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【最新】プロテインEC市場規模2024!成長率・シェア・トレンド徹底分析

#ECデータ #市場規模 #食品業界

筋トレブームや健康志向の高まり、ECモールの成長などを背景に、プロテイン市場は年々拡大を続けています。中でも楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングといった3大ECモールにおけるプロテインの売上は、2024年も堅調に推移。特にホエイプロテインを中心とした売れ筋商品や、プラントプロテインなどの新興ジャンルに注目が集まっています。
本記事では、2024年の最新データをもとに「プロテイン市場規模」の実態を徹底分析。市場の成長率、売上推移、シェア構成の変化、売れ筋商品の特徴、そして今後のトレンド予測まで、業界関係者が押さえておくべきポイントを網羅的に解説します。
プロテイン市場を分析・理解したいマーケターや営業担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。

健康志向と筋トレ文化の一般化

健康意識の高まりとコロナ禍の影響

健康意識の高まりはプロテイン市場拡大の大きな要因です。特にコロナ禍においては、免疫力向上や健康維持への関心が高まり、プロテイン摂取の重要性が認識されるようになりました。自宅で過ごす時間が増えたことで、運動不足解消や健康増進のためにプロテインを摂取する人が増加したことも市場拡大に拍車をかけています。

筋トレブームから一般化へ

かつては一部の愛好家やアスリートに限られていた筋トレが、近年では一般の人々にも広く浸透しています。健康維持やダイエット、ボディメイクなど、目的は様々ですが、筋トレの効果を高めるためにプロテインを摂取する人が増えています。SNSやメディアの影響もあり、筋トレは一種のライフスタイルとして定着しつつあり、プロテイン市場の成長を支えています。

女性やシニア層への浸透

プロテインは、かつては男性中心のイメージが強かったですが、近年では女性やシニア層にも広く普及しています。女性は美容やダイエット目的で、シニア層は健康維持やフレイル予防のためにプロテインを摂取するケースが増えています。これらの層への浸透は、プロテイン市場のさらなる拡大に大きく貢献しています。

3大ECモールでのプロテイン市場の市場動向

2022年~2024年のプロテイン市場の動向を確認すると、市場は堅調に成長してることが分かります。特に2022年~2023年にかけての成長が高くこれにはいくつかの要因が考えられます。

1.アフターコロナによる「外出・健康」需要の増加:実際にジムへ再び通うなど、ジムの契約率などが増加していることからも、プロテイン需要の増加が予想されます。

2.ECモールでの購買が強化:ECモールセール時にプロテインが特価価格で表示される頻度の上昇により、視認率が上昇し、購入につながったと考えられます。

3.ECモールの利便性:プロテインは、一袋で3kgなど比較的「重い」商品です。そのため、注文するだけで自宅に届き、自分で運ぶ手間がないECの利便性と相性が良い結果、「EC市場の」プロテイン市場がオフライン市場より成長率が高い可能性があります。

4.SNSでの筋トレ系インフルエンサーの影響:動画プラットフォーム(YouTube、Instagram、TikTokなど)で活躍する筋トレ系インフルエンサーが、オリジナルのプロテイン商品を開発・SNSで宣伝。その信頼感や共感力で、特に若年層を中心にプロテインへの関心と購買意欲を大きく喚起していると考えられます。

図1:3大ECモールのプロテイン市場の売上・前年比推移

プロテインの種類ごとの市場規模推移

プロテインは原料によっていくつかの種類に分けられます。

ホエイプロテイン :牛乳由来のプロテインで水溶性のプロテイン
カゼインプロテイン :牛乳由来のプロテインで不溶性のプロテイン
ソイプロテイン :大豆由来のプロテイン、消化吸収速度が緩やか
動物性プロテイン :ホエイプロテイン、カゼインプロテイン
植物性プロテイン :ソイプロテイン

近年では、複数のプロテインを複合した、「マルチプロテイン」も登場しています。
今回の調査では、3大ECモールの「ホエイプロテイン」「カゼインプロテイン」「ソイプロテイン」と、「その他プロテイン」の4つのジャンルに分類し、その年間推移を確認しました。

