競合メーカーのジャンルシェアや製品売上比較から強み弱みを分析する方法について

本シリーズでは全3回に渡ってEC市場や競合メーカー・製品売上データの把握や、データの分析手法、戦略立案についてご案内致します。

第1回目の社ジャンルのEC市場トレンドや競合メーカーシェアの分析手法について」では自社EC市場動向の分析やターゲットにすべきメーカーや価格帯についてご案内しています。

シリーズ第2回目の本日は、選定したジャンル内での競合メーカーや製品を自社製品と比較分析することで、競合と自社の強み弱みの分析や競合に勝つためのEC市場戦略立案についてご案内致します。

今回ご案内する内容を見て頂ければ、自社と競合で売上の差が生まれている原因分析やデータを活用した戦略立案手法が学べるのでぜひご確認ください。

目次

①ジャンル内でのメーカー売上やシェアの分析

②競合と自社のジャンル構成、価格帯別の比較分析

③競合と自社の製品比較分析

①ジャンル内でのメーカー売上やシェアの分析

操作手順

機能:業種分析(Enterprise版)→ジャンル規模→TOP20メーカー

期間:任意の年月

ジャンル:パソコンジャンルorノートPCジャンル

上記を操作頂くと指定ジャンルのTOP20メーカー動向が把握出来ます。

主力のパソコンジャンルのメーカー売上を一覧化することで競合メーカーのポジションを明確化出来ます。

上記グラフのようにパソコンジャンルでは1位のメーカー売上が高く、2位〜4位に売上の差はあまりない傾向が分かります。

ジャンル価格分布を見ると1位A社(青)は10万~14万円の価格帯が構成比が高いのに対し、

2位B社(オレンジ)は6万~10万円の価格帯の構成比が高く、戦略の違いも見えてきます。

上のグラフのようにパソコンジャンルではノートPCも売上が高いジャンルなので、そのジャンルに絞ったTOPメーカー売上も分析できます。

今回は仮に自社が2つ目のグラフでのB社(オレンジ)だと仮定した場合、売上、価格共に負けているB社との比較は必要になります。

パソコンジャンルの中でもノートPCが強いB社動向を把握することで、市場にマッチした高価格帯商品を企画できるヒントが分析出来ます。

②競合と自社のジャンル構成、価格帯別の比較分析

操作手順

機能:業種分析(Enterprise版)→ジャンル規模→メーカー名指定

期間:任意の年月

ジャンル:パソコン・周辺機器→パソコン

上記を操作頂くと指定メーカーのジャンル別売上が把握出来ます。

両者のジャンル比較をすると競合A社はノートPCの構成比が98.3%と圧倒的に高いことが分かります。

楽天市場パソコンジャンルの中のノートPCは構成比が高いことから、高額ノートPCに特化した商品企画や販売戦略が成功していると言えます。

逆にB社はノートPCの売上は負けていますがデスクトップPCの売上は高いので、

ノートPCの商品企画や戦略を改善すればA社に追いつけるチャンスが有る事が分かります。

操作手順

機能:業種分析(Enterprise版)→ジャンル規模→ジャンル価格分布

期間:任意の年月

ジャンル:パソコン・周辺機器→パソコン→ノートPCジャンル

A社のノートPCジャンルの価格帯別売上をみると10万〜14万円の商品売上が高いことが分かります。

高額帯の中でも手に取りやすい価格帯の製品を軸に売上を作っていることが分かります。

その他14万台~の製品も売れているので、ハイスペックPCのニーズも取り込めている事も平均単価が高い要因になっています。

B社のノートPCジャンルの価格帯別売上を見ると6~12万までの製品売上が高いことが分かります。

A社と比べると安価の価格帯で売上が高い傾向にありますが、A社でも構成比が高かった14万台~の製品も売れているので、この価格帯の製品企画や販促の改善によって売上を伸ばせる余地はありそうです。

③競合と自社の製品比較分析

操作手順

機能:業種分析(Enterprise版)→JAN別人気商品→メーカー指定(1つめの画像)

業種分析(Enterprise版)→人気商品→メーカー指定(2つめの画像)

期間:任意の年月

ジャンル:パソコン・周辺機器→パソコン→ノートPCジャンル

上記を操作頂くと指定メーカーの製品別売上が把握出来ます。

売れているジャンルや価格帯が分かれば人気製品の分析をすることでより市場分析の精度が高まります。

A社は10万円台の主力商品に加え7万円台の商品が上位に並んでいますが、B社は15万円台後半の商品が上位にランクインするなど、単価だけを見るとB社の主力は高単価製品であることが分かります。

これらの情報からB社はC社と比較しても高額製品が売れていない状況では無いことが分析出来ますので、高単価製品をさらに伸ばすためのプロモーション戦略強化や、A社で一番売れている10万円台の製品Aを研究して自社製品企画に活かすなど、どの製品に注力すべきが明確にすることが出来ます。

競合製品Aの分析一例として、製品Aの取り扱いショップ別売上比較が有効です。こちらを把握することで製品Aはどのショップでよく売られているかが分かります。

上の画像を見ると、製品AはショップAでよく売れている事が分かります。仮に自社もショップAに商品を卸している場合は、ショップAでの製品売上拡大は重要なポイントになりますので、自社の高額製品の優れている点や魅力を伝えることで、今までよりも多く製品を取り扱って頂くように交渉することも、売上を伸ばす有効な手段だと分析出来ます。

最後に

今回は競合メーカーや製品の比較分析手法についてご案内致しましたが重要なポイントとしては以下になります。

・ジャンル内でのメーカー売上、シェア、単価を分析

・競合メーカーと自社を比較して違いを分析

・製品を比較して自社が伸ばすべきポイントを分析

競合と自社を細かく比較することで、どのジャンルや価格、製品に差があるかが明確になり、自社の販売戦略の精度が向上するのでぜひお試しください。

次回はモール毎のデータを比較する事でモール毎の特徴や売上動向の分析をご案内致します。