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ニッチ商品の見つけ方!ECで成功するためのポイントと具体例

#ECモール運営ノウハウ #商品開発 #販促ノウハウ

こんにちは、株式会社Nintカスタマーサクセスdivの菱田と申します。

日頃EC運営をしている皆様の中には、「ニッチ商品を見つけて、そのニーズをがっつり囲い込みたいなあ」と考える方も多いのではないでしょうか。実際、私もお客様からよく「Nintでニッチ商品はどうやって見つけるの?」と質問をいただきます。そこで本記事ではニッチな商品の見つけ方について、ニッチ市場に挑戦する上での課題やその魅力にも触れながら、効果的なステップを実体験を踏まえながらご説明します。

ニッチ商品を見つける難しさとその重要性

まず、「ニッチな商品を見つける」ということは非常に難易度の高いアクションであることを認識しましょう。そもそもニッチという言葉は「見逃されやすい隙間」という意味で、普段の生活の中で「自分自身も見逃している」商品なのです。
そのため、そうした見逃される隙間を見つけるには、小さな視点や細かい気づきを大切にすることが、難易度を大きく変えるポイントになります。

ニッチ商品の見つけ方:4つのステップ

Nintのサービスを活用していただいているお客様の中にも、いきなりNint ECommerceを使ってニッチ商材を探し始めてしまう方が多いです。
しかし、何億点もある商品の中からいきなりニッチな商品を見つけようとしても見つかる確率は非常に少なく、かつ再現性がありません。

そのため、下記のような流れで探すことをおすすめします。

1. 日常生活の中で仮説を立てる

日常生活の中で、「ここにこんなのあったらいいな」「これにこんな機能ついていたら便利だな」と思ったことをメモに残しましょう。
これはいわゆる「仮説」を立てる段階であり、ニッチな商品の見つけ方はこの仮説立てでほぼ決まるといっても過言ではないほど重要です。

世の中もかなり便利になりましたが、生活の中では日々新しい「不満」や「不便」が生まれています。その「不満」や「不便」を下記の要素で分解して考えることが重要です。

  • シーン→どんな状況で使うのか
  • 場所→どこで使うのか
  • 用途→何のために使うのか
  • 時間→いつ使うのか

実際の例を挙げながらアクションを確認していきましょう。

例: 洗面所用の時計

私の家には洗面所に時計がありません。そのため、少し多めに寝てしまった時やなにかアクシデントがあった際、時間を確認できず、朝の準備がバタつくことがあります。そんなとき、洗面所できちんと時間が把握できていたら、アクションの取捨選択ができます。よく妻から「今何時??」と洗面所から声をかけられることも多いので、私だけの問題では無さそうです。

この気づきを先ほどのように要素で分解して整理すると、以下のようになります。

  • 不便:洗面台に時計がなくて朝の忙しい時間にぱっと時間を確認できない
  • シーン:朝の身支度中
  • 場所:洗面所
  • 用途:時間の確認やリマインド
  • 時間:朝

ここまで整理できたら、次のアクションに移ります。

2. ECモールでニーズを確認する

次に、メモしたアイデアをもとに、楽天市場やAmazonなどのECモールで商品を検索します。
例として、今回は楽天で「洗面台 時計」と検索すると、防水時計という商品が見つかりました。

これらの商品は防水仕様となっている上、鏡に吸盤で貼り付けることができるため、洗面所でも使いやすい特徴があります。これらの商品にフォーカスしていきましょう。

3. Nint ECommerceを使って市場を分析する

見つけた商品が実際に売れているのかを確認するには、Nint ECommerceを活用します。この「防水時計」が実際に売れているのか確認していきましょう。Nint ECommerceの「商品分析」機能を用いて推定売上の月次推移や販売量を分析することができます。

実際の手順

  1. 楽天市場での検索ワードを「防水 時計」に変更して検索し直し、検索順位の1ページ目に大手メーカーの商品が並んでいないか確認しましょう。
  2. 検索順位の一番高い商品のURLをコピーします。(業種分析のエンタープライズ版やプロフェッショナル版で該当ジャンルをご購入いただいている場合は、業種分析や商品分析の検索機能を用いて、特定期間で最も売れている商品をピックアップいただくことができます。)
  3. 「商品分析」内にコピーしたURLを貼り付けて、商品登録をします。
  4. 登録した商品の直近13カ月の販売動向や価格とポイントの推移、改名履歴を使ったクーポンやキャンペーンの実施履歴(ショップが商品名を変更している場合のみ)を確認します。

実際に防水時計で最も検索順位の高かった平均単価2,000円~3,000円の商品の直近13カ月の売上推移は下記の通りです。(2025年1月21日時点)

Nint ECommerceより作成

データを確認すると、月間平均の売上は約25万円。税込み価格が2,000円~3,000円の商品で月間販売数量を算出すると、該当商品は月に100個前後販売されているという結果が得られました。つまり、年間では1,200個程度の販売見込みがあります。防水時計で調べた際の検索結果では目立った大手メーカーもおらず、1商品の販売規模もそれなりにあり、「防水時計」はまさしくニッチ商材と言えそうです。

