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ECモールの日焼け止め市場規模は、昨年比131%で拡大!



【目次】
1. 日焼け止めジャンルの市場動向
2. 日焼け止めジャンルの平均単価
3. 各モールでの売れ筋商品とその特徴
4. なぜ好調なのか
5. まとめ




1. 日焼け止めジャンルの市場動向

Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングの3モールにおいて、2023年4月時点のNint推計データより、2023年1〜3月の日焼け止めジャンルは行動制限解除による外出頻度の増加と、気象状況の追い風を受けて需要が増加し上昇しております。
当該時期の市場規模は2022年1〜3月と比較して131%へ成長となり、市場が拡大しております。今後の売上規模は、推計値を元にした当社のAI分析を踏まえると、3モールにおいて当該ジャンルは、横ばいとなりました。

2. 日焼け止めジャンルの平均単価

同時期の平均単価は2,494円と前年同時期比で110%へ成長となっています。2023年は値上げによる平均単価の上昇と、単価の高いメーカーの販売・売上構成比が伸びたことが主な要因となっております。
平均単価については、推計値を元にした当社のAI分析を踏まえると、3モールにおいて当該ジャンルは、微増との結果となりました。この上昇は、値上げが起きている23年10月くらいまで続くとみられます。

3. 各モールでの売れ筋商品とその特徴

各モールでの売れ筋商品とその特徴を確認すると、Amazonにおける当該ジャンル内においては、3月の売上伸長が非常に高く、過去3年間の3月の売上実績と比較しても一番高い売上となっております。特にメーカーの上位2社はシェア率がそれぞれ10%を越えており、3位以下との差が開いております。

昨年度からの変化として、昨年度3位のメーカーA社がその順位を5位に落としております。次にTOP20商品の頻出使用ワードを見ると、「UV」:全品、「日焼け止め」(13品)、「SPF50+」(9品)、「PA++++」(9品)、「保湿」(5品)、「大容量」(4品)となっております。


楽天市場における当該ジャンルにおいては、本年3月が過去最大の売上月となっております。直近の1〜2年の売上傾向は、3月に急上昇を迎え、6月に再度ピークを迎える傾向ですので、今後の6月の動きが興味深い状況です。

上位TOP3のメーカーに順位変動はなく、Amazonで2位のB社が楽天市場では首位となっております。また、アマゾンと比較してメーカーシェアが1位に集中しており、独走状態に入っております。1位のメーカーの平均単価の上昇と、販売数量が楽天の該当ジャンルにおける平均単価を押し上げています。次にTOP20商品の頻出使用ワードを見ると、「UV」(全品)、「日焼け止め」(13品)、「30ml」(12品)、「SPF50+」(9品)、「PA++++」(9品)とアマゾンと同様の傾向ですが、「30ml」と容量に関して謳った製品名称の商品が多くランクインしておりました。


Yahoo!ショッピングにおける当該ジャンル内においても楽天市場と同様、上位TOP3のメーカーに順位変動はなく、1位のメーカーB社が大きくシェアを取っており、独走状態が続いております。

TOP20商品の頻出使用ワードは、「UV」(15品)、「日焼け止め」(9品)、「SPF50+」(4品)、「PA++++」(7品)、「単品ブランド商品」(5品)となっております。UVが全品に入っていない点、日焼け止めやSPF、PAなどのワードも他モールに比べて使用頻度が少ないのも特徴となっております。


3モール共通の特徴としては、UVというワードの方が、日焼け止めというワードより多く使われているのが特徴でした。また、効能を謳う点としては、SPFとPAを積極的に使う傾向が見られます。一方で、各モールにそれぞれ特徴があり、非常に興味深い結果となっております。

4. なぜ好調なのか

同時期での売上好調に要因として考えられる点として、1月~3月の天候が昨年度と比べて良かった点と、外出自粛が解除され、外出等の機会が上昇したことにより、日焼け止めを使用するシーンが増えたことによる結果ではないかと推察します。

東京都心の1〜3月の晴れの日は、日本気象協会の情報によると、2022年が33日、2023年が35日と若干多く、平均気温も各月とも例年より高い傾向が続いておりました。特に3月においては、北日本、東日本、西日本で1946年の統計開始以来3月として一番高い平均気温となりました。このことが、外出機会の後押しとなり、外出時の対策をして日焼け止めニーズの回復・高まりへとつながったと推察します。

また、一方で、想像以上に早く暖かくなったこと、外出機会増加による日焼け止め製品の訴求を、オフライン店舗で訴求しきれなかったため(売り場として日焼け対策のようなコーナーが作られなかった店舗が多かった可能性)、購入の方法として、ECが選ばれた可能性もあるかと思います。

5. まとめ

今後、紫外線のピークは日照時間と、天候とに密接に関わっており、天候が良ければ5月より強い月がやってきます。2019年などは一部の地域ではピークの7月に次いで5月が高い月となっているなど、その対策が間近に迫っております。行動制限が無くなり、新型コロナが5類となる状況の中で、これから市場のピークを迎える日焼け止めジャンルがどのように推移していくのか、大変興味深いです。




作成者
山本 真大(Yamamoto Masahiro, Marketing Div.マーケティングUnit)
編集者
Nint Blog 編集長 加藤 洋平(Kato Yohei, ERP Div.カスタマーサクセスUnit)


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