時計のアイコン

楽天レビューのメリット5選!売上と転換率に直結する理由を徹底解説

#楽天市場 #マーケティング #ECモール運営ノウハウ #販促ノウハウ
楽天レビューのメリット5選!売上と転換率に直結する理由を徹底解説

楽天市場という巨大なECプラットフォーム上では、多くの店舗が日々売上向上のためにさまざまな施策を行っています。その中でも、多くの成功店舗が共通して重要視し、地道に育てている資産が「レビュー(口コミ)」です。

「レビューは単なるお客様の声」と捉えるのは大きな機会損失です。その他のECモールでも同様ですが、特に楽天市場では、レビューは単なる評価ではなく、売上と利益に直結する戦略的に活用すべき資産です。

本記事ではなぜ楽天市場においてレビューが重要なのか、その理由を5つのメリットに分解し、プロの視点から解説します。さらに明日から実践できる「売上につながるレビューを増やす具体策」もご紹介します。

メリット1:転換率(CVR)の劇的な向上

楽天市場の売上は「アクセス人数 × 転換率 × 客単価」で決まります。どれだけアクセスを集めても、転換率が低ければ売上には繋がりません。レビューは、この最も重要な「転換率(CVR)」を大幅に高める要素です。また、転換率が高い商品は検索順位の向上にも寄与するため、レビューの獲得は楽天SEOにも効果的です。

社会的証明としての絶大な効果

実物に触ることができないECサイトでの買い物には、「この商品は大丈夫か?」「写真と実物が違ったらどうしよう?」という不安が常につきまといます。この不安を解消し、購入への最後のひと押しとなるのが、第三者である購入者の生の声であるレビューです。

実際にレビューが0件の商品ページとレビューが5件以上(4.2点以上の場合)の商品の場合では転換率が5〜10倍近く差が出ることもあります。

商品ページでは伝えきれないリアルを補完 

店舗側がどれだけ詳細な説明をしても、伝えきれない情報があったり、ユーザーにとってはリアルではなく、作り込まれた情報として捉えられたりします。

たとえば、アパレルでなら「165cm普通体型でMがぴったり」「写真より少し暗めの色味」だったり、家具なら「女性一人でも30分で組み立てられた」「安っぽく見えない」といったリアルな声は、購入者の不安を軽減します。こうしたユーザー目線のレビューが、購入ボタンを押す最後の後押しになります。

メリット2:アクセス数を増やす楽天内SEO効果

商品ジャンルにもよりますが、楽天市場の店舗流入の約4割は楽天内検索(楽天サーチ)経由です。つまり、楽天SEOを制することがアクセス増の鍵であり、ここでもレビューが極めて重要な役割を果たします。

楽天市場の検索アルゴリズムにおけるレビューの重要性 

楽天一番の検索アルゴリズムは、「ユーザー満足度の高い商品」を上位表示させます。レビューの件数と評価は、その満足度を示す主要な指標です。良質なレビューを積み重ねることで、「この商品はユーザーから高評価されているいい商品だ」とアルゴリズムに認識されやすくなります。

クリック率(CTR)の向上と好循環 

検索結果にはレビュー件数と評価点数が表示されるため、無数の商品の中で、ユーザーは自然と高評価・件数の多い商品をクリックします。これは、クリック率(CTR)に直接的な影響を与えます。 クリック率が高い商品は、アルゴリズムから魅力的な商品と判断され、さらに検索順位が上がりやすくなるという好循環が生まれます。
レビューがもたらすSEO効果は、店舗の成長を加速させる正のサイクルの起点となります。

  1. 評価の高いレビュー件数が増える
  2. 検索結果画面でのクリック率(CTR)が向上する
  3. 商品ページへのアクセス数が増加する
  4. レビューによる信頼性から転換率(CVR)が向上する
  5. 売上件数・売上額(販売実績)が増加する
  6. 販売実績が評価され、楽天SEOの順位がさらに上昇する

このサイクルを商品毎に回すことが、店舗成長の鍵です。

メリット3:顧客との関係構築とファン化の促進 

レビューは単なる評価ではなく、店舗と顧客をつなぐコミュニケーションの場であり、長期的な信頼関係を築くための貴重な機会です。丁寧な対応によって、一度きりの購入者を長期的なファンへと育てることができます。

