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ベースメイク・メイクアップ市場レポート|EC売上+6.7%・高価格帯が牽引

#市場レポート #市場規模 #化粧品業界 #ECデータ
ベースメイク・メイクアップ市場レポート

ベースメイク・メイクアップのEC市場とは、ファンデーションや化粧下地、口紅、アイシャドウなどの色物コスメを、主要ECモール(楽天・Amazon・Yahoo!ショッピング 等)で売買する市場を指します。化粧品全体でEC化率の上昇が続くなか、新生活が始まる2〜4月は色物コスメの需要が立ち上がる季節商戦の窓です。2026年2月〜4月の3ヶ月間で、推計市場規模は約90.1億円(前年同期比 +6.7%)、販売数量は約322万点(+5.3%)、平均単価は約2,797円(+1.4%)となりました(Nint ECommerce調べ・推計値)。本記事では市場規模、春需要、価格帯別の二極化、ベースメイクとポイントメイクの構成比、事業者の打ち手を、ECの売上推計データから解説します。

本レポートのサマリー

  • 市場規模: 約90.1億円(前年同期比 +6.7%)
  • 販売数量: 約322万点(前年同期比 +5.3%)
  • 平均単価: 約2,797円(前年同期比 +1.4%)
  • サブカテゴリ群(売上構成比): ベースメイク 56.0%(+7.6%)/ ポイントメイク 26.2%(+2.9%)/ まつげ・アイラッシュ関連 13.9%(+8.0%)
  • キートレンド: 数量主導の健全成長/3,000円以上の高価格帯が構成比62.9%で二極化が進行/ベースメイクが市場の主役で成長もリード/春の新生活需要が2〜4月に効く

ベースメイク・メイクアップのEC市場規模【2026年2〜4月】

2026年2月〜4月のベースメイク・メイクアップのEC市場規模は約90.1億円、前年同期比 +6.7% でした。注目したいのは成長の中身です。販売数量が +5.3%(約322万点)と伸びる一方、平均単価は +1.4%(約2,797円)の微増にとどまり、市場は単価インフレに依存しない「数量主導の健全成長」フェーズにあります。点数の拡大が成長を支えており、化粧品のなかでもEC化が進みやすいカテゴリといえます。

指標2026年2〜4月前年同期比
推計市場規模約90.1億円+6.7%
販売数量約322万点+5.3%
平均単価約2,797円+1.4%
主要ECモール合算の推計値(Nint ECommerce調べ)。対象: ベースメイク・メイクアップカテゴリ、2026年2〜4月の3ヶ月合計。

出荷ベースの業界統計は「流通へ出た量」を捉えるものですが、EC事業者が知りたいのは「ECで今どれだけ売れているか」です。本レポートは後者、ECチャネルの売上推計に焦点を当て、売上・販売数量・カテゴリ構成の解説に徹します(個別の商品・ブランドの優劣には踏み込みません)。

なぜ今ベースメイク・メイクアップ市場が動くのか(春の新生活需要)

メイクアップは色物コスメであり、季節性がはっきり出るカテゴリです。スキンケアが通年で機能性を軸に動くのに対し、色物コスメは新色の投入や気分の切り替えと結びつき、2〜4月の新生活シーズンに需要が立ち上がります。就職・進学・転居が重なるこの時期はメイクを新調する動機が生まれやすく、対象期間そのものが春需要のピーク窓に重なります。

実売データでもこの季節性は裏付けられます。3ヶ月で +6.7% という伸びは、単価上昇ではなく点数の拡大(+5.3%)が主動力でした。新規ユーザーの入口購入と買い替え需要が点数を押し上げる、色物コスメならではの春の動きが数量主導の成長として表れています。事業者にとっては、この需要の山に在庫と販促をどう合わせるかが要点です。

  • 新生活(就職・進学・転居)に伴うメイク新調の需要が2〜4月に集中
  • 新色・限定色の投入が買い替え動機を生み、点数の拡大につながる
  • 成長は単価でなく数量が主動力——入口購入と買い替えの両方が効く

価格帯で見るベースメイク・メイクアップ市場(二極化の実像)

