ナッツ市場レポート|単価+12%
本記事は、ナッツをECで販売する事業者・メーカーの方に向けた市場レポートです。主要ECモールにおける2026年2〜4月のナッツカテゴリの推定売上は約18.8億円(前年同期比+1.0%)、推定販売数は約95万個(同▲9.7%)、平均単価は約1,966円(同+11.8%)でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。販売数が減少する一方で単価が二桁上昇しており、無塩・素焼き・大容量といった「日常の間食」需要が市場を下支えする構図を、カテゴリ別・価格帯別に読み解きます。
目次
本レポートのサマリー
- 市場規模: 約18.8億円(前年同期比 +1.0%)
- 販売数量: 約95万個(前年同期比 ▲9.7%)
- 平均単価: 約1,966円(前年同期比 +11.8%)
- 主要サブカテゴリ: ミックスナッツ(48.1%)/アーモンド(17.9%)/くるみ・ウォールナッツ(7.7%)
- キートレンド: ミックスナッツが市場の約半分/単価+12%の高付加価値化/中価格帯に約8割が集中する日常食市場
ナッツのEC市場規模と推移
2026年2〜4月のナッツのEC市場規模は約18.8億円、前年同期比+1.0%でした。販売数が▲9.7%と減少する一方、平均単価は+11.8%と大きく上昇しており、市場は「数量減・単価増」のフェーズにあります。素焼き・無塩・大容量といった単価の高い商品へ需要が移ったことで、数量が減っても売上規模はわずかに前年を上回りました。間食・買い置き需要を背景とした食品ジャンルとしての底堅さがうかがえます。より広いお菓子・スイーツ全体の動向はスイーツ・お菓子のEC市場規模レポートで扱っており、本記事はその中のナッツカテゴリを深掘りします。
| 指標 | 2026年2〜4月 | 前年同期 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 推定売上 | 約18.8億円 | 約18.6億円 | +1.0% |
| 推定販売数 | 約95.0万個 | 約105.2万個 | ▲9.7% |
| 平均単価 | 約1,966円 | 約1,758円 | +11.8% |
単価の上昇は、原材料の調達・物流コストの上昇に加え、まとめ買い前提の大容量パックや、塩・油を使わない素焼き・無塩タイプといった「日常的に食べ続ける」前提の商品が選ばれていることが反映されたものと見られます。数量を追うより、単価と購入単位を引き上げる方向に市場が動いています。
サブカテゴリ別の構成と勝ち負け
ナッツカテゴリは、ミックスナッツが市場全体の約半分(48.1%)を占める柱となっています。上位5サブカテゴリで市場の約8割を構成し、需要は複数種を一袋で楽しめるミックス系に集中しています。
| サブカテゴリ | 構成比 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| ミックスナッツ | 48.1% | +1.5% |
| アーモンド | 17.9% | +8.7% |
| くるみ・ウォールナッツ | 7.7% | +15.2% |
| カシューナッツ | 5.8% | +0.9% |
| 各種ナッツセット | 5.1% | ▲22.0% |
ミックスナッツが底堅く推移する一方、単品ではアーモンド(+8.7%)、くるみ・ウォールナッツ(+15.2%)が伸びています。素焼き・無塩で日常的に取り入れやすい定番ナッツへの支持がうかがえます。一方で各種ナッツセット(▲22.0%)は数字を落としており、詰め合わせギフト的な需要よりも、自家用の大容量・単品買いへ重心が移っているとみられます。事業者は、ミックスナッツを軸に、アーモンド・くるみといった伸びている単品を素焼き・無塩・大容量で揃える品揃えが有効です。
価格帯別の販売構成と購買行動
ナッツは、価格帯ごとに購入の「単位」がはっきり分かれるカテゴリです。平均単価(約1,966円)を基準に低・中・高の3価格帯で売上構成比を見ると、中価格帯が約8割を占め、大容量の日常買いが主戦場となっています。
| 価格帯 | 売上構成比 |
|---|---|
| 低価格帯(〜約980円) | 2.5% |
| 中価格帯(約980〜3,900円) | 81.1% |
| 高価格帯(約3,900円〜) | 16.4% |
低価格帯(〜約980円): お試し・小容量の素焼きナッツ
低価格帯は、初回購入向けの小容量・素焼きナッツが中心です。送料込みのメール便対応や、味・食感を試すための少量パックとして購入される傾向が見られます。構成比は2.5%と小さく、本格的なリピート購入の入口として機能するゾーンです。
中価格帯(約980〜3,900円): 大容量ミックスナッツ・無塩アーモンド
最も売上構成比が高い中価格帯では、大容量のミックスナッツや無塩アーモンドが売れ筋です。1kg前後のチャック付き大袋など、日常的に食べ続ける前提でまとめ買いされる商品が上位を占めています。「無塩」「素焼き」「保存に便利なチャック付き」といった訴求が購入の決め手になっており、ナッツ市場の主戦場となる価格帯です。
高価格帯(約3,900円〜): ギフト詰め合わせ・大容量まとめ買い
