yahoo!ショッピング 等)を横断的に把握することで、品揃えと販促の意思決定の精度を高められます。

Nint ECommerce|EC市場・競合・カテゴリのデータを見える化

執筆者の視点

注目したのは、ドッグフード単独の構成比が▲3.6ポイントと縮小しながら、散歩関連アクセサリー(首輪・リード・ウェア・カート)が軒並み伸びている点です。飼い主の関心が「食べさせる」から「一緒に過ごす時間の質」へ広がっており、ペット業界における支出構造の変化を映していると考えます。事業者にとっては、フードの定番需要を押さえつつ、散歩・移動・ファッション領域でアップセル動線を設計することが、来期の差別化につながりそうです。

関連サービス・資料

対象期間: 2026年2月1日〜2026年4月30日/データソース: Nint ECommerce(推計値)/対象カテゴリ: 犬用品

この記事を書いた人

山本真大 / 株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト

note:https://note.com/nint_ecommerce

株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は20を超え、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。

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