ベビー用セーフティグッズ市場レポート|売上+6.7%成長
本記事は、赤ちゃんの転倒・転落やけがを防ぐベビー用セーフティグッズをECで販売する事業者・メーカーの方に向けた市場レポートです。主要ECモールにおける2026年4〜6月のベビー用セーフティグッズカテゴリの推定売上は約16.0億円(前年同期比+6.7%)、推定販売数は約31.2万点(同+5.3%)、平均単価は約5,122円(同+1.5%)でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。販売数の増加と単価の緩やかな上昇が同時に進み、市場全体が着実に拡大しています。ハイハイからつかまり立ちへと進む乳児の成長にあわせた安全対策需要を、サブカテゴリ別・価格帯別に読み解きます。
目次
本レポートのサマリー
- 市場規模: 約16.0億円(前年同期比 +6.7%)
- 販売数量: 約31.2万点(前年同期比 +5.3%)
- 平均単価: 約5,122円(前年同期比 +1.5%)
- 主要サブカテゴリ: ベビーサークル・プレイヤード(44.8%)/ベビーゲート(25.0%)/ベビーモニター・音声モニター(14.3%)
- キートレンド: 数量・単価がともに前年超えで市場拡大/高価格帯が売上の過半(52.8%)/見守りと囲い込みの2軸に需要が集中
ベビー用セーフティグッズのEC市場規模と推移
2026年4〜6月のベビー用セーフティグッズのEC市場規模は約16.0億円、前年同期比+6.7%でした。販売数が+5.3%と伸び、平均単価も+1.5%と上昇しており、市場は「数量増・単価増」がそろう堅調な拡大フェーズにあります。少子化が進むなかでも、一人の子どもにかける安全投資が手厚くなっていることが、この二重の伸びの背景にあると見られます。キッズ・ベビー・マタニティ全体の動向はキッズ・ベビー・マタニティのEC市場規模レポートで扱っており、本記事はそのなかの安全対策カテゴリを深掘りします。移動時の安全を担うチャイルドシートのEC市場規模レポートとあわせて読むと、乳児期の安全対策の全体像がつかめます。
| 指標 | 2026年4〜6月 | 前年同期 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 推定売上 | 約16.0億円 | 約15.0億円 | +6.7% |
| 推定販売数 | 約31.2万点 | 約29.6万点 | +5.3% |
| 平均単価 | 約5,122円 | 約5,044円 | +1.5% |
販売数が前年を上回りながら単価も上がっているのは、安価な単品対策から、しっかりした囲いや高機能な見守り機器へと購入の軸足が移っているためです。赤ちゃんの月齢が進むにつれて必要な対策が段階的に増えるため、通年で底堅い需要が続きます。そのうえで残暑から秋にかけては、ハイハイ・つかまり立ち期を迎えた家庭の対策需要が重なり、市場を下支えします。数量を追うだけでなく、成長段階に沿った提案で客単価を積み上げる品揃えが、売上拡大の鍵になります。
サブカテゴリ別の構成と勝ち負け
ベビー用セーフティグッズは、ベビーサークル・プレイヤードが市場全体の約4.5割(44.8%)を占める最大の柱です。第2の柱であるベビーゲートが25.0%で続き、この2つの「囲い込み・仕切り」系だけで市場の約7割を構成します。ここにベビーモニター・音声モニター(14.3%)が加わり、「囲う」と「見守る」の2軸に需要が集中しているのが、このカテゴリの構造的な特徴です。
| サブカテゴリ | 構成比 |
|---|---|
| ベビーサークル・プレイヤード | 44.8% |
| ベビーゲート | 25.0% |
| ベビーモニター・音声モニター | 14.3% |
| 戸口ロック・ストッパー | 5.2% |
| コーナークッション | 3.1% |
| ヘッドガードクッション | 1.6% |
