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EC市場におけるゴルフ用品の売れ筋トレンド【2025年10〜12月】

#市場規模 #マーケティング #販促ノウハウ #ECデータ

本記事では、Nintが保有するEC市場データをもとに、主要3モールにおけるゴルフ用品市場の動向を分析します。対象期間は2025年10月〜12月、前年同期(2024年10月〜12月)との比較を通じて、市場全体のトレンドからジャンル別・メーカー別・商品別の動きまでを読み解きます。

※本記事は大手ECサイトにおけるNint ECommerceデータを元に執筆しています。

1. 市場動向は?数量減を単価上昇でカバーしきれない構図

 2025年10〜12月のゴルフ用品EC市場(3モール合計)は、売上前年比84.2%と縮小しました。 売上の変化もさることながら、特筆すべきは販売数量の落ち込みで、該当期間は前年比74.0%にとどまりました。

一方で、平均単価は15,986円から17,203円へと107.6%に上昇しています。 売上・数量が減少しているのに対し、平均単価は増加。このことは、「買う人が大きく減った分を、1点あたりの単価上昇で支えているが、売上全体のカバーには至っていない」という構図のあらわれではないかと予想されます。

【図1:3大ECモールゴルフ用品市場2025年10月~12月の前年同時期比】

この単価上昇の背景には、後述するクラブ系商品やGPS距離計など、高単価商品の売上構成比が高まっていることが考えられます。

2. ジャンル動向は?構成比に大きな変動はないが、前年比で「耐え方」に差 

今回、3モールのジャンル体系を横断的に整理し、ゴルフ用品を以下の10分類に集約しました。 ・ゴルフバッグ ・ゴルフシューズ ・ゴルフウェア ・ゴルフアクセサリーその他
・ドライバー ・アイアン ・ウェッジ ・パター ・その他クラブ(ユーティリティー等)
・クラブセット 

【図2:3大ECモールのゴルフ用品ジャンル別前年同期間比ランキング】

売上シェアの構成を見ると、前年からほとんど変動がありません。 売上構成比では、クラブ系6分類の合計が約44%で最大ですが、単体ジャンルとしては「ゴルフアクセサリー・その他」が約34%を占め、次いでバッグ・ウェア・シューズなど身につけるもの(服飾系)が約22%と、市場の構造は安定しています。

3.市場超えジャンルは?市場×ジャンル別の前年比比較

各ジャンルの前年比はどのように推移しているのでしょうか? 確認してみましょう。

【図3:3大ECモールゴルフ用品カテゴリー別売上構成比】

市場全体の前年比84.2%に対して、ゴルフシューズ(91.6%)とパター(91.2%)は市場全体の前年比を超えており、苦戦の中では好調に推移しています。特にパターは平均単価が25,929円から30,715円へと約18.5%上昇しており、単価上昇が売上を下支えしているという市場全体の構造と同様の動きがみられます。

一方、ゴルフバッグは前年比79.2%と10分類中最大の落ち込みとなりました。キャディバッグは買い替え頻度が低く、かつ高単価なため、外出機会が増加した2024年に購入した方が多い場合、本年での購買は減少しやすい傾向があるのかもしれません。 実際に後に触れますが、該当期間における売上TOP100商品を見てみると、「消耗品(特に買い替えサイクルの早い商品)」のランクイン数が増えていることが分かります。 このように考えると、昨年度を「ゴルフ再開元年」と捉えた場合、本年はそのあおりを全体的に受けた結果、市場として苦戦している可能性が考えられます。

4.ゴルフクラブの内訳は?パターが好調!

ゴルフと言えばドライバーやアイアンなど、ゴルフクラブを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか? 基本的には新規にゴルフを始める場合、「アイアンセット」「ドライバー」「パター」などを購入後、一部を買い足したりする傾向がみられますが、今回分類したクラブ系6ジャンルについて、どのように変化しているか見ていきましょう。 

【図4:ゴルフクラブの売上構成比推移 2024年10月~12月/2025年10月~12月】

今回分類したゴルフクラブでは、昨年・本年で「売上構成比」に大きな変化はみられないことが分かります。 その中で唯一、クラブ内シェアを拡大しているのがパター(11.6%→12.5%)です。前年比91.2%はクラブ系で最も高く、各ホールでほぼ確実に使用する機会があるため、他のクラブより優先的に購入を検討するゴルファーの方が多いのではないでしょうか。

