ペット用お手入れ用品市場レポート|売上+12.5%
本記事は、ペットのシャンプーやデンタルケア、爪切り、トリミング用品などをECで販売する事業者・メーカーの方に向けた市場レポートです。主要ECモールにおける2026年5〜7月のペット用お手入れ用品市場の推定売上は約16.85億円(前年同期比+12.5%)、推定販売数は約62.6万点(同+6.3%)、平均単価は約2,692円(同+5.8%)でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。数量と単価がそろって伸びており、飼い主が自宅で行う日常ケアへの支出が広がっています。売上の柱がどのケア領域に移っているかを、サブカテゴリ別・価格帯別に読み解きます。
本レポートのサマリー
- 市場規模: 約16.85億円(前年同期比 +12.5%)
- 販売数量: 約62.6万点(前年同期比 +6.3%)
- 平均単価: 約2,692円(前年同期比 +5.8%)
- 主要サブカテゴリ: デンタルケア用品(21.0%)/衛生・掃除用品(14.5%)/爪ケア用品(14.4%)
- キートレンド: 上位3カテゴリで市場の約半分/デンタル+22.0%・爪ケア+25.7%と日常ケアが伸長、バリカンのみ前年割れ

ペット用お手入れ用品のEC市場規模と推移
2026年5〜7月のペット用お手入れ用品のEC市場規模は約16.85億円、前年同期比+12.5%でした。販売数が+6.3%、平均単価が+5.8%と、数量と単価の双方が伸びて売上を押し上げています。値上がりだけで金額が膨らんだのではなく、買う点数そのものが増えている点が、この市場の特徴です。ペット関連全体の動きはペット用品のEC市場規模と今後の動向で扱っており、本記事はそのなかのお手入れ用品カテゴリをサブカテゴリ単位まで深掘りします。
| 指標 | 2026年5〜7月 | 前年同期 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 推定売上 | 約16.85億円 | 約14.98億円 | +12.5% |
| 推定販売数 | 約62.6万点 | 約58.9万点 | +6.3% |
| 平均単価 | 約2,692円 | 約2,544円 | +5.8% |
数量と単価が同時に伸びる形は、市場が成熟してから金額だけが動く局面とは異なります。ケアの回数や種類が増え、そのうえで1点あたりに払う金額も上がっている状態です。夏場は換毛や皮膚のトラブル、においの対策など、自宅ケアの手間が増える時期にあたります。この3ヶ月の伸びは、季節要因と日常ケアの定着が重なった結果として読むのが自然です(Nint ECommerce調べ・推計値)。
サブカテゴリ別の構成と勝ち負け
ペット用お手入れ用品市場は、デンタルケア用品が21.0%で首位、衛生・掃除用品が14.5%、爪ケア用品が14.4%と続き、この3カテゴリで市場の約半分を占めます。伸び率では爪ケア用品が+25.7%、デンタルケア用品が+22.0%と市場全体の+12.5%を大きく上回りました。一方で、上位カテゴリのなかで唯一前年を割ったのがバリカン(▲2.3%)です。
| サブカテゴリ | 構成比 | 前年同期比 | 平均単価 |
|---|---|---|---|
| デンタルケア用品 | 21.0% | +22.0% | 2,573円 |
| 衛生・掃除用品 | 14.5% | +14.1% | 1,818円 |
| 爪ケア用品 | 14.4% | +25.7% | 2,705円 |
| シャンプー・リンス | 11.5% | +8.6% | 3,178円 |
| ドライヤー | 7.8% | +9.0% | 24,393円 |
| バリカン | 7.2% | ▲2.3% | 4,942円 |
| ブラシ・くし | 4.2% | +6.1% | 2,110円 |
伸びているのは、歯・爪・皮膚といった「毎日の健康維持」に直結する領域です。反対に、毛を刈るための道具であるバリカン(平均単価4,942円)だけが減少しました。道具を一度買いそろえた飼い主が、その後は消耗品と手入れの頻度に支出を移している構図が読み取れます。犬と猫では必要なケアが異なるため、対象動物別の市場規模もあわせて確認しておきたいところです。詳しくは犬用品市場レポートと猫用品市場レポートで扱っています。
価格帯別の販売構成と購買行動
ペット用お手入れ用品は、価格帯によって買う目的がはっきり分かれるカテゴリです。平均単価(約2,692円)を基準に低・中・高の3価格帯で売上構成比を見ると、中価格帯が59.0%と過半を占め、高価格帯が32.1%で続きます。数量ベースでは低価格帯が32.2%、高価格帯は8.6%にとどまり、金額と点数で主役が入れ替わります。
| 価格帯 | 売上構成比 |
|---|---|
| 低価格帯 | 8.9% |
| 中価格帯 | 59.0% |
| 高価格帯 | 32.1% |
低価格帯: 使い切りのケア用品・掃除まわりの消耗品
低価格帯は、歯みがきシートや爪やすり、ウェットシート、掃除まわりの消耗品などが中心です。売上構成比は8.9%と小さい一方、販売数量では32.2%を占めており、購入頻度が最も高いゾーンにあたります。単価が低いぶん比較検討の時間も短く、まとめ買いのしやすさや在庫の安定が選ばれる条件になります。リピート購入の入り口として機能する帯です。
中価格帯: デンタルケア・シャンプー・爪切りの主力品
売上の59.0%を占める中価格帯が、この市場の主戦場です。デンタルケア用品(平均2,573円)、爪ケア用品(2,705円)、シャンプー・リンス(3,178円)といった主力サブカテゴリの平均単価がこの帯に収まり、金額と点数の両面で市場を支えています。使い続けることが前提の商材が多く、詰め替えや容量違いをそろえて再購入を受け止める設計が有効に働きます。
高価格帯: ドライヤー・バリカンなどの器具
高価格帯(32.1%)は、ペット用ドライヤー(平均単価24,393円)やバリカン(4,942円)といった器具が中心です。数量では8.6%にすぎませんが、1件あたりの金額が大きく、売上の3割を担っています。買い替えの間隔が長いため、購入時の比較検討は入念になります。器具を売った後に、対応する消耗品やケア用品をどれだけ自社で受け止められるかが、次の売上を左右します(Nint ECommerce調べ・推計値)。