ポジティブレビューへの返信で信頼を強化

高評価のレビューに定型文で「ありがとうございます」と返すだけでは不十分です。感謝を伝えるだけでなく、追加購入や再来店に繋げるセールストークに変化させることも可能です。

  • 具体的に引用して感謝する:「梱包が丁寧で感動しましたとのお言葉、大変嬉しく拝見いたしました。梱包担当にも共有し、今後の励みとさせていただきます。」
  • 補足情報で用途や追加購入の提案を行う:「コメント頂いた〇〇機能は、△△と組み合わせるとさらに便利ですので、ぜひお試しください。」
  • 再来店を促す一言を添える:「来月には季節限定の新商品も入荷予定ですので、またぜひお立ち寄りください。」

また、このような丁寧な返信は、書いた本人だけでなく、そのやり取りを見た他の潜在顧客にも「この店舗は顧客を大切にしている」という安心感のある印象を与えます。

ネガティブレビュー対応で信頼を獲得 

低評価レビューを放置することは悪手です。誠実かつ迅速に対応することでピンチをチャンスに変えることができます。以下の要素を順序立てて盛り込んだ内容で返信や対応を行いましょう。

  1. まずは謝罪
  2. 共感と問題の特定
  3. 原因の説明と解決策の提示
  4. 改善の約束

一連の対応を見た他のユーザーは、「万が一問題があっても、この店ならきちんと対応してくれる」という安心感を抱き安心して購入できるようになります。

メリット4:商品の改善・新商品開発への活用

レビューは、顧客のニーズや不満が詰まった「宝の山」です。これらを商品や店舗オペレーションを改善するための貴重なフィードバックとして活用することで、店舗は継続的に成長できます。

商品開発・改善のヒントを発見する

顧客は、売り手が思いもよらない視点を持っています。商品の利用シーンや商品への期待値は一人一人違います。実際にあった例ですが、同じダウンジャケットでも都会の顧客と雪国の顧客では利用シーンも期待値も完全に異なります。都会の人にとってはダウンジャケットは普段着でも、雪国の人にとっては雪かき用のウェアになっているかもしれません。「雪かきの時に重宝しています」などの商品の利用シーンや「工具を入れるのでポケットがもう一つあれば完璧だった」など特定の利用シーンにおけるを必要要件を理解することでなどの声は商品改善に繋がったり、新商品開発へのヒントになります。様々な顧客に幅広くリーチできるECでは想像もしないような商品の活用方法をされていることは多々あります。

商品ページをリッチに改善 

レビューは、商品ページに不足している情報や、誤解を招きやすい表現を教えてくれます。アパレルの場合だと、「写真より小さかった」や「思ったより薄手」「洗濯機で洗うと縮んだ」などはよくあるレビューなので商品ページに事前に入れ込み、購入後のギャップを減らすことで顧客満足度を高め、低評価レビューの発生を未然に防ぐことができます。

メリット5:ROAS(広告費用対効果)の最大化

楽天市場で売上を伸ばす上で、広告の活用は不可欠です。しかし、広告費を投下しても、受け皿となる商品ページの転換率が低ければ、投資した広告は台無しになります。レビューは、ROASを最大化する土台となります。

クリック単価が同じでも、上述の通りレビュー0件の商品と5件の商品ではROASには5〜10倍程度またはそれ以上の差が生まれることもあります。広告運用を始める前や、成果が伸び悩んでいる場合は、まずレビュー対策を見直すことがROAS改善への確実な一歩です。

また、楽天市場の代表的な広告のRPP広告の表示ロジックには、入札単価だけでなく、各商品のキーワード毎の売上実績や転換率などのも考慮されると言われています。優良レビュー獲得と広告運用を連携させることで、無駄な広告費を削減し、広告投資を効率的に利益に繋げることができます。

ここまでで楽天におけるレビューの獲得メリットについてご紹介しました。以下では、効率的なレビュー獲得手法をいくつかご紹介します。

効果的なレビュー獲得方法3選


1.レビュー特典キャンペーンを実施

 
投稿を促すには、インセンティブの提示が最も効果的です。「次回使える〇〇円OFFクーポン」「ノベルティ」「保証期間延長」などが例です。

ユーザーが「欲しい」と思う魅力的な特典を用意することは重要です。レビュー記入率は施策次第で数倍以上に跳ね上がります。自社の商材や顧客特性を鑑みて、期間ごとに施策内容を変えて最適化を図りましょう。

