【文具EC市場レポート】東南アジア主要6カ国の販売動向(2026年1〜2月)
東南アジアの文具EC市場は、新学期の開始時期が国によって異なる(マレーシア・シンガポール:1月、タイ:5月、フィリピン:6月、インドネシア:7月、ベトナム:9月)ため、需要ピークも国ごとに異なります。こうした国別の需要特性を背景に、本レポートでは、各国の販売規模と2025年の月次トレンドを通じて、東南アジア文具EC市場の現状と特徴を明らかにします。
目次
文具の市場規模
Shopee 6カ国合計(2026年1〜2月)
2026年1〜2月の主要プラットフォームにおける東南アジア6カ国の文具カテゴリー合計販売金額は、前年同期比+61.4%と大幅な伸びを記録しました。また、Shopeeは6カ国すべてで55〜69%のプラットフォームシェアを持つ最大プラットフォームであるため、本レポートではShopeeを中心に分析します。
各国別の販売金額指数(フィリピン2026年1〜2月合計を1.00とした場合)と前年同期比は以下のとおりです。
- インドネシア:1.96(前年同期比:+61.6%)
- タイ:1.08(前年同期比:+69.2%)
- フィリピン:1.00(前年同期比:+60.4%)※基準値
- ベトナム:0.73(前年同期比:+61.8%)
- マレーシア:0.69(前年同期比:+53.6%)
- シンガポール:0.16(前年同期比:+49.5%)
※指数はフィリピンの2026年1〜2月合計販売金額(JPY換算)を1.00として算出。各国の絶対値はそれぞれ異なります。
インドネシアがフィリピンの約2倍の規模で最大市場を形成しており、タイはほぼ同水準で続いています。全6カ国で前年同期比+49〜+69%の範囲に収まっており、一部の国にとどまらず東南アジア全体で文具EC市場の底上げが進んでいることがデータから読み取れます。
国ごとの2025年1〜12月 月次販売金額指数の推移と前年比
各国の2025年1月販売金額を1.00とした月次指数を示します。なお、各国の「1.00(基準値)」が示す絶対規模はそれぞれ異なります。
インドネシア(2026年1〜2月 前年同期比:+61.6%)

7月に年間ピーク(1.76)を迎えた後、8月にやや調整が見られますが、年末に向けて再び水準が高まりました。新学期準備と重なる7月前後の需要増加と、11〜12月の年末プロモーション期の大幅な販売増が特徴的なパターンとして確認されます。
マレーシア(2026年1〜2月 前年同期比:+53.6%)

12月が年間最高値(1.84)を記録し、8月(1.63)・11月(1.54)が続きます。後半期に向けて段階的に販売が拡大するトレンドが見られ、特に年末の大型プロモーション期に向けた需要集中が顕著です。4月(0.91)・6月(0.94)は一時的に1.00を下回る水準となっており、季節的な閑散期と考えられます。
フィリピン(2026年1〜2月 前年同期比:+60.4%)

4月が年間最低値(0.82)となる一方、6月(1.43)・8月(1.74)・12月(1.71)に明確なピークが形成されています。フィリピンでは6月から新学期が始まる影響で、5〜6月にかけて学用品需要が集中する傾向があります。また8月・12月は大型プロモーションイベントとの連動が販売を押し上げる要因と見られます。
シンガポール(2026年1〜2月 前年同期比:+49.5%)

上半期は概ね1.00前後で安定した推移を示し、11月(1.65)・12月(1.79)に大きく上昇します。6カ国中で前年比の伸び率はやや低い水準(+49.5%)ですが、都市型市場として年末需要に特化した購買パターンが見られます。
タイ(2026年1〜2月 前年同期比:+69.2%)

タイは全6カ国中で最も高い前年比+69.2%を記録しており、急速な市場拡大が進んでいます。年初から比較的安定した水準を維持しており、8月(1.49)以降は高い水準が続きます。4月(0.85)はソンクラーン(水かけ祭り)の大型連休にあたり、消費者の関心が旅行・祝祭への支出に向かうため、ECでの購買が落ち込む傾向が見られます。
ベトナム(2026年1〜2月 前年同期比:+61.8%)

ベトナムは12月(2.54)と8月(2.23)に下半期の大型セール(8.8、12.12)のため突出したピークが見られます。1月基準での指数が年末に2倍超まで拡大していることは、他国と比較しても際立った特徴です。2月(1.47)はテト(旧正月)前後のギフト・ラッピング需要が反映されている可能性があり、ベトナム独自の文化的イベントが市場トレンドに影響していると考えられます。
展望予測と文具市場を読み解くヒント
東南アジアの文具EC市場は、2025年を通じて全6カ国で持続的な成長を示し、2026年1〜2月においても前年同期比約50〜70%増加という高い伸びが確認されています。この成長率は、市場全体の底上げが進んでいることを示しており、単発的なキャンペーン効果にとどまらない構造的な需要拡大が背景にあると考えられます。
国別に見ると、インドネシアが最大市場としての存在感を維持しつつ、タイが全6カ国中最高の前年比成長率(+69.2%)を記録するなど、複数の市場が同時に拡大フェーズにあります。ベトナムでは後半期の伸びが著しく、新興市場としての成長ポテンシャルが数値に表れています。
各国共通のトレンドとして、8月と12月の大型プロモーション期に販売が集中する傾向があります。一方で、フィリピンの6月新学期需要、ベトナムの2月テト前後のギフト需要など、国ごとの教育・文化カレンダーに連動したローカルな需要ピークも無視できません。東南アジア文具EC市場での成功には、共通プロモーション期への対応とともに、各国固有の需要特性を踏まえたタイミング戦略の検討が重要なポイントとなります。

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調査概要
- 対象期間:2025年1月〜2025年12月(月次トレンド分析)、2025年1〜2月・2026年1〜2月(前年同期比分析)
- データソース:Nint 東南アジアECデータソリューション
- 対象プラットフォーム:Shopee
- 対象カテゴリー:Stationery(文具)
- 対象国:インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム
- 為替レート(JPY換算基準):1 IDR=0.0092 JPY / 1 RM=40.0990 JPY / 1 PHP=2.6562 JPY / 1 SGD=124.9688 JPY / 1 THB=4.9542 JPY / 1 VND=0.0060 JPY
この記事を書いた人
孫 方彤(そん ほうとう)
株式会社Nint 戦略事業室 クロスボーダーUnit
日本企業を対象に、中国・東南アジアのEC戦略策定を支援。シンガポールで数年間の就業・生活及びECプラットフォームでの日系企業支援の経験を背景に、現地のトレンドや生活習慣への深い理解を持ちながら、データ分析を軸に施策の提案・推進を担う。
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