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2025年にECで売れたもの・売れなくなったもの|3大ECモールのジャンル別増減

経産省EC市場調査を3大ECモールで読み解く(連載)

公開日:2026年11月6日/連載「経産省EC市場調査を3大ECモールで読み解く」第1回/データ:経済産業省「令和7年度電子商取引に関する市場調査」(2026年10月21日公表)、Nint ECommerceの売上推計(3大ECモール合算)

経済産業省は2026年10月21日、「令和7年度 電子商取引に関する市場調査」の結果を公表しました。2025年に、企業が消費者にネットでモノを売った金額(物販系BtoC-EC市場)は15兆8,233億円で、前年から3.97%増えました。モノの買い物全体のうち、ネットで買われた割合(EC化率)は9.80%です。

ただ、報告書を読んでも「2025年に何が売れて、何が売れなくなったのか」はほとんど把握することができません。分野ごとの記述は、その分野にどんな商品が含まれるかの説明が中心で、具体的な動きの記述は、食品の米の値上がりなど一部にとどまります。

実務のご担当者の方々が知りたいことは、どの商品が売上を伸ばしたのか。それはいつから、なぜ起きたのか。その結果、何が売れて、何が売れなくなったのかではないでしょうか。

この連載では、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングの3大ECモールの推計データ(Nint ECommerce)を使って、経産省の数字の中身を全6回で確かめます。第1回は、2025年に何が売上を押し上げ、何が押し下げたのかを見ます。

Nint ECommerce|主要ECモールの売上・数量・単価をジャンル別に分析

この記事のポイント

  • 2025年の3大ECモールの物販は+7.1%。数量は+1.3%、1点あたりの値段(単価)は+5.7%で、伸びの大部分は値段の上昇によるもの
  • 比べられるカテゴリの増加額のうち、43%が家電・PC・ゲーム、23%が食品
  • 売上が減ったのは服と防災グッズ

連載「経産省EC市場調査を3大ECモールで読み解く」(全6回)

  • 第1回:2025年に売上を押し上げたもの、押し下げたもの(この記事)
  • 第2回:値上げはECの値段と買い方をどう変えたか(11月9日公開予定)
  • 第3回:家電・PC:ゲーム機、パソコン、スマホ、エアコン(11月10日公開予定)
  • 第4回:食品・化粧品:米、コーヒー、ビール、ヘアカラー(11月11日公開予定)
  • 第5回:生活雑貨・衣類・書籍・自動車:気温と出来事で動いた月(11月12日公開予定)
  • 第6回:EC化率10%はいつ届くか、エージェンティックコマース(11月13日公開予定)

経産省の調査結果の全体像(市場規模・EC化率)は「2025年 EC市場規模とEC化率」にまとめています。

3大ECモールは、市場の4分の3を占める

2025年の3大ECモールの物販の売上(流通額)は約12.0兆円で、経産省の物販系の市場(15.8兆円)の75.6%にあたります。前年の73.4%から2.2ポイント(%の数字の差)上がりました。

伸び方にも差があります。市場全体が+3.97%だったのに対し、3大ECモールは+7.1%でした。経産省の調査とNint ECommerceの推計は数え方が違うので、金額の差をそのまま比べることはできません。それでも、3大ECモールが市場全体より高く伸び、市場の中での割合を高めたとみられます。

つまり、3大ECモールの中で何が起きていたかを見れば、2025年のEC市場で何が起きていたかが、かなりの部分まで分かります。

自社のジャンルは、2025年に伸びたのか、落ちたのか

Nint ECommerceでは、ジャンル・商品単位で、月ごとの売上・数量・単価の動きを確認できます。

自社ジャンルの月ごとの動きをデモで見る(オンライン)

経産省の調査にない「数量」を見る

もう一つ、この3大ECモールを見ることのメリット・特徴をお伝えします。経産省の調査は多岐にわたり、膨大であるがゆえに、調査の報告対象は比較的大きな市場、そして金額のみになってしまうケースが多いです。一方で、昨今、事業者様の関心ごとの一つとして「販売数量」が見直されています。2025年は食品を中心に値上げが続いた年です。売上が増えても、それが「たくさん売れた」からなのか、「値段が上がった」からなのかは、金額だけでは区別できません。

