
しかし、ECではおせち商戦が夏から始まるのをご存じでしょうか? おせちを食べるのは正月ですが、早いところでは予約が7月から始まっており、需要の先取りをするおせちメーカーが増えています。 今回は、楽天市場でおせちがどんな動きをしているか探ってみたいと思います。 【目次】
▼おせちの売れ始めは7月から!
▼7月のおせちジャンル販売シェアは1社が独占!12月の最需要期は競争激化!!
▼年間の売上で見ても早く仕掛けているショップは売上が好調!
▼コロナ禍の影響か、2021年も年末年始の集いは自粛意思も高い!
▼価格帯は1万〜3万がボリュームゾーン!購入は年々ネット通販が主流に!
▼「おせち」の検索が増えてくるのは、8月くらいから!
▼おすすめサイト等で露出出来れば販促につながる可能性は大きい!
▼まとめ
【調査概要】
・調査期間:2017年1月〜2021年7月
・調査対象モール:楽天市場
・調査対象ジャンル:おせち
・調査方法:Nint ECommerce
おせちの売れ始めは夏から!

このグラフを見ると毎年、7月〜8月程度から売上が伸びはじめ、11月と12月に大きなヤマを迎えていることがわかります。 正月に食べることが慣習のおせちですが、需要を先取りするために、おせちメーカーが7月程度から、ネット予約を開始していることがわかります。 では、7月のおせちのランキングとピークとなる12月のランキングを見てみたいと思います。
7月のおせちジャンル販売シェアは1社が独占!12月の最需要期は競争激化!!
以下の表は、おせちの販売において2020年7月にどのショップがどれくらいのシェアを獲得していたか、また最需要期の同年12月にはどの程度変化があったのかを比較した表です。Ranking | 2020年7月 ショップ数:11 商品数:22 |
ジャンル内 売上シェア |
2020年12月 ショップ数:249 商品数:1,813 | ジャンル内 売上シェア |
---|---|---|---|---|
1位 | ショップA | 86.86% | ショップA | 16.06% |
2位 | ショップB | 4.57% | ショップF | 12.92% |
3位 | ショップC | 4.23% | ショップG | 10.01% |
4位 | ショップD | 1.89% | ショップH | 4.77% |
5位 | ショップE | 0.51% | ショップI | 4.65% |
また7月に約87%の売上シェアを獲得していた「ショップA」も12月には約16%程度までシェアが落ち、7月にランクインしていた2位以下のショップでTOP5に残っていたショップは、ランク外になっています。唯一ランキングに残っているのが「ショップA」となり、7月からシェアを独占していたショップのみとなっています。
年間の売上で見ても早く仕掛けているショップは売上が好調!
2020年 おせちジャンル ショップ売上ランキングTOP5 年間売上推移

2020年 おせちジャンルショップ 売上ランキング年間
ランキング | ショップ名 | 売上 |
---|---|---|
1位 | ショップA | ¥545,752,003 |
2位 | ショップF | ¥528,731,002 |
3位 | ショップG | ¥176,503,000 |
4位 | ショップJ | ¥175,212,003 |
5位 | ショップH | ¥149,506,154 |
「ショップA」は、先行逃げ切り型で出来る限り、機会損失を防ぐために、予約商品ページを早期に開設し、需要を先取りする戦略が功を奏しています。 このように、予約の早期化などでここ数年好調に推移しているおせち販売ですが、購入ユーザーの動向やおせちへの考え方に変化は出てきているのか、アンケートをベースに考えてみましょう。
コロナ禍の影響か、2021年も年末年始の集いは自粛意思が高い
家族や親戚との集いの予定について(単一回答)

おせち料理にかける費用について(単一回答)

価格帯は1万〜3万がボリュームゾーン!購入は年々ネット通販が主流に!
2021年 購入するおせちの価格

おせちの購入方法・場所は?(複数回答)

「おせち」の検索が増えてくるのは、8月くらいから!


おすすめサイト等で露出出来れば販促につながる可能性は大きい!
試しにGoolgeで2022年のおすすめおせちを検索してみました。
どんなおせちが良いのか検索をするユーザーはもちろんいますが、ネット検索すると非常にたくさんの商品が出てきて、実際にどれがおいしいのか、評判がよいのか、コスパがよいのかなど、多すぎて迷ってしまうことがありそうですよね。 そこで購入者が参考にするのが、「おすすめ」「まとめ」の記事です。
以下が上記の検索結果の赤枠のリンクの記事です。 ここでは、2022年におせちを購入する購入者に対して、どのブランドや商品がおすすめなのか、商品レビューや特徴などをわかりやすくまとめて記事にしています。
その他にも、おすすめサイトや評価サイトなど、最終購買決定をする際には、複数サイトで情報を収集し、購入の意思決定を行う、購買行動となるでしょう。
以下に自社の商品評価が高く取り上げられるかなども考慮し、各情報メディアへの露出も検討できると、販促効果がより高まっていくでしょう。
まとめ
実際食べる時期より、約半年前から予約がスタートしているおせちですが、いかに早く予約販売を始められるかが大きな鍵になりそうです。また、ECモールのショップ・商品評価も口コミ効果を生むことも想定すると、よい評価がもらえるよう、配送の丁寧さや安心・安全なイメージを購入ページでしっかり強調すると良さそうですね。「ハレの日」に扱われる商品にはユーザーも特にデリケートになることも想定され、安心感やおいしさが保障されるような商品ページの構成には、購入者も安心して購入できるようになるかもしれません。 また、同様に季節商材には、早期予約販売が効果的であることも、おせちの動きを見るとよくわかります。バレンタインやホワイトデー、母の日、父の日などの「ハレの日」関連商材では、もしかすると早期予約販売が販促施策として効果が高いものになるかもしれません。

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