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今、おせちは夏から盛り上がる⁉ 楽天市場のおせちジャンルは右肩上がりの伸長率!

楽天市場のおせちジャンルは右肩上がり
コロナ禍に入ってから2回目の年末年始を迎えることになりそうですが、そろそろおせちが盛り上がる季節がやってまいりました。ここ数年おせちのECでの売上は好調で毎年110%〜120%程度の伸長率を記録していますが、コロナ禍以降、外出控えも相まって更に好調を記しています。

11月〜12月に入るとおせち関連の広告やお店での露出も一気に増える印象があります。
しかし、ECではおせち商戦が夏から始まるのをご存じでしょうか?

おせちを食べるのは正月ですが、早いところでは予約が7月から始まっており、需要の先取りをするおせちメーカーが増えています。

今回は、楽天市場でおせちがどんな動きをしているか探ってみたいと思います。

【目次】
▼おせちの売れ始めは7月から!
▼7月のおせちジャンル販売シェアは1社が独占!12月の最需要期は競争激化!!
▼年間の売上で見ても早く仕掛けているショップは売上が好調!
▼コロナ禍の影響か、2021年も年末年始の集いは自粛意思も高い!
▼価格帯は1万〜3万がボリュームゾーン!購入は年々ネット通販が主流に!
▼「おせち」の検索が増えてくるのは、8月くらいから!
▼おすすめサイト等で露出出来れば販促につながる可能性は大きい!
▼まとめ

【調査概要】
・調査期間:2017年1月〜2021年7月
・調査対象モール:楽天市場
・調査対象ジャンル:おせち
・調査方法:Nint ECommerce

おせちの売れ始めは夏から!

※Nint ECommerceのユーザー画面イメージ
※Nint ECommerceのユーザー画面イメージ

上の図は、2017年からのおせちの売上をNint ECommerceで調べたものです。
このグラフを見ると毎年、7月〜8月程度から売上が伸びはじめ、11月と12月に大きなヤマを迎えていることがわかります。

正月に食べることが慣習のおせちですが、需要を先取りするために、おせちメーカーが7月程度から、ネット予約を開始していることがわかります。

では、7月のおせちのランキングとピークとなる12月のランキングを見てみたいと思います。

7月のおせちジャンル販売シェアは1社が独占!12月の最需要期は競争激化!!

以下の表は、おせちの販売において2020年7月にどのショップがどれくらいのシェアを獲得していたか、また最需要期の同年12月にはどの程度変化があったのかを比較した表です。

Ranking 2020年7月
ショップ数:11
商品数:22
ジャンル内
売上シェア
2020年12月
ショップ数:249
商品数:1,813
ジャンル内
売上シェア
1位 ショップA 86.86% ショップA 16.06%
2位 ショップB 4.57% ショップF 12.92%
3位 ショップC 4.23% ショップG 10.01%
4位 ショップD 1.89% ショップH 4.77%
5位 ショップE 0.51% ショップI 4.65%
Nint ECommerceでは、店舗の実名や売上指数の確認が可能です。

2020年7月はおせちを出品しているショップ数が11店舗と少ない状態ですが、12月になると249店舗と約25倍に膨れ上がります。
また7月に約87%の売上シェアを獲得していた「ショップA」も12月には約16%程度までシェアが落ち、7月にランクインしていた2位以下のショップでTOP5に残っていたショップは、ランク外になっています。唯一ランキングに残っているのが「ショップA」となり、7月からシェアを独占していたショップのみとなっています。

年間の売上で見ても早く仕掛けているショップは売上が好調!

2020年 おせちジャンル ショップ売上ランキングTOP5 年間売上推移

2020年 おせちジャンル ショップ売上ランキングTOP5 年間売上推移

2020年 おせちジャンルショップ 売上ランキング年間

ランキング ショップ名 売上
1位 ショップA ¥545,752,003
2位 ショップF ¥528,731,002
3位 ショップG ¥176,503,000
4位 ショップJ ¥175,212,003
5位 ショップH ¥149,506,154

昨年トップに輝いた「ショップA」は、まさに7月時点で約86%のシェアを独占していたショップです。「ショップF」は8月からショップAに追いつき11月時点ではショップAを上回る売上をあげています。ショップFは惜しくも約1,700万円の差で1位を逃しましたが、7月から予約販売を開始していれば、ショップAの売上を超えることが出来ていたかもしれません。
「ショップA」は、先行逃げ切り型で出来る限り、機会損失を防ぐために、予約商品ページを早期に開設し、需要を先取りする戦略が功を奏しています。

