バドミントン市場レポート|数量+21.8%・ウェア+40%
本記事は、バドミントンのラケット・シャトル・シューズ・ウェアをECで販売する事業者・メーカーの方に向けた市場レポートです。主要ECモールにおける2026年4〜6月のバドミントン市場の推定売上は約12.3億円(前年同期比+11.6%)、推定販売数は約18.4万点(同+21.8%)、平均単価は約6,672円(同▲8.4%)でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。市場を押し上げているのは高単価のラケットではなく、ウェアやシャトルなど買い足し需要の商品です。その構造を読み解きます。
目次
本レポートのサマリー
- 市場規模: 約12.3億円(前年同期比 +11.6%)
- 販売数量: 約18.4万点(前年同期比 +21.8%)
- 平均単価: 約6,672円(前年同期比 ▲8.4%)
- 主要サブカテゴリ: ラケット(24.0%)/メンズシューズ(22.9%)/シャトル(19.6%)/ウェア(19.1%)
- キートレンド: 最大構成比のラケットのみ▲16.9%と前年割れ。ウェア+40.0%、メンズシューズ+19.9%、シャトル+17.8%が伸びを主導
バドミントンのEC市場規模と推移
2026年4〜6月のバドミントンのEC市場規模は約12.3億円、前年同期比+11.6%でした。販売数は+21.8%と売上の伸びを10ポイント近く上回り、平均単価は▲8.4%と下がっています。単価の安い商品が数量で市場を押し上げた四半期でした。4〜6月は新学期と部活動が動き出す時期で、道具を一式そろえる層と、既存プレーヤーの買い足しが重なります。スポーツ用品全体の動きはスポーツ・アウトドアのEC市場規模レポートで扱っており、本記事はそのなかのバドミントンカテゴリを深掘りします。
| 指標 | 2026年4〜6月 | 前年同期 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 推定売上 | 約12.3億円 | 約11.0億円 | +11.6% |
| 推定販売数 | 約18.4万点 | 約15.1万点 | +21.8% |
| 平均単価 | 約6,672円 | 約7,282円 | ▲8.4% |
販売数が2割増える一方で単価が1割近く落ちる動きは、購入の重心が「一度きりの高い買い物」から「何度も繰り返す小さな買い物」へ移ったことを示します。ラケットは一度買えば数年使えますが、シャトルやウェア、ガットはプレーを続ける限り消費されます。1点の単価を上げるより、同じ顧客に何度買い足してもらうかを設計する発想が有効です。
サブカテゴリ別の構成と勝ち負け
バドミントン市場で最も大きいのはラケットで24.0%、次いでメンズシューズが22.9%、シャトルが19.6%、ウェアが19.1%と続きます。上位4カテゴリで市場の85.6%を占めます。伸び率では最大構成比のラケットだけが▲16.9%と前年割れとなり、そのほかは軒並みプラスでした。とくにウェアは+40.0%と伸び、平均単価4,047円という手に取りやすい価格帯で数量を積み上げています。
| サブカテゴリ | 構成比 | 前年同期比 | 平均単価 |
|---|---|---|---|
| ラケット | 24.0% | ▲16.9% | 12,678円 |
| メンズシューズ | 22.9% | +19.9% | 10,812円 |
| シャトル | 19.6% | +17.8% | 10,424円 |
| ウェア | 19.1% | +40.0% | 4,047円 |
| ガット | 4.7% | +16.1% | 7,168円 |
| その他 | 3.4% | +75.8% | 1,934円 |
ラケット(平均単価12,678円)は買い替え間隔が長く価格も高いため、支出を抑えたい局面で最初に見送られやすい商品です。一方でシャトル(+17.8%)とガット(+16.1%)は練習量に比例して消費されます。プレー自体は活発だが、用具の新調は控えられている、という読み方ができます。ウェア(+40.0%)とメンズシューズ(+19.9%)の伸びも、同じ「続けるための支出」の延長線上にあります。この構図はサッカー・フットサル市場レポートやスポーツ用品のEC市場規模レポートでも扱っており、あわせてご覧いただくと競技をまたいだ共通点が見えます。
価格帯別の販売構成と購買行動
バドミントンは価格帯で買う目的が分かれるカテゴリです。平均単価(約6,672円)を基準に低・中・高で売上構成比を見ると、高価格帯が55.9%と過半を占め、中価格帯35.5%、低価格帯8.6%と続きます。金額の柱はラケットやシューズですが、購入頻度で見れば主役は中・低価格帯の買い足し商品です。
| 価格帯 | 売上構成比 |
|---|---|
| 低価格帯 | 8.6% |
| 中価格帯 | 35.5% |
| 高価格帯 | 55.9% |
低価格帯: グリップテープ・小物・練習用シャトル
低価格帯は、グリップテープやシャトルケース、練習用の小物などが中心です。売上構成比は8.6%と小さいものの購入頻度は最も高く、送料や同梱条件が判断を左右します。「その他」が+75.8%と伸びているのも、この帯の買い足しが活発なためです。単品の利益は薄くても、まとめ買いの起点になるゾーンです。
中価格帯: ウェア・ガット・シャトル
売上構成比35.5%の中価格帯は、ウェア(平均単価4,047円)やガット(7,168円)が売れ筋です。ウェアの+40.0%からも、この帯が今期の市場を動かした主戦場だとわかります。サイズ・カラー展開の幅と、シーズンに合わせた入れ替えの速さが売上を左右する、再提案を設計しやすい価格帯です。