外部調査では「消費の二極化」「高価格帯コスメの伸長」がしばしば指摘されますが、ECの売上推計を価格帯別に分けると実像がより具体的に見えます。3,000円以上の高価格帯が市場の62.9%を占め、前年から +9〜10% と高い伸びを示しました。一方で1,500〜3,000円の中価格帯は構成比24.5%でほぼ横ばい(▲0.7%)、〜1,500円の低価格帯は12.6%で +5.1% でした。高価格帯への重心移動と中価格帯の足踏みが同時に起きているのが、二極化の実像です。

価格帯売上構成比前年同期比
〜1,500円12.6%+5.1%
1,500〜3,000円24.5%▲0.7%
3,000〜5,000円28.3%+10.5%
5,000円〜34.6%+9.8%
主要ECモール合算の推計値(Nint ECommerce調べ)。商品単位の集計、構成比は売上ベース、2026年2〜4月。

ここから読み取れるのは、価格を下げる競争よりも、価値を高めて単価を保つ方向に勝ち筋があるということです。中価格帯が停滞している以上、その帯の商品は「やや背伸びした上位帯」と「機能を絞った低価格帯」のどちらに寄せるかの判断を迫られます。自社の主力がどの価格帯に位置し、その帯が伸びているか沈んでいるかを、Nint ECommerceでサブカテゴリ・価格帯単位に把握することが、価格戦略の起点になります。

ベースメイク vs ポイントメイク:サブカテゴリ別の売れ方

「メイクアップ」と一括りにすると見落とすのが、サブカテゴリ間の売れ方の違いです。ファンデーションや化粧下地などの「ベースメイク」群が売上構成比56.0%(+7.6%)と過半を占め、口紅・アイシャドウなどの「ポイントメイク」群は26.2%(+2.9%)でした。市場の主役はベースメイクであり、成長率でもポイントメイクを上回ります。さらにまつげ美容液などの「まつげ・アイラッシュ関連」が13.9%(+8.0%)と、ベースメイクに次ぐ伸びを見せています。

サブカテゴリ群売上構成比前年同期比主な内訳
ベースメイク56.0%+7.6%ファンデーション・化粧下地・フェイスパウダー 等
ポイントメイク26.2%+2.9%口紅・アイシャドウ・マスカラ・チーク 等
まつげ・アイラッシュ関連13.9%+8.0%まつげ美容液・つけまつげ・エクステ 等
主要ECモール合算の推計値(Nint ECommerce調べ)。構成比は売上ベース、2026年2〜4月。

サブカテゴリ単独では、ファンデーションが構成比27.6%(+7.9%)で最大勢力です。フェイスカラー・パウダー(10.9%/+11.5%)やまつげ・まゆげ美容液(10.6%/+9.4%)も二桁成長の一方、アイシャドウ(5.3%/▲5.0%)は前年を下回り、ポイントメイク内でも明暗が分かれます。サブカテゴリ単位の解像度が、商品企画と仕入れの判断を支えます。

EC市場で勝つための3つの示唆(メーカー・EC担当向け)

1. 注力すべきはベースメイク——構成比と成長の両面で主役

ベースメイク群が売上構成比56.0%を占め、成長率(+7.6%)でもポイントメイクを上回ります。なかでもファンデーション(27.6%)は最大勢力です。限られた商品開発・在庫のリソース配分を考えるなら、まずベースメイク領域の競争力を固めるのが合理的です。「色物だからポイントメイクが主役」という直感に反し、ECの売上は肌を整えるカテゴリに集まっている点を、データを起点に押さえたいところです。

2. 価格帯は「上位帯で価値を保つ」設計を軸に

3,000円以上の高価格帯が構成比62.9%を占め +9〜10% で伸びる一方、中価格帯は横ばいです。安易な値下げで消耗戦に入るより、成分・容量・ブランド体験で価値を高め上位帯に踏みとどまる設計のほうが、市場の追い風に乗りやすい局面です。自社商品がどの帯にあり伸びているかを定点で確認し、価格改定やライン拡張の判断材料にすることが要点です。

3. 春商戦は需要の山の手前で在庫・広告を寄せる

2〜4月は新生活に伴う需要の窓で、成長は数量が主動力でした。需要が立ち上がってから動くのでは遅く、ピークの手前で在庫を積み増し広告を厚くする先回りの設計が機会損失を防ぎます。前年の同時期にどのサブカテゴリ・価格帯が伸びたかを参照し、仕掛けの時期と対象を絞り込むことが、季節商材を扱う事業者の打ち手の精度を左右します。

よくある質問(Q&A)

化粧品(メイクアップ)のEC市場規模はどのくらいですか?

