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コーヒーEC市場レポート|単価+14%でも販売数+9%

#市場レポート #市場規模 #食品業界 #ECデータ
コーヒーEC市場レポート

本レポートは、コーヒー(飲料)のEC市場動向を主要ECモールの実売データから把握したいEC事業者・食品飲料メーカーのEC/MD担当者向けの市場レポートです。家庭用の値上げが続く局面のなか、2026年2〜4月の3ヶ月で推計売上は約60.8億円(前年同期比+24.3%)、推計販売数量は約164.8万個(+8.9%)、平均単価は約3,692円(+14.2%)でした(Nint ECommerce調べ・推計値)。値上げ局面でECが単価×数量をどう動かしたか、どのフォーマットが主役か、価格帯の二極構造を解説します。

本レポートのサマリー

  • 市場規模: 約60.8億円(2026年2〜4月の3ヶ月合計/前年同期比+24.3%)
  • 販売数量: 約164.8万個(前年同期比+8.9%)/平均単価: 約3,692円(+14.2%)
  • 前年比の中身: 売上+24.3%は「単価+14.2%」と「数量+8.9%」の両輪。値上げを数量減で打ち消さず、数量を保ちつつ単価が上昇
  • フォーマット構成比: コーヒー豆32.5% / ドリップバッグ26.5% / コーヒー飲料19.2% / インスタント10.9% / カプセル9.5%
  • 価格帯は二極: 売上の約82%が3,000円以上の高単価帯(まとめ買い・定期)、〜1,999円が販売数量の約3割(お試し・ギフト)

コーヒー(飲料)EC市場の規模と推移

2026年2〜4月のコーヒー(飲料)EC市場の規模は約60.8億円、前年同期比+24.3%でした。注目すべきは、平均単価が+14.2%上昇しながら販売数量も+8.9%伸びた点です。値上げ局面では「単価は上がるが数量は減る」動きになりやすい一方、コーヒーのEC市場では数量を落とさずに単価上昇を取り込み拡大しました。なお本レポートは飲料としてのコーヒーを対象とし、ドリッパーやコーヒーメーカー等の器具・家電は含みません。

指標2026年2〜4月前年同期前年同期比
推計売上約60.8億円約48.9億円+24.3%
推計販売数量約164.8万個約151.3万個+8.9%
平均単価約3,692円約3,233円+14.2%
主要ECモールのコーヒー(飲料)市場 主要3指標(Nint ECommerce調べ・推計値/2026年2〜4月)

コーヒーは消耗頻度が高く、重さ・かさばりからECのまとめ買いや定期購入と相性が良いカテゴリです。豆の相場が高値圏にあるなかでも数量が伸びる背景には、こうしたEC特有の購買構造があると見られます(外部相場・値上げは背景要因であり、本レポートの数値は主要ECモールの実売推計に基づきます)。より上位の飲料カテゴリ全体の動きは水・ソフトドリンクのEC市場レポートで扱っています。

値上げ局面でEC市場はどう動いたか――単価と数量の分解

売上の前年同期比+24.3%を要因分解すると、単価の寄与が+14.2%、数量の寄与が+8.9%です(1.142×1.089≒1.243)。コーヒーEC市場の成長は、単価上昇が主導しつつ数量も同時に拡大した「単価ドリブン+数量増」の構図といえます。値上げニュースが伝えるのは多くがメーカー希望価格や店頭価格の話ですが、主要ECモールの実売では単価上昇分を市場が数量を削らずに消化しています。

分解前年同期比読み取り
売上(金額)+24.3%市場全体は二桁の伸長
うち単価寄与+14.2%値上げ・高単価フォーマットへのシフトを反映
うち数量寄与+8.9%値上げ下でも購入個数は増加
売上前年同期比の単価×数量分解(Nint ECommerce調べ・推計値/2026年2〜4月)

フォーマット別の構成と「ECで売れる飲み方」

フォーマット別(豆/ドリップバッグ/コーヒー飲料/インスタント/カプセル)の構成比を見ると、ECの主役は「コーヒー豆」と「ドリップバッグ」で、両者で売上の約59%を占めます。店頭で主役になりやすいインスタントや缶コーヒーとは異なり、EC上では自宅で淹れる前提の豆・ドリップバッグが中心という、チャネルによる主役の違いが数値で確認できます。

フォーマット売上構成比平均単価単価 前年同期比
コーヒー豆(粉/豆)32.5%約4,304円+25.0%
ドリップバッグ26.5%約3,134円+11.1%
コーヒー飲料(リキッド等)19.2%約4,353円+9.2%
インスタントコーヒー10.9%約2,886円+14.8%
カプセルコーヒー9.5%約4,214円+4.8%
フォーマット別の構成比・平均単価(Nint ECommerce調べ・推計値/2026年2〜4月)

単価上昇が最も大きいのはコーヒー豆(+25.0%)で、市場全体の単価上昇を牽引しています。豆は焙煎・産地・グレードによる価格差が大きく、容量が大きいほど単価が積み上がりやすいフォーマットです。一方、インスタントは平均単価が約2,886円とフォーマット中で最も低く、手軽さで新規顧客の入口になりやすい位置づけです。どのフォーマットを主力にするかで、値付けと容量設計は大きく変わります。

価格帯別の販売構成――まとめ買い・定期の二極

商品単位で価格帯別の販売構成を見ると、売上と数量で主役の価格帯が逆転する「二極構造」が表れます。売上では3,000円以上の高単価帯が約82%を占める一方、数量では〜1,999円の低価格帯が約3割を担います。高単価帯がまとめ買い・定期消費を、低価格帯がお試し・ギフトを受け持つ役割分担です。