※注意点:楽天市場のガイドラインでは、レビュー投稿前に特典を提供すること(例:今回の注文にオマケを同梱する)は禁止されています。必ず「レビュー投稿を確認後、後日特典を送付する」というフローを守ってください。また、高評価を強要することも規約違反です。

2. 同梱物でレビューを促す

 
商品を開封する瞬間は、顧客の満足度が最も高まるタイミングです。手書き風のサンクスカードやおしゃれなチラシを同梱し、感謝と共にレビュー投稿をお願いすると効果的です。どこまでリソースを割けるかという観点は重要ですが、物理的な接触はメールよりも記憶に残りやすくなります。

3. フォローメールを戦略的に活用

 商品到着から数日後、顧客が商品を使い始めたであろうタイミングを見計らって、フォローメールを送信します。「商品の使い心地はいかがでしょうか?」と気遣う言葉と共に、レビュー投稿を依頼しましょう。メール本文にレビュー投稿ページへの直接リンクを記載すると、投稿率が上がります。

結論:レビューは店舗成長を加速させる「資産」

楽天市場におけるレビューは単なる評価ツールではなく、転換率を高め、新たなアクセスを呼び込み、顧客とのコミュニケーションを深め、商品改善のヒントをもたらし、広告効果を最大化する、店舗成長の源泉となるツールです。

レビュー対策は、すぐに劇的な効果が出るものではないケースが多いですが、店舗には着実に店舗成長に必要な土台として蓄積されます。その土台こそが、競争の中で勝ち残り、長期的に顧客から愛され続ける店舗を築くための強力な資産となります。

この記事を書いた人

村井宏海
EnterCommerce株式会社 代表取締役

学生時代にエンタメスタートアップの関西での事業立ち上げに参画。大学卒業後、楽天のECコンサルタントとして累計1,000社以上のEC事業支援に携わり、楽天賞を複数回受賞。その後、事業戦略部門でファッションEC事業立て直しプロジェクトに携わり、様々なプロジェクトを横断的にリード。17LIVE株式会社に入社し、ライブコマース事業「HandsUP」の事業責任者として立ち上げから携わり、国内導入数No.1のライブコマースサービスへの成長を牽引。2024年末に退職し、ソーシャルコマースをやライブコマースを支援するEnterCommerce株式会社を創業。

Nint ECommerceに関して

日本国内のEC市場の約7割を占める3大ECモール(楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング)の売上・販売数量をモール別、ジャンル別、ショップ別、商品別に分析できる画期的なツールです。Nint ECommerceを活用いただくことで、以下のイベント対策を効率的にサポートしています。

活用例

商品在庫(SKU単位)の拡充
 競合価格を見ながら自社の販売価格を設定
 競合のポイント倍率を見ながら自社のポイント倍率を設定
 商品名(商品情報)での差別化
 検索露出(RPPなど)の強化

Nint ECommerceを活用することで、ECビジネスチャンス創出に役立ちます。ご興味のある方は、ぜひ下記リンクよりNint ECommerceの詳細をご確認ください。

■転載・引用について
本レポート・ブログの著作権は株式会社Nintまたは執筆者が所属する企業が所有します。
下記の禁止事項・注意点を確認の上、転載・引用の際は出典を明記してください。
【出典:「【事業者向け】楽天とAmazonの違いを7項目で比較!自社に合うのはどっち?」(2025年11月12日公開)】
引用時のリンク属性について:リリース転載ではなく、記事・グラフ・データの引用の際は、必ず本ブログページのURLを出典元としてご記載お願いします。
※nofollow属性不可
本記事で使用しているデータや市場規模に関する推計値を引用いただく際は、正確な表記と文脈を保っていただけますようお願い申し上げます。また、引用や再利用の際には、事前にご連絡をいただけると幸いです。

■禁止事項
 ・内容の一部または全部の改変
 ・公序良俗に反する利用や違法行為につながる利用
 ・企業・商品・サービスの宣伝・販促を目的とした転載・引用

■転載・引用についてのお問い合わせは下記までお願いいたします。
株式会社Nint  マーケティング・ディビジョン
 E-mail: marketing@nint.jp