2024年のECトレンド振り返り&2025年の売れる商品予測【食品・ファッション・コスメ】
これから売れる商品を見極めたいEC事業者にとって、過去の流行をなぞるだけでは不十分です。本記事では、㈱Nintのカスタマーサクセス加藤が、主要ECモール(楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング 等)の売上推計データをもとに、2025年に実際に売れた商品トレンドを振り返り、2026年に伸びる商品カテゴリを食品・ファッション・コスメの3ジャンルで予測します。マクロな潮流ではなく「実際に何が売れているか」というデータ起点で、仕入れ・商品企画のヒントをお届けします。
※本記事のデータは主要ECモールの売上推計値(Nint ECommerce調べ)です。対象期間は直近3ヶ月(2026年2〜4月)の実績を前年同期(2025年2〜4月)と比較したもので、特定モール単体の数値ではありません。最終更新:2026年6月5日
目次
2026年のECトレンドを読み解く視点とは──実売データで「これから売れる商品」を探す
ECトレンドとは、消費者の購買行動の変化が売上データに表れた集合的な傾向のことです。2026年のトレンド予測記事は数多くありますが、その多くは「AI接客」「ソーシャルコマース」といったマクロな潮流の解説にとどまり、実際にどのカテゴリの商品が売れているのかという具体性に欠けます。
私は主に食品、ファッション、コスメジャンルのお客様を担当するチームに所属しています。日々データと向き合う立場から言えるのは、「これから売れる商品」のヒントは抽象的な未来予測ではなく、直近の売れ筋がどう動いたかの中にこそあるということです。本記事では、主要ECモールの売上推計データから読み取れる足元のカテゴリトレンドを起点に、2026年に注目すべき商品を考察します。
マクロな潮流(後述する構造的トレンド)も押さえつつ、Nintの強みである「実売データ起点の具体的なカテゴリ売れ筋」で、仕入れ判断に直結する視点を提供するのが本記事の狙いです。
2025年に売れた商品トレンドの振り返り──食品・ファッション・コスメ
まずは、足元(2026年2〜4月)の売れ筋が前年同期と比べてどう変化したかを、3ジャンルで振り返ります。いずれも主要ECモールの売上推計データ(Nint ECommerce調べ)にもとづく、カテゴリ単位のトレンドです。
食品:コーヒーが牽引、嗜好品の「家飲み・家カフェ」需要が拡大
食品ジャンルで最も目立ったのはコーヒーの伸びです。直近3ヶ月の売上推計は前年同期比で2桁台後半の成長となり、食品サブカテゴリの中で突出した伸び率を示しました。あわせて米・雑穀、魚介類、チョコレート、水・炭酸水、調味料といった日常の必需品・嗜好品も数%の堅調な伸びを見せています。物価高が続くなかでも、自宅で楽しむ「家飲み・家カフェ」需要が、嗜好性の高い飲料・食品の購入を底支えしていると考えられます。
一方で、精肉・肉加工品、フルーツ、ウイスキー、クッキー・焼き菓子などは前年同期を下回りました。高単価のギフト・嗜好品から、日常的に消費する定番品へと購買の比重が移っている様子がうかがえます。なお、米・雑穀カテゴリの詳しい動向は米・雑穀市場レポートでも分析しています。
| 食品の売れ筋カテゴリ | 直近3ヶ月の傾向(前年同期比) |
|---|---|
| コーヒー | 大きく伸長(2桁台後半の成長) |
| 米・雑穀/魚介類/チョコレート/水・炭酸水 | 堅調に伸長(数%増) |
| 精肉・肉加工品/フルーツ/ウイスキー | 前年同期を下回る |
ファッション:レインウェアが急伸、天候の極端化が需要を直撃
ファッションジャンルでは、トップス・コート・ボトムス・ワンピースといった主力カテゴリの多くが前年同期を下回るなか、レインウェア(レイングッズ)が際立って伸長しました。ゲリラ豪雨の頻発や天候の極端化が常態化するなかで、雨具が「季節品」から「通年で備える実用品」へと位置づけを変えつつあるとみられます。
