「Nint ECommerce」の新機能「メッコチャート」で、直感的に市場・競合動向の把握が可能に!
メッコチャート(マリメッコチャート)とは、横軸に「規模」、縦軸に「構成比」をとり、2つの軸を面積の大きさで同時に表現する100%積み上げ系のグラフであり、市場・競合分析のフレームワークとして使われる手法です。一般的な棒グラフでは「市場規模」と「内訳シェア」のどちらか一方しか表現できませんが、メッコチャートは両者を1枚の図に重ねることで、「どの市場が大きく、その中で誰が勝っているか」を一目で読み解けます。
この記事では、競合分析・市場分析のフレームワークとしてのメッコチャートの使い方、Excel(エクセル)での作り方の手順、そして実際のECデータで価格帯別メーカーシェアを可視化した実例までを、図解とあわせて解説します。「フレームワークの名前は知っているが実務でどう使えばいいか分からない」「作り方を調べているがツール紹介で止まってしまう」という方が、明日からの意思決定に使えるレベルまで踏み込みます。
目次
メッコチャート(マリメッコチャート)とは?市場・競合分析のフレームワーク
メッコチャート(Mekko Chart)は、フィンランドのテキスタイルブランド「マリメッコ(Marimekko)」の幾何学模様に図の見た目が似ていることから「マリメッコチャート」とも呼ばれます。海外の経営コンサルティングの現場で、市場構造を一枚で説明するための定番ツールとして使われてきたフレームワークです。
基本構造はシンプルです。横軸(X軸)の各列の幅がセグメントの規模(例:価格帯ごとの市場の大きさ)を、縦軸(Y軸)の各ブロックの高さがそのセグメント内の構成比(例:メーカーごとのシェア)を表します。つまり、ひとつの長方形の面積が「規模 × シェア」を意味し、面積が大きいほど市場における存在感が大きいと読めます。横幅と縦の積み上げを同時に見られるため、「変動width積み上げ棒グラフ」とも説明されます。
市場・競合分析のフレームワークとしてメッコチャートが優れているのは、「市場の大きさ」と「その中での勝ち負け」を分離せずに同時に評価できる点にあります。シェアが高くても市場そのものが小さければ売上のインパクトは限られますし、逆にシェアは低くても巨大な市場であれば伸びしろは大きい——こうした判断を、面積の大小という直感的な情報で下せるのがこのフレームワークの価値です。
メッコチャートで何が分かるか|積み上げ棒グラフとの違い
メッコチャートは、よく似た「100%積み上げ棒グラフ」と混同されがちですが、表現できる情報量が決定的に異なります。両者の違いを整理すると次のとおりです。
| 観点 | 100%積み上げ棒グラフ | メッコチャート(マリメッコチャート) |
|---|---|---|
| 横軸(X軸)の幅 | すべて等幅(規模の情報なし) | セグメントの規模を幅で表現 |
| 縦軸(Y軸)の高さ | 構成比(100%) | 構成比(100%) |
| 同時に読める情報 | 各セグメント内の「シェア」のみ | 「規模」と「シェア」を同時把握 |
| 面積の意味 | 面積に意味はない | 面積=規模 × シェア(市場での存在感) |
| 向いている分析 | 内訳比率の比較 | 市場構造の俯瞰・参入余地の判断 |
たとえば「価格帯 × メーカーシェア」をメッコチャートで描くと、次のような問いに一目で答えられます。
- どの価格帯が最も大きい市場か(=列の幅が広い帯)
- その価格帯で誰が強いか(=列の中で高さを占めるメーカー)
- 特定のメーカーがどの価格帯に偏っているか(=横方向の面積の広がり)
- 競合が手薄で参入余地のある価格帯はどこか(=大きい列なのに上位が分散している帯)
単なる構成比の比較ではなく、こうした「次の打ち手」につながる読み解きができることが、メッコチャートを競合分析・市場分析のフレームワークとして使う理由です。
競合分析・市場分析フレームワークとしてのメッコチャートの使い方
メッコチャートを実務で活かす流れは、大きく3ステップです。ここでは「ECで新商品をどの価格帯に投入するか」という意思決定を例に説明します。
ステップ1:分析の軸(X軸・Y軸)を決める
まず「何を規模(X軸)とし、何を構成比(Y軸)とするか」を決めます。価格戦略を検討するならX軸=価格帯、Y軸=メーカーシェアが定番です。チャネル戦略ならX軸を販売チャネル、エリア戦略ならX軸を地域に置き換えるなど、意思決定したいテーマに合わせて軸を設計します。軸の置き方そのものが分析の質を左右するため、最初の設計が最も重要です。
ステップ2:面積から「大きい市場 × 弱い競合」を探す
チャートが描けたら、「列の幅が広い(=市場が大きい)のに、上位メーカーのシェアが分散している(=突出した強者がいない)」価格帯を探します。これが参入余地の大きい狙い目です。逆に、幅が狭い(市場が小さい)価格帯や、1社が高さの大半を占める(強者が独占している)価格帯は、後発が戦うには不利と判断できます。面積の偏りを見るだけで、勝ち筋の仮説が立てられます。
ステップ3:仮説を商品・ショップ単位まで掘り下げる