3大ECモールのデータには数量があります。2025年の3大ECモールの物販は、売上+7.1%のうち、数量が+1.3%、1点あたりの値段(単価)が+5.7%でした。3大ECモールの伸びの大部分は、値段の上昇によるものです。値上げがECの値段と買い方をどう変えたのかは、第2回で実店舗の値段と比べて確かめます。

※本記事の▲はマイナス(前年より減った)を表します。「前年同月比」は、前の年の同じ月と比べた増減です。

2025年、何が売上を押し上げ、何が押し下げたのか

最初に、2025年に売上を大きく増やしたジャンルと、大きく減らしたジャンルを並べます。

図1:2025年に売上を押し上げた/押し下げたジャンル(3大ECモール)

2025年に売上を押し上げた・押し下げたジャンル(3大ECモール)
棒の長さは前年からの売上の増減額、数字は売上の前年比。出典:Nint ECommerce(3大ECモール合算の推計値)。経産省の分類のうち本記事で扱う7分野の中を、3モール共通のジャンル分類で集計。モールのカテゴリの組み替えを除き、両年にある同じカテゴリどうしで比較。推計方法の更新で数字に段差が出ているジャンル(洋書、自動車の電子機器など)は除く。

大きな流れは3つです。

  • 伸びの4割強は、家電・PC・ゲーム。 モールの商品分類が変わったジャンルなど、前年と比べられない部分を除くと、7分野の増加額は約5,900億円です。このうち43%を「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」が占めました。新型ゲーム機の発売、パソコンの買い替え、スマートフォンの伸びが重なっています。
  • 4分の1弱は食品。 23%が「食品、飲料、酒類」です。米の値上がりと、健康食品、コーヒーが中心でした。
  • 売上が減ったのは、服と防災グッズ。 レディース・メンズとも服の売上が減りました。防災グッズは、2024年に大きく売れた反動で落ち込みました。

分野別に見た、売上・数量・単価の前年比

経済産業省の分類に合わせて分野ごとに粒度をそろえると、次のようになります。

表1:分野別の売上・数量・単価の前年比(2025年)

分野経産省3大ECモール 売上数量単価
生活家電、AV機器、PC・周辺機器等+5.05%+10.8%+4.2%+6.3%
食品、飲料、酒類+6.96%+11.0%+5.6%+5.2%
化粧品、医薬品+4.90%+8.6%+7.6%+0.9%
生活雑貨、家具、インテリア+2.51%+4.0%0.0%+3.9%
衣類・服装雑貨等+3.43%+1.4%▲3.4%+5.0%
書籍、映像・音楽ソフト▲1.14%▲0.6%——
自動車、自動二輪車、パーツ等+12.18%+9.3%+2.3%+6.8%
出典:経済産業省「令和7年度電子商取引に関する市場調査」、Nint ECommerce(3大ECモール合算の推計値)。経産省の物販は8分野で、本記事では「その他」を除く7分野を扱います。3大ECモールは、モールの商品分類が変わったジャンルと、データの作り方が途中で変わり前年と比べられないジャンル(洋書、自動車の電子機器など)を除いて比べています。書籍は数量の推計に段差があるため、数量と単価は出していません。

7分野のうち4分野(家電、食品、化粧品、生活雑貨)で、3大ECモールの伸びは経産省を上回りました。経産省の数字には3大ECモールの売上も含まれているので、これらは、モールの外より、モールの中で売上が伸びた分野と読めます。下回ったのは衣類と自動車です。書籍はどちらも前年並みでした。

次回以降で見ていくこと

ここからは分野ごとに、「何が、いつから、なぜ動いたのか」を月ごとに見ていきます。

  • 第2回(11月9日):値上げはECの値段と買い方をどう変えたか。白米・コーヒー・チョコレートと、洗剤・トイレットペーパー・ティッシュで、実店舗の値段と比べます
  • 第3回(11月10日):家電・PC。新型ゲーム機、Windows 10のサポート終了、海外メーカーのスマートフォン、6月の猛暑
  • 第4回(11月11日):食品・化粧品。米の値上がり、ごはんパック、値上げ前のビールのまとめ買い、ヘアカラー
  • 第5回(11月12日):生活雑貨・衣類・書籍・自動車。防災グッズ、暖かい秋冬の上着、CDの予約
  • 第6回(11月13日):EC化率10%はいつ届くか。AIによる買い物の代行

