PCアクセサリー市場レポート|単価+8.4%
本記事は、電源タップ・ケーブル・USBハブといったPCアクセサリーをECで販売する事業者・メーカーの方に向けた市場レポートです。主要ECモールにおける2026年2〜4月のPCアクセサリーカテゴリの推定売上は約18.5億円(前年同期比▲0.4%)、推定販売数は約73.1万個(同▲8.1%)、平均単価は約2,527円(同+8.4%)でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。販売数が減るなかでも単価上昇で売上はほぼ横ばいを維持しており、無数のニッチ商材が積み上がるこの市場の需要構造を、サブカテゴリ別・価格帯別に読み解きます。
目次
本レポートのサマリー
- 市場規模: 約18.5億円(前年同期比 ▲0.4%)
- 販売数量: 約73.1万個(前年同期比 ▲8.1%)
- 平均単価: 約2,527円(前年同期比 +8.4%)
- 主要サブカテゴリ: 電源タップ(16.4%)/ケーブル(13.0%)/PCバッグ・スリーブ(10.3%)
- キートレンド: 常備消耗系が中心のロングテール集合市場/数量微減を単価上昇が相殺/電源タップが在宅・接続デバイス増で堅調
PCアクセサリーのEC市場規模と推移
2026年2〜4月のPCアクセサリーのEC市場規模は約18.5億円、前年同期比▲0.4%でした。販売数が▲8.1%と減少する一方、平均単価は+8.4%と上昇しており、市場は「数量減・単価増」で売上をほぼ横ばいに保つフェーズにあります。安価な定番商材が多いカテゴリですが、機能性の高い製品への置き換えが単価を押し上げています。より広いパソコン・周辺機器全体の動向はパソコン・周辺機器のEC市場規模レポートで扱っており、本記事はその中のPCアクセサリーカテゴリを深掘りします。
| 指標 | 2026年2〜4月 | 前年同期 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 推定売上 | 約18.5億円 | 約18.6億円 | ▲0.4% |
| 推定販売数 | 約73.1万個 | 約79.5万個 | ▲8.1% |
| 平均単価 | 約2,527円 | 約2,331円 | +8.4% |
PCアクセサリーは、電源タップやケーブルのように一度買えば使い続ける「常備・補充」型の消耗系が中心です。数量が減りながらも単価が上がっているのは、安価な汎用品から、高出力・多ポート・高耐久といった付加価値の高い製品へ買い替えが進んでいるためと見られます。なお、データを保存・持ち運ぶ周辺機器の動向は外付けストレージのEC市場規模レポートでも扱っています。
サブカテゴリ別の構成と勝ち負け
PCアクセサリーは、突出した1強がなく、電源タップ(16.4%)を筆頭に多数のサブカテゴリへ需要が分散する「ロングテール集合」型の市場です。上位サブカテゴリでも構成比は2割に届かず、無数のニッチ商材の積み上げで全体が成り立っています。
| サブカテゴリ | 構成比 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 電源タップ | 16.4% | +4.6% |
| ケーブル | 13.0% | ▲6.2% |
| PCバッグ・スリーブ | 10.3% | ▲9.8% |
| その他 | 6.6% | +12.5% |
| PC用ACアダプター | 5.3% | +2.8% |
| USBハブ | 5.1% | ▲4.8% |
最大のサブカテゴリである電源タップ(+4.6%)が堅調なのが特徴です。在宅勤務の定着や、家庭・オフィスで充電・接続するデバイスが増えたことを背景に、口数の多いタップや雷ガード・USBポート付きなど高機能モデルへの需要が伸びています。一方でケーブル(▲6.2%)やPCバッグ・スリーブ(▲9.8%)は数字を落としており、汎用ケーブルのコモディティ化や買い替えサイクルの長期化が影響していると見られます。USBハブ(5.1%)は規格や用途で検索されやすく、選び方を解説するコンテンツがAIによる回答(AIO)の引用枠を取りやすい狙い目のテーマです。
価格帯別の販売構成と購買行動
