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【2026年最新】花粉シーズンのマスク市場を3大ECモールのデータで徹底分析|売れ筋・価格帯・メーカー動向

2026年春の花粉飛散量は、全国平均で前年比約2割増と予測されています。花粉症対策の定番であるマスクは、ECモールでも安定した売れ筋カテゴリです。

本記事では、Nint ECommerceの推計データをもとに、3大ECモールのマスク市場(2023年〜2025年)を分析しました。コロナ禍からポストコロナへの移行期に、市場はどう変わったのか。売上推移から売れ筋商品の顔ぶれまで、データで振り返ります。

売上は3年で約6割減、ただし下げ幅は-55%から-14%に縮小

図1:3大ECモール マスク市場 年度別推移(出典:Nint ECommerce推計値)

3大ECモール合算のマスク市場は、2023年を100とした場合、2025年の売上指数は38.3まで縮小しました。

背景にあるのは、2023年5月の新型コロナ5類移行です。2023年前半はコロナ禍の需要が残っており、年間の数値にはその影響が含まれています。2023年の指数100は「上がりすぎた状態」であり、2024年・2025年は正常化の過程と捉えるのが妥当です。

2023年→2024年の売上は-55%でしたが、2024年→2025年は-14%に。縮小は続いているものの、勢いは明らかに鈍化しています。

平均単価は1,163円→903円→942円と推移しています。ただし、1枚あたりの単価(TOP100の中央値)は2024年の約17.6円から2025年の17.4円でほぼ横ばい。注文単価の回復は大容量パック(60枚・120枚)へのシフトが主な理由で、マスク自体の価格が上がったわけではありません。

花粉+風邪の季節パターンが定着、冬場は安定も夏場はまだ下落中

図2:3大ECモール マスク市場 月次売上推移(出典:Nint ECommerce推計値)

月次の売上推移を見ると、2023年は1月(指数219)から8月(指数41)へ一方的に下がる前傾型です。5類移行の5月を境に需要が急落し、後半は前半の4分の1程度まで落ち込みました。

2024年と2025年はほぼ同じカーブです。花粉期(1〜3月)に上がり、夏場に下がり、風邪・インフルエンザの秋冬に再び上がる。「花粉+風邪・インフル+日常使い」の3つが定常的な需要として定着しました。

冬場(11月〜翌1月)の月平均売上は2年連続でほぼ横ばいとなり、すでに安定期に入っています。一方、夏場(7〜9月)はまだ下がり続けており、底打ちしていません。市場全体の安定化は「夏場がどこで止まるか」にかかっています。

上位5社で4割弱、多くのメーカーが参入できる市場

図3:3大ECモール マスク市場 メーカー別売上構成比(出典:Nint ECommerce推計値)

図4:3大ECモール マスク市場 メーカー別数量構成比(出典:Nint ECommerce推計値)

2025年の売上シェアTOP5は、EC特化メーカーA(11.4%)、国内大手メーカーB(9.6%)、国内大手メーカーC(6.5%)、国内メーカーD(5.6%)、国内メーカーE(4.8%)。5社合計で37.9%にとどまり、「その他」が約62%です。上位が寡占していない、参入余地の大きい市場です。

最も大きな変化は、EC特化メーカーAのシェア縮小です。2023年には売上の26%を占めていましたが、2025年には11%に。コロナ禍で急成長したモデルが、需要の正常化とともに縮小しました。

代わりに台頭したのが国内大手メーカーB(6.3%→9.6%)と国内大手メーカーC(2.6%→6.5%)。オフラインでも定番商品を持つ日用品メーカーが、EC市場にも浸透してきています。

2023年「ひとり独占」→ 2025年「日用品メーカーの定番品」がランクイン

図5:3大ECモール マスク市場 売れ筋TOP10 順位変遷(出典:Nint ECommerce推計値)

売れ筋TOP10の変遷は、市場構造の変化を凝縮しています。

2023年はEC特化メーカーAが10商品中7つを占め、全10商品が特定モールのセール品でした。カラー立体型の10〜20枚入り少量パックが中心です。

2025年になると、6〜10位の4商品が国内メーカーのプリーツ型大容量マスク(60枚・120枚入り)になりました。定価でそのまま買われる日用品タイプの商品です。

「セールで少量パックをまとめ買い」する時代から、「大容量の定番品を定価で買う」時代への転換が、ランキングに直接表れています。

プリーツ型が3年で約4倍に拡大、立体型との逆転も視野に

図6:3大ECモール マスク市場 形状別売上構成比(TOP100・売上シェア)(出典:Nint ECommerce推計値)

TOP100商品の形状別構成比は、2023年に立体型88%・プリーツ型11%だったのが、2025年には立体型55%・プリーツ型43%まで接近しました。

プリーツ型の伸びを支えているのは、国内メーカーの大容量プリーツマスクです。「おしゃれ」よりも「日常使い」を重視する消費者が増えた結果、実用性の高いプリーツ型が拡大しました。このペースが続けば、2026年中に逆転する可能性も十分にあります。

2023年「高めの価格帯に集中」→ 2025年「1,000円以下」が主戦場に

図7:3大ECモール マスク市場 TOP100 価格帯別売上構成比(出典:Nint ECommerce推計値)

TOP100の価格帯別売上構成比にも構造転換が見られます。

2023年は1,501〜2,000円帯が売上の51%を占めていました。表示価格を高めに設定し、クーポンやポイント還元で実質価格を下げる販売手法の影響です。

2024年以降は501〜1,000円帯が最大ボリュームゾーン(約34%)に移行し、2025年もそのまま定着しています。さらに1,001〜1,500円帯が3.7%→19.1%と伸びており、大容量プリーツの価格帯がここに集中しています。「クーポン前提の高め表示」から「実売価格そのまま」への転換が、分布に反映されています。

まとめ ── 2026年のマスク市場はどうなるか

  • 売上は3年で約6割減少したが、下げ幅は-55%→-14%と縮小。底打ちが近づいている
  • 月次は「花粉+風邪・インフル+日常使い」の周期が定着。冬場は2年連続横ばい
  • EC特化メーカーAのシェアが26%→11%に縮小、国内大手メーカーが台頭
  • 売れ筋は「セール×少量×立体」から「定価×大容量×プリーツ」に転換
  • プリーツ型が43%まで拡大、2026年中に立体型との逆転も視野に

2026年の市場規模は、2025年と同水準か、さらに数%程度の縮小にとどまると見込まれます。花粉飛散量が前年比2割増の予測であることから、年間売上の約40%を占める花粉シーズン(1〜3月)の動向が年間を大きく左右します。

プリーツ型の伸長と国内大手メーカーのシェア拡大は今年も続く方向でしょう。花粉シーズンの速報データは、改めてお届けする予定です。

本記事ではメーカー名・商品名をマスキングしていますが、Nint ECommerceでは実名での確認が可能です。記事中の指数表記の元となる推計売上データも、Nint ECommerceで確認できます。月次・週次の売上推移や商品別ランキングなど、さらに詳しいデータ分析にご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト

note:https://note.com/nint_ecommerce

株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は20を超え、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。

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