2024年のファッショントレンドが「折りたたみ傘」だったことを振り返ると、天候リスクへの備えという消費者心理が、形を変えて2025〜2026年も継続していることがわかります。アパレル全体が伸び悩むなかでも、こうした機能性・実用性に紐づくカテゴリは需要を取り込んでいます。学生服など新生活シーズンの定番も底堅く推移しました。
| ファッションの売れ筋カテゴリ | 直近3ヶ月の傾向(前年同期比) |
|---|---|
| レインウェア(レイングッズ) | 大きく伸長(突出した伸び率) |
| 学生服 | 底堅く推移(小幅増) |
| トップス/コート・ジャケット/ボトムス/ワンピース | 前年同期を下回る |
コスメ:美顔器など「ホームビューティ家電」とベースメイクが伸長
コスメジャンルでは、スキンケアが引き続き最大の売れ筋カテゴリである一方、その規模は前年並みで横ばいでした。代わりに勢いを見せたのが美顔器・スチーマーといったホームビューティ家電です。平均単価が1万円台後半の高単価帯にもかかわらず、直近3ヶ月の売上推計は前年同期比で3割前後の伸びとなりました。自宅で本格的なケアを行う「ホームエステ」志向の高まりが背景にあると考えられます。
あわせて、ベースメイク・メイクアップやメイク道具・ケアグッズも伸長しました。外出機会の回復を受けて、スキンケア偏重だった需要が「メイクの楽しみ」へと再び広がっている様子がうかがえます。一方、香水・フレグランスやネイル、アロマなどは前年同期を下回りました。美容家電のさらに詳しい市場動向は美容家電市場レポートでも掘り下げています。
| コスメの売れ筋カテゴリ | 直近3ヶ月の傾向(前年同期比) |
|---|---|
| 美顔器・スチーマー(高単価帯) | 大きく伸長(3割前後の成長) |
| ベースメイク・メイクアップ/メイク道具 | 堅調に伸長 |
| スキンケア | 最大カテゴリだが横ばい |
| 香水・フレグランス/ネイル | 前年同期を下回る |
2026年に売れる商品の予測──カテゴリ別の「これから売れる商品」
足元の売れ筋トレンドを踏まえ、2026年に伸びると予測される商品カテゴリを整理します。いずれも前述の実売データの方向性を根拠にした予測です。
食品:嗜好性飲料と「ご褒美価格」の二極化
コーヒーの伸びに代表されるように、家庭で楽しむ嗜好性飲料は2026年も拡大が見込まれます。スペシャルティコーヒー、クラフトドリンク、機能性に着目した飲料(カフェインレス、健康志向のお茶など)は、家カフェ需要の受け皿として有望です。一方で日常の必需品は価格訴求が効きやすく、まとめ買い・定期購入向けの商品設計が鍵になります。「日常の節約」と「ご褒美の贅沢」の二極化を見据えた品揃えが、2026年の食品ECで売れる商品の条件となるでしょう。
ファッション:天候対応・機能性ウェアが「これから売れる商品」の核に
レインウェアの急伸が示すのは、天候の極端化に対応する機能性ウェアが安定した需要を持つということです。2026年は、防水・撥水アイテム、UVカットや冷感素材を用いた猛暑対応ウェア、そして雨にも日差しにも対応するオールシーズン型の実用アイテムが、ECトレンドの中心になると予測します。デザイン性だけでなく「気候変動下で快適に過ごせる機能」を訴求できる商品が、アパレル全体が伸び悩むなかでも選ばれる商品になるでしょう。
コスメ:ホームビューティ家電と「メイク回帰」が2026の注目商品
美顔器・スチーマーの高い伸びは、消費者が消耗品(化粧品)だけでなく耐久財(美容家電)にも投資する段階に入ったことを示しています。2026年は、家庭用の美容家電(美顔器、ヘアケア家電、脱毛器など)が引き続き注目カテゴリになると見込まれます。あわせて、外出機会の回復を背景にベースメイク・メイクアップの「メイク回帰」も続くでしょう。スキンケアは市場の土台として安定的に推移しつつ、成長の伸びしろは美容家電とメイクアップにあるというのが2026年のコスメ市場の見立てです。
