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プリンタ市場レポート|消耗品6割・売上+4.2%

#市場レポート #市場規模 #ECデータ
プリンタ市場レポート キービジュアル

本記事は、プリンタ本体やインク・トナーなどの消耗品をECで販売する事業者・メーカーの方に向けた市場レポートです。主要ECモールにおける2026年4〜6月のプリンタ市場の推定売上は約31.2億円(前年同期比+4.2%)、推定販売数は約50.2万点(同+5.5%)、平均単価は約6,211円(同▲1.2%)でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。売上を支えているのは本体の買い替えではなく、インクカートリッジ・トナーという消耗品です。市場の6割を消耗品が占める構造を、サブカテゴリ別・価格帯別に読み解きます。

本レポートのサマリー

  • 市場規模: 約31.2億円(前年同期比 +4.2%)
  • 販売数量: 約50.2万点(前年同期比 +5.5%)
  • 平均単価: 約6,211円(前年同期比 ▲1.2%)
  • 主要サブカテゴリ: インクカートリッジ(38.3%)/トナー(23.5%)/プリンタ複合機(15.0%)
  • キートレンド: 消耗品2カテゴリで市場の61.8%/消耗品は+9%前後で伸長、本体は複合機を除き減少

プリンタのEC市場規模と推移

2026年4〜6月のプリンタのEC市場規模は約31.2億円、前年同期比+4.2%でした。販売数が+5.5%と売上の伸びを上回り、平均単価は▲1.2%と小幅に低下しています。売上を押し上げているのは、単価の高い本体ではなく、単価の低い消耗品の販売増です。すでに手元にあるプリンタを買い替えずに使い続ける動きが続き、インクカートリッジ・トナーの反復購買が市場の土台になっています。上位カテゴリ全体の動きはパソコン・周辺機器のEC市場規模レポートで扱っており、本記事はそのなかのプリンタカテゴリを深掘りします。

指標2026年4〜6月前年同期前年同期比
推定売上約31.2億円約29.9億円+4.2%
推定販売数約50.2万点約47.6万点+5.5%
平均単価約6,211円約6,286円▲1.2%
主要ECモールのプリンタカテゴリ推定値(Nint ECommerce調べ・推計値)

販売数の伸びが売上の伸びを上回り、単価がわずかに下がっているのは、購入の重心が高単価の本体から低単価の消耗品へ移っているためです。市場全体は伸びていても、その中身は「新しく買う人」ではなく「使い続ける人」の支出で構成されています。1台の販売で終わらせず、その後の消耗品購入をどれだけ自社で受け止められるかが、売上を左右します。

サブカテゴリ別の構成と勝ち負け

プリンタ市場は、インクカートリッジが38.3%、トナーが23.5%を占め、この消耗品2カテゴリだけで市場の61.8%に達します。いずれも前年同期比+9%前後で伸びており、市場全体の+4.2%を明確に上回りました。一方で本体側は、インクジェットプリンタが▲7.2%、フォトプリンタが▲3.7%、レーザープリンタが▲1.6%と減少し、プリンタ複合機(+0.5%)のみが横ばいを保っています。

サブカテゴリ構成比前年同期比平均単価
インクカートリッジ38.3%+8.9%3,154円
トナー23.5%+9.0%11,657円
プリンタ複合機15.0%+0.5%21,744円
インクジェットプリンタ11.4%▲7.2%20,672円
レーザープリンタ4.9%▲1.6%29,869円
フォトプリンタ2.3%▲3.7%15,148円
レシートプリンタ1.8%▲7.5%31,159円
主要ECモールのプリンタサブカテゴリ別構成比・前年同期比(2026年4〜6月・Nint ECommerce調べ・推計値)

本体4カテゴリを合計しても市場の33.6%にとどまり、消耗品の61.8%には届きません。プリンタは「売って終わり」ではなく、購入後に何度も消耗品を買い足してもらう前提の商材であることが、構成比にそのまま表れています。単価の高い複合機(21,744円)が本体のなかで唯一横ばいを保っているのは、家庭・小規模オフィスでスキャンやコピーまで1台でまかなう用途が定着しているためです。周辺機器全体での買い回りの傾向はPCアクセサリー市場レポート外付けストレージ市場レポートでも扱っており、あわせてご覧いただくと同一顧客層の支出の広がりが見えます。

価格帯別の販売構成と購買行動

プリンタは価格帯で購買の目的が分かれるカテゴリです。平均単価(約6,211円)を基準に低・中・高の3価格帯で売上構成比を見ると、高価格帯が57.9%と過半を占め、中価格帯が30.0%で続きます。金額ベースでは本体と業務用トナーが市場の柱ですが、購入頻度で見れば主役は中・低価格帯の消耗品です。

価格帯売上構成比
低価格帯12.1%
中価格帯30.0%
高価格帯57.9%
主要ECモールのプリンタ 価格帯別売上構成比(2026年4〜6月・Nint ECommerce調べ・推計値)

低価格帯: 単色インク・小容量カートリッジ

低価格帯は、切れた色だけを買い足す単色インクや小容量カートリッジ、用紙などが中心です。「今すぐ印刷したい」という緊急の買い足し需要が多く、納期と在庫の有無が選ばれる決め手になります。売上構成比は12.1%と小さいものの、購入頻度は最も高く、リピート顧客の入り口として機能するゾーンです。

