楽天セールの種類一覧と活用術|売上UPにつながる対策と成功事例

目次
楽天セールの種類を理解して売上を最大化しよう
楽天市場は国内最大級のECモールで、その中でも「楽天スーパーSALE」や「楽天お買い物マラソン」などに代表される楽天のセールイベントは売上を爆発的に伸ばす最大のチャンスです。楽天経済圏での消費活動が中心となる楽天ユーザーの多くは、セールイベント時期を狙って購買活動を行うため、新規顧客獲得を狙う出店者にとってセールへの戦略的な参加は不可欠と言えるでしょう。
しかし、セールの種類は多岐にわたり「どのイベントにどう参加すれば効果的なのか分からない」「価格競争に疲弊してしまう」といった悩みを抱える店舗様もいらっしゃると思います。
そこで本記事では、楽天の主要なセールの種類とそれぞれの特徴を整理し、売上を最大化するための具体的な施策や成功事例を交えながら、失敗しないセール戦略の立て方を徹底解説します。
楽天セールの種類とそれぞれの特徴
楽天のセールイベントは、楽天市場が主催する大規模な販促イベントで、買い回りによるポイントバック率の増加が大きな特徴です。
買い回りとは、ユーザーがセール期間中に1,000円(税込)以上購入した店舗数に応じてポイント付与の倍率が上昇する「ショップ買い回りキャンペーン」となっており、楽天市場特有の仕組みです。期間中は限定割引や大幅なポイントバックが提供されるので、 楽天ユーザーにとって、楽天のセールイベントは「お得に買い物をする絶好の機会」として定着しており、「イベントに合わせてまとめ買いをする」「買い回りイベントでポイントを貯める」といった行動が一般的です。
つまり出店者にとって楽天のセールイベントは、普段はリーチできない多くの新規顧客にアプローチできる絶好の集客の場です。また、セールを成功させることで、売上向上はもちろん、店舗の新規顧客やリピーターを増やし、さらには楽天ランキングへの入賞に繋がるなど、中長期的な店舗成長の起爆剤となり得ます。
主な楽天セールの種類一覧
楽天のセールイベントは、開催時期や規模によってさまざまな種類があります。まずは代表的なセールの特徴を理解し、自社の戦略に合ったセールを見極めましょう。
楽天スーパーSALE
- 開催頻度・時期:3月、6月、9月、12月(年4回)
- 主な特徴:最大規模のセール。割引率の高い商品が多数出品され、TV CMや交通広告の出稿も行われ集客力が最も高いイベント。「ショップ買いまわり」はもちろんのこと、50%以上の割引率の商品のみが掲載される半額サーチなどの楽天スーパーSALE特別コンテンツが存在。
お買い物マラソン
- 開催頻度・時期:毎月1〜2回
- 主な特徴:「ショップ買いまわり」がメインのセール。スーパーセールに次ぐ規模。
楽天スーパーDEAL
- 開催頻度・時期:毎日
- 主な特徴:購入金額の一部が後日高確率でポイントバックされる。実質的な値引きとなり、高価格帯商品や利益率の高い商品と相性が良い。DEAL対象商品は専用ページに掲載され、露出が増える。
ご愛顧感謝デー
- 開催頻度・時期:毎月18日
- 主な特徴:会員ランクに応じてポイント倍率がアップする。優良顧客(リピーター)へのアプローチに最適。
ワンダフルデー
- 開催頻度・時期:毎月1日
- 主な特徴:全ショップ対象でポイント3倍、リピート購入でさらにポイントアップ。月初の売上スタートダッシュに有効。
5と0のつく日
- 開催頻度・時期:毎月5・10・15・20・25・30日
- 主な特徴:楽天カード利用でポイントがアップする定番キャンペーン。各種セールと組み合わせることで、相乗効果を狙える。
その他イベント
- 開催頻度・時期:イベントによる
- 主な特徴:楽天ブラックフライデー(11月)、楽天イーグルス感謝祭(11月)、楽天大感謝祭(12月)、楽天超ポイントバック祭(不定期)など。
