【2025年11月〜2026年1月】家電市場レポート|販売数量の微減を単価上昇が補う
2025年11月から2026年1月にかけての家電市場は、物価高騰や高付加価値製品への需要シフトを背景に、平均単価の上昇が市場を支える展開となりました。本レポートでは、大手ECサイトにおけるNint ECommerceのデータをもとに、最新の市場動向を解説します。
※本記事は大手ECサイトにおけるNint ECommerceデータを元に執筆しています。

目次
家電の市場規模
2025年11月〜2026年1月の家電ジャンル全体の市場規模は以下の通りです。
- 売上高:約866億1,978万円(前年同期比 ▲0.7%)
- 販売数量:約792万5,291個(前年同期比 ▲5.3%)
- 平均単価:約10,930円(前年同期比 +4.8%)
市場全体としては、販売数量が約5%減少したものの、平均単価が約5%上昇したことにより、売上高の減少は約1%未満の微減に留まりました。消費者の購買行動が、安価な製品の多頻度購入から、長く使える高機能・高品質な製品を厳選して購入する傾向へシフトしていることが伺えます。
家電市場のカテゴリ別売上構成比とトレンド
本章ではカテゴリ別の売上構成を比較し、トレンドを読み解きます。
カテゴリ別売上構成比(上位カテゴリ)
- 1位:季節・空調家電
売上構成比:約30.7%(前年同期比 ▲1.7ポイント)
平均単価:約10,364円
- 2位:キッチン家電
売上構成比:約25.4%(前年同期比 +1.1ポイント)
平均単価:約12,561円
- 3位:美容・健康家電
売上構成比:約18.8%(前年同期比 +0.5ポイント)
平均単価:約10,179円
- 4位:生活家電
売上構成比:約17.9%(前年同期比 +0.5ポイント)
平均単価:約12,952円
- 5位:住宅設備家電
売上構成比:約5.1%(前年同期比 ±0.0ポイント)
平均単価:約18,197円
製品開発のトレンド
「季節・空調家電」は最大のシェアを占めますが、前年比で構成比を落としています。一方で「キッチン家電」や「美容・健康家電」はシェアを伸ばしており、自宅での食事の質向上やセルフケア需要の定着が製品開発を後押ししています。特に「住宅設備家電」は、全カテゴリの中で最も高い約1万8千円超の平均単価を維持しており、スマートホーム化や省エネ性能を重視した高単価・高機能な設備更新への投資が堅調に進んでいることが見て取れます。
家電市場の価格帯別販売構成と販売戦略
ここでは市場全体を価格帯別データに分けて整理し、販売戦略を考察します。
価格帯別の販売構成について
低価格帯(13,000円未満)
売上構成比:約28.5%
消耗品や安価な小型家電、キッチン小物などが含まれます。販売数量のボリュームは非常に大きいですが、売上シェアとしては3割弱に留まります。
中価格帯(13,000円〜63,000円)
売上構成比:約35.9%
標準的な炊飯器や空気清浄機、掃除機などが該当する主要なゾーンです。機能と価格のバランスが最も重視されるセグメントです。
高価格帯(63,000円以上)
売上構成比:約35.6%
高機能な美容家電、大型生活家電、高級調理家電などが含まれます。数量は少ないものの、中価格帯と同等の売上シェアを占めており、市場の収益性を支えています。
価格帯別の販売戦略について
低価格帯
購買頻度の高い製品群では、ポイント還元やセット販売を通じたまとめ買いを促進し、配送コストを抑えつつ客単価を向上させる施策が有効です。
中価格帯
競合が最も激しい領域であるため、独自の機能性や節電効果、メンテナンスの容易さなど、生活の利便性向上に直結するメリットを具体的に訴求することが求められます。
高価格帯
高額製品では、スペックの比較だけでなく、購入後のアフターサポートや保証内容の充実、また「その製品がある生活」のイメージを動画やレビューで具体化し、納得感を醸成することが不可欠です。
展望予測と家電市場を読み解くヒント
本章では展望と市場を読み解くヒントをご紹介します。
今後の展望
短期的には、原材料費や物流コストの影響を受けた単価上昇が続き、売上金額は安定的に推移すると予測されます。中期的には、AI搭載家電やIoTによる利便性追求に加え、「タイムパフォーマンス(タイパ)」や「省エネ・環境配慮」をキーワードとした買い替え需要が市場を牽引するでしょう。単なる機能比較ではなく、ユーザーのライフスタイルをどう豊かにするかという体験価値の提示が、今後の競争力の源泉となります。
家電市場を読み解くヒントは「Nint ECommerce」!
今回のレポートで明らかになったように、家電市場ではカテゴリごとに成長率や単価動向が大きく異なり、数量減を単価増でカバーする構造が強まっています。このような複雑な市場環境で勝ち残るには、自社製品がどの価格帯で、どの程度のシェアを維持しているかをリアルタイムに把握することが不可欠です。
「Nint ECommerce」では、モールごとの詳細な売上データや、メーカー別の価格帯を可視化できます。さらに、AIを活用した「AIインサイトレポート」を活用すれば、市場の細かな予兆を捉え、最適なタイミングでの商品投入や販促施策の実行が可能になります。

さらに、AIが膨大なデータを分析して要点を整理する「AIインサイトレポート」を利用することで、複雑な市場動向の裏側にある勝機を迅速に見つけ出し、次の一手を確信を持って打つことが可能になります。

また、即戦力のEC人材をお探しの場合は、『EC Talent』にご相談ください。

調査概要
- 対象期間:2025年11月1日〜2026年1月31日
- データソース:Nint ECommerce
- 対象カテゴリ:家電
この記事を書いた人

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト
note:https://note.com/nint_ecommerce
株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は20を超え、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。
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