ペット用お手入れ用品の事業者が来期取るべき3つの打ち手
ここまでの市場データをふまえ、ペット用お手入れ用品をECで扱う事業者が来期に向けて取るべき打ち手を3つに整理します。
打ち手1: デンタルと爪ケアに品揃えの重心を移す
デンタルケア用品(21.0%・+22.0%)と爪ケア用品(14.4%・+25.7%)は、構成比と伸び率の双方で市場をけん引しています。両者を合わせると市場の35.4%に達し、成長率も全体の+12.5%を大きく上回ります。棚の面積と販促の予算をこの2領域に寄せ、対象動物・サイズ・使用頻度ごとに選べる状態をつくることが、そのまま売上の伸びにつながります。
打ち手2: 器具は「その後の消耗品」まで含めて設計する
ドライヤー(7.8%・+9.0%)は伸びている一方、バリカン(7.2%・▲2.3%)は前年を割りました。器具は買い替え間隔が長く、台数の積み増しだけで売上を伸ばすのは容易ではありません。購入者に替刃やケア用品、清掃用の消耗品を同時提案し、器具の販売を起点に中価格帯の再購入へつなげる導線を用意することで、1回の販売から得られる金額を引き上げられます。
打ち手3: 中価格帯の品揃えと価格を競合と比べて磨く
売上の59.0%を占める中価格帯は、品揃えと価格設定が競争力を直接左右します。Nint ECommerceでは、主要ECモールの競合ショップがどのケア領域・どの価格帯で商品を展開しているかを把握でき、自社の品揃えと価格を磨く材料になります。
よくある質問(Q&A)
ペット用お手入れ用品のEC市場規模はどのくらいですか?
主要ECモールにおける2026年5〜7月の推定売上は約16.85億円で、前年同期比+12.5%でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。販売数は+6.3%、平均単価は+5.8%で、数量と単価がそろって伸びています。
主要ECモールで売れ筋のペットケア用品は何ですか?
デンタルケア用品が21.0%で最も大きく、衛生・掃除用品(14.5%)、爪ケア用品(14.4%)が続きます。上位3カテゴリで市場の約半分を占め、歯・爪・衛生まわりという日常ケアが売上の中心です。
ペット用お手入れ用品でモノが売れる価格帯はどこですか?
金額では中価格帯が59.0%と過半を占め、デンタルケアやシャンプー、爪切りといった主力品が中心です。高価格帯は32.1%で器具が主体、低価格帯は8.9%ながら数量では32.2%を占めます(Nint ECommerce調べ・推計値)。
ペットシャンプーの市場は伸びていますか?
シャンプー・リンスは構成比11.5%、前年同期比+8.6%で伸びていますが、市場全体の+12.5%は下回りました。平均単価は3,178円と主力サブカテゴリのなかでは高めです(Nint ECommerce調べ・推計値)。
まとめと、より深く分析するためのヒント
- 2026年5〜7月のペット用お手入れ用品EC市場は約16.85億円(前年同期比+12.5%)。販売数+6.3%・単価+5.8%と、数量と単価の双方が伸びた。
- デンタルケア用品(21.0%・+22.0%)と爪ケア用品(14.4%・+25.7%)が成長を主導。上位カテゴリで前年割れはバリカン(▲2.3%)のみ。
- 価格帯は中(59.0%)が金額の柱で、高(32.1%)は器具が主体。低(8.9%)は数量では32.2%を占め、購入頻度で市場を支える。
こうしたサブカテゴリ別・価格帯別の動向は、自社が扱うブランドや対象動物の単位ではどう見えるでしょうか。Nint ECommerceでは、主要ECモール(楽天・Amazon・Yahoo!ショッピング 等)のペット用お手入れ用品カテゴリを、サブカテゴリ・ブランド・商品単位で深堀りし、競合ショップの売れ筋や価格帯、再購入サイクルの先読みに活用できます(Nint ECommerce調べ・推計値)。

関連サービス・資料
執筆者の視点
データを見て意外だったのは、「お手入れ用品」と聞いて真っ先に思い浮かぶシャンプーが首位ではなく、デンタルケアが21.0%で市場の頭を取っていた点です。しかも伸び率は爪ケアのほうが上でした。見た目をきれいにするための道具から、健康を保つための日課へ。飼い主がペットにかける手間の中身そのものが移り変わっていることが、構成比の順位に表れているように感じました。
対象期間: 2026年5月〜2026年7月/データソース: Nint ECommerce(推計値)/対象カテゴリ: ペット用お手入れ用品
この記事を書いた人

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト
note:https://note.com/nint_ecommerce
株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は20を超え、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。
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