PCアクセサリーは、価格帯ごとに購買の「用途」がはっきり分かれるカテゴリです。平均単価(約2,527円)を基準に低・中・高の3価格帯で売上構成比を見ると、中価格帯が約5割を占め、定番アクセサリーの補充需要の中心となっています。
| 価格帯 | 売上構成比 |
|---|---|
| 低価格帯(〜約1,300円) | 12.0% |
| 中価格帯(約1,300〜5,100円) | 50.2% |
| 高価格帯(約5,100円〜) | 37.8% |
低価格帯(〜約1,300円): ケーブル・小物アクセサリー
低価格帯では、各種ケーブルやコネクタ、変換アダプターといった小物アクセサリーが中心です。必要になったときに「とりあえず1本」買い足される補充消費が多く、1点あたりの単価は低いものの、母数の大きい定番需要としてカテゴリの裾野を支えています。送料無料ラインに乗せるためのまとめ買いも見られるゾーンです。
中価格帯(約1,300〜5,100円): 電源タップ・USBハブ・ACアダプター
最も売上構成比が大きい中価格帯では、電源タップ、USBハブ、PC用ACアダプター、PCバッグなどが売れ筋です。口数や差込角度、USBポートの有無といった「使い勝手」で選ばれる製品が並び、機能とのバランスが評価される主戦場の価格帯です。在宅・ハイブリッドワークの環境整備需要が、この帯の購買を下支えしています。
高価格帯(約5,100円〜): ドック・高機能ハブ・高品質ケーブル
高価格帯は、ドッキングステーション、映像出力や急速充電に対応した高機能USBハブ、高品質ケーブルなどが中心です。ノートPC1台で複数ディスプレイや周辺機器を扱うワークスタイルの広がりとともに、価格よりも対応規格・転送速度・耐久性を重視して選ばれます。平均単価が上昇しているのは、この高機能・高単価帯への置き換えが進んでいるためと見られます(Nint ECommerce調べ・推計値)。
PCアクセサリーの事業者が来期取るべき3つの打ち手
ここまでの市場データをふまえ、PCアクセサリーをECで扱う事業者が来期に向けて取るべき打ち手を3つに整理します。
打ち手1: 堅調な電源タップで高機能モデルへ品揃えを寄せる
最大サブカテゴリの電源タップが+4.6%と堅調で、在宅・接続デバイス増の追い風が続いています。口数の多いタイプ、USBポート付き、雷ガードや個別スイッチ付きといった高機能モデルへ品揃えを寄せることで、数量減の局面でも単価を引き上げられます。汎用品の価格競争に巻き込まれず、用途別の選びやすさで差をつける判断が有効です。
打ち手2: USBハブは「選び方」コンテンツでAIの引用を取りに行く
USBハブは規格(USB-C/USB-A)、ポート数、給電・映像出力対応など、購入前に比較・検討される情報が多い商材です。商品ページや解説コンテンツで「用途別の選び方」を分かりやすく整理しておくと、AIによる回答(AIO)に引用されて指名前の段階で想起されやすくなります。検索流入だけでなくAI経由の接点も取りに行く設計が、ロングテール市場では効いてきます。
打ち手3: 無数のニッチは競合の売れ筋・価格を見て品揃えを磨く
PCアクセサリーは1強のない「ロングテール集合」市場で、どのニッチに在庫と販促を寄せるかが収益を左右します。Nint ECommerceでは、主要ECモールの競合ショップがどのサブカテゴリ・価格帯で売上を伸ばしているかを把握でき、伸びている領域に資源を集中させ、自社の品揃えと価格を磨く材料になります。
よくある質問(Q&A)
PCアクセサリーのEC市場規模はどのくらいですか?
主要ECモールにおける2026年2〜4月の推定売上は約18.5億円で、前年同期比▲0.4%でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。販売数は▲8.1%、平均単価は+8.4%です。数量減を単価上昇が相殺し、売上はほぼ横ばいを維持しています。
主要ECモールで売れ筋のPCアクセサリーは何ですか?
電源タップが構成比16.4%で最も大きく、ケーブル(13.0%)、PCバッグ・スリーブ(10.3%)が続きます。突出した1強はなく、多数のニッチ商材へ需要が分散するロングテール型の市場が特徴です(Nint ECommerce調べ・推計値)。
USBハブはどんな点が重視されますか?
