勝てる市場を見極めて集中投資。次のヒットを生む仕組みとは

株式会社ビーンズ

従業員数: 100人未満

EC事業部 小野坂様

株式会社ビーンズについて

株式会社ビーンズは、香川に本社を構えるレディースシューズメーカーです。
パンプスやサンダルを中心に幅広い商品を展開し、百貨店や量販店に加えて、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングといった主要ECモールでの販売を強化しています。

今回は、競合比較やカテゴリごとのシェアを数値で可視化し、自社が優位を築ける場所へ投資を集中する戦術を実現した背景について、EC事業部の小野坂様にお話を伺いました。

数字が見えず迷い続けた日々

導入前は、ランキングや店頭の情報を目視で追いかけるしかなく、競合の販売規模やカテゴリ別の市場サイズを正しく把握できませんでした。自社のシェアも「何となく伸びている」「停滞している」といった感覚でしか捉えられず、投資判断や商品企画、広告運用における優先順位づけが難しい状態でした。数字で裏付けられないことが常に不安要素となり、施策に迷いが残っていました。

勝てる領域を探すために必要だったこと

当時の私たちは、目の前の数字が見えないまま、あれもこれもと幅広い領域に手を広げようとしていました。しかし結果として、広告費も開発リソースも分散し、大きな成果につながらないことが少なくありませんでした。

「どの商品に投資すべきか」「どのカテゴリを優先すべきか」を感覚で決めるしかなく、振り返っても根拠が残らない。これでは社内の合意形成も難しく、同じ議論を繰り返すこともしばしばありました。

そこで必要だと感じたのは、自社が強みを発揮できる場所を客観的に特定するための仕組みです。競合と自社の販売規模を数値で比較し、カテゴリ全体の伸びやシェア率を正しく把握できれば、「ここに集中すべきだ」と胸を張って言える。その状態をつくることが、次の成長に欠かせない条件だと考えるようになったのです。

導入を後押しした決定的なポイント

Nint ECommerceは、カテゴリ規模やシェア率、広告出稿状況までワンクリックで把握できる点が魅力でした。4000円台パンプスの上位10SKUなど、価格帯やスペックを絞り込んだ詳細分析も可能です。
加えて、月次データをRAWのままダウンロードできるため、自社データベースやAIに直接取り込み解析することができました。画面閲覧よりもCSV活用を前提にしている自社には非常に適していました。
社内では「そこまでしてデータを買う意味があるのか」という懸念もありましたが、実際の画面を示しながら具体的に「ここまで見える」と説明したことで理解が得られました。最終的には、勝てる場所を見極めるために必要な武器として導入が決まりました。

月次データの活用が意思決定を加速

導入後は毎月初めに業種分析やショップ分析データをすべて取得し、自社のデータベースへ格納しています。マーケティングチームはシェア推移や広告効果を可視化し、商品企画チームはトングサンダルなど季節商材の売れ筋を抽出して商品開発に反映。
さらにAIと連携させることで、社内ダッシュボードやLLMと組み合わせ、高速で意思決定できる体制が整いました。
例えば楽天市場では、リピート率の高いカテゴリを特定し、そのカテゴリに広告費を集中投下。効率的にシェアを拡大することができました。定例レポートも自動生成されるようになり、会議で判断に迷う時間が大幅に減少。施策立案から実行までのリードタイムが短縮されたことは、現場にとって大きな変化でした。

季節性とSKU比較で得られた新しい発見

これまで感覚に頼っていた季節性の判断も、数値によって裏付けられるようになりました。シーズンピークの前倒し発注や、移動平均から導き出した需要曲線を確認できることで、在庫戦略の精度が向上しました。
また、強いSKUと弱いSKUを横並びで比較することで、説明写真や価格設定といった改善点が明確化。AIにデータを与えることで、類似商品の発売時期や適正在庫をシミュレーションできるようになり、想定以上のインサイトを得られています。

データとAIの組み合わせで意思決定が加速

導入後は、競合のベンチマークを数値で即座に確認できるようになり、施策のPDCAが以前より格段に速く回るようになりました。毎月のデータをそのままダウンロードして自社の仕組みに取り込み、必要に応じてAIと連携させることで、分析の自由度も広がっています。

カテゴリごとのシェア率を把握できるようになったことで「投資すべきところ」「見直すべきところ」が明確になり、広告の有無や価格帯、レビュー数といった条件を組み合わせた差分分析も可能になりました。こうした情報が商品企画と広告運用の両方で共通の物差しとなり、同じ視点で議論できるようになったのは大きな変化です。

次に取り組みたい最適化のかたち

今後はクーポンやポイント倍率など販促要素を含めた売上寄与度を可視化し、広告費と割引費を一体で最適化していきたいと考えています。さらに日付セグメントを柔軟に切り分けることで、より精緻な分析を進め、勝てる場所をさらに磨き込んでいきたいと思います。

担当者へのメッセージ

数字で裏付けられた判断は、現場に安心感をもたらします。勝てる場所を見極め、そこに資源を集中させることは、多くのEC担当者が直面する共通の課題です。私たちの経験が、同じ立場の方々にとって参考になれば幸いです。

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