この他にも、特定ジャンルに特化したセールや、母の日・父の日、クリスマスといったギフト商戦に連動した企画も存在します。全てのセールに全力で参加するのではなく、自社の顧客層や商材との相性を見極め、注力度合いを戦略的に判断することが重要です。
楽天セール成功の基本戦略
楽天のセールイベントでの成功は、単なる「値下げ」だけでは実現しません。重要なのは、イベントの特性を理解し、それに合わせた「集客」と「販促」を計画的に実行することです。
セール期間中のユーザーは購買意欲が非常に高まっていますが、同時に多くの競合店舗と比較検討しています。この中で選ばれるためには、「お得感の演出」「限定感」「買いやすさ」そして「仕掛けるタイミング」を最適化して提供できるかが成功の鍵となります。
セール開始前から周到に準備を行い、セール期間中に売上のピーク(瞬間風速)を作ることが、目標達成や新規顧客獲得効率最大化のための基本的な考え方となります。
楽天セールでの売上最大化施策
セールの種類と基本的な考え方を理解した上で、具体的にどのような施策を行うべきかを見ていきましょう。ここでは、売上を最大化するための具体的な販促施策例をご紹介します。
月間スケジュールと売上目標の設計
まずは、月間のイベントスケジュールを把握した上で販促カレンダーとイベント毎の売上目標を設定します。目標を設定する際は、過去の同セール時期の売上データや、競合店の動向を参考に、「どの商品を」「どれくらい誰に(既存顧客または新規顧客)売るか」という具体的な数値を設定することが重要です。目標が曖昧なままでは、施策の効果測定もできません。
セール種類に応じた販促施策の実施
目標達成には、セールの特性を活かした販促施策が不可欠です。複数の施策を組み合わせ、相乗効果を狙いましょう。また、施策を考える際には「売上=アクセス人数×転換率×客単価」や「売上=新規顧客売上+既存顧客売上」などの売上最大化のためのフレームワークに分解すると、施策アイデアが湧きやすくなります。
【集客を強化する施策】
- 1,000円ポッキリ商材の用意:買い回り対策として有効。リピート率の高い商材を選べば、新規顧客の獲得にもつながります。
- 楽天スーパーSALEサーチへのエントリー:割引率10%以上または50%以上の商品を登録し、スーパーSALE専用の検索流入を狙います。
- RPP広告やバナー広告(TDA)の出稿:セール期間中は購買意欲が高まるため、広告費の費用対効果が上がりやすくなります。
- メルマガ・SNSによる事前告知:セール開始の3日前〜前日にかけて、限定クーポン配布や予告を行い、期待感を高めます。
【転換率を高める施策】
- ポイントアップやスーパーDEALの活用:値引きが難しい商品でも、お得感を演出できる。露出枠の獲得にも効果的です。
【客単価・LTVを高める施策】
- 限定クーポンの発行やセット販売の実施:たとえば「2時間限定クーポン」や「松竹梅の福袋」「まとめ買いセット」などを用意し、スタートダッシュや客単価向上を狙います。
在庫管理と利益確保の徹底
セールで最も注意すべき点の一つが、在庫管理と利益の確保です。
特に大規模セールでは、予想以上の注文による在庫切れや、過度な値引きによる利益率の低下が起こりがちです。 セール前に需要を予測し、十分な在庫を確保しておくことはもちろん、割引クーポンやポイントバックを含めた最終的な利益率を商品ごとにシミュレーションし、「想定外の赤字になっていないか」「どのラインまでなら値引き可能か」を明確にしておくことが、失敗しないための絶対条件です。
仕掛けるタイミングの戦略
セールイベントのタイミングは全店舗にとって売上拡大が最も見込めるタイミングなので、競合店舗も同様に施策を仕掛けてきます。従って、ジャンル内での自社の立ち位置を踏まえて、セール前から事前に仕掛けるのか、セール中に仕掛けるのか、セール終盤で競合の在庫が薄くなったタイミングで仕掛けるのかなど戦略的に仕掛けのタイミングを見極めることが重要となってきます。
例えばですが、母の日や父の日などの季節系の長期イベントは仕掛けのタイミングが各店舗によって特に顕著に差が現れます。
