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防災グッズ市場レポート|単価+6.8%

#市場レポート #市場規模 #ECデータ
防災グッズ市場レポート

本記事は、非常食や防災セット、警報器などの防災グッズをECで販売する事業者・メーカーの方に向けた市場レポートです。主要ECモールにおける2026年2〜4月の防災関連グッズカテゴリの推定売上は約27.6億円(前年同期比▲10.7%)、推定販売数は約69万個(同▲16.3%)、平均単価は約4,017円(同+6.8%)でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。前年に膨らんだ防災特需の反動で市場全体は縮小する一方、住宅防災の定番品は伸びています。需要の平準化が進むこの時期の市場構造を、カテゴリ別・価格帯別に読み解きます。

本レポートのサマリー

  • 市場規模: 約27.6億円(前年同期比 ▲10.7%)
  • 販売数量: 約69万個(前年同期比 ▲16.3%)
  • 平均単価: 約4,017円(前年同期比 +6.8%)
  • 主要サブカテゴリ: 非常食(28.0%)/簡易トイレ(11.6%)/火災警報器・ガス警報器(10.0%)
  • キートレンド: 前年の防災特需の反動で全体減/警報器・消火器など住宅防災の定番は伸長/需要の平準化フェーズ

防災グッズのEC市場規模と推移

2026年2〜4月の防災関連グッズのEC市場規模は約27.6億円、前年同期比▲10.7%でした。販売数が▲16.3%と減少する一方、平均単価は+6.8%と上昇しており、市場は「数量減・単価増」のフェーズにあります。大きな災害報道をきっかけに一気に広がった備蓄需要が一巡し、まとめ買いが落ち着く一方、残った需要は本格的な住宅防災設備へと向かう構図です。日用品・文房具全体の動向は日用品・文房具のEC市場規模レポートで扱っており、本記事はその中の防災関連グッズカテゴリを深掘りします。

指標2026年2〜4月前年同期前年同期比
推定売上約27.6億円約30.9億円▲10.7%
推定販売数約69.0万個約82.4万個▲16.3%
平均単価約4,017円約3,761円+6.8%
主要ECモールの防災関連グッズカテゴリ推定値(Nint ECommerce調べ・推計値)

2〜4月は防災用品の点検・買い替えが意識されにくい端境期にあたり、前年の特需からの反動が数字に表れやすい時期です。数量が大きく減ったのは、簡易トイレや防災セットといった「いざという時にまとめて買う」品の駆け込み需要が一巡したためと見られます。一方で単価が上昇しているのは、消耗品の少量購入が減り、警報器や本格設備など単価の高い商品の比率が高まったことを反映したものと考えられます。

サブカテゴリ別の構成と勝ち負け

防災関連グッズカテゴリは、非常食が市場全体の約3割(28.0%)を占める柱となっています。上位5サブカテゴリで市場の約7割を構成し、備蓄食料を中心に需要が分散しています。

サブカテゴリ構成比前年同期比
非常食28.0%▲5.9%
簡易トイレ11.6%▲44.4%
火災警報器・ガス警報器10.0%+13.1%
防災セット・非常用持ちだし袋9.4%▲43.5%
消火器6.1%+45.7%
主要ECモールの防災関連グッズサブカテゴリ別構成比(2026年2〜4月・Nint ECommerce調べ・推計値)

市場の縮小を主導しているのは、簡易トイレ(▲44.4%)と防災セット・非常用持ちだし袋(▲43.5%)です。これらは災害報道のたびに一気に売れる「スポット需要」型の商品で、前年の特需の反動が直撃しています。一方で、火災警報器・ガス警報器(+13.1%)や消火器(+45.7%)は、設置義務や定期的な交換が背景にある「住宅防災の定番」で、報道の有無に左右されずに伸びています。事業者は、スポット需要に依存する備蓄品の数量回復を待つより、買い替えサイクルが安定している住宅防災設備の品揃えに重心を移す判断が有効です。

価格帯別の販売構成と購買行動

防災グッズは、価格帯ごとに購入の「目的」がはっきり分かれるカテゴリです。平均単価(約4,017円)を基準に低・中・高の3価格帯で売上構成比を見ると、中価格帯と高価格帯がそれぞれ4割超を占め、まとまった備えへの支出が中心になっています。

価格帯売上構成比
低価格帯(〜約2,000円)9.8%
中価格帯(約2,000〜8,000円)43.6%
高価格帯(約8,000円〜)46.6%
主要ECモールの防災関連グッズ 価格帯別売上構成比(2026年2〜4月・Nint ECommerce調べ・推計値)

低価格帯(〜約2,000円): 非常食・防災小物

低価格帯では、単品の非常食やモバイル小物、簡易な防災グッズが中心です。買い置きの補充や試し買いの入口として購入されるゾーンで、単価は低いものの、備蓄のローリングストックを支える役割を担います。送料無料ラインに合わせたまとめ買いの対象にもなりやすい価格帯です。

中価格帯(約2,000〜8,000円): 防災セット・簡易トイレ・警報器

中価格帯では、一通りの備えがそろう防災セットや簡易トイレのまとめ買い、家庭用の警報器が売れ筋です。「これ一つで備えが完結する」セット商品が選ばれやすく、家族人数に応じた容量・点数のバリエーションが購買の決め手になります。日常の防災対策の主戦場となる価格帯です。