高価格帯: ラケット・シューズ・上位グレードのシャトル
高価格帯(55.9%)は、ラケット(平均単価12,678円)やメンズシューズ(10,812円)、試合用の上位グレードのシャトル(10,424円)が主体です。1件あたりの金額が大きく、競技志向の層や部活動の買いそろえが需要の源です。ラケットが落ち込むなか、この帯を支えたのはシューズとシャトルの伸びでした(Nint ECommerce調べ・推計値)。
バドミントンの事業者が来期取るべき3つの打ち手
ここまでのデータをふまえ、バドミントン用品をECで扱う事業者が来期に取るべき打ち手を3つに整理します。
打ち手1: 消耗品と装備の「買い足し」を売上設計の軸に据える
ウェア+40.0%、メンズシューズ+19.9%、シャトル+17.8%、ガット+16.1%と、ラケット以外はすべて市場全体の+11.6%を上回りました。数量+21.8%・単価▲8.4%という構造は、買い足し需要が市場を牽引していることを表します。ラケット1本の販売を追うより、シャトル・ガット・グリップを切らさず、再購入の間隔に合わせて提案できる状態をつくることが売上に直結します。
打ち手2: 新学期・部活シーズンに向けて中価格帯を厚くする
売上の35.5%を占める中価格帯は、ウェア(4,047円)やガット(7,168円)が主役です。4〜6月は新学期と部活動の本格始動が重なり、この帯の動きが市場全体の伸びをつくりました。サイズ・カラーの欠品を防ぐ在庫計画と、シーズン入り前倒しの露出強化が効きます。ラケットが▲16.9%と伸び悩むなか、数量を取りにいける打ち手はこの帯にあります。
打ち手3: 高価格帯は競合の品揃え・価格を見て磨く
市場の55.9%を占める高価格帯のラケット・シューズは、金額の柱でありながらラケットが前年割れとなった難所です。Nint ECommerceでは、主要ECモールの競合ショップがどのブランド・どの価格帯でラケットやシューズを展開しているかを把握でき、自社の品揃えと価格を磨く材料になります。
よくある質問(Q&A)
バドミントンのEC市場規模はどのくらいですか?
主要ECモールにおける2026年4〜6月の推定売上は約12.3億円で、前年同期比+11.6%でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。推定販売数は約18.4万点(+21.8%)、平均単価は約6,672円(▲8.4%)でした。
主要ECモールで売れ筋のバドミントン用品は何ですか?
売上構成比ではラケット24.0%が最大で、メンズシューズ22.9%、シャトル19.6%、ウェア19.1%と続き、上位4カテゴリで市場の85.6%を占めます。伸び率ではウェアが+40.0%と最大でした。
バドミントンでモノが売れる価格帯はどこですか?
金額では高価格帯(55.9%)が過半を占め、ラケットやシューズが中心です。中価格帯(35.5%)はウェアやガットが売れ筋で、購入頻度はこちらが上回ります。低価格帯は8.6%ですが買い足しの起点になります(Nint ECommerce調べ・推計値)。
なぜラケットが減っているのに市場全体は伸びているのですか?
ラケットは単価12,678円と高く買い替え間隔も長いため▲16.9%と落ち込みました。一方でウェア・シューズ・シャトル・ガットという継続に伴う支出が伸び、数量+21.8%が減少分を吸収したためです(Nint ECommerce調べ・推計値)。
まとめと、より深く分析するためのヒント
- 2026年4〜6月のバドミントンEC市場は約12.3億円(前年同期比+11.6%)。販売数+21.8%に対し単価▲8.4%で、低単価品が伸びを主導。
- 最大構成比のラケット(24.0%)のみ▲16.9%と前年割れ。ウェア+40.0%、メンズシューズ+19.9%、シャトル+17.8%が伸長。
- 価格帯は高(55.9%)が金額の過半。頻度で支えるのは中(35.5%)・低(8.6%)で、買い足しの設計が売上に直結。
こうした動向は、自社が扱うブランドの単位ではどう見えるでしょうか。Nint ECommerceでは、主要ECモール(楽天・Amazon・Yahoo!ショッピング 等)のバドミントンカテゴリを、サブカテゴリ・ブランド・商品単位で深堀りし、競合ショップの売れ筋や価格帯、シーズン需要の先読みに活用できます(Nint ECommerce調べ・推計値)。
関連サービス・資料
執筆者の視点
意外だったのは、市場が二桁で伸びているのに、その中心にあるはずのラケットだけが1割半も減っていた点です。伸びをつくったのはウェアやシャトルという、プレーを続ける限り消えていくものでした。道具を新しくする買い物は先送りできても、コートに立ち続けるための買い物は止まらない。市場の強さはここにあるのだと数字から見えてきました。
対象期間: 2026年4月〜2026年6月/データソース: Nint ECommerce(推計値)/対象カテゴリ: バドミントン
この記事を書いた人

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト
note:https://note.com/nint_ecommerce
株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は20を超え、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。
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