自社のジャンルの伸びを数量と単価に分けて見る方法は、「カテゴリ分析とは?」で解説しています。

Nint ECommerce|自社ジャンルの月ごとの売上・数量・単価を確認する

まずは無料で試したい方は、商品分析を3大ECモール横断で使えるNint EC Liteの無料トライアルをご利用ください。アカウント登録だけで始められ、無料の範囲では10アイテムまで登録できます。

よくある質問

2025年にECで売上を最も伸ばした分野は何ですか?

3大ECモール(Nint ECommerceの推計)では「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」です。前年と比べられるカテゴリの増加額約5,900億円のうち、43%を占めました。新型ゲーム機の発売、パソコンの買い替え、スマートフォンの伸びが重なっています。

2025年にECで売上が減ったものは何ですか?

服(レディース・メンズ)と防災グッズです。防災グッズは、2024年に地震や臨時情報で大きく売れた反動で、年間▲36%でした。

3大ECモールの伸びは、経産省の調査と比べてどうでしたか?

経産省の物販系BtoC-EC市場は+3.97%、3大ECモールは+7.1%でした。7分野のうち家電・食品・化粧品・生活雑貨の4分野で、3大ECモールの伸びが経産省を上回っています。数え方が違うため、金額の差はそのまま比べられません。

2025年のEC市場の伸びは、数量と値段のどちらによるものですか?

主に値段です。3大ECモールの物販は、売上+7.1%のうち数量が+1.3%、1点あたりの値段(単価)が+5.7%でした。

連載「経産省EC市場調査を3大ECモールで読み解く」(全6回)

  • 第1回:2025年に売上を押し上げたもの、押し下げたもの(この記事)
  • 第2回:値上げはECの値段と買い方をどう変えたか(11月9日公開予定)
  • 第3回:家電・PC:ゲーム機、パソコン、スマホ、エアコン(11月10日公開予定)
  • 第4回:食品・化粧品:米、コーヒー、ビール、ヘアカラー(11月11日公開予定)
  • 第5回:生活雑貨・衣類・書籍・自動車:気温と出来事で動いた月(11月12日公開予定)
  • 第6回:EC化率10%はいつ届くか、エージェンティックコマース(11月13日公開予定)

経産省の調査結果の全体像(市場規模・EC化率)は「2025年 EC市場規模とEC化率」にまとめています。

データの前提と出典

  • Nint ECommerceによる3大ECモール(楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング)合算の推計値(独自アルゴリズムによる推計値)です。注文が入った時点の金額(受注ベース)・税込・送料抜き・クーポン適用前の値段で、実際の売上ではありません。データの作り方の更新による影響を含みます。
  • 期間は2023年1月〜2025年12月です(前年比は2025年1〜12月と2024年1〜12月の比較。2024年の動きは2023年との比較)。
  • 経産省の数字は「令和7年度 電子商取引に関する市場調査」(2026年10月21日公表)。3大ECモールの数字は、デジタル商材・サービス・ギフト券などを除いた物販です。分野は経産省の分類に合わせて集計しています。
  • 分野の伸びとランキングは、モールの商品分類が変わったカテゴリ(2024年か2025年の片方にしかないカテゴリ。新商品のカテゴリは除く)と、データの作り方の更新で数字に段差が出ているジャンル(洋書、自動車の電子機器など)を除き、両年にある同じカテゴリどうしで比べています。
  • 2024年の割合(73.4%)は、2025年と同じ集計範囲で計算し直した値で、前年版の記事の数字とは一致しません。
  • 月ごとの動きの理由として書いたものは、複数のモールで同じ向きの動きがあることを確かめています。

出典

この記事を書いた人

山本真大 / 株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト

note:https://note.com/nint_ecommerce

株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は100以上となり、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。

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【出典:株式会社Nint「2025年にECで売れたもの・売れなくなったもの|3大ECモールのジャンル別増減」https://www.nint.jp/blog/ec-report-2025-genre/(2026年11月6日公開)】
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