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【2025年10〜12月】食品市場レポート|単価上昇が補い市場は微増

#市場規模 #マーケティング #販促ノウハウ #ECデータ

2025年10月から12月にかけての食品市場は、原材料価格の高騰や物流コストの上昇を背景とした製品価格の改定が続いており、市場全体の平均単価上昇が顕著です。販売数量は前年を下回ったものの、単価の上昇が寄与して市場規模(売上高)は前年同期を上回る結果となりました。本レポートでは、大手ECサイトにおけるNint ECommerceのデータをもとに、最新の市場動向を解説します。


※本記事は大手ECサイトにおけるNint ECommerceデータを元に執筆しています。

食品の市場規模

2025年10月〜12月の食品ジャンル全体の市場規模は以下の通りです。

  • 売上高: 約719億1,778万円(前年同期比 +3.4%)
  • 販売数量: 約1,959万7,395個(前年同期比 ▲3.9%)
  • 平均単価: 約3,670円(前年同期比 +7.7%)

市場全体では、販売数量が約4%減少した一方で、売上高は約3%のプラス成長を維持しました。これは平均単価が前年同期と比較して約8%近く上昇したことが大きな要因です。生活必需品である食品において、消費者が1回あたりの購入金額を上げつつ、購入頻度や数量を調整する「選択的消費」の傾向が強まっていることが伺えます。

食品市場のカテゴリ別売上構成比とトレンド

本章ではカテゴリ別の売上構成を比較し、トレンドを読み解きます。

カテゴリ別売上構成比(上位カテゴリ)

  • 1位:魚介類・水産加工品

売上構成比:約26.5%(前年同期比 ▲2.1ポイント)

平均単価:約5,402円

  • 2位:惣菜

売上構成比:約20.7%(前年同期比 ▲0.1ポイント)

平均単価:約4,729円

  • 3位:米・雑穀

売上構成比:約13.7%(前年同期比 +3.7ポイント)

平均単価:約5,358円

  • 4位:精肉・肉加工品

売上構成比:約8.8%(前年同期比 ▲0.7ポイント)

平均単価:約3,908円

  • 5位:調味料

売上構成比:約7.1%(前年同期比 ▲0.1ポイント)

平均単価:約1,788円

製品開発のトレンド

第4四半期は冬のギフト需要や年末年始のハレの日需要が重なるため、依然として「魚介類・水産加工品」や「惣菜」が高いシェアを維持しています。特に「魚介類・水産加工品」は平均単価が5,000円を超えており、カニや刺身セットなどの高単価商材が市場を牽引しています。

 注目すべきは「米・雑穀」カテゴリで、前年比で売上構成比が3.7ポイントと大幅に増加しました。これは全国的な供給状況の変化や価格改定がEC市場にも強く影響した結果と考えられます。また、時短・簡便ニーズを背景に「惣菜」カテゴリも安定した支持を得ており、冷凍技術の向上による高品質な「お取り寄せグルメ」の定着が見て取れます。

食品市場の価格帯別販売構成と戦略

ここでは市場全体を価格帯別データに分けて整理し、販売戦略を考察します。

価格帯別の販売構成について

低価格帯(3,200円未満)

売上構成比:約21.3%

調味料や飲料、乾物などの日常的な買い足し需要が中心です。

中価格帯(3,200円〜9,600円未満)

売上構成比:約48.2%

米、精肉セット、一般的なギフト用惣菜などが含まれる、市場の約半数を占める主要なボリュームゾーンです。

高価格帯(9,600円以上)

売上構成比:約30.5%

高級ブランド肉、海鮮詰め合わせ、年末年始用のおせち料理などが該当し、数量は少ないものの売上への貢献度が高いセグメントです。

価格帯別の販売戦略について

低価格帯

競争が激しいこのゾーンでは、ついで買いを促す同梱施策や、日常使いの利便性を訴求した定期購入モデルの提案が有効です。

中価格帯

消費者が最も比較検討するゾーンであるため、産地のこだわりや栄養価、保存のしやすさといった具体的な付加価値を可視化し、他社製品との差別化を明確にする必要があります。

高価格帯

ギフトや自分へのご褒美としての需要が高いため、高級感のあるパッケージングや、配送指定の柔軟性、限定感のあるストーリーテリングによる信頼獲得が重要となります。

(参考)ジャンル別価格分布Nint ECommerceを使った価格帯別売上規模推移
市場の見える化を実現するツール「Nint ECommerce」でTOPメーカーの価格別売上構成比を見ると以下のように確認できます。
※ご契約プランによって確認可能

横軸:価格帯で分けており、太さが構成比
縦軸:該当価格帯におけるメーカーシェア率
出典:Nint ECommerce

展望と食品市場を読み解くヒント

本章では展望と市場を読み解くヒントをご紹介します。

今後の展望

短期的には、依然として単価上昇傾向が続くため、市場規模は横ばいから微増で推移するでしょう。しかし、消費者の価格に対する警戒心も強まっており、単純な値上げではなく「その価格に見合う価値」が厳しく問われる局面に入ります。

中期的には、世帯人数の減少や共働きの増加を背景に、単なる食材提供から「調理の負担軽減」と「健康価値」を両立させた製品が成長の鍵を握ると予測されます。また、EC特有の強みである「地方の名産品」や「パーソナライズされた定期便」の需要は今後も拡大する見込みです。

食品市場を読み解くヒントは「Nint ECommerce」!

食品市場は季節要因や社会情勢による価格変動が激しく、正確なトレンド把握が非常に困難なジャンルです。今回のデータに見られるような「数量の減少を単価が補う」といった構造変化をいち早く察知し、自社の価格戦略や商品開発に反映させるには、客観的なデータに基づいた市場分析が欠かせません。

「Nint ECommerce」では、主要ECモールの売上・数量データを細かなカテゴリ単位で可視化でき、競合他社の動向や市場の価格感応度をリアルタイムで把握することが可能です。

また、AIが市場のトレンドや成長要因を分析する『AIインサイトレポート』を活用すれば、膨大なデータから「次に売れる商品」のヒントを得ることが可能です。勘や経験に頼らないデータドリブンな意思決定にお役立てください。

また、即戦力のEC人材をお探しの場合は、『EC Talent』にご相談ください。

調査概要

  • 対象期間:2025年10月1日〜2025年12月31日
  • データソース:Nint ECommerce
  • 対象カテゴリ:食品

この記事を書いた人

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト

note:https://note.com/nint_ecommerce

株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は20を超え、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。

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【出典:「【2025年10〜12月】食品市場レポート|単価上昇が補い市場は微増」(2026年1月30日公開)】
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