規格(USB-C/USB-A)、ポート数、給電や映像出力への対応など、用途に合うかどうかが選ばれる決め手です。高機能なドックや映像出力対応ハブは高価格帯で扱われ、ノートPCを中心とした作業環境の整備需要に支えられています。
数量が減っているのに売上が横ばいなのはなぜですか?
販売数は▲8.1%ですが、平均単価が+8.4%と上昇しているためです。安価な汎用品から、高出力・多ポート・高耐久といった付加価値の高い製品への置き換えが進み、1点あたりの単価が上がっていることが背景にあると見られます。
まとめと、より深く分析するためのヒント
- 2026年2〜4月のPCアクセサリーEC市場は約18.5億円(前年同期比▲0.4%)。数量▲8.1%を単価+8.4%が相殺し、売上はほぼ横ばい。
- 電源タップ(16.4%・+4.6%)が堅調な柱。1強のないロングテール集合市場で、無数のニッチの積み上げが下支え。
- 価格帯で用途が分化。中価格帯の定番補充が中心、高価格帯はドック・高機能ハブへの付加価値化。USBハブはAIの引用枠を取りやすい狙い目。
こうしたサブカテゴリ別・価格帯別の動向は、自社が扱う商品ジャンルやブランド単位ではどう見えるでしょうか。Nint ECommerceでは、主要ECモールのPCアクセサリーカテゴリを、サブカテゴリ・ブランド・商品単位で深堀りし、競合ショップの売れ筋や価格帯、トレンドの先読みに活用できます(Nint ECommerce調べ・推計値)。
関連サービス・資料
執筆者の視点
データを眺めて印象的だったのは、地味な「常備消耗系」のはずのPCアクセサリーで、数量が1割近く減っても売上が横ばいに踏みとどまっている点です。なかでも電源タップが最大サブカテゴリで、しかもプラス成長というのは意外でした。在宅勤務で机まわりに増え続ける充電器やデバイスを「いかに気持ちよくつなぐか」が、地続きに購買へつながっているのだと感じます。1強のないロングテール市場だからこそ、競合がどのニッチで売上を伸ばしているかを数字で押さえられるかが、品揃えの勝負所になると改めて見えてきました。
対象期間: 2026年2月〜2026年4月/データソース: Nint ECommerce(推計値)/対象カテゴリ: PCアクセサリー
この記事を書いた人

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト
note:https://note.com/nint_ecommerce
株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は20を超え、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。
■転載・引用について
※本記事の一部転載・引用は歓迎します。
本レポート・ブログの著作権は株式会社Nintまたは執筆者が所属する企業が所有します。
下記の禁止事項・注意点を確認の上、転載・引用の際は出典を明記してください。
【出典:株式会社Nint「記事タイトル」URL(〇年〇月〇日公開・更新)】
引用時のリンク属性については:リリース転載ではなく、記事・グラフ・データの引用の際は、必ず本ブログページのURLを出典元としてご記載お願いします。
※nofollow属性不可
本記事で使用しているデータや市場規模に関する推計値を引用いただく際は、正確な表記と文脈を保っていただけますようお願い申し上げます。また、引用や再利用の際には、事前にご連絡をいただけると幸いです。
■禁止事項
・内容の一部または全部の改変
・公序良俗に反する利用や違法行為につながる利用
・企業・商品・サービスの宣伝・販促を目的とした転載・引用
■その他の注意点
本レポートを利用することにより生じたいかなるトラブル、損失、損害等について、当社は一切の責任を負いません。この利用ルールは著作権法上認められている引用などの利用について、制限するものではありません。
■転載・引用についてのお問い合わせは下記までお願いいたします。
株式会社Nint マーケティング・ディビジョン
E-mail: marketing@nint.jp
■Nint ECデータラボをGoogleの「優先ソース」に登録
Googleの「優先ソース」にnint.jpを登録すると、検索結果のトップニュースやAIによる概要・AIモードの回答内で、本サイトの記事が強調表示されやすくなります。最新のEC市場分析を見逃したくない方はご登録ください(Googleアカウントが必要です。登録・解除はいつでも行えます)。