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【2025年8〜10月】調味料市場レポート|基礎調味料が堅調に推移

#市場規模 #マーケティング #販促ノウハウ #ECデータ

2025年8月から10月における調味料市場は、全体として前年同期比で微減となり、市場規模の調整局面が見られました。高単価な「油」や「だし」カテゴリが落ち着きを見せる一方で、「塩」「砂糖・甘味料」といった基礎調味料の構成比および売上が伸長しており、生活者の購買行動がよりベーシックな必需品へと回帰している傾向がうかがえます。

本レポートでは、大手ECサイトにおけるNint ECommerceのデータをもとに、最新の市場動向を解説します。

調味料の市場規模

2025年8月〜10月の期間における調味料市場の市場規模は以下の通りです。前年の需要からの反動や、主要カテゴリである食用油の価格・販売動向の変化により、全体としては横ばいから微減での推移となりました。

  • 3ヵ月合計販売金額(GMV)約44億円(前年同期比 ▲2.6%)
  • 販売数量 約283万個(前年同期比 ▲3.0%)
  • 平均単価(ASP)約1,554円(前年同期比 +0.3%)

市場全体としては、売上金額および販売数量ともに前年をわずかに下回る結果となりました。一方で平均単価はほぼ横ばいで推移しており、物価上昇の影響が続く中で、消費者が価格に対してシビアになりつつも、一定の単価水準が維持されていることが読み取れます。

調味料市場のカテゴリ別売上構成比とトレンド

本章ではカテゴリ別の売上構成を比較し、トレンドを読み解きます。

カテゴリ別売上構成比(上位カテゴリ)

市場全体では調整局面にあるものの、カテゴリ別に見ると「基礎調味料」への回帰と、高付加価値商品の選別が進んでいます。

  • だし

構成比 16.7%(前年同期比 ▲0.03%)| 平均販売価格 約1,982円

構成比 14.7%(前年同期比 ▲1.69%)| 平均販売価格 約3,093円

  • しお

構成比 7.4%(前年同期比 +0.36%)| 平均販売価格 約1,371円

  • 砂糖・甘味料

構成比 7.0%(前年同期比 +0.54%)| 平均販売価格 約1,688円

  • しょうゆ

構成比 6.0%(前年同期比 +0.09%)| 平均販売価格 約1,637円

製品開発のトレンド

市場を牽引してきた「だし」や「油」などの高単価・高付加価値カテゴリが前年比で減少傾向にある一方、「しお」「砂糖・甘味料」といった毎日の料理に欠かせない基礎調味料がシェアを伸ばしています。特に「砂糖・甘味料」は販売数量・金額ともに前年を上回っており、家庭内調理の頻度維持や、特定の健康志向甘味料への底堅い需要が推測されます。また、「しお」カテゴリでは販売数量が減少する一方で平均単価が上昇しており、より高品質な塩や特定の産地・製法にこだわった商品へのシフトが見られます。

調味料市場の価格帯別販売構成と販売戦略

ここでは市場全体を価格帯別データに分けて整理し、販売戦略を考察します。

価格帯別の販売構成について

価格帯別の動向を見ると、800円〜1,600円未満の価格帯が最大のボリュームゾーンとなっており、家庭用サイズや複数個セットの購入が中心です。一方、4,000円以上の高価格帯も一定のシェアを維持しており、まとめ買いや贈答用需要の存在がうかがえます。

低価格帯(〜約1,600円)売上構成比:約35%

800円〜1,599円のレンジが市場で最も大きな売上規模を占めています。日常使いの単品や、手頃なサイズの調味料が中心です。

中価格帯(約1,600円〜約4,000円)売上構成比:約30%

プレミアムなだしパックや、こだわりの食用油、小規模なセット商品などが含まれます。品質重視のユーザー層に支持される価格帯です。

高価格帯(約4,000円〜)売上構成比:約28%

業務用サイズや、お中元・ギフト需要を含む高級調味料セット、ふるさと納税関連商品などが寄与していると考えられます。

価格帯別の販売戦略について

低価格帯

日常的に消費されるカテゴリのため、「2個セット」「3個セット」などのバンドル販売で配送効率を高めつつ、リピート購入を促す施策が有効です。

中価格帯

「健康」「無添加」「時短」などの付加価値を明確にし、スーパーマーケットで販売されているナショナルブランド商品との差別化を図ることで、指名買いを誘発する戦略が求められます。

高価格帯

ギフト需要やストック需要を取り込むため、パッケージの高級感や「大容量ならではのお得感」を訴求ポイントとし、イベント時期に合わせた露出強化が重要です。

(参考)ジャンル別価格分布

Nint ECommerceを使った価格帯別売上規模推移
市場の見える化を実現するツール「Nint ECommerce」でTOP5メーカーの価格別売上構成比を見ると以下のように確認できます。
※ご契約プランによって確認可能

横軸:価格帯で分けており、太さが構成比
縦軸:該当価格帯におけるメーカーシェア率
出典:Nint ECommerce

展望予測と調味料市場を読み解くヒント

本章では展望と市場を読み解くヒントをご紹介します。

今後の展望

短期的には、年末に向けて「おせち料理」や「鍋物」の需要が高まるため、だし、しょうゆ、みりん、鍋つゆなどの和食関連調味料の需要拡大が予測されます。また、物価高の影響から「内食(自炊)」の傾向は継続すると見られ、家庭で手軽にプロの味を出せる「合わせ調味料」や「高機能だし」へのニーズは底堅く推移するでしょう。中長期的には、健康志向の高まりを受け、減塩・糖質オフ関連や、良質な油(オリーブオイル、アマニ油等)の再評価が進む可能性があります。

調味料市場を読み解くヒントは「Nint ECommerce」!

詳細な調味料市場の分析や、競合各社の動向把握には、ECデータ分析ツール「Nint ECommerce」が役立ちます。楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングの3大モールのデータを活用し、自社のポジショニング確認や次なる一手にご活用ください。 

また、NintではAIを活用して市場トレンドをいち早くキャッチできる「AIインサイトレポート」も提供しており、変化の速いEC市場において、迅速かつ精度の高い意思決定をサポートします。

調査概要

  • 対象期間:2025年8月1日〜2025年10月31日
  • データソース:Nint ECommerce
  • 対象カテゴリ:調味料

この記事を書いた人

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト

株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は20を超え、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。

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【出典:「【2025年8〜10月】調味料市場レポート|基礎調味料が堅調に推移」(2025年12月5日公開)】
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