狙う価格帯のあたりがついたら、その帯で「どのメーカーの・どの商品が・どのショップで売れているか」を掘り下げ、価格・スペック・レビューなどの具体に落とし込みます。メッコチャートはあくまで全体像を掴むための俯瞰図であり、最終的な打ち手は個別の商品・ショップ分析と組み合わせて精度を上げます。EC事業における商品単位の掘り下げ方は、EC商品分析の実践手順もあわせてご覧ください。
メッコチャートの作り方(エクセル)|手順を省略せず解説
メッコチャートはExcel(エクセル)でも作成できますが、標準のグラフ機能に「メッコチャート」という選択肢は用意されていません。横軸の幅を可変にするためのひと工夫が必要です。ここでは、専用ツールを使わずにExcelだけで作る手順を、省略せずに解説します。
エクセルでメッコチャートを作る5つの手順
- データを用意する:行に「メーカー(シェアの内訳)」、列に「価格帯(セグメント)」を置いたクロス集計表を作成します。各セルには売上金額または販売数を入れます。
- 各セグメントの規模(幅)を計算する:価格帯ごとに合計を出し、全体に対する構成比(%)を算出します。この構成比が、横軸の各列の幅になります。さらに、左から累積した「累積幅」も計算しておきます(積み上げ横棒の位置決めに使います)。
- 各セグメント内のシェア(高さ)を計算する:価格帯ごとに、メーカー別の構成比(その帯の中で各社が何%か)を算出します。これが縦の積み上げの高さになります。
- 積み上げ面グラフ(または横棒)で描く:横軸を「累積幅」、縦軸を「メーカー別シェア」とした積み上げ面グラフを挿入します。X軸を数値軸(累積幅)にすることで、列ごとに幅が変わるメッコチャート特有の見た目を再現できます。横棒グラフを並べて幅を手動調整する方法もあります。
- ラベルと色を整える:各ブロックにメーカー名・シェア%のデータラベルを付け、メーカーごとに色を統一します。横軸には価格帯の区切りと幅(市場規模)が分かる目盛りを添えると、規模とシェアの両方が読み取れる図に仕上がります。
このように、Excelでメッコチャートを作ること自体は可能です。なお、海外では「think-cell」をはじめとするメッコチャート作成に対応した作図アドインも存在し、PowerPoint上で素早く作図したい場合の選択肢になります。こうしたツールは作図を効率化してくれる一方、いずれも「分析する元データ(市場規模やメーカー別シェア)」は自分で用意する必要がある点は共通です。
実務でメッコチャートを使ううえで最も手間がかかるのは、作図そのものよりもこの「元データの収集と更新」です。特にEC市場の価格帯別メーカーシェアのようなデータは、モールの管理画面や公開ランキングを目視で集計しても全体像をつかみにくく、毎月手作業で更新するのは現実的ではありません。次章では、この元データの収集ごと自動化してメッコチャートを描く方法を、実例で紹介します。
Nint ECommerceのメッコチャート実例|価格帯別メーカーシェアを実データで
「Nint ECommerce」は、楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazonといった主要ECモールの公開データを独自アルゴリズムで集計し、売上推計データを提供するクラウドツールです。その業種分析機能の「ジャンル価格分布」では、EC市場の価格帯 × メーカーシェアをメッコチャートの形でそのまま可視化できます。元データの収集を自前で行う必要がなく、データアナリストが不在でも、マーケティング担当者や商品企画担当者が直感的に市場・競合動向を把握できる点が特徴です。

実例:プリンタの価格帯別メーカーシェアを読み解く
たとえば「ECモールで5万円以下のプリンタを販売したい」と考えるメーカーが、楽天市場でのプリンタの販売動向を知りたいとします。Nint ECommerceでは、ジャンルから「プリンタ」を選び、期間を指定して「ジャンル価格分布」を表示。価格の範囲を0〜50,000円、表示メーカー数を5、価格帯の刻み幅を5,000円に設定して「チャートを更新」すると、価格帯別メーカーシェアのメッコチャートが描かれます。

X軸は左から「5,000円未満」「5,000円以上1万円未満」「1万円以上1万5,000円未満」……というように5,000円刻みで区切られ、各列の幅がその価格帯の市場規模を表します。Y軸はその価格帯で売れたボリュームを100%として、メーカーごとのシェアを高さで示します。チャート内の各長方形の面積を見るだけで、楽天市場内で売れている5万円以下のプリンタが「どの価格帯に・どのメーカーの商品が」集中しているかを視覚的に把握できます。

このチャートからは、たとえば「中位の価格帯に売れ筋のボリュームが集中している」「ある価格帯までは特定メーカーが過半のシェアを握るが、より高価格帯になると別のメーカーが優勢になる」といった構造が、面積の大小と色の分布からひと目で読み取れます。先述のフレームワークの使い方に沿えば、市場が大きく、かつ上位シェアが分散している価格帯が、後発で狙う余地のある帯ということになります。
さらに、チャート上の任意の領域をクリックすると、その価格帯・メーカーを構成する商品単位・販売ショップ単位の分析へドリルダウンでき、実際に売れている商品の売上推計・平均価格・シェアまで確認できます。価格帯の刻み幅は戦略や商品特性に合わせてカスタマイズできるため、自社の検討したい粒度に合わせて市場構造を読み解けます。
