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Yahoo!ふるさと納税データから見る今後のトレンドについて

#ふるさと納税 #市場規模 #食品業界

株式会社Nint カスタマーサクセスの加藤です。
前回の楽天市場のふるさと納税に関するブログに引き続き、今回はYahoo!ふるさと納税の実績を振り返りながら、今後のトレンドについて考えていきたいと思います。

Yahoo!ふるさと納税とは

本題に入る前にYahoo!ふるさと納税について簡単にご説明します。Yahoo!ふるさと納税は、ふるさと納税制度をYahoo!ショッピング内で利用できるサービスのことです。Yahooの会員アカウント(Yahoo!JAPAN ID)を使って手軽に寄附できる上、PayPayが貯まる・使えるのが特徴。Yahoo!ショッピングでお買い物をする感覚でふるさと納税を行えるため、多くのユーザーが利用しています。

Yahoo!ふるさと納税の流通推移とジャンル別傾向

2022年からの流通額推移を見ると、楽天市場同様に毎年12月に大きな山を作り、2023年に関しては10月から一部ルール改正があったため9月に改正前の駆け込み需要で大きく山ができています。2025年10月にもポイント付与禁止のルール改正が予定されていますので、今年の9月も同様に山ができるのではないかと考えられます。

次にジャンル別の年間推移を見てみると、まず食品ジャンルの流通額が圧倒的に多いことがわかります。それ以外のジャンルの売上順位もほぼ変わっておらず大きなトレンドの変化はないことが分かります。


最後に商品別のランキングの推移を見てみます。TOP10のうち食品は常に9枠を占めるほど圧倒的な存在感を誇ります。しかし、その内訳を見ると、従来の肉加工品(牛タン・ハンバーグ・もつ鍋)などから、近年は海産物(ホタテ・カニ・エビ・うなぎ・サーモン)が大半を占めるようになりました。
この推移は、「鮮度訴求」「産地直送」「簡易調理キット付属」といった付加価値が、ユーザーの選択基準として台頭していると考えられます。食品以外では、「キッチン・日用品・文具」ジャンルから唯一ランクインを果たすボックスティッシュが上昇しています。「日常的に使う定番消耗品は寄付者の実利ニーズを捉えやすい」というトレンドが確認できます。

Yahoo!ふるさと納税の2025年のトレンド予想

2025年10月からはふるさと納税に対するポイント付与が禁止されるため、各モールで提供されていた独自のポイント施策にも一定の制限がかかる見込みです。ポイントが寄附のきっかけの一つとなっていたユーザーもいると想定されることから、この変更は一定の影響を与える可能性があります。そのため、2025年のYahoo!ふるさと納税は「デジタル体験×定期的接点×ストーリー訴求」の三位一体での取組が進むことが考えられます。

たとえば、冷凍海産物を中心とした高付加価値返礼品においては、「漁港から食卓まで」の一連の流れをリアルタイムで体験できるライブ配信や、短時間で調理できるキット付き動画コンテンツなどを通じて、寄附前から受け取り後まで“ストーリー”でつながるような取り組みが今後注目される可能性があります。これにより、「どこで」「誰が」「どうやって」獲ったのかを視覚的に確認できる安心感が高まり、特に若い世代の支持を獲得しやすくなるのではないでしょうか。

日用品カテゴリーではサブスクリプション型プランなども考えられるでしょう。ティッシュ・トイレットペーパー・洗剤などの消耗品を月額一定額で定期配送するサービスにおいては、寄附額に応じて限定デザインやプレミアム仕様が選べる会員ランク制といった工夫も、今後の取り組みの一例として考えられるかもしれません。

またSDGsやサステナビリティに配慮した返礼品が一層注目される可能性があるため、漁業や農業の環境保全活動にコミットする自治体では、寄付金の使途レポートで透明性を高め、寄付後には短いアニメーション動画で「こう使われました」を見せることで、寄付が地域社会に還元されている実感を強化されることで、より多くの寄附が集まることも考えられるのではないでしょうか。

いかがでしたでしょうか。Nintではふるさと納税のデータもご提供することができます(※現在は楽天市場とYahoo!ショッピングのみ)。Amazonのふるさと納税データもご提供できるように鋭意対応中でございます。興味・ご関心がございましたら是非お問合せください。

「NintEcommerce ふるさと納税レポート」について

株式会社Nintでは、「ふるさと納税レポート」を提供しております。各自治体の返礼品の売上および販売数量(※1)をレポートとして可視化してみることができます。
各自治体での売れ筋商品の確認や、消費者ニーズの把握、販売数量からの生産見込み・計画などふるさと納税事業の発展に役立てることが可能です。

※1当社が提供するデータおよびサービス、レポートにおける「売上」「販売数量」は弊社独自の統計技術により算出された「推計データ」です。

この記事を書いた人

加藤 洋平(かとう ようへい)
株式会社Nint BPaaS Div ECコンサルティングユニット データアナリスト

2010年よりグリーンスタンプ株式会社にてコンサルティング営業としてキャリアをスタート。 2017年よりバリューコマース株式会社にてデータアナリストとしてコンサルティング業務に従事。その後、株式会社フィードフォース社を経て、2022年よりNintにて営業もできるデータアナリストとして鋭意活動中。

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【出典:「Yahoo!ふるさと納税データから見る今後のトレンドについて」(2025年5月23日公開)】
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