エクステリア市場レポート|単価+67%
本記事は、エクステリアやガーデンファニチャーをECで販売する事業者・メーカーの方に向けた市場レポートです。主要ECモールにおける2026年2〜4月のエクステリア・ガーデンファニチャーカテゴリの推定売上は約47.5億円(前年同期比+3.9%)、推定販売数は約52万個(同▲37.9%)、平均単価は約9,075円(同+67.3%)でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。販売数が大きく減る一方で平均単価が急騰するという特異な動きが起きており、その背景を、カテゴリ別・価格帯別に読み解きます。
目次
本レポートのサマリー
- 市場規模: 約47.5億円(前年同期比 +3.9%)
- 販売数量: 約52万個(前年同期比 ▲37.9%)
- 平均単価: 約9,075円(前年同期比 +67.3%)
- 主要サブカテゴリ: 玄関・門用エクステリア(28.4%)/ガーデンファニチャー(13.8%)/物置き(13.6%)
- キートレンド: 数量減・単価急騰/買われる商品が高単価の物置・ガレージ・玄関設備へシフト/「庭の本格設備化」
エクステリア・ガーデンファニチャーのEC市場規模と推移
2026年2〜4月のエクステリア・ガーデンファニチャーのEC市場規模は約47.5億円、前年同期比+3.9%でした。注目すべきは中身の動き方で、販売数は▲37.9%と大きく減った一方、平均単価は+67.3%と急騰しています。これは「売れる個数が減ったのに、1点あたりの金額が上がったため売上は微増した」という構図です。単価が急騰した主因は、安価な小物の比率が下がり、物置・ガレージ・玄関門扉といった高単価の本格設備へ購入の重心が移ったことにあります。より広い花・ガーデン・DIY全体の動向は花・ガーデン・DIYのEC市場規模レポートで扱っており、本記事はその中のエクステリア・ガーデンファニチャーカテゴリを深掘りします。
| 指標 | 2026年2〜4月 | 前年同期 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 推定売上 | 約47.5億円 | 約45.7億円 | +3.9% |
| 推定販売数 | 約52.0万個 | 約83.7万個 | ▲37.9% |
| 平均単価 | 約9,075円 | 約5,424円 | +67.3% |
2〜4月は気候が暖かくなり、庭やベランダの環境を整えるニーズが立ち上がる時期です。DIY・防犯・在宅収納といった関心の高まりを背景に、設置に手間と費用をかける「庭の本格設備化」が進んでおり、これが単価上昇という形で数字に表れています。
サブカテゴリ別の構成と勝ち負け
エクステリア・ガーデンファニチャーカテゴリは、玄関・門用エクステリアが市場全体の約3割(28.4%)を占める柱となっています。上位5サブカテゴリで市場の大半を構成しており、需要の中心がどこにあるかが明確です。
| サブカテゴリ | 構成比 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 玄関・門用エクステリア | 28.4% | ▲3.1% |
| ガーデンファニチャー | 13.8% | ▲2.5% |
| 物置き | 13.6% | +12.9% |
| ライト・イルミネーション | 10.0% | +4.6% |
| ガレージ | 9.9% | +12.7% |
玄関・門用エクステリアやガーデンファニチャーが微減で推移する一方、物置き(+12.9%)とガレージ(+12.7%)が伸びています。屋外収納や愛車を守る設備への需要が高まっており、これらは1点あたりの金額が大きいため、市場全体の単価を押し上げる原動力になっています。ライト・イルミネーション(+4.6%)も堅調で、庭まわりを演出する需要が定着している様子がうかがえます。事業者は、伸びている高単価設備の品揃えを厚くする判断が有効です。
価格帯別の販売構成と購買行動
エクステリア・ガーデンファニチャーは、価格帯ごとに買われる商品の性格がはっきり分かれるカテゴリです。平均単価(約9,075円)を基準に低・中・高の3価格帯で売上構成比を見ると、高価格帯が過半(55.9%)を占め、本格設備が売上の柱になっています。
| 価格帯 | 売上構成比 |
|---|---|
| 低価格帯(〜約4,500円) | 12.6% |
| 中価格帯(約4,500〜18,000円) | 31.5% |
| 高価格帯(約18,000円〜) | 55.9% |
低価格帯(〜約4,500円): ライト・水まわり小物
低価格帯では、ソーラーライトやガーデンライト、立水栓パーツといった水まわりの小物が中心です。1点あたりの単価は低く、庭まわりを手軽に整えたい層が購入しています。設置に工事を伴わない手軽さが、このゾーンの特徴です。
中価格帯(約4,500〜18,000円): ガーデンファニチャー・小型物置
中価格帯では、屋外用のテーブル・チェアといったガーデンファニチャーや、小型の物置が売れ筋です。ベランダや庭で過ごす時間を快適にする家具と、ちょっとした収納を確保する設備が、この価格帯の主役です。生活を少し豊かにする「準・本格」の投資ゾーンといえます。
高価格帯(約18,000円〜): 物置・ガレージ・玄関門扉の本格設備
