アロマ・お香市場レポート|販売数▲23.9%・単価+22.6%
本記事は、エッセンシャルオイル・ディフューザー・お香などをECで販売する事業者・メーカーの方に向けた市場レポートです。主要ECモールにおける2026年4〜6月のアロマ・お香市場の推定売上は約11.02億円(前年同期比▲6.7%)、推定販売数は約46.7万点(同▲23.9%)、平均単価は約2,361円(同+22.6%)でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。点数は4分の1近く減った一方、売上の落ち込みは6.7%です。数量減を単価が埋めた構図を読み解きます。
目次
本レポートのサマリー
- 市場規模: 約11.02億円(前年同期比 ▲6.7%)
- 販売数量: 約46.7万点(前年同期比 ▲23.9%)
- 平均単価: 約2,361円(前年同期比 +22.6%)
- 主要サブカテゴリ: エッセンシャルオイル・精油(19.7%)/アロマディフューザー(16.8%)/リードディフューザー(15.6%)
- キートレンド: 電源が要るアロマディフューザーが▲21.2%、電源不要のリードディフューザーが+20.8%/中〜高価格帯で売上の9割
アロマ・お香のEC市場規模と推移
2026年4〜6月のアロマ・お香のEC市場規模は約11.02億円、前年同期比▲6.7%でした。注目したいのは売上以上に数量と単価の動きです。推定販売数は約46.7万点で▲23.9%、平均単価は約2,361円で+22.6%。点数が大きく減っても売上が1割落ちずに済んだのは、1点あたりの支出が上がったためです。安いものをたくさん買う市場から、単価の高いものを選んで買う市場へ重心が移っています。上位カテゴリ全体の動きは美容・コスメのEC市場規模レポートで扱っており、本記事はそのなかのアロマ・お香カテゴリを深掘りします。
| 指標 | 2026年4〜6月 | 前年同期 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 推定売上 | 約11.02億円 | 約11.81億円 | ▲6.7% |
| 推定販売数 | 約46.7万点 | 約61.4万点 | ▲23.9% |
| 平均単価 | 約2,361円 | 約1,925円 | +22.6% |
販売数の減少幅が売上の減少幅を大きく上回るとき、起きているのは「買う人が減った」だけではありません。低単価品のまとめ買いが縮み、代わりにインテリアとして置ける高単価品へ支出が集まると、この形になります。アロマ・お香は通年で売れる一方、秋口に需要の山が来るカテゴリです。4〜6月は次の山に向けて品揃えを固める時期にあたります。
サブカテゴリ別の構成と勝ち負け
アロマ・お香市場は、精油が19.7%、アロマディフューザーが16.8%、リードディフューザーが15.6%と、上位3つで市場の5割を占めます。伸び方は対照的です。プラスを確保したのはリードディフューザー(+20.8%)だけで、アロマディフューザーは▲21.2%と大きく落ち込みました。精油(▲3.6%)、お香・インセンス(▲3.7%)、アロマオイル(▲3.1%)は▲3%台の小幅減で、市場全体の▲6.7%より浅い下げ幅にとどまります。
| サブカテゴリ | 構成比 | 前年同期比 | 平均単価 |
|---|---|---|---|
| エッセンシャルオイル・精油 | 19.7% | ▲3.6% | 1,959円 |
| アロマディフューザー | 16.8% | ▲21.2% | 4,561円 |
| リードディフューザー | 15.6% | +20.8% | 3,647円 |
| お香・インセンス | 12.8% | ▲3.7% | 1,505円 |
| アロマオイル | 9.1% | ▲3.1% | 2,365円 |
| アロマスプレー | 5.9% | ▲9.2% | 2,197円 |
この勝ち負けを分けているのは、使うときの手間です。電源や水の準備が必要なアロマディフューザー(平均単価4,561円)が落ち、置くだけで使えるリードディフューザー(3,647円)が伸びました。器具を操作して香りを立てるのではなく、インテリアとして置いておく使い方へ需要が移っていると読めます。隣接市場は香水のEC市場レポート、日用品との買い回りは日用品・文房具のEC市場規模レポートもあわせてご覧ください。
価格帯別の販売構成と購買行動
アロマ・お香は、同じ「香り」でも価格帯で買う目的が分かれるカテゴリです。平均単価(約2,361円)を基準に低・中・高の3価格帯で売上構成比を見ると、中価格帯が48.3%、高価格帯が42.6%で、合わせて9割を中〜高価格帯が占めます。低価格帯は9.1%にとどまり、安さを軸にした品揃えだけでは売上をつくりにくい構造です。
| 価格帯 | 売上構成比 |
|---|---|
| 低価格帯 | 9.1% |
| 中価格帯 | 48.3% |
| 高価格帯 | 42.6% |
低価格帯: お香・単品の精油・お試しサイズ
低価格帯は、平均単価1,505円のお香・インセンスや単品の精油、少量のお試しサイズが中心です。初めて香りを試す人の入口であり、気に入れば同じ店で買い足すきっかけにもなります。ただし売上構成比は9.1%と小さく、点数を積み上げても金額に届きにくいゾーンです。この帯の縮小が、全体の単価上昇の一因になっています。
中価格帯: 精油の複数本セット・リードディフューザー
売上の48.3%を占める中価格帯は、この市場の主戦場です。精油の複数本セットやアロマオイル(平均単価2,365円)、リードディフューザー(3,647円)が売れ筋にあたります。使い切ったら買い替える前提の商品が多く、再購入のサイクルを読みやすい帯です。伸びているリードディフューザーがこの帯に入ることも厚みを支えています(Nint ECommerce調べ・推計値)。
