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EC市場でのマリンスポーツ市場規模分析:夏本番を前にした初動と成長率



コロナ禍でも感染リスクが低いことから好調だったマリンスポーツ市場ですが、コロナ禍が明けた今年はどのような傾向が見られるのでしょうか。そこで今回は夏本番を迎える前のマリンスポーツ市場の初動を、ジャンル、メーカー、ショップ、商品単位まで細かく分析して今年のトレンドを明らかにしていこうと思います。



【目次】
1. マリンスポーツ市場の現状と今後の展望
2. マリンスポーツ市場の平均単価
3. マリンスポーツ市場のメーカー比較
4. マリンスポーツ市場のショップ比較
5. Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングで人気の商品の種類や特徴
6. まとめ



1. マリンスポーツ市場の現状と今後の展望

Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングの3モールにおいて、2023年5月時点のNint推計データより、2023年2〜4月のマリンスポーツジャンルは103%で横ばいとなっております。今後の市場規模は、当社のAI分析を踏まえると、横ばいとの結果となりました。

各モールを観察するとAmazonの売上は堅調に拡大しております。その要因としてサブジャンルの「ラッシュガード」「ダイビング・シュノーケリング」の売上が大きく拡大しております。

一方で楽天市場の売上は縮小しております。その要因としてはサブジャンルの「ダイビング・シュノーケリング」の売上は拡大していたものの、「ライフジャケット」、「サーフィン・ボディボード」の売上が大きく縮小しておりました。「サーフィン・ボディボード」の売上が縮小するという傾向はAmazonと同様ですが、楽天市場のほうがその傾向が顕著に現れておりました。

Yahoo!ショッピングの売上は横ばいとなっております。その要因としてサブジャンルの「ラッシュガード」の売上が大きく拡大したものの、「サーフィン・ボディボード」の売上が大きく縮小し横ばいになっておりました。

3モールともに拡大しているサブジャンル、縮小しているサブジャンルは似ておりましたが、それぞれ拡大幅と縮小幅が異なったことで三者三様の結果になるという興味深い傾向が見られました。


2. マリンスポーツ市場の平均単価

平均単価は4,802円と前年同時期比で114%と低単価商品の売上が減少したため増加しております。特にメーカーA社の楽天市場でのボートのエンジンジャンルは、マリンスポーツジャンル全体の単価上昇591円の内、27円の単価上昇に貢献しており、単価の低いサブジャンルの売上構成比が減っていることから全体の価格上昇に貢献しています。今後の平均単価は、AI分析を踏まえると、上昇傾向との結果となりました。

3. マリンスポーツ市場のメーカー比較

昨年売上シェア1位のウェットスーツに強いメーカーA社の売上は0.8倍と縮小しております。その要因としてはYahoo!ショッピングでの売上を大きく縮小しておりました。主力のラッシュガードの売上が昨年は3月頃から伸びてきておりましたが、今年はあまり伸びてきておりませんでした。

一番売上を拡大したのはレディースファッションに強いB社で売上は614%へと急速に拡大しております。その要因としてはAmazonで売上を大きく拡大しております。B社はAmazonと楽天市場ではDtoCショップを出店しておりどちらも売上拡大に成功しているという特徴が見られました。

4. マリンスポーツ市場のショップ比較

当該ジャンルで一番存在感が大きいのはショップとしてのAmazonで売上は急速に拡大しております。その要因としては「ダイビング・シュノーケリング」でマリンスポーツを中心に複数のブランドを展開しているC社の製品が大きく売上を拡大しております。

一番売上を拡大したのはショップD店で売上は549%と急速に拡大しております。こちらは上述のB社のDtoCショップとなっております。特に楽天では昨年の後半からサーチ広告に力を入れており売上を拡大しているように見られます。

5. Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングで人気の商品の種類や特徴

Amazonの直近のランキングによると、子供向けの水着やラッシュガードが人気です。これらの商品は安全性と機能性を優先し、学校の水泳授業にも対応できるデザインが多く見受けられます。また、大人向けのラッシュガードも人気で、UVカットや速乾性などの機能が特徴的です。さらに、男女兼用で使用できるマリンシューズも好評です。これらの商品は水陸両用で、軽量性と通気性が特徴です。価格帯は1,500円〜3,000円程度の商品が上位にランクインしております。

楽天市場の直近のランキングによると、子供向けのスクール水着やラッシュガードが人気です。これらの商品は機能面では、UVカットや速乾性、通気性といった特性を持つ商品が多く見受けられます。また、男女兼用のデザインが多く、年齢層も幅広くカバーしています。一方、大人向けには、特に男性向けの半袖ラッシュガードが人気です。これらもUVカットや速乾性などの特性を持っています。さらに、水陸両用のマリンシューズもランキングに登場しており、ビーチや水上スポーツでの利便性を訴求しております。価格帯は4000円以下の商品が上位にランクインしております。

Yahoo!ショッピングの直近のランキングによると、ランキング上位には、子供から大人まで幅広い年齢層を対象にしたラッシュガードが多く見られ、無地や学校用など、様々なシチュエーションに対応したデザインが人気です。また、長袖、半袖、男女兼用など、利用者の好みやニーズに合わせて選べる多様性も特徴的です。これらの商品は一般的に2,000円前後の価格帯で、手頃な価格も消費者にとって魅力的となっております。さらに、水陸両用のマリンシューズもランキングに登場しており、軽量で通気性に優れた特性から、ヨガやサーフィンなど様々な場面で使えるものとなっております。

6. まとめ

全体的には横ばい傾向だったものの、モールによって売上状況が異なっていたマリンスポーツ市場。ただし人気のジャンルや商品は似ており「ラッシュガード」「ダイビング・シュノーケリング」が好調で「サーフィン・ボディボード」が不調の傾向が見られました。これから夏本番に向けて、モールのトレンドと商品のトレンドを意識した取り組みがEC事業者に求められます。今後の各社の動向に注目です。





作成者
加藤 洋平(Kato Yohei, ERP Div.カスタマーサクセスUnit)
編集者
Nint Blog 編集長 加藤 洋平(Kato Yohei, ERP Div.カスタマーサクセスUnit)



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