高価格帯は、大型の物置やガレージ、玄関の門扉・フェンスといった本格設備が中心です。設置工事を前提とした住宅まわりの恒久的な設備が多く、防犯性や耐久性、在宅収納の確保が購買の決め手になっています。平均単価が急騰しているのは、この高単価設備への需要が市場全体を下支えしているためと見られます(Nint ECommerce調べ・推計値)。
エクステリア・ガーデンファニチャーの事業者が来期取るべき3つの打ち手
ここまでの市場データをふまえ、エクステリア・ガーデンファニチャーをECで扱う事業者が来期に向けて取るべき打ち手を3つに整理します。
打ち手1: 高単価の物置・ガレージに品揃えの重心を移す
市場は数量こそ減っていますが、物置き(+12.9%)やガレージ(+12.7%)といった高単価設備が伸び、単価を押し上げています。安価な小物で個数を追うより、伸びている本格設備の品揃えを厚くし、客単価を引き上げる方が売上維持につながります。在庫や配送の負荷は大きいものの、需要が向かっている領域に資源を集中させる判断が有効です。
打ち手2: 設置イメージと施工情報で「本格設備」の不安を解く
高価格帯の物置・ガレージ・門扉は、購入後の設置や施工がネックになって決断が鈍りがちです。設置事例の写真、サイズ感の比較、組立・設置の難易度や対応業者の案内など、買った後を具体的にイメージできる情報を商品ページに揃えることで、高単価でも安心して選んでもらえます。情報量が、そのまま転換率を左右する価格帯です。
打ち手3: 競合の価格・品揃えを見て高価格帯の戦い方を磨く
売上の過半を占める高価格帯は、競合がどの容量・どの素材・どの価格で展開しているかが勝負を分けます。Nint ECommerceでは、主要ECモールの競合ショップが物置・ガレージ・門扉をどの価格帯・どのスペックで展開しているかを把握でき、自社の品揃えと価格を磨く材料になります。
よくある質問(Q&A)
エクステリア・ガーデンファニチャーのEC市場規模はどのくらいですか?
主要ECモールにおける2026年2〜4月の推定売上は約47.5億円で、前年同期比+3.9%でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。販売数は▲37.9%と減った一方、平均単価は+67.3%と急騰しています。
なぜ平均単価が大きく上がったのですか?
安価な小物の購入が減り、物置・ガレージ・玄関門扉といった高単価の本格設備へ購入の重心が移ったためです。買われる商品の構成が変わったことが、単価急騰の主因と見られます(Nint ECommerce調べ・推計値)。
主要ECモールで伸びているサブカテゴリは何ですか?
物置き(+12.9%)とガレージ(+12.7%)が伸びています。屋外収納や愛車を守る本格設備への需要が高く、ライト・イルミネーション(+4.6%)も堅調です。
どの価格帯で準備を進めるべきですか?
売上の過半を占めるのは高価格帯(約18,000円〜)で、物置・ガレージ・門扉などの本格設備が中心です。設置イメージや施工情報を充実させ、高単価でも選ばれる商品ページづくりが鍵になります。
まとめと、より深く分析するためのヒント
- 2026年2〜4月のエクステリア・ガーデンファニチャーEC市場は約47.5億円(前年同期比+3.9%)。数量は大きく減るも単価急騰で売上は微増。
- 玄関・門用エクステリアが約3割の柱。物置・ガレージが2桁成長し、市場の単価を押し上げている。
- 価格帯で性格が分化。高価格帯が売上の過半を占め、本格設備が市場の柱。「庭の本格設備化」が進行。
こうしたカテゴリ別・価格帯別の動向は、自社が扱う商品ジャンルやブランド単位ではどう見えるでしょうか。Nint ECommerceでは、主要ECモールのエクステリア・ガーデンファニチャーカテゴリを、サブカテゴリ・ブランド・商品単位で深堀りし、競合ショップの売れ筋や価格帯、トレンドの先読みに活用できます(Nint ECommerce調べ・推計値)。
関連サービス・資料
執筆者の視点
データを眺めて印象的だったのは、販売数が4割近く減っているのに売上は伸びているという、数字の不思議な動きです。中身を追うと、安価な小物ではなく物置・ガレージ・玄関設備といった「庭を本格的に造り込む」高単価商品へ、購入の重心がはっきり移っていました。在宅時間の充実や防犯意識を背景に、庭やエクステリアが「あれば便利なスペース」から「お金をかけて整える場所」へ位置づけが変わってきている。単価という一つの指標の裏に、生活者の価値観の変化が映っていると、改めて数字から見えてきました。
対象期間: 2026年2月〜2026年4月/データソース: Nint ECommerce(推計値)/対象カテゴリ: エクステリア・ガーデンファニチャー
この記事を書いた人

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト
note:https://note.com/nint_ecommerce
株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は20を超え、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。
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