ウィッグ市場レポート|売上+35%・数量+30%
本記事は、ウィッグ・かつら・つけ毛・エクステンションをECで販売する事業者・メーカーの方に向けた市場レポートです。主要ECモールにおける2026年4〜6月の推定売上は約8.6億円(前年同期比+35.1%)、推定販売数は約24.2万点(同+29.9%)、平均単価は約3,546円(同+4.1%)でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。売上の伸びを支えているのは値上がりではなく、買う人そのものの増加です。この伸びの中身を、サブカテゴリ別・価格帯別に読み解きます。
目次
本レポートのサマリー
- 市場規模: 約8.6億円(前年同期比 +35.1%)
- 販売数量: 約24.2万点(前年同期比 +29.9%)
- 平均単価: 約3,546円(前年同期比 +4.1%)
- 主要サブカテゴリ: フルウィッグ・全頭かつら(52.5%)/ポイントウィッグ(20.1%)/増毛部分かつら(8.5%)
- キートレンド: 主要サブカテゴリがほぼ全方位で二桁成長/伸びの主因は単価ではなく販売数
ウィッグ・かつら・つけ毛のEC市場規模と推移
2026年4〜6月のウィッグ・かつら・つけ毛のEC市場規模は約8.6億円、前年同期比+35.1%でした。販売数が+29.9%と大きく伸び、平均単価の上昇は+4.1%にとどまります。つまり売上の伸びは、単価上昇ではなく買う人の増加がもたらしたものです。ファッション周辺の上位カテゴリ全体の動きはバッグ・小物・ブランド雑貨のEC市場規模レポートで扱っており、本記事はそのなかのウィッグ・かつら・つけ毛カテゴリを深掘りします。
| 指標 | 2026年4〜6月 | 前年同期 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 推定売上 | 約8.6億円 | 約6.4億円 | +35.1% |
| 推定販売数 | 約24.2万点 | 約18.6万点 | +29.9% |
| 平均単価 | 約3,546円 | 約3,407円 | +4.1% |
販売数が3割近く増える一方で単価上昇は+4.1%と穏やかで、この市場は新しい購入者をどれだけ取り込めるかの局面にあります。増えた購入者が2回目・3回目の購入に進むかどうかが、来期以降の伸びしろを決めます。
サブカテゴリ別の構成と勝ち負け
市場の中心はフルウィッグ・全頭かつらで、構成比52.5%と過半を占め、前年同期比は+48.6%と市場全体の+35.1%を上回ります。ポイントウィッグ(20.1%・+28.7%)、増毛部分かつら(8.5%・+24.5%)、ケア用品(8.2%・+19.6%)も揃って二桁で伸びており、特定の1カテゴリだけが牽引している構図ではありません。唯一、エクステンション(4.2%・+4.3%)だけが横ばい圏です。
| サブカテゴリ | 構成比 | 前年同期比 | 平均単価 |
|---|---|---|---|
| フルウィッグ・全頭かつら | 52.5% | +48.6% | 4,805円 |
| ポイントウィッグ | 20.1% | +28.7% | 4,303円 |
| 増毛部分かつら | 8.5% | +24.5% | 6,443円 |
| ケア用品 | 8.2% | +19.6% | 1,539円 |
| その他 | 5.1% | +23.4% | 2,220円 |
| エクステンション | 4.2% | +4.3% | 1,291円 |
このカテゴリは購入動機が一つではなく、おしゃれとして髪型を変える用途、部分的なボリュームを補う用途、医療用途で選ばれるケースなど、買い手の事情が分かれます。増毛部分かつらが+24.5%と伸びているのは、全体を替えるのではなく気になる部分だけを補いたいニーズの広がりです。注目したいのは平均単価1,539円のケア用品が+19.6%で伸びている点で、手入れをしながら使い続ける層が積み上がっているサインです。関連する頭髪まわりの支出はヘアケア・スタイリングのEC市場規模レポート、装いを変える需要という点ではパーティー用品市場レポートもあわせてご覧ください。
価格帯別の販売構成と購買行動
このカテゴリは価格帯によって買われ方が大きく変わります。平均単価(約3,546円)を基準に低・中・高の3価格帯で売上構成比を見ると、高価格帯が52.0%と過半を占め、中価格帯が37.6%で続きます。低価格帯は10.4%にとどまります。
| 価格帯 | 売上構成比 |
|---|---|
| 低価格帯 | 10.4% |
| 中価格帯 | 37.6% |
| 高価格帯 | 52.0% |
低価格帯: エクステ・ケア用品・お試しの1点
低価格帯は、平均単価1,291円のエクステンションや1,539円のケア用品が中心です。「まず試してみたい」という初回購入や、イベント・撮影など短期の用途で選ばれます。売上構成比は10.4%と小さいものの、初めて買う人の入り口になる帯で、レビュー数と写真の分かりやすさが後の売上に効いてきます。
中価格帯: 日常使いのフルウィッグ・ポイントウィッグ
売上構成比37.6%の中価格帯は、平均単価4,805円のフルウィッグ・全頭かつらや4,303円のポイントウィッグが売れ筋です。普段使いを想定し、色味・毛量・サイズ調整のしやすさが比較の軸になります。市場の伸びを数のうえで支えているのはこの帯で、サイズとカラーの展開の厚みが取りこぼしの少なさにつながります。
高価格帯: 自然さを重視した本格志向のアイテム