高価格帯(約8,000円〜): 大容量備蓄・蓄電・本格防災設備

高価格帯は、大容量の備蓄品やポータブル電源・蓄電関連、本格的な防災設備が中心です。停電や長期避難を想定した蓄電池、住宅に据え付ける消火・警報設備など、単価は高くても安全のために選ばれる商品が並びます。平均単価が上昇しているのは、こうした本格設備への支出が市場を下支えしているためと見られます(Nint ECommerce調べ・推計値)。

防災グッズの事業者が来期取るべき3つの打ち手

ここまでの市場データをふまえ、防災グッズをECで扱う事業者が来期に向けて取るべき打ち手を3つに整理します。

打ち手1: スポット需要だけに頼らず定番設備を軸に据える

簡易トイレや防災セットは災害報道のたびに大きく動く一方、報道がない時期は反動で落ち込みます。これだけに頼ると売上の振れ幅が大きくなるため、設置義務や交換需要が背景にある警報器・消火器といった住宅防災の定番品を品揃えの軸に据えることで、需要の波に左右されにくい売上の土台を築けます。

打ち手2: 「これ一つで備えが完結する」セットで単価を上げる

中価格帯では、必要なものが一通りそろう防災セットが選ばれています。非常食・簡易トイレ・衛生用品などを家族人数に合わせて組み合わせたセット商品を主力に据えることで、単品売りより高い単価を狙えます。何をそろえればよいか分からない購入者に「これ一つで安心」という選びやすさを提供することが、客単価の引き上げにつながります。

打ち手3: 警報器・蓄電など高単価設備は競合の価格・仕様を見て磨く

単価上昇を支える警報器や蓄電・本格設備は、仕様と価格のバランスが競争力を左右します。Nint ECommerceでは、主要ECモールの競合ショップが警報器や蓄電関連をどの価格帯・どの仕様で展開しているかを把握でき、自社の品揃えと価格を磨く材料になります。

よくある質問(Q&A)

防災グッズのEC市場規模はどのくらいですか?

主要ECモールにおける2026年2〜4月の推定売上は約27.6億円で、前年同期比▲10.7%でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。販売数は▲16.3%、平均単価は+6.8%です。前年の防災特需の反動で市場全体は縮小しています。

主要ECモールで売れ筋の防災グッズは何ですか?

非常食が市場全体の約3割(28.0%)を占めて最も大きく、簡易トイレ(11.6%)、火災警報器・ガス警報器(10.0%)が続きます。備蓄食料を中心に、住宅防災の定番品が市場を構成しています。

防災グッズでモノが売れる価格帯はどこですか?

売上構成比は中価格帯(約2,000〜8,000円)と高価格帯(約8,000円〜)がそれぞれ4割超を占めます。中価格帯は防災セットや警報器、高価格帯は大容量備蓄や蓄電・本格設備が中心です。

なぜ防災グッズ市場は前年から縮小したのですか?

簡易トイレ(▲44%)や防災セット(▲44%)といった、災害報道のたびに一気に売れるスポット需要型の商品が、前年の特需の反動で大きく数を落としたためです。一方で警報器(+13%)や消火器(+46%)など、買い替えサイクルが安定した定番品は伸びており、市場は需要の平準化フェーズにあります。

まとめと、より深く分析するためのヒント

  • 2026年2〜4月の防災グッズEC市場は約27.6億円(前年同期比▲10.7%)。前年の防災特需の反動で数量が減少。
  • 非常食が市場の約3割。簡易トイレ・防災セットがスポット需要の反動で大きく減る一方、警報器・消火器は伸長。
  • 価格帯で目的が分化。中価格帯の防災セットが主戦場、高価格帯は大容量備蓄・蓄電・本格設備。単価は上昇。

こうしたカテゴリ別・価格帯別の動向は、自社が扱う商品ジャンルやブランド単位ではどう見えるでしょうか。Nint ECommerceでは、主要ECモールの防災関連グッズカテゴリを、サブカテゴリ・ブランド・商品単位で深堀りし、競合ショップの売れ筋や価格帯、トレンドの先読みに活用できます(Nint ECommerce調べ・推計値)。

関連サービス・資料

執筆者の視点

データを眺めて印象的だったのは、防災グッズには「報道で一気に動く商品」と「静かに売れ続ける商品」がはっきり分かれて存在している点です。簡易トイレや防災セットは大きな災害のたびに跳ね上がり、その反動で大きく落ち込みます。一方、火災警報器や消火器は、設置義務や交換時期という暮らしのルールに支えられて、報道の有無に関わらず着実に売れています。市場全体の数字が下がっていても、その内訳を丁寧に見れば、需要が消えたのではなく「平常運転に戻った」だけだと分かります。波の大きいスポット需要と、安定した定番需要をどう組み合わせるかが、この市場で売上を安定させる鍵になりそうです。

対象期間: 2026年2月〜2026年4月/データソース: Nint ECommerce(推計値)/対象カテゴリ: 防災関連グッズ

この記事を書いた人

山本真大 / 株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト

note:https://note.com/nint_ecommerce

株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は20を超え、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。

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