上位2カテゴリのベビーサークルとベビーゲートは、いずれも本体価格が高めで市場の中核を担います。一方、戸口ロック・ストッパー(5.2%)、コーナークッション(3.1%)、ヘッドガードクッション(1.6%)といった小物系は、構成比こそ小さいものの、サークルやゲートを設置した家庭が「仕上げ」として追加購入する関連需要の受け皿です。事業者としては、市場の柱であるサークル・ゲートで集客し、単価の低い小物を関連商品として束ねることで、1家庭あたりの購入点数と客単価を高める設計が有効です。
価格帯別の販売構成と購買行動
ベビー用セーフティグッズは、価格帯によって「守り方」がはっきり分かれるカテゴリです。平均単価(約5,122円)を基準に低・中・高の3価格帯で売上構成比を見ると、高価格帯が過半の52.8%を占め、しっかりした囲いや高機能な見守り機器への支出が市場の中心になっています。子どもの安全に関わる商品では、価格よりも安心感や信頼性が優先されやすいことが、この構成に表れています。
| 価格帯 | 売上構成比 |
|---|---|
| 低価格帯 | 11.7% |
| 中価格帯 | 35.5% |
| 高価格帯 | 52.8% |
低価格帯: 戸口ロック・コーナークッション等の小物
低価格帯では、戸口ロックやストッパー、コーナークッション、ヘッドガードといった小物系が中心です。1点あたりの単価が低く、まとめ買いや送料無料ラインを満たすための併せ買いが多く見られます。市場全体の構成比は11.7%と最も小さいものの、サークルやゲートを購入した家庭が家じゅうの危険箇所を細かく対策していく際の受け皿として、安定した数量需要を持つゾーンです。
中価格帯: 標準的なベビーゲート・音声モニター
中価格帯(35.5%)では、標準的なベビーゲートや音声タイプのベビーモニターが売れ筋です。キッチンや階段の入り口を仕切るゲート、別室の泣き声を拾う音声モニターなど、多くの家庭が最初にそろえる「基本装備」が集まる主戦場です。機能とコストのバランスが選ばれる条件になっており、設置のしやすさや対応する開口幅の広さが比較の決め手になっています。
高価格帯: ベビーサークル・映像付きモニター
高価格帯(52.8%)は、広めのベビーサークル・プレイヤードや、カメラで映像を確認できる高機能ベビーモニターが中心です。赤ちゃんの安全な遊び場を確保する囲いと、離れた場所からでも様子を見守れる機器は、価格が高くても選ばれやすく、市場全体の単価を押し上げています。平均単価が+1.5%と上昇しているのは、この高価格帯のこだわり需要が市場を下支えしているためと見られます(Nint ECommerce調べ・推計値)。
ベビー用セーフティグッズ事業者が来期取るべき3つの打ち手
ここまでの市場データをふまえ、ベビー用セーフティグッズをECで扱う事業者が来期に向けて取るべき打ち手を3つに整理します。
打ち手1: 市場の柱「囲う」商品で集客の起点をつくる
ベビーサークル・プレイヤードとベビーゲートだけで市場の約7割を占めます。この2カテゴリは検索・比較の入り口になりやすいため、対応する設置幅やサイズ、素材の安全性を丁寧に伝える商品ページを主力商品として磨くことが、集客の起点になります。サイズ違い・素材違いの品揃えを厚くし、家庭の間取りに合わせて選べる状態をつくることが、最大カテゴリでの取りこぼしを防ぎます。
打ち手2: 小物を関連商品として束ね客単価を上げる
戸口ロックやコーナークッション、ヘッドガードといった小物は、単体では単価が低いものの、サークルやゲートを買った家庭が「家じゅうの仕上げ」として追加しやすい商品です。サークル+コーナークッション、ゲート+戸口ロックのように、危険箇所ごとの対策をセットで提案することで、1家庭あたりの購入点数と客単価を引き上げられます。数量が伸びている今の局面は、束ね売りが効果を発揮しやすいタイミングです。
打ち手3: 高価格帯は競合の品揃え・価格を見て磨く
売上の過半を占める高価格帯のベビーサークルや映像付きモニターは、品揃えと価格設定が競争力を左右します。Nint ECommerceでは、主要ECモールの競合ショップがどのブランド・どの価格帯でサークルや高機能モニターを展開しているかを把握でき、自社の品揃えと価格を磨く材料になります。過半を占める高単価ゾーンでの立ち位置を数字で確かめることが、来期の売上を左右します。
よくある質問(Q&A)
ベビー用セーフティグッズのEC市場規模はどのくらいですか?