図2:プロテイン4ジャンルの年間売上推移

売上推移を確認すると、3大ECモールのプロテイン市場では、ホエイプロテインが最も市場規模が高く、次いで、その他プロテイン、ソイプロテイン、カゼインプロテインの順になっています。次は、各年のプロテイン市場の売上を100とした構成比推移から、それぞれの構成比推移を確認します。

図3:プロテイン4ジャンルの売上構成比推移

構成比推移から改めて2022年~2024年のトレンドを見ると、ホエイプロテインの売上構成比が上昇、その他プロテインの売上構成比が減少していることが、分かります。
売上推移・構成比推移からも、最近のトレンドは「ホエイプロテイン」のようです。

ホエイプロテインの売れ筋商品

トレンドのホエイプロテインの2024年(1月~12月)の売れ筋商品と、TOP100商品に使用される頻出ワードにはどのような特徴があるのでしょうか?内容を見ていきましょう。

2024年ホエイプロテインTOP10

1位 カフェオレ風味 1kg 国内製造 WPC
2位 リッチショコラ味 1kg 限定販売
3位 ブルーベリー味 3kg 国内製造 WPC
4位 ミルクチョコ味 3kg 国内製造 WPC
5位 チョコレート風味 1kg 国内製造 WPC
6位 ミックスベリー味 1kg 国内製造 WPC
7位 ロイヤルミルク味 1kg 国内製造 WPC
8位 ヨーグルト風味 1kg 国内製造 WPC
9位 リッチショコラ味 2.2kg 大容量 限定品
10位 塩キャラメル味 1kg 国内製造 WPC

2024年ホエイプロテインTOP100商品に使用さているワード

図4:TOP100商品に使用されている「商品ワード」と「使用率」

売れ筋商品、商品ワードから判断すると、「プロテイン」自体の訴求に加え「種類※ホエイ・カゼイン・ソイなど」の訴求、加えて「1kg,3kg」など容量の訴求、さらに「国内製造・WPC」などの「品質」に関して訴求していることが分かります。

プロテインEC市場の未来予測と成長可能性

2025年最新のプロテイン市場動向

では、今後のEC市場のプロテイン市場はどのように推移するのでしょうか?
2025年の1月~4月のプロテイン市場の売上を、2022年・2023年・2024年の同期間で比較してみましょう。

図5:2022年~2025年の1月~4月 プロテイン市場売上推移比較

プロテイン市場全体の同期間比較では、2025年に変化が見られますが、商品の購入サイクルによる影響や、モールセールによる購買影響などが考えられるため、市場動向の判断は慎重にする必要があります。
3大ECモールでは、上期(1月~6月)と下期(7月~12月)では、「下期」の売上規模の上昇率が高いこともあるため、今後の市場動向には注目です。

プロテイン4ジャンルの市場動向

図5:プロテイン4ジャンルの2022年~2025年動向

好調に推移していたホエイプロテインに変化がみられます。その他のジャンルに関しても変化がみられる一方、その変化量はホエイプロテインに比べると小さいです。
このような状況の中で、伸長率が高いプロテインジャンルはあるのでしょうか?
その他プロテインに分類されるいくつかの種類のプロテインに注目しました。

注目のジャンル:プラントプロテイン

4ジャンルでは売上に変化がみられる2025年ですが、注目のジャンルはあるのでしょうか。
今回詳細に分類されていない、「その他のプロテイン」ジャンルを細かくみていきましょう。

図6:その他のプロテインジャンル内詳細ジャンルの2022年~2025年売上推移

注目は、2023年に登場し、2025年まで成長し続けているプラントプロテインです。

プラントプロテインとは、動物性の食品ではなく、植物性の食品から得られるタンパク質のことです。植物性由来のプロテインでは、大豆由来のソイプロテインが有名ですが、大豆以外の植物性由来が現在このジャンルに含まれています。
特徴として、環境負荷の低さや幅広い栄養素、アレルギー対応、消化吸収が緩やかであることが挙げられます。ではどのような商品が売れているのでしょうか?
2025年(1月~4月)のプラントプロテインジャンル売れ筋TOP10商品を紹介します。