中価格帯: インクの多色セット・標準トナー

売上構成比30.0%の中価格帯は、複数色をまとめたインクセットや標準容量のトナーが売れ筋です。インクカートリッジの平均単価は3,154円で、まとめ買いによって1点あたりの負担を下げる買い方が定着しています。買い替えサイクルが読みやすく、定期的な再購入を設計しやすい主戦場です。

高価格帯: 複合機・大容量トナー・業務用機

高価格帯(57.9%)は、プリンタ複合機(平均単価21,744円)やレーザープリンタ(29,869円)、レシートプリンタ(31,159円)といった本体と、大容量トナー(11,657円)が中心です。1件あたりの金額が大きく、業務利用の入替えや店舗の設備更新が需要の源になります。本体カテゴリが軒並み前年割れとなるなか、この帯の金額規模を支えているのはトナーの伸びです(Nint ECommerce調べ・推計値)。

プリンタの事業者が来期取るべき3つの打ち手

ここまでの市場データをふまえ、プリンタと関連消耗品をECで扱う事業者が来期に向けて取るべき打ち手を3つに整理します。

打ち手1: 消耗品の反復購買を売上設計の軸に据える

インクカートリッジ(38.3%・+8.9%)とトナー(23.5%・+9.0%)で市場の61.8%を占め、伸び率も市場全体を上回ります。本体の販売台数を追うより、対応機種の網羅・型番検索のしやすさ・在庫の切らさない運用に資源を寄せる判断が有効です。一度買った顧客が次も同じ店で買う状態をつくることが、そのまま売上の積み上げになります。

打ち手2: 本体は複合機に絞り、年末商戦に合わせて仕込む

本体はインクジェット▲7.2%、フォト▲3.7%、レーザー▲1.6%と減少するなか、複合機のみ+0.5%と横ばいを保っています。品揃えの重心を複合機に寄せ、需要の山となる年末商戦期に向けて在庫と販促を前倒しで仕込むことで、縮小する本体市場のなかでも取りこぼしを抑えられます。本体販売時に対応インク・トナーを同時提案する導線も、あわせて用意したいところです。

打ち手3: 高価格帯は競合の品揃え・価格を見て磨く

市場の57.9%を占める高価格帯の複合機・業務用機・大容量トナーは、品揃えと価格設定が競争力を左右します。Nint ECommerceでは、主要ECモールの競合ショップがどの機種・どの価格帯で本体や消耗品を展開しているかを把握でき、自社の品揃えと価格を磨く材料になります。

よくある質問(Q&A)

プリンタのEC市場規模はどのくらいですか?

主要ECモールにおける2026年4〜6月の推定売上は約31.2億円で、前年同期比+4.2%でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。販売数は+5.5%、平均単価は▲1.2%で、低単価の消耗品が売上を支えています。

主要ECモールで売れ筋のプリンタ関連商品は何ですか?

インクカートリッジが38.3%で最も大きく、トナー(23.5%)が続きます。この消耗品2カテゴリで市場の61.8%を占め、本体4カテゴリの合計33.6%を大きく上回るのがプリンタ市場の特徴です。

プリンタでモノが売れる価格帯はどこですか?

金額では高価格帯(57.9%)が過半を占め、複合機や業務用機、大容量トナーが中心です。中価格帯(30.0%)はインクの多色セットや標準トナーが売れ筋で、購入頻度はこちらが上回ります(Nint ECommerce調べ・推計値)。

なぜ本体が減っているのに市場全体は伸びているのですか?

本体を買い替えずに使い続ける利用者が多く、インク・トナーの買い足しが市場を押し上げているためです。消耗品2カテゴリが+9%前後で伸び、本体の減少分を吸収しています(Nint ECommerce調べ・推計値)。

まとめと、より深く分析するためのヒント

  • 2026年4〜6月のプリンタEC市場は約31.2億円(前年同期比+4.2%)。販売数+5.5%に対し単価は▲1.2%で、低単価の消耗品が伸びを主導。
  • インクカートリッジ(38.3%)+トナー(23.5%)の消耗品が市場の61.8%。本体は複合機を除き前年割れ。
  • 価格帯は高(57.9%)が金額の過半。頻度で市場を支えるのは中(30.0%)・低(12.1%)の消耗品で、反復購買の設計が売上に直結。

こうしたサブカテゴリ別・価格帯別の動向は、自社が扱う対応機種やブランド単位ではどう見えるでしょうか。Nint ECommerceでは、主要ECモール(楽天・Amazon・Yahoo!ショッピング 等)のプリンタカテゴリを、サブカテゴリ・ブランド・商品単位で深堀りし、競合ショップの売れ筋や価格帯、買い替えサイクルの先読みに活用できます(Nint ECommerce調べ・推計値)。

関連サービス・資料

執筆者の視点

データを眺めて印象的だったのは、「プリンタ市場」と言いながら、売上の主役が本体ではなくインクとトナーだった点です。本体はほぼ全カテゴリで前年割れなのに市場全体が伸びているのは、買い替えではなく「使い続ける」支出が積み上がっているからです。最初の1台をどう売るかより、その後の買い足しをどう自社に戻すかが売上を分ける市場だと、改めて数字から見えてきました。

対象期間: 2026年4月〜2026年6月/データソース: Nint ECommerce(推計値)/対象カテゴリ: プリンタ

この記事を書いた人

山本真大 / 株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト

note:https://note.com/nint_ecommerce

株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は20を超え、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。

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