ベースメイク・メイクアップの主要ECモール合算の推計市場規模は、2026年2〜4月の3ヶ月間で約90.1億円(前年同期比 +6.7%)でした。販売数量は約322万点、平均単価は約2,797円です(Nint ECommerce調べ・推計値)。本数値はECチャネルの売上推計で、出荷ベースの業界統計とは異なります。

ベースメイクとポイントメイクの違いは何ですか?

ベースメイクはファンデーション・化粧下地・フェイスパウダーなど肌の土台を整えるアイテム、ポイントメイクは口紅・アイシャドウ・マスカラなど目元や口元に色を差すアイテムを指します。ECの売上ではベースメイク群が構成比56.0%、ポイントメイク群が26.2%を占め、ベースメイクが主役です(Nint ECommerce調べ・推計値)。

ECで伸びているのはどの価格帯ですか?

3,000円以上の高価格帯です。3,000〜5,000円(構成比28.3%/+10.5%)と5,000円〜(34.6%/+9.8%)がいずれも二桁前後の成長を示し、合計で市場の62.9%を占めます。一方、1,500〜3,000円の中価格帯はほぼ横ばいで、価格帯の二極化が進んでいます(Nint ECommerce調べ・推計値)。

2〜4月にメイクアップ需要が動くのはなぜですか?

就職・進学・転居といった新生活のイベントが重なり、メイクを新調する動機が生まれやすいためです。色物コスメは新色投入とも結びつきやすく、季節性がはっきり出ます。実売でも成長は数量が主動力で、入口商品と買い替え需要の両方が点数を押し上げています(Nint ECommerce調べ・推計値)。

まとめと、より深く分析するためのヒント

2026年2〜4月のベースメイク・メイクアップEC市場のポイントを整理します。

  • 市場規模は約90.1億円(+6.7%)。販売数量 +5.3% が主動力の「数量主導の健全成長」。
  • 3,000円以上の高価格帯が構成比62.9%で +9〜10% 成長、中価格帯は横ばい——価格帯の二極化が進行。
  • ベースメイク群が構成比56.0%(+7.6%)で主役。ファンデーションが最大勢力で、サブカテゴリ間で明暗が分かれる。

「メイクアップ全体が伸びている」という粗い把握では、注力すべきサブカテゴリや価格帯を読み違えかねません。Nint ECommerceでは、市場の動きをカテゴリ・ブランド・JAN単位まで掘り下げ、主要ECモール(楽天・Amazon・Yahoo!ショッピング 等)の推計値で自社カテゴリに絞って分析できます。約2,300社の導入実績と10年以上のデータ蓄積、3モール対応で日本のEC市場の広い範囲をカバーし、ITreviewのLEADERにも選出されています。美容・コスメ全体の動きは美容・コスメ・香水市場レポート、隣接カテゴリはスキンケア市場レポートも合わせてご覧ください。

関連サービス・資料

執筆者の視点

データを眺めて興味深かったのは、「色物コスメ=ポイントメイクが主役」という直感が、ECの売上では覆る点です。実際に市場を牽引していたのはファンデーションをはじめとするベースメイクで、構成比でも成長でも主役でした。加えて高価格帯が市場の6割超を占めて伸びており、価格を下げる競争よりも価値を高める設計に分があります。メイクアップを一括りにせず、サブカテゴリと価格帯の解像度で見ることが、商品企画と価格戦略の精度を大きく変えると、データが教えてくれます。

対象期間: 2026年2月〜4月/データソース: Nint ECommerce(推計値)/対象カテゴリ: ベースメイク・メイクアップ

この記事を書いた人

山本真大 / 株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト

note:https://note.com/nint_ecommerce

株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は20を超え、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。

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