高価格帯: 器具・ギフト・大容量ボトル
高価格帯(42.6%)は、アロマディフューザーなどの器具(平均単価4,561円)、贈答向けのセット、大容量ボトルが中心です。1件あたりの金額が大きく、部屋の雰囲気づくりやプレゼント用途が需要の源です。器具そのものは▲21.2%と落ちていますが、それでも金額では4割超を占めるため、どの価格・どのデザインを置くかの判断が売上に直結します。
アロマ・お香の事業者が来期取るべき3つの打ち手
ここまでの市場データをふまえ、アロマ・お香をECで扱う事業者が来期に向けて取るべき打ち手を3つに整理します。
打ち手1: 「置くだけ」の商品に品揃えの重心を寄せる
電源や水の準備が必要なアロマディフューザーは▲21.2%、置くだけで使えるリードディフューザーは+20.8%。市場全体が▲6.7%のなかで唯一プラスを確保したのが後者です。手間のかからない商品へ需要が移っているなら、品揃えとページの見せ方もそこに寄せる判断が有効です。商品画像でも、操作方法よりも「部屋に置いた状態」を主役にするほうが、いまの買い方に合っています。
打ち手2: 消耗品を再購入の受け皿として設計する
精油(19.7%・▲3.6%)、お香・インセンス(12.8%・▲3.7%)、アロマオイル(9.1%・▲3.1%)は、いずれも市場平均より浅い下げ幅で残りました。合計で市場の41.6%を占める、使い切って買い足される消耗品群です。器具を買った顧客に対応する香りを提案する、詰め替えや複数本セットを用意するといった導線を整えれば、数量減の局面でも再購入で売上を積み上げられます。秋の需要期前に、この受け皿を作りたいところです。
打ち手3: 中〜高価格帯の価格・品揃えを競合と見比べて磨く
売上の9割は中価格帯(48.3%)と高価格帯(42.6%)で生まれており、平均単価は+22.6%と上がっています。安売りで点数を追うより、この2帯でどう選ばれるかを詰めるほうが売上に効きます。Nint ECommerceでは、主要ECモールの競合ショップがどのサブカテゴリ・どの価格帯に商品を並べているかを把握でき、自社の品揃えと価格設定を見直す材料になります。
よくある質問(Q&A)
アロマ・お香のEC市場規模はどのくらいですか?
主要ECモールにおける2026年4〜6月の推定売上は約11.02億円で、前年同期比▲6.7%でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。推定販売数は約46.7万点(▲23.9%)、平均単価は約2,361円(+22.6%)で、数量減を単価上昇が埋めています。
主要ECモールで伸びているアロマ関連商品は何ですか?
リードディフューザーが前年同期比+20.8%で、構成比15.6%まで伸びています。一方でアロマディフューザーは▲21.2%と落ち込みました。電源や水の準備が要らず、置くだけで使える商品に需要が移っている点が特徴です。
アロマ・お香でモノが売れる価格帯はどこですか?
平均単価(約2,361円)を基準にすると、中価格帯が48.3%、高価格帯が42.6%で、売上の約9割が中〜高価格帯に集まります。低価格帯は9.1%です(Nint ECommerce調べ・推計値)。精油やリードディフューザーが中心の中価格帯が主戦場になります。
販売数が大きく減っているのに売上の減少が小さいのはなぜですか?
1点あたりの単価が+22.6%上がっているためです。低単価品のまとめ買いが縮む一方、インテリア性の高い商品へ支出が集まり、点数の減少(▲23.9%)を金額が補った結果、売上は▲6.7%にとどまりました(Nint ECommerce調べ・推計値)。
まとめと、より深く分析するためのヒント
- 2026年4〜6月のアロマ・お香EC市場は約11.02億円(前年同期比▲6.7%)。販売数▲23.9%に対し平均単価+22.6%で、数量減を単価が埋めた四半期。
- 伸びたのはリードディフューザー(+20.8%)のみ。アロマディフューザーは▲21.2%で、手間のかからない商品へ需要が移動。
- 精油・お香・アロマオイルは▲3%台で安定し、合計41.6%を占める再購入の土台。売上の9割は中(48.3%)・高(42.6%)価格帯。
こうした動向は、自社が扱うブランドや商品単位ではどう見えるでしょうか。Nint ECommerceでは、主要ECモール(楽天・Amazon・Yahoo!ショッピング 等)のアロマ・お香カテゴリを、サブカテゴリ・ブランド・商品単位で深堀りし、競合ショップの売れ筋や秋の需要期に向けた品揃えの準備に活用できます(Nint ECommerce調べ・推計値)。
関連サービス・資料
執筆者の視点
数字を見て意外だったのは、売れた点数が4分の1近く減っているのに、売上は6.7%しか落ちていなかった点です。しかも減っているのは電源が要るディフューザーで、置くだけのリードディフューザーは2割伸びている。香りへの需要が減ったのではなく、「手間をかけずに部屋に香りを置く」買い方へ移った四半期だったと読めます。数量の減少だけで市場を判断すると、この移動を取りこぼすと感じました。
対象期間: 2026年4月〜2026年6月/データソース: Nint ECommerce(推計値)/対象カテゴリ: アロマ・お香
この記事を書いた人

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト
note:https://note.com/nint_ecommerce
株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は20を超え、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。
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