5. 市場縮小の中でTOP5のメーカー動向は?上位メーカーへのシェア集中が進む結果に 

売上上位5社の顔ぶれは前年から変わっていません。

 【図5:3大ECモールゴルフ用品メーカーTOP5の売上前年比】

注目すべきは2点です。 まず、TOP5全社がシェアを維持もしくは拡大しています。市場全体が84.2%に縮小する中でも、上位5社の売上シェア合計は43.0%から44.6%へと微増しました。市場縮小の影響はTOP5以下の中小メーカーにより大きく出ており、上位への集中が進んでいるといえます。 もう1つは、E社の存在です。売上前年比108.3%、シェア4.3%→5.6%と、TOP5の中で唯一の前年超えを達成しました。

6. 商品動向は?ECで売れるのは「店頭で買いにくいもの」 

最後に、3モール合計の売上TOP100商品をカテゴリ別に分類した結果をご紹介します。 TOP100のランクイン商品と聞いて、多くの方がまず思い浮かべるのはパターやアイアン、ドライバーなど「クラブ系」ではないでしょうか。しかし、EC市場の売れ筋ランキングは、その直感とは異なる景色を見せています。

【図6:売上TOP100商品のカテゴリ別商品数の推移】

売上TOP100のうち、最も多かったカテゴリはGPS距離計・ゴルフウォッチなどの計測機器で、2025年は100商品中33商品を占めました。売上の1位・2位もいずれも計測機器です。この傾向は2024年(36商品)から続いており、EC市場における定番カテゴリとして定着しています。

一方、ドライバーは2024年の17商品から2025年は10商品へと大きく減少しました。代わりに存在感を増したのがゴルフボール(6商品→14商品)です。ボールはECでのまとめ買いと相性が良い消耗品です。こうした消耗品の購買が底堅いことから、市場全体としては買い替え需要の少ない『苦戦のサイクル(谷間)』にあった可能性がうかがえます。

なぜ計測機器が多くランクインするのか。
そこには、EC市場ならではの特性がありそうです。 ゴルフクラブやウェアは店頭で試打・試着ができるため、実店舗での購入が選ばれやすい商品です。一方、GPS距離計やゴルフウォッチは一般的なゴルフショップでは品揃えが限られがちです。多くの機種を比較検討し、レビューを参考にしながら購入するにはECの方が適しており、結果として売上上位を占めていると考えます。

7.モール別の変化もみられる 

また、モール別での変化も今回の特徴です。売上TOP100のモール別内訳にも変化が見られます(アイテム数ベース)。 

・Aモール:-24商品(昨年比)

 ・Bモール:+15商品(昨年比) 

・Cモール:+9商品(昨年比)

 2024年はAモールにTOP100商品が集中していましたが、2025年はBモール・Cモールへと分散しています。メーカー直営店舗の出店拡大など、メーカー側のマルチモール展開が進んでいることがうかがえます。

8.まとめ 

2025年10〜12月のゴルフ用品EC市場は、数量の減少(前年比74.0%)があり、単価上昇(同107.6%)では補いきれず、売上は前年比84.2%で推移しました。 ジャンル構成に大きな変動はないものの、パターやシューズなど市場以上に奮闘しているジャンルと、バッグのように商品サイクルが長いことで落ち込みが大きいジャンルで、差が出ています。メーカー別ではTOP5のシェア集中が進み、上位メーカーへの売上集中が一段と強まりました。

商品を見ていくと「消耗品」や「品揃えとして店舗で置きづらい商品」にニーズが集中しやすい傾向がみられます。一方で、今回の調査はあくまで「昨年との比較」です。年間や商品サイクル次第では別の時期にまた別の特徴がみられるかもしれません。 この特徴が今回だけなのか、今後も続く特徴なのか、その動向に注目です。

※該当期間以外での動向など、市場の「最新」を知りたい方はぜひお問い合わせください。

調査概要

  • 対象期間:2025年10 月〜2025年12月
  • データソース:Nint ECommerce
  • 対象カテゴリ:ゴルフ用品

この記事を書いた人

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト

note:https://note.com/nint_ecommerce

株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は20を超え、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。

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「EC市場におけるゴルフ用品の売れ筋トレンド【2025年10〜12月】」(2026年2月28日公開)】
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