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【中国】2025年上半期 洗顔用品市場動向レポート

2025年上半期の中国EC市場における洗顔用品カテゴリーは、消費者の購買行動が従来の総合ECからショート動画・ライブ配信型プラットフォームへとシフトする大きな転換期を迎えました。
成分へのこだわりや肌悩み別の細分化が進む中、越境ECと国内ECで異なる価格戦略と需要の動向が顕著になっています。

洗顔用品の市場規模

2025年1月から6月における、主要3プラットフォームを合算した市場規模および各プラットフォームの内訳は以下の通りです。

  • プラットフォーム合計

販売金額:約1,746億933万円

販売件数:約1億3,341万9,427件

実売単価:約1,309円

前年比(販売金額):+4.6%

  • 総合ECプラットフォームA

販売金額:約688億5,103万円

販売件数:約4,164万2,613件

実売単価:約1,653円

前年比(販売金額):▲12.4%

  • 総合ECプラットフォームB

販売金額:約319億1,065万円

販売件数:約2,270万4,241件

実売単価:約1,406円

前年比(販売金額):+1.6%

  • 動画系ECプラットフォームC

販売金額:約738億4,765万円

販売件数:約6,907万2,573件

実売単価:約1,069円

前年比(販売金額):+29.7%

市場全体では微増傾向にありますが、プラットフォーム間での明暗が分かれています。

動画系ECプラットフォームCが前年比約30%増と急成長を遂げ、市場を牽引している一方、最大規模であったプラットフォームAは二桁の減少となりました。

中国洗顔用品市場におけるチャネル別(越境と国内)の市場動向

プラットフォームごとに、国内ECと越境ECの販売状況を整理しました。

  • 総合ECプラットフォームA

国内:販売金額 約580億7,529万円 / 前年比 ▲7.4% / 実売単価 約1,606円 / 販売件数 約3,615万9,708件

越境:販売金額 約107億7,575万円 / 前年比 ▲32.1% / 実売単価 約1,965円 / 販売件数 約548万2,905件

  • 総合ECプラットフォームB

国内:販売金額 約289億7,972万円 / 前年比 +6.7% / 実売単価 約1,353円 / 販売件数 約2,141万4,742件

越境:販売金額 約29億3,093万円 / 前年比 ▲30.7% / 実売単価 約2,273円 / 販売件数 約1,289万4,99件

  • 動画系ECプラットフォームC

国内:販売金額 約683億3,093万円 / 前年比 +24.2% / 実売単価 約1,013円 / 販売件数 約6,748万1,330件

越境:販売金額 約55億1,672万円 / 前年比 +183.3% / 実売単価 約3,467円 / 販売件数 約159万1,243件

越境ECチャネルは、従来の総合ECでは苦戦を強いられているものの、動画系ECプラットフォームCにおいては驚異的な伸長を見せています。実売単価も越境チャネルは国内チャネルに比べ高水準で推移しており、プレミアム層へのアプローチが鍵となっています。

プラットフォーム別・月次実売価格の推移

各プラットフォームにおける、1ユニットあたりの実売価格推移です。

  • 総合ECプラットフォームA

1月 約1,614円 / 2月 約1,572円 / 3月 約1,686円 / 4月 約1,486円 / 5月 約1,905円 / 6月 約1,560円

  • 総合ECプラットフォームB

1月 約1,280円 / 2月 約1,385円 / 3月 約1,404円 / 4月 約1,264円 / 5月 約1,547円 / 6月 約1,494円

  • 動画系ECプラットフォームC

1月 約1,034円 / 2月 約1,135円 / 3月 約946円 / 4月 約993円 / 5月 約1,183円 / 6月 約1,123円

大型販促イベント「618」に向けて各社が準備を強める5月に、プラットフォーム横断で単価が上昇する傾向が見られます。特にプラットフォームAでは、ギフト需要や高付加価値セット商品の動きが活発化したことが推察されます。

洗顔用品の市場における訴求戦略の分析

① 商品名称から読み解く消費者に響く訴求ポイント

売れ筋商品の名称分析から、以下の主要なキーワードと訴求ポイントが浮き彫りになりました。

  • 成分訴求:「アミノ酸系(氨基酸)」が圧倒的な支持を得ており、肌への優しさが必須条件となっています。
  • ターゲット訴求:「敏感肌(敏感肌)」「ティーンエイジャー(青少年)」「男女兼用(男女通用)」など、特定の属性に最適化された表現が目立ちます。
  • 機能訴求:「ディープクレンジング(深層清潔)」「皮脂コントロール(控油)」「保湿(保湿)」に加え、「泡の密度(泡沫綿密)」といった使用感に関するワードも重要視されています。
  • シーン訴求:「メイク落とし兼用(洗卸合一)」といった利便性を強調する商品も上位にランクインしています。