高価格帯(52.0%)は、平均単価6,443円の増毛部分かつらや、素材・つけ心地にこだわった本格志向のフルウィッグが中心です。毎日長時間身につける前提で選ばれ、見た目の自然さ、通気性、手入れのしやすさが重視されます。購入前の不安をどれだけ解消できるかが決め手になります(Nint ECommerce調べ・推計値)。
ウィッグ・かつら・つけ毛の事業者が来期取るべき3つの打ち手
ここまでの市場データをふまえ、ウィッグ・かつら・つけ毛をECで扱う事業者が来期に向けて取るべき打ち手を3つに整理します。
打ち手1: 新規購入者を受け止める品揃えと情報設計に寄せる
売上+35.1%に対して販売数が+29.9%、平均単価は+4.1%にとどまります。伸びの主因は単価ではなく人数であり、優先すべきは値付けの引き上げより、初めて買う人が迷わず選べる状態をつくることです。サイズ・毛量・色味の違いを写真と数値で示し、装着後のイメージが持てる情報を揃えることで、比較段階での離脱を減らせます。構成比52.5%・+48.6%のフルウィッグを軸に、入門しやすい価格の1点を置く設計が有効です。
打ち手2: ケア用品を同梱・併売して2回目の購入につなげる
ケア用品は構成比8.2%と大きくはないものの、前年同期比+19.6%で伸びています。平均単価1,539円と手に取りやすく、本体購入時の併売や購入後のフォローに向く商材です。専用ブラシ・スタンド・シャンプーなどを本体とセットで提案し、使い続けるための手順を購入後に案内することで、次の買い替えまでの接点を保てます。1点売って終わりにしない設計が、リピート率の差になります。
打ち手3: 高価格帯の競合の品揃え・価格を見て磨く
市場の52.0%を占める高価格帯は、増毛部分かつら(平均単価6,443円)や本格志向のフルウィッグが競り合う領域で、品揃えと価格設定が競争力を左右します。Nint ECommerceでは、主要ECモールの競合ショップがどのタイプ・どの価格帯で商品を展開しているかを把握でき、自社の品揃えと価格を磨く材料になります。どのタイプに空きがあるかの見極めにも使えます。
よくある質問(Q&A)
ウィッグ・かつら・つけ毛のEC市場規模はどのくらいですか?
主要ECモールにおける2026年4〜6月の推定売上は約8.6億円で、前年同期比+35.1%でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。推定販売数は約24.2万点で+29.9%、平均単価は約3,546円で+4.1%と、数量主導で拡大しています。
主要ECモールで最も売れているのはどのタイプですか?
フルウィッグ・全頭かつらが構成比52.5%で最も大きく、前年同期比+48.6%と市場全体を上回る伸びです。次いでポイントウィッグが20.1%(+28.7%)、増毛部分かつらが8.5%(+24.5%)と続きます。
売上が伸びている理由は単価の上昇ですか?
いいえ、主因は販売数の増加です。売上+35.1%に対し販売数は+29.9%伸びた一方、平均単価の上昇は+4.1%にとどまります。値上がりではなく、買う人が増えたことで市場が拡大しています(Nint ECommerce調べ・推計値)。
伸びていないサブカテゴリはありますか?
エクステンションが構成比4.2%・前年同期比+4.3%と横ばい圏にとどまっています。他の主要サブカテゴリが+19.6%〜+48.6%で伸びるなか、ここだけ動きが鈍い状態です(Nint ECommerce調べ・推計値)。
まとめと、より深く分析するためのヒント
- 2026年4〜6月の市場規模は約8.6億円(前年同期比+35.1%)。販売数+29.9%に対し単価は+4.1%で、購入者数の増加が伸びを主導。
- フルウィッグ・全頭かつらが構成比52.5%・+48.6%で牽引。ポイントウィッグ・増毛部分かつら・ケア用品も二桁成長。
- 価格帯は高(52.0%)が金額の過半、中(37.6%)が数を支える主戦場。エクステンション(+4.3%)だけが横ばい圏。
こうしたサブカテゴリ別・価格帯別の動向は、自社が扱うタイプやブランド単位ではどう見えるでしょうか。Nint ECommerceでは、主要ECモール(楽天・Amazon・Yahoo!ショッピング 等)のウィッグ・かつら・つけ毛カテゴリを、サブカテゴリ・ブランド・商品単位で深堀りし、競合ショップの売れ筋や価格帯の把握に活用できます(Nint ECommerce調べ・推計値)。
関連サービス・資料
執筆者の視点
意外だったのは、平均単価1,539円のケア用品が+19.6%で伸びていた点です。ウィッグは1点買って終わりの商材だと思い込んでいましたが、手入れをして使い続ける人が確かに増えている。単価がほぼ横ばいなのに市場が3割以上伸びているのも、新しく買い始めた人が定着していると見れば腑に落ちます。最初の1点をどう届けるかと同じくらい、その後の使い続け方をどう支えるかが問われる市場だと感じました。
対象期間: 2026年4月〜2026年6月/データソース: Nint ECommerce(推計値)/対象カテゴリ: ウィッグ・かつら・つけ毛
この記事を書いた人

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト
note:https://note.com/nint_ecommerce
株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は20を超え、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。
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