このように、予約の早期化などでここ数年好調に推移しているおせち販売ですが、購入ユーザーの動向やおせちへの考え方に変化は出てきているのか、アンケートをベースに考えてみましょう。

コロナ禍の影響か、2021年も年末年始の集いは自粛意思が高い

家族や親戚との集いの予定について(単一回答)

※参照:2021年 株式会社紀文食品「お正月に関する意識調査」
※参照:2021年 株式会社紀文食品「お正月に関する意識調査

普段は正月の家族や親戚で集まっているが、コロナ禍の影響か2021年は密を割けて集まらない予定と答えている方が2割程度となっています。

おせち料理にかける費用について(単一回答)

※参照:2021年 株式会社紀文食品「お正月に関する意識調査」
※参照:2021年 株式会社紀文食品「お正月に関する意識調査

2021年はしばらく外出自粛が続いていたため、余暇向けの出費が減っていることもあるのか、20〜30代はおせちにかける費用を増やすことを予定している方が例年よりも増えている様子です。

価格帯は1万〜3万がボリュームゾーン!購入は年々ネット通販が主流に!

2021年 購入するおせちの価格

※参照:2021年8月 株式会社ハースト婦人画報社:【2021年おせちに関するトレンド調査】
※参照:2021年8月 株式会社ハースト婦人画報社:【2021年おせちに関するトレンド調査】

おせちの購入方法・場所は?(複数回答)

※参照:2021年8月 株式会社ハースト婦人画報社:【2021年おせちに関するトレンド調査】
※参照:2021年8月 株式会社ハースト婦人画報社:【2021年おせちに関するトレンド調査】

おせち購入の価格帯は1万円〜3万が75%を占めており、購入場所は2021年は75%以上が通販、ネット注文と回答しています。おせちのネットショッピングがコロナ禍をきっかけに定着してきているとも考えられます。

「おせち」の検索が増えてくるのは、8月くらいから!

※Google Trend:2020年 「おせち」キーワード検索動向
※Google Trend:2020年 「おせち」キーワード検索動向
※引用:Google Trend:2020年 「おせち」キーワード検索動向

関連キーワードを見てみると「おせち」との組み合わせで「2021」や店名などで検索されており、人気のあるものや売れているものがどんなブランドなのか検索していることも読み取れます。

おすすめサイト等で露出出来れば販促につながる可能性は大きい!

試しにGoolgeで2022年のおすすめおせちを検索してみました。

※引用:2021年11月1日:Google検索「おせち 2020 おすすめ」
※引用:2021年11月1日:Google検索「おせち 2020 おすすめ」

リスティング広告や右側の画像エリアの広告も多数見受けられます。価格と商品名も掲載されているので、店舗名やブランドを調べたりという購入者の動きも想定できそうですね。

もう一つ注目なのは、広告以外の「おすすめ記事」がTOPに来ていることです。
どんなおせちが良いのか検索をするユーザーはもちろんいますが、ネット検索すると非常にたくさんの商品が出てきて、実際にどれがおいしいのか、評判がよいのか、コスパがよいのかなど、多すぎて迷ってしまうことがありそうですよね。

そこで購入者が参考にするのが、「おすすめ」「まとめ」の記事です。
以下が上記の検索結果の赤枠のリンクの記事です。

ここでは、2022年におせちを購入する購入者に対して、どのブランドや商品がおすすめなのか、商品レビューや特徴などをわかりやすくまとめて記事にしています。
その他にも、おすすめサイトや評価サイトなど、最終購買決定をする際には、複数サイトで情報を収集し、購入の意思決定を行う、購買行動となるでしょう。
以下に自社の商品評価が高く取り上げられるかなども考慮し、各情報メディアへの露出も検討できると、販促効果がより高まっていくでしょう。

まとめ

実際食べる時期より、約半年前から予約がスタートしているおせちですが、いかに早く予約販売を始められるかが大きな鍵になりそうです。また、ECモールのショップ・商品評価も口コミ効果を生むことも想定すると、よい評価がもらえるよう、配送の丁寧さや安心・安全なイメージを購入ページでしっかり強調すると良さそうですね。
「ハレの日」に扱われる商品にはユーザーも特にデリケートになることも想定され、安心感やおいしさが保障されるような商品ページの構成には、購入者も安心して購入できるようになるかもしれません。

また、同様に季節商材には、早期予約販売が効果的であることも、おせちの動きを見るとよくわかります。バレンタインやホワイトデー、母の日、父の日などの「ハレの日」関連商材では、もしかすると早期予約販売が販促施策として効果が高いものになるかもしれません。

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