高価格帯は、贈答用の詰め合わせや、より大きな容量のまとめ買いパックが中心です。化粧箱入りのギフトセットや、業務用に近い大容量パックなど、用途がはっきりした商品が並びます。構成比は16.4%で、平均単価の上昇は、この高単価ゾーンと中価格帯の大容量化が下支えしているためと見られます(Nint ECommerce調べ・推計値)。
ナッツの事業者が来期取るべき3つの打ち手
ここまでの市場データをふまえ、ナッツをECで扱う事業者が来期に向けて取るべき打ち手を3つに整理します。
打ち手1: 大容量・無塩・素焼きで単価と購入単位を引き上げる
最量販の中価格帯では、小袋単品よりも大容量パックが上位を占めています。販売数が減少する局面でも、1kg前後の大容量や複数袋セットを軸に、無塩・素焼きといった日常向けの訴求で購入単位を引き上げるのが有効です。数量減を客単価で補う設計が、売上維持の鍵になります。
打ち手2: 伸びているアーモンド・くるみの単品を強化する
ミックスナッツが市場の柱である一方、アーモンド(+8.7%)やくるみ・ウォールナッツ(+15.2%)といった単品が伸びています。料理やお菓子作りにも使える単品ナッツは、用途の広さから安定した需要が見込めます。ミックス一辺倒にせず、伸びている単品を素焼き・無塩・大容量で揃え、ラインナップの幅を持たせる判断が有効です。
打ち手3: 競合の価格・容量・タイプを見て自社の品揃えを磨く
ナッツは、容量・塩分の有無・産地といった条件で価格と売れ方が細かく分かれるカテゴリです。Nint ECommerceでは、主要ECモールの競合ショップがミックスナッツやアーモンドをどの容量・どの価格帯で展開しているかを把握でき、自社の品揃えと価格設定を磨く材料になります。
よくある質問(Q&A)
ナッツのEC市場規模はどのくらいですか?
主要ECモールにおける2026年2〜4月の推定売上は約18.8億円で、前年同期比+1.0%でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。販売数は▲9.7%、平均単価は+11.8%です。数量は減少しましたが、単価上昇が売上を下支えしています。
主要ECモールで売れ筋のナッツは何ですか?
ミックスナッツが市場全体の約半分(48.1%)を占めて最も大きく、アーモンド(17.9%)、くるみ・ウォールナッツ(7.7%)が続きます。複数種を一袋で楽しめるミックス系と、料理にも使える定番単品が市場の中心です。
ナッツでモノが売れる価格帯はどこですか?
売上構成比が最も高いのは中価格帯(約980〜3,900円)で、大容量のミックスナッツや無塩アーモンドのまとめ買いが中心です。約8割がこの価格帯に集中しており、日常的に食べ続ける前提の購入が主流です。
ナッツのEC販売で単価を上げるには?
大容量パックや複数袋セットで購入単位を引き上げる方法が有効です。無塩・素焼きといった日常向けの訴求や、保存に便利なチャック付き包装が支持されています。伸びているアーモンド・くるみの単品を加えてラインナップを広げることも単価向上につながります。
まとめと、より深く分析するためのヒント
- 2026年2〜4月のナッツEC市場は約18.8億円(前年同期比+1.0%)。数量減を単価上昇(+11.8%)が補う構図。
- ミックスナッツが約半分を占める柱。アーモンド・くるみの単品が伸び、各種ナッツセットは反動減。
- 中価格帯に約8割が集中。大容量・無塩・素焼きの「日常の間食」需要が市場の主戦場。
こうしたカテゴリ別・価格帯別の動向は、自社が扱う商品ジャンルやブランド単位ではどう見えるでしょうか。Nint ECommerceでは、主要ECモールのナッツカテゴリを、サブカテゴリ・ブランド・商品単位で深堀りし、競合ショップの売れ筋や価格帯、容量構成の傾向の把握に活用できます(Nint ECommerce調べ・推計値)。
関連サービス・資料
執筆者の視点
データを眺めて印象的だったのは、販売数が一割近く減っているのに、単価が二桁で伸びて売上をプラスに引き戻している点です。ナッツは「ちょっとつまむお菓子」から「毎日続ける買い置き食品」へと買われ方が変わり、小袋を都度買うより、大容量を計画的にまとめ買いする消費に移ったのだと感じます。詰め合わせギフトが減って自家用の大容量・単品が伸びる流れは、贈る食品から日常の食品へという、お菓子カテゴリ全体の中でもナッツらしい変化として、数字からはっきり見えてきました。
対象期間: 2026年2月〜2026年4月/データソース: Nint ECommerce(推計値)/対象カテゴリ: ナッツ
この記事を書いた人

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト
note:https://note.com/nint_ecommerce
株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は20を超え、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。
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