価格帯売上構成比販売数量構成比
〜999円1.5%11.2%
1,000〜1,999円6.8%18.2%
2,000〜2,999円9.4%13.9%
3,000〜4,999円32.1%29.4%
5,000円〜50.2%27.4%
価格帯別の売上・販売数量構成比(Nint ECommerce調べ・推計値/2026年2〜4月)

豆やドリップバッグの大容量・定期便が高単価帯を支える一方、低価格帯は数量が多く新規顧客やギフトの入口として機能しており、二極を両取りする品揃えが有効です。

月次で見る需要の山(2〜4月)

2026年2〜4月の月次推移では、新生活期の需要やまとめ買いが集中する3月に売上・数量のピークが来ています。4月は数量が落ち着く一方で平均単価が上がり、季節需要が一巡したあとに高単価のまとめ買いが残る動きが表れています。

推計売上推計販売数量平均単価
2026年2月約16.8億円約46.3万個約3,630円
2026年3月約23.2億円約64.0万個約3,625円
2026年4月約20.8億円約54.4万個約3,825円
月次推移(Nint ECommerce調べ・推計値/2026年)

在庫・販促は、3月の需要ピークに向けた仕込みと、4月以降の高単価まとめ買い・定期転換を分けて設計するのが有効です。

コーヒーEC事業者が取るべき3つの打ち手

打ち手1: 値上げ局面はフォーマット別の価格弾力性を見て定期・まとめ買いでLTVを伸ばす

単価+14.2%でも数量が+8.9%伸びた事実は、コーヒーの価格弾力性が比較的小さいことを示します。値下げ競争ではなく、定期便や大容量パックで一回あたり単価と継続率を高め、顧客生涯価値(LTV)を伸ばす設計が有効です。単価上昇の大きいコーヒー豆はとくに単価改定を進めやすいフォーマットです。

打ち手2: ECで主役のフォーマット(豆・ドリップバッグ)に品揃えと広告を寄せる

売上の約59%を占める豆・ドリップバッグは、ECの主戦場です。店頭で強いインスタント・缶コーヒーの感覚のまま品揃えや広告予算を組むと、ECの実需とズレが生じます。自宅で淹れる前提の中・高価格帯の豆やドリップバッグに在庫と露出を寄せるのが有効です。

打ち手3: フォーマット→ブランド→商品の粒度で競合の値付け・売れ筋を継続把握する

あるコーヒーをはじめとする嗜好飲料メーカーでは、主要ECプラットフォームの販売データを「いわゆるPOSデータと同様のものとして位置づけ、販売データを解析し社内の月次報告や販売戦略の検討・レビュー、また得意先商談資料としても活用しています」(食品飲料メーカー 海外販売推進担当)。フォーマット・ブランド・商品単位の動向や競合の値付けは、Nint ECommerceで自社カテゴリに絞って確認できます。

よくある質問(FAQ)

Q1. いま構成比や売上を伸ばしているコーヒーのフォーマットは?

A. 売上構成比ではコーヒー豆(32.5%)とドリップバッグ(26.5%)が中心です。前年同期比ではインスタントやドリップバッグの伸びが大きく、自宅で淹れる前提のフォーマットがEC市場をけん引しています(Nint ECommerce調べ・推計値)。

Q2. 値上げ局面でコーヒーの平均単価と販売数量はどう動きましたか?

A. 平均単価は+14.2%(約3,692円)に上昇し、同時に販売数量も+8.9%(約164.8万個)増えました。値上げを数量減で打ち消すのではなく、単価上昇と数量増の両輪で売上は+24.3%伸びています(Nint ECommerce調べ・推計値)。

Q3. 主要ECモールでのコーヒーの売れ筋にはどんな価格帯の傾向がありますか?

A. 売上は3,000円以上の高単価帯が約82%を占め、まとめ買い・定期購入が中心です。一方で〜1,999円の低価格帯が販売数量の約3割を担い、お試し・ギフトの入口として機能しています(Nint ECommerce調べ・推計値)。

まとめと、より深く分析するためのヒント

  • 2026年2〜4月のコーヒー(飲料)EC市場は約60.8億円(前年同期比+24.3%)。単価+14.2%・数量+8.9%の両輪で拡大
  • ECの主役は豆・ドリップバッグ(合計約59%)。店頭主役のインスタント・缶コーヒーとは別物
  • 価格帯は二極。売上は3,000円以上が約82%、数量は〜1,999円が約3割

コーヒーEC市場を「値上げニュースの先=主要ECモールでの実際の売れ方」で捉えると、値下げ競争ではなく単価改定と定期化が成立しやすい局面が見えてきます。深掘りや競合の値付け把握には客観的な実売データが欠かせません。Nint ECommerceは導入2,300社・10年以上のデータ蓄積を背景に、主要ECモール(楽天・Amazon・Yahoo!ショッピング 等)を横断し、ブランド・商品単位までの動向を確認できます。

関連サービス・資料

執筆者の視点

データを眺めて最初に引っかかったのは、単価が二桁上がっているのに数量が減っていない点でした。値上げが続けば数量は削れるという通念とは逆の動きです。背景には、コーヒーが日常の嗜好品で価格弾力性が小さいことに加え、ECがまとめ買い・定期消費の器として機能していることがあると見ています。ECでのコーヒーは「安く小分け」ではなく「まとめて定期」で売れている――この肌感を実売データが裏付けました。

対象期間: 2026年2月〜2026年4月/データソース: Nint ECommerce(推計値)/対象カテゴリ: コーヒー(飲料)

この記事を書いた人

山本真大 / 株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト

note:https://note.com/nint_ecommerce

株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は20を超え、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。

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