2025年(1月~4月)のプラントプロテイン売れ筋TOP10

1位 有機ヘンプパウダー 1kg 無添加JAS認証
2位 有機ヘンプ 400g 無添加 食物繊維豊富
3位 クエン酸配合 2kg 大容量 by社名A
4位 ナチュラルヘンプパウダー 454g
5位 有機ヘンプ 500g 非加熱 カナダ産
6位 有機ヘンプ 140g 無添加JAS認定
7位 ブランドA スープタイプ 280g 減量用
8位 ブランドA パウダー 420g トレーニング用
9位 社名A 500g×3袋 無添加セット
10位 ブランドA 有機ヘンプ 400g 匂い軽減

持続可能な市場成長のための課題

環境負荷軽減と持続可能なタンパク質源

環境負荷を低減し、持続可能なタンパク質源を確保することは、市場の持続的な成長にとって重要な課題です。植物性プロテインや、昆虫由来のタンパク質など、新たなタンパク質源の開発が期待されます。

消費者教育と製品の品質向上

プロテインに関する正しい知識の普及や、製品の品質向上も重要な課題です。消費者が安心してプロテインを摂取できる環境を整備することで、市場の信頼性を高めることができます。

健康志向のさらなる普及

健康志向のさらなる普及は、プロテイン市場の成長を支える重要な要素です。健康に関する情報提供や、健康的なライフスタイルの提案などを通じて、人々の健康意識を高めることが重要です。

まとめ|プロテイン市場の今とこれから

プロテインEC市場は、健康志向や筋トレ文化の定着、ECモールの利便性を背景に、着実な成長を続けています。特にホエイプロテインは市場を牽引する存在となっており、売れ筋商品の特徴からもその需要の高さが伺えます。
一方で、ソイやカゼイン、そして新たに台頭してきたプラントプロテインなど、消費者のニーズは着実に多様化。製品形態やターゲット層の広がりにより、今後の市場にはさらなる成長の可能性が期待されます。
2025年以降は、持続可能なタンパク質源や、パーソナライズ製品などの新カテゴリも重要なトレンドとなるでしょう。  

企業のマーケティング・商品企画担当者は、こうした変化に柔軟に対応し、自社製品のポジショニングや販促戦略に活かしていくことが求められます。プロテイン市場の変化をいち早く捉え、競合と差をつけるには、正確でリアルタイムなECデータの把握が欠かせません
Nint ECommerceでは、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングといった主要モールの売上トレンドや商品別ランキング、成分・容量・キーワードなどの傾向をデータで可視化できます。  

自社商品のポジショニング戦略立案や、新商品開発、販促施策の最適化に、Nint ECのデータをぜひご活用ください。

この記事を書いた人

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト

株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は30を超え、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。

Nint ECommerceに関して

日本国内のEC市場の約7割を占める3大ECモール(楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング)の売上・販売数量をモール別、ジャンル別、ショップ別、商品別に分析できる画期的なツールです。Nint ECommerceを活用いただくことで、以下のイベント対策を効率的にサポートしています。

活用例

商品在庫(SKU単位)の拡充
 競合価格を見ながら自社の販売価格を設定
 競合のポイント倍率を見ながら自社のポイント倍率を設定
 商品名(商品情報)での差別化
 検索露出(RPPなど)の強化

Nint ECommerceを活用することで、ECビジネスチャンス創出に役立ちます。ご興味のある方は、ぜひ下記リンクよりNint ECommerceの詳細をご確認ください。

備考

今回調査にあたり抽出したジャンルは以下の通りです。

  • Amazon :ドラッグストア>栄養補助食品>サプリメント・ビタミン>プロテイン
  • 楽天 :ダイエット・健康>サプリメント>プロテイン
  • スポーツ>フィットネス、トレーニング>プロテイン

※詳細ジャンルに関しては株式会社Nintへお問い合わせください。
※当社サービスの売上・数量は推計データです。

調査対象:Nint推計データ

Nint推計データは、AIやクローリングなどの技術により⽇本国内の3⼤ECモールで販売される商品の売上⾦額・販売数量を⾼精度に推計したデータに、サイト内でのプロモーションデータ等を加えた、EC市場の総合的な分析を可能にするビッグデータです。

データ抽出期間:2022年1⽉〜2025年4⽉(※本稿における Nint 推計データは 2025年5⽉時点のものを使⽤)

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【出典:Nint BLOG「【最新】プロテインEC市場規模2024!成長率・シェア・トレンド徹底分析」(2025年6月5日公開)】

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