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【2025年8〜10月】サプリメント市場レポート|プロテイン需要が堅調

#市場規模 #マーケティング #販促ノウハウ #ECデータ

2025年8月から10月におけるサプリメント市場は、前年同期と比較して市場規模がわずかに縮小する調整局面となりました。一方で、構成比の高いプロテインカテゴリはプラス成長を維持しており、ミネラルや脂肪酸・オイルといった特定の機能性成分への需要も拡大傾向にあります。本レポートでは、大手ECサイトにおけるNint ECommerceのデータをもとに、最新の市場動向を解説します。

サプリメントの市場規模

2025年8月〜10月の期間におけるサプリメント市場の市場規模は以下の通りです。全体として販売数量の減少が売上規模に影響を与えていますが、平均単価は上昇しており、高付加価値商品へのシフトがうかがえます。

  • 3ヵ月合計販売金額(GMV)約215億円(前年同期比 ▲2.2%)
  • 販売数量 約642万個(前年同期比 ▲3.1%)
  • 平均単価(ASP)約3,342円(前年同期比 +1.0%)

市場全体としては微減となりましたが、単価の上昇は、原材料費高騰による価格転嫁の影響や、大容量・高機能製品への需要シフトが要因と考えられます。

サプリメント市場のカテゴリ別売上構成比とトレンド

本章ではカテゴリ別の売上構成を比較し、トレンドを読み解きます。

カテゴリ別売上構成比(上位カテゴリ)

  • プロテイン 

構成比 24.49%(前年同期比 +2.15%)| 平均販売価格 約4,404円

  • ビタミン 

構成比 9.17%(前年同期比 ▲0.74%)| 平均販売価格 約2,739円

  • 植物性エキス 

構成比 7.85%(前年同期比 ▲15.84%)| 平均販売価格 約3,037円

  • ファイトケミカル 

構成比 7.74%(前年同期比 ▲6.32%)| 平均販売価格 約3,853円

  • アミノ酸 

構成比 7.15%(前年同期比 ▲2.42%)| 平均販売価格 約2,791円

市場の約4分の1を占めるプロテインが堅調に推移する一方で、植物性エキスなどが前年を下回りました。一方で、健康維持の基礎となるミネラルや、特定の健康課題に対応するカテゴリでは成長が見られます。

製品開発のトレンド

プロテインは、トレーニング層だけでなく健康維持や美容目的のライト層へも定着が進み、安定した需要を維持しています。一方で、植物性エキスやファイトケミカルといった特定の機能性成分は調整局面に入っており、消費者の関心がより体感や目的が明確なカテゴリへとシフトしている可能性があります。なお、TOP5圏外ではありますが「ミネラル」カテゴリなどが伸長しており、特定の健康課題に対応する成分へのニーズは依然として高いと言えます。

サプリメント市場の価格帯別販売構成と販売戦略

ここでは市場全体を価格帯別データに分けて整理し、販売戦略を考察します。

価格帯別の販売構成について

価格帯別の動向を見ると、手軽に購入できる低価格帯と、機能性や容量を重視した中〜高価格帯で役割が明確に分かれています。

低価格帯(〜約2,800円)売上構成比:約23%

ビタミン剤や単一成分のサプリメント、トライアル商品が中心です。販売数量が多く、市場の裾野を支える価格帯ですが、競争も激化しています。

中価格帯(約2,800円〜約5,600円)売上構成比:約33%

プロテインの標準サイズや、複数の成分を配合した複合サプリメントがここに含まれます。売上金額のボリュームゾーンの一つとなっており、継続購入者が多い層です。

高価格帯(約5,600円〜)売上構成比:約44%

大容量のプロテイン、高純度製品、NMNなどの高機能サプリメントが該当します。販売数量は限定的ですが、売上金額への貢献度が高いセグメントです。

価格帯別の販売戦略について

低価格帯

初回購入のハードルを下げる「お試しサイズ」や、クーポン施策による新規顧客の獲得が重要です。また、買い回りイベント時の「あと一品」需要を狙った提案も有効です。

中価格帯

継続率を高めるための定期購入への誘導や、成分の含有量・吸収率などのスペック比較による優位性の訴求が求められます。

高価格帯

ヘルスケアへの投資意識が高い層に対し、エビデンスに基づいた品質訴求や、大容量パックによる「1日あたりのコストパフォーマンス」をアピールすることで、ロイヤルティを高める戦略が有効です。

(参考)ジャンル別価格分布

Nint ECommerceを使った価格帯別売上規模推移
市場の見える化を実現するツール「Nint ECommerce」でTOP5メーカーの価格別売上構成比を見ると以下のように確認できます。
※ご契約プランによって確認可能

横軸:価格帯で分けており、太さが構成比
縦軸:該当価格帯におけるメーカーシェア率
出典:Nint ECommerce

展望予測とサプリメント市場を読み解くヒント

本章では展望と市場を読み解くヒントをご紹介します。

今後の展望

短期的には、気温の変化に伴う体調管理ニーズから、ビタミンやミネラル、免疫対策関連のサプリメントの需要回復が予測されます。中長期的には、市場全体が成熟する中で、プロテインのような定番品と、特定の悩みに寄り添うニッチな高機能成分(核酸や希少成分など)との二極化が進むと考えられます。消費者の知識レベル向上に伴い、成分の品質や原産地などの透明性がより重視されるようになるでしょう。

サプリメント市場を読み解くヒントは「Nint ECommerce」!

詳細なサプリメント市場の分析や、競合各社の動向把握には、ECデータ分析ツール「Nint ECommerce」が役立ちます。楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングの3大モールのデータを活用し、自社のポジショニング確認や次なる一手にご活用ください。

また、NintではAIを活用して市場トレンドをいち早くキャッチできる「AIインサイトレポート」も提供しており、変化の速いEC市場において、迅速かつ精度の高い意思決定をサポートします。

調査概要

  • 対象期間:2025年8月1日〜2025年10月31日
  • データソース:Nint ECommerce
  • 対象カテゴリ:サプリメント

この記事を書いた人

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト

株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は20を超え、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。

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【出典:「【2025年8〜10月】サプリメント市場レポート|プロテイン需要が堅調」(2025年12月4日公開)】
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