② 消費者レビューに見る満足度と購買動機

消費者レビューの分析結果から、ユーザーが重視する項目と満足度が明らかになりました。

  • 製品-使用効果

ポジティブ評価件数:約119,744件(ポジ率 93.7%)

ネガティブ評価件数:約7,591件

  • 製品-全体的な満足度

ポジティブ評価件数:約70,741件(ポジ率 94.1%)

ネガティブ評価件数:約4,369件

  • 製品-補水保湿効果

ポジティブ評価件数:約31,304件(ポジ率 95.4%)

ネガティブ評価件数:約1,477件

  • 価格とキャンペーン-コストパフォーマンス

ポジティブ評価件数:約19,244件(ポジ率 77.2%)

ネガティブ評価件数:約5,581件

  • 製品-清潔効果(クレンジング力)

ポジティブ評価件数:約19,240件(ポジ率 97.4%)

ネガティブ評価件数:約502件

購買動機・利用シーン:

「子供のニキビケアのために購入した」「泡立ちが良く、洗い上がりがすっきりする」といった実用的な声が多く、特に思春期の子供向けや家族での共有を目的とした購入が一定数存在します。一方で、コストパフォーマンスに関しては他の項目に比べて満足度が低く、価格に見合った付加価値が厳しく問われています。

主要ブランドのシェア推移


各プラットフォームにおける上位5ブランドの状況です。

  • 総合ECプラットフォームA

ブランドA:シェア 7.3% / 前年比 ▲0.4pt / 実売単価 約2,084円

ブランドB:シェア 5.1% / 前年比 +1.1pt / 実売単価 約7,442円

ブランドC:シェア 4.2% / 前年比 ▲0.7pt / 実売単価 約1,131円

ブランドD:シェア 3.0% / 前年比 +0.2pt / 実売単価 約2,196円

ブランドE:シェア 2.8% / 前年比 +0.2pt / 実売単価 約1,951円

  • 総合ECプラットフォームB

ブランドF:シェア 8.9% / 前年比 ▲3.2pt / 実売単価 約1,311円

ブランドA:シェア 6.9% / 前年比 +0.2pt / 実売単価 約2,176円

ブランドB:シェア 4.8% / 前年比 +1.3pt / 実売単価 約7,715円

ブランドG:シェア 3.1% / 前年比 +0.6pt / 実売単価 約1,059円

ブランドD:シェア 2.8% / 前年比 +0.7pt / 実売単価 約2,272円

  • 動画系ECプラットフォームC

ブランドH:シェア 8.0% / 前年比 +1.9pt / 実売単価 約1,311円

ブランドI:シェア 6.7% / 前年比 +0.9pt / 実売単価 約1,849円

ブランドJ:シェア 6.0% / 前年比 +6.0pt / 実売単価 約641円

ブランドK:シェア 3.6% / 前年比 ▲0.3pt / 実売単価 約4,534円

ブランドL:シェア 3.6% / 前年比 ▲0.9pt / 実売単価 約1,662円

展望予測と洗顔用品市場を読み解くヒント

洗顔用品市場は今後、単なる「汚れを落とす」機能から、特定の肌悩み(ニキビ、敏感肌、エイジング)や特定のユーザー層(青少年、男性)に特化したセグメント化がさらに加速すると予測されます。また、ブランドの勢力図は動画系プラットフォームでの露出戦略に大きく左右されており、新規ブランドが急速にシェアを伸ばす余地が拡大しています。

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調査概要

データ定義

  • 販売件数:本数や袋数ではなく、販売ユニット数を指します。
  • 実売単価:クーポンを反映した価格を指します。

この記事を書いた人

土田 明聡(つちだ めいそう)
NINT Data Service(Shanghai)Co.,Ltd.
日本企業を対象に、中国・東南アジアのEC戦略策定を支援。Z世代として現地のトレンドや若年層インサイトへの深い理解を持ちながら、データ分析を軸に施策の提案・推進を担う。

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