このように、具体的なデータをもとに市場規模を把握できます。

4. 取り扱いの判断をする

商品を仕入れる場合

ではこの商品を仕入して販売する場合、何個取り扱えばよいでしょうか?様々な考え方がありますが、Nintでは登録されているJANコードをベースに、楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングの3モールで販売する場合のおすすめ仕入れ数を算出する「Nint仕入れ」というサービスを展開しています。(単体契約月額5万円、NintECを同時契約の場合月額2万円)

こちらのNint仕入れを使えば、3モールでの適正仕入数や仕入価格を算出できます。

※該当商品に関しては、JANコードが登録されていませんでしたので、この商品ページ単体の数字をベースにして算出されました。

例えば、防水時計の場合、販売価格を仮に2500円として入力すると仕入れ判定はGO、1か月の仕入キャパは最大69個となりました。(※2025年1月21日時点)
発注単位12個で1か月で在庫を1回転させるなら、12個×5箱で60個の在庫をしても大丈夫との計算になります。

また、いくらで仕入れればいいかの計算もNint仕入れで可能です。

この商材を仕入れる場合、配送料や運営費を考慮して15%の営業利益を残そうと思うと、仕入下限価格は909円となります。

上記をまとめると、仕入価格909円、税込売価2,500円、月間売上15万円、月間販売数量60個をベースに仕入のジャッジをすることが可能です。

商品を開発する場合

商品を仕入れるのではなく自社で開発する場合、同じ性能・同じ価格のものを出しても、既存商品と市場ニーズを分けあうだけ、かつ短期的な将来で値下げ競争のリスクがあります。

メーカー様毎に戦略によって様々な考え方があるかと存じますが、今回程度のニッチな市場規模であれば、既存商品のニーズを上回る商品を出して、丸ごとニーズを飲み込むことも難しくないため、今回はその軸で考察していきます。

ポイントは、既存商品の購入者のレビューを読み、高評価点と要改善点を把握することです。レビューを分析することにより、既存商品の高評価点と要改善点を把握し、新商品開発に役立てましょう。

今回の例に挙げた商品のレビューから、高評価点と要改善点を以下にまとめました。

高評価点:

  • 洗面所につけても邪魔にならない
  • 見やすい文字の大きさ
  • 防滴性能
  • くすみ系カラーで可愛い
  • 子供とお風呂で時計の勉強ができる

要改善点:

  • 吸盤が弱い
  • ガラス面が曇ってしまって見えない
  • 秒針の音が大きい
  • 防水性能まであるとよい
  • 落とすと洗面台や時計本体に傷がつく

上記の結果を勘案し、高評価点は必ず競合商品と同じレベル以上に設計をしつつ、要改善点にどれだけ対応をしていくのかが開発時の重要なポイントになります。これにより、既存商品のシェアを丸のみして、ニッチ市場の独占を図っていく戦略を実行することが可能になります。

なおNintでは、高評価点と要改善点の重要度を図る指標として、レビューを単語レベルに区切って単語の出現率の集計をした「レビュー分析レポート」の作成も承っております。お気軽にお問い合わせいただければと存じます。

「レビュー分析レポート」は、下記の例のようにレビューに用いられた単語の集計を実施し、内容を細かく精査します。精査した結果をレポート形式にてご納品するサービスです。(例は防水時計のレビュー結果ではありませんのでご注意ください)

ニッチ商品発見の成功ポイント

以上が、ニッチ市場を見つける流れになります。
特にお伝えしたかったのは下記の点になります。

  • いきなりデータを見るのではなく、日常生活の中から仮説を見つけて来てからデータを見る
  • 日常生活の仮説は「生活の中のあったらいいな」から組み立てる
  • 仮説をデータで検証し、Nint ECommerceを用いて、具体的な市場規模や売上予測を基に取り扱いを判断をする

これらのステップを実践することで、競合ショップ・メーカーとの差別化を図りニッチ市場での成功をつかむことができます。
今回ご説明した内容が、皆様のEC運営に少しでも役立てば幸いです。

この記事を書いた人

菱田 拓良(ひしだ たくみ)
株式会社Nint カスタマーサクセスDiv アウトドア&ホビー・DIYユニット

2019年にCCCマーケティングに入社。
大手ナショナルブランド向けにデータマーケティングコンサルティングに従事。
その後、2020年より生活用品メーカーで楽天、Amazon、Yahoo!ショッピングの他、MakuakeなどのクラウドファンディングプラットフォームでのEC販売を担当。 楽天ランキング1位商品やAmazonベストセラー商品を生み出す。
現在はNintにてカスタマーサクセスとしてメーカーを中心に50社以上を担当しており、経験と実績に基づいたデータ活用術について顧客から定評を得ている。

Nint ECommerceに関して

日本国内のEC市場の約7割を占める3大ECモール(楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング)の売上・販売数量をモール別、ジャンル別、ショップ別、商品別に分析できる画期的なツールです。Nint ECommerceを活用いただくことで、以下のイベント対策を効率的にサポートしています。

活用例

商品在庫(SKU単位)の拡充
 競合価格を見ながら自社の販売価格を設定
 競合のポイント倍率を見ながら自社のポイント倍率を設定
 商品名(商品情報)での差別化
 検索露出(RPPなど)の強化

Nint ECommerceを活用することで、ECビジネスチャンス創出に役立ちます。ご興味のある方は、ぜひ下記リンクよりNint ECommerceの詳細をご確認ください。

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【出典:「ニッチ商品の見つけ方!ECで成功するためのポイントと具体例」(2025年1月23日公開)】
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