2026年の構造的トレンド──AI接客・ソーシャルコマースの潮流
カテゴリ別の売れ筋に加えて、2026年のECを取り巻く構造的な潮流も押さえておきましょう。これらは「何が売れるか」を後押しする土台となる変化です。
- AI接客・生成AIの本格活用:商品レコメンドやチャット接客、レビュー要約などにAIの実装が広がり、購買体験のパーソナライズが進むとされています。
- ソーシャルコマースの拡大:SNSと購買が地続きになり、発見から購入までの導線が短くなる流れが続いています。
- TikTok Shopなど動画起点の購買:日本でもショート動画やライブコマースを起点とした購買が広がりつつあります。
これらのマクロ潮流は「売り方・出会い方」を変えるものであり、各種業界レポートでも2026年の重点テーマとして挙げられています(出典:経済産業省「電子商取引に関する市場調査」ほか各種業界レポート)。ただし、こうした潮流に乗るうえでも、「自社のカテゴリで実際に何が売れているか」を実売データで掴むことが出発点になります。売り方の最新化と、売れ筋の正確な把握。この両輪が2026年のEC戦略の鍵です。
なかでも日本で急拡大するTikTok Shopでは、衣類と化粧品が二大柱を占めつつ食品が急成長するなど、既存のECモールとは異なる売れ筋の勢力図が生まれています。詳しくはTikTok Shopで売れているジャンルのデータ解説をご覧ください。
これから売れる商品をNintデータで見つける方法──仕入れ・商品企画の実践ワークフロー
本記事で示したようなカテゴリトレンドは、Nint ECommerceを使えば自社の対象ジャンルで具体的に確認できます。トレンド商品を仕入れ・商品企画につなげるための実践的なワークフローを紹介します。
仕入れ商品を決める際の王道は、市場動向調査 → 需要予測 → 競合決定 → ランキング推移 → 価格戦略の5ステップです。Nint ECommerceはこの5ステップを1ツール内で完結でき、勘と経験に頼らないデータ起点の判断を実現します。
| ステップ | 見ること | 判断できること |
|---|---|---|
| 1. 市場動向調査 | ジャンル情勢の前月比・前年同月比、ジャンル変動 | 伸びているカテゴリか(参入・拡大の可否) |
| 2. 需要予測 | ピーク月・閑散期、直近30日売上指数、価格帯分布 | いつ仕掛けるか/自社で再現可能な売上レンジか |
| 3. 競合決定 | 人気ショップ・人気商品TOP100の規模と平均価格 | 誰と戦うか(ベンチマーク競合の固定) |
| 4. ランキング推移 | ベンチマーク商品の階層別・日次ランキング | 狙えるランキングと日販目標 |
| 5. 価格戦略 | 価格・ポイント施策とランキングの相関、価格履歴 | 売れる価格帯と自社の値付け |
特に「これから売れる商品」を先回りで見つけたい場合は、レビュー件数を「10〜100」など少なめに絞り込むのが有効です。リピーターがまだ多くない=最近売れ始めた新規ヒット候補を、レッドオーシャン化する前に発見できます。本記事で触れた美顔器やレインウェアのような「伸びているカテゴリ」のなかで、こうした新規ヒット候補を押さえることが、商品企画・仕入れの精度を高めます。
Nint ECommerceは、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングの3モールに対応し、日本のEC市場の約7割をカバーします。1ツール内で主要モールを横断したベンチマークが可能です。
売れ筋トレンドを、自社のカテゴリで確かめる
本記事のようなカテゴリ別の売れ筋トレンドを、Nint ECommerceなら対象ジャンル・価格帯・競合店舗の単位で具体的に分析できます。これから売れる商品の発見に、実売データを活用してみませんか。
よくある質問(FAQ)
Q1. 2026年のECで売れるジャンルはどこですか?