主要ECモールにおける2026年4〜6月の推定売上は約16.0億円で、前年同期比+6.7%でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。推定販売数は約31.2万点(+5.3%)、平均単価は約5,122円(+1.5%)で、数量と単価がともに前年を上回る堅調な拡大が続いています。
主要ECモールで売れ筋のベビー用セーフティグッズは何ですか?
ベビーサークル・プレイヤードが市場全体の約4.5割(44.8%)を占めて最も大きく、ベビーゲート(25.0%)、ベビーモニター・音声モニター(14.3%)が続きます。「囲う」ベビーサークル・ゲートと「見守る」モニターの2軸に需要が集中しているのが特徴です(Nint ECommerce調べ・推計値)。
ベビー用セーフティグッズでモノが売れる価格帯はどこですか?
売上構成比が最も大きいのは高価格帯(52.8%)で、広めのベビーサークルや映像付きの高機能モニターが中心です。中価格帯(35.5%)は標準的なゲートや音声モニターが支え、子どもの安全に関わる商品では安心感が価格より優先されやすい傾向が表れています。
なぜ数量と単価が同時に伸びているのですか?
少子化のなかでも、一人の子どもにかける安全投資が手厚くなり、安価な単品対策からしっかりした囲いや高機能な見守り機器へと購入の軸足が移っているためと見られます(Nint ECommerce調べ・推計値)。赤ちゃんの成長段階に沿って対策が段階的に増えることも、数量と単価の同時上昇を支えています。
まとめと、より深く分析するためのヒント
- 2026年4〜6月のベビー用セーフティグッズEC市場は約16.0億円(前年同期比+6.7%)。数量+5.3%・単価+1.5%がそろう堅調な拡大。
- ベビーサークルとベビーゲートで市場の約7割。ここにモニターが加わり、「囲う」と「見守る」の2軸に需要が集中。
- 高価格帯が売上の過半(52.8%)。安心感を優先する購買行動が、しっかりした囲いと高機能モニターの単価を下支え。
こうしたサブカテゴリ別・価格帯別の動向は、自社が扱う商品ジャンルやブランド単位ではどう見えるでしょうか。Nint ECommerceでは、主要ECモールのベビー用セーフティグッズカテゴリを、サブカテゴリ・ブランド・商品単位で深堀りし、競合ショップの売れ筋や価格帯、トレンドの先読みに活用できます(Nint ECommerce調べ・推計値)。
関連サービス・資料
執筆者の視点
データを眺めて印象的だったのは、少子化が語られるなかでこのカテゴリが数量と単価をそろって伸ばしていた点です。子どもの数が減っても、一人ひとりの安全にかける手間と費用はむしろ手厚くなっている——そんな家庭の姿が数字から浮かびます。とりわけ高価格帯が売上の過半を占めるのは、安全に関わる買い物では価格よりも安心を優先するという、親の心理がそのまま表れた結果だと感じます。囲って守る、離れて見守るという2軸の需要が太い柱になっているこの市場は、機能の安心感をいかに伝えるかが売上を分ける領域だと、改めて数字から見えてきました。
対象期間: 2026年4月〜2026年6月/データソース: Nint ECommerce(推計値)/対象カテゴリ: ベビー用セーフティグッズ
この記事を書いた人

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト
note:https://note.com/nint_ecommerce
株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は100以上となり、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。
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