Excel手作業との違い|元データの収集と更新が自動化される
前章で触れたとおり、メッコチャートの実務上の最大のボトルネックは「作図」ではなく「元データの収集と更新」です。Excel・スプレッドシートで価格帯別メーカーシェアを自力で組もうとすると、モールのランキングページを目視でカウントし、販売数を仮定して売上を推計する——といった属人的な作業が発生し、担当者によって集計ルールがズレると過去データとの比較もできなくなります。両者の違いを整理すると次のとおりです。
| 観点 | Excel・スプレッドシートで手作業 | Nint ECommerceで自動化 |
|---|---|---|
| 元データの取得 | モール画面の目視・手入力(属人化) | モール公開データから自動で売上推計 |
| 価格帯×シェアの集計 | 手動でクロス集計・構成比計算 | 価格帯×メーカーシェアが即表示 |
| 更新の手間 | 更新のたびに工数が発生 | 最新データに自動同期 |
| 過去との比較 | 蓄積していなければ取得不可 | 過去履歴を遡って確認可能 |
| 社内での共有 | 担当者依存でルールがブレやすい | 全員が同じ画面を見る共通言語に |
Excelは個別の分析やカスタム加工には適していますが、価格帯別メーカーシェアのような定型的な市場データの集計は、ツールで自動化したほうが工数を抑えられ、再現性も高まります。「メッコチャートのフレームワークは理解したので、あとは自社の市場で実データを動かしたい」という段階であれば、元データの収集ごと自動化できるツールの活用が現実的な選択肢になります。楽天市場での売上分析の進め方全般は、楽天市場の売上分析方法でも詳しく解説しています。
実データのメッコチャートで価格帯別のメーカーシェアを見てみる(Nint ECommerce)
メッコチャートに関するよくある質問(FAQ)
メッコチャートとマリメッコチャートは違うものですか?
同じものを指します。図の見た目がフィンランドのブランド「マリメッコ」の模様に似ていることから「マリメッコチャート」とも呼ばれ、略して「メッコチャート」と言われます。英語では Mekko Chart や Marimekko Chart、Mosaic Plot などと表記されます。
メッコチャートと積み上げ棒グラフの違いは何ですか?
積み上げ棒グラフは各棒が等幅で「構成比(シェア)」だけを表します。一方メッコチャートは横軸の幅でセグメントの「規模」も同時に表現するため、規模とシェアを1枚で把握できます。面積が「規模×シェア」を意味する点が最大の違いです。
メッコチャートはどんな分析に使いますか?
市場・競合分析のフレームワークとして、市場構造の俯瞰や参入余地の判断に使われます。価格帯×メーカーシェア、チャネル×ブランドシェアなどを描き、「大きい市場で競合が弱い領域はどこか」を見つける用途に向いています。
メッコチャートはエクセルで作れますか?
作れます。ただしExcelの標準グラフに専用メニューはないため、累積幅を計算して積み上げ面グラフ(または幅調整した横棒)で描く工夫が必要です。作図自体より、元データ(市場規模・メーカー別シェア)の収集と毎月の更新のほうが手間になりやすい点に注意が必要です。
メッコチャート作成に使えるツールはありますか?
PowerPoint向けの作図アドイン(think-cell など)があり、作図を効率化できます。ただしいずれも元データは自分で用意する必要があります。EC市場の価格帯別メーカーシェアのように、元データの収集・推計から自動化したい場合は、Nint ECommerceのようなEC分析ツールが適しています。
まとめ|メッコチャートを“実データで”動かして意思決定に活かす
メッコチャート(マリメッコチャート)は、市場の「規模」と「シェア」を1枚で同時に把握できる、市場・競合分析の強力なフレームワークです。積み上げ棒グラフでは見えない「大きい市場 × 弱い競合」という参入余地を、面積の大小から直感的に読み解けます。Excelでも作図は可能ですが、実務で効いてくるのは作図スキルよりも、分析の軸の設計と、元データを継続的に集める仕組みです。
「Nint ECommerce」を使えば、主要ECモールの価格帯別メーカーシェアをメッコチャートの形で即座に可視化し、商品・ショップ単位までドリルダウンして意思決定に活かせます。フレームワークを“実データで”動かしたい方は、ぜひ一度お試しください。
競合・市場分析の活用イメージをより詳しく知りたい方は、競合・市場分析の活用資料をダウンロードいただけます。AIによる市場分析の最新動向はAIインサイトレポートもあわせてご覧ください。
この記事を書いた人

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト
note:https://note.com/nint_ecommerce
株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は20を超え、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。
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