A. 主要ECモールの売上推計データ(Nint ECommerce調べ)では、食品の嗜好性飲料(コーヒー等)、ファッションの天候対応ウェア(レインウェア等)、コスメのホームビューティ家電(美顔器等)が直近で伸びています。これらは2026年も需要が続くと予測されるカテゴリです。
Q2. トレンド商品を仕入れる前に見つけるにはどうすればよいですか?
A. 売上データでカテゴリの伸びを確認し、そのなかでレビュー件数の少ない(10〜100件程度)商品を絞り込む方法が有効です。リピーターがまだ多くない=最近売れ始めた新規ヒット候補を、競争が激化する前に発見できます。Nint ECommerceの商品分析機能でこの絞り込みが可能です。
Q3. 「これから売れる商品」の予測に、過去データはどこまで役立ちますか?
A. 役立ちます。トレンドは突然生まれるのではなく、直近の売れ筋の変化として表れます。前年同期比でどのカテゴリが伸び・縮小しているかを掴むことで、次に伸びる商品の方向性を根拠を持って予測できます。本記事もこの手法で2026年の予測を組み立てています。
Q4. AI接客やソーシャルコマースなどのトレンドにも対応すべきですか?
A. はい、売り方の最新化として重要です。ただし、それらは「売り方・出会い方」を変える潮流であり、出発点は「自社のカテゴリで何が実際に売れているか」を正確に把握することです。売れ筋の把握と売り方の最新化を両輪で進めることをおすすめします。
Q5. データはどのモールのものですか?推計値ですか?
A. 本記事のデータは楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングを含む主要ECモールの売上推計値(Nint ECommerce調べ)で、独自アルゴリズムによる推計値です。特定モール単体の数値ではなく、カテゴリ単位の傾向としてご覧ください。対象は2026年2〜4月の実績と前年同期の比較です。
まとめ:過去の振り返りから、これからの仕入れ判断へ
2025年から2026年にかけてのトレンドは、食品=嗜好性飲料の拡大、ファッション=天候対応ウェアの台頭、コスメ=ホームビューティ家電とメイク回帰、という形で表れています。いずれも「物価高」「気候変動」「自宅での体験価値」という社会変化を映した動きです。
AI接客やソーシャルコマースといったマクロ潮流を押さえることも大切ですが、最終的に「これから売れる商品」を選ぶのは、自社のカテゴリで実際に何が売れているかという実売データです。過去のトレンドの振り返りを、これからの仕入れ・商品企画の判断につなげるために、Nint ECommerceのデータをぜひご活用ください。楽天市場での売上分析の進め方は、楽天市場の売上分析方法もあわせてご覧いただくと理解が深まります。
Nint ECommerceに関して
Nint ECommerceは、日本国内のEC市場の約7割を占める3大ECモール(楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング)の売上・販売数量を、モール別・ジャンル別・ショップ別・商品別に分析できるプラットフォームです。本記事で紹介したカテゴリトレンドの把握から、仕入れ・商品企画・価格戦略まで、データドリブンな意思決定を支援します。
活用例
- 伸びているカテゴリ・売れ筋商品の発見(市場動向調査)
- 競合価格を見ながらの自社販売価格・ポイント倍率の設定
- レビュー件数フィルタによる新規ヒット候補の先行発見
- ベンチマーク競合の売上・ランキング・価格の追跡
ご利用シーンに応じた料金体系をご用意しています。詳細はお気軽にお問い合わせください。
EC市場全体のトレンドをまとめた「AIインサイトレポート」(主要3モール分析)もご用意しています。AIインサイトレポートをダウンロードする
この記事を書いた人

加藤 洋平(かとう ようへい)
株式会社Nint カスタマーサクセスDiv フード&ファッション・コスメユニット データアナリスト
2010年よりグリーンスタンプ株式会社にてコンサルティング営業としてキャリアをスタート。2017年よりバリューコマース株式会社にてデータアナリストとしてコンサルティング業務に従事。その後、株式会社フィードフォース社を経て、2022年よりNintにて営業もできるデータアナリストとして鋭意活動中。
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【出典:株式会社Nint「2026年に売れる商品は?ECトレンドを実売データで予測」(2026年6月5日更新)】
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