競合ショップと自社の売上比較から売れている理由を解明する分析手法について

本シリーズでは競合ショップの選定やデータの分析手法を3回に分けてご案内しています。

第1回目の「EC市場データ分析から導き出すマークすべき本当の競合選定について」では市場トレンドの把握やターゲットとなる市場での競合データ分析や競合選定方法についてご案内しています。

シリーズ第2回目の本日は、選定した競合と自社を比較して強みや弱みを分析することで、競合に勝つためのデータ分析手法をご案内致します。

今回ご案内する内容を見て頂ければ、自社と競合で売上の差が生まれている理由や対策方法が学べるのでぜひご確認ください。

目次

①商品構成比を比較して競合のジャンル構成を分析

②競合が売れている商品の分析

③広告や施策状況を分析

①売上や商品構成比を比較して競合のジャンル構成を分析

操作手順

機能:ショップ分析→「比較」ボタンを押下

上記を操作頂くと競合(オレンジ)と自社(水色)の売上比較が可能になります。

ジャンルでの比較では、メンズファッションジャンルでは売上は大きく負けていますが、それ以外のジャンルでは自社の方が売上が高いことが分かります。

メンズファッションジャンルの売上の差を縮める事が出来れば、更に売上拡大出来るチャンスがある事が分析可能になります。

操作手順

写真1枚目機能:ショップ分析→ジャンル分析

期間:直近1年間を選択

写真2枚目機能:ダッシュボードβ版→競合比較

期間:直近1年間を選択

上記を操作頂くと競合(A社)と自社(C社)のジャンル構成比比較が可能になります。

写真1枚目を見るとA社はメンズファッションジャンルの構成比が42%と高い事が分かります。

C社は5%と構成としては低く、バッグ・小物・ブランド雑貨ジャンルが48%と大きく売上を作れていることが分かります。

写真2枚目はメンズファッションとバッグ・小物・ブランド雑貨の月次の売上推移になります。青色グラフは自社(C社)、オレンジグラフは競合(A社)になります。

2社を比較すると構成比の高いメンズファッションジャンルはA社の売上は高く、バッグ・小物・ブランド雑貨ジャンルはA社の売上が高いことが分かります。

ここから分析出来る事として、自社はメンズファッションジャンルの売上の差を埋めることが出来れば、A社よりもさらに売上を伸ばすことが出来る可能性あることが分かります。

次はA社のアウトドアジャンルの売れ筋商品を見ていきます。

②競合が売れている商品の分析

操作手順

機能:ショップ分析→商品一覧→ジャンルをメンズファッションに指定

上記を操作頂くと競合(A社)と自社(C社)の売れ筋商品の比較が出来ます。

メンズファッションに絞って売れ筋を見れば競合が何が売れているか分かります。

A社の売れ筋商品は両社ともコート・ジャケットの売上が高く、コート・ジャケットが主力商品であることが分かりました。

A社の売れ筋コートを見ると、ブランドA商品の売上が高いことが分かりました。1位のブランドAのコートは直近30日で570万円の売上があり人気商品でした。

そこでA社とC社のブランドA製品のみの売上比較を以下のように行います。

そこでブランドA製品の合計売上を比較すると、C社はブランドA商品で4,900万円の差を付けられている事が分かりました。

この状況が分析出来たら、後はA社のブランドA商品の売れ筋を商品一覧機能の画面内で各商品売上や商品詳細を確認していけば、自社が売上を伸ばすために何を取り扱えば良いかが明確になります。

③広告や施策状況を分析

操作手順

機能:ショップ分析→比較→施策比較

上記を操作頂くと月ごとの販促の状況が把握可能になります。

こちらではどのような販促を行っているか一覧で確認出来るので競合ショップの商品が売れている理由を販促視点から分析出来ます。

比較してみると、両社で広告、施策には大きな差はないですが、A社はこまめに商品名の変更を行っているということがわかりました。

数字をクリックすると、具体的にどのように改名を行っているかを見ることができます。

最後に

今回は競合と自社を比較して強みや弱みの分析方法ご案内致しましたが重要なポイントとしては以下になります。

・競合と自社のジャンル別売上を比較して、競合が売れているジャンルの分析

・競合が売れているジャンルの中でどの商品で差がついているかを分析

・競合施策を見て売れている理由が商品選定か広告利用かを分析

競合と自社を細かく比較することで、どのジャンル、商品、施策に差があるかが明確になり、自社の販売戦略の精度が向上するのでぜひお試しください。

次回は定点的に競合ショップの売上を把握する方法や急激に売上を伸ばしている競合ショップ情報のデータ収集についてご案内致します。