まず、マーケットリーダーは自社の生産や配送キャパシティに応じてマーケットの盛り上がりに応じた販売、販促スケジュールを策定し、自社の配送キャパシティに無理がない範囲内で売り切ることを考えます。
一方、新規参入業者は局地戦的にマーケットリーダーが攻めないような「早割り」や「遅れてごめんね」などの検索ワードで、早期囲い込みや直前駆け込み需要を積極的に取りにいきます。このような仕掛けの違いはあらゆるイベントで違いが出てくるので、自社の立ち位置を見極めて、戦略的な仕掛けを行なっていくことが重要です。
楽天セールを活用するメリット
- 売上拡大:楽天モール全体の集客力を活かして、通常月の数倍の売上を達成できる可能性があります。特定期間での売上増加により、検索順位向上も期待できます。
- 新規顧客の獲得:セールをきっかけに初めて店舗を訪れるユーザーが増えるため、効率的に新規顧客を獲得できます。
- 認知度・信頼性の向上:セールでの実績が楽天ランキング入賞につながり、「売れている人気店」としてのブランディングを確立。アフィリエイターによる認知拡大も後押しされます。
- リピーターの育成:セール後もメルマガやLINEで継続的にアプローチすることで、LTV(顧客生涯価値)が高い優良顧客へと育成できます。
楽天セールの種類を理解し、戦略的に活用しよう
楽天のセールイベントは単なる安売りイベントではなく、戦略的に取り組むことで楽天市場での店舗成長を大きく左右します。実際にそういった店舗様をいくつもこれまで見てきました。まずは自社に合ったイベントや施策を見極め、入念な準備と計画的な施策で短期での成果を積み上げていきましょう。
モール型ECでの事業成長はモールのイベントを上手く活用することが近道となります。そして、そこで得た新規顧客を大切に育てていくことが、店舗の持続的な成長へと繋がります。
本記事を参考に、失敗しない楽天のイベント戦略を構築し、ビジネスの成長を加速させていきましょう。
楽天セールを成功させるために、まず「競合」と「市場」の動向を把握しませんか?
楽天のセールイベントで成果を上げるには、自社の施策だけでなく「競合他社がどんな商品を、いくらで、どれだけ売っているのか?」というマーケット全体の把握が欠かせません。
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この記事を書いた人

村井宏海
EnterCommerce株式会社 代表取締役
学生時代にエンタメスタートアップの関西での事業立ち上げに参画。大学卒業後、楽天のECコンサルタントとして累計1,000社以上のEC事業支援に携わり、楽天賞を複数回受賞。その後、事業戦略部門でファッションEC事業立て直しプロジェクトに携わり、様々なプロジェクトを横断的にリード。17LIVE株式会社に入社し、ライブコマース事業「HandsUP」の事業責任者として立ち上げから携わり、国内導入数No.1のライブコマースサービスへの成長を牽引。2024年末に退職し、ソーシャルコマースをやライブコマースを支援するEnterCommerce株式会社を創業。
Nint ECommerceに関して

日本国内のEC市場の約7割を占める3大ECモール(楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング)の売上・販売数量をモール別、ジャンル別、ショップ別、商品別に分析できる画期的なツールです。Nint ECommerceを活用いただくことで、以下のイベント対策を効率的にサポートしています。
活用例
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【出典:「楽天セールの種類一覧と活用術|売上UPにつながる対策と成功事例」(2025年7月1日公開)】
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