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【2025年8〜10月】レディースファッション市場|ASP上昇と「厳選買い」の波

#市場規模 #マーケティング #販促ノウハウ #ECデータ

2025年8月から10月におけるレディースファッション市場は、平均販売価格(ASP)の上昇が続く一方で、販売数量は前年を下回り、消費者がアイテムを厳選して購入する傾向が強まっています。季節の変わり目におけるアウター需要や、トレンドカラーを取り入れた主力カテゴリの動向など、質を重視する消費行動へのシフトが見受けられます。

本レポートでは、大手ECサイトにおけるNint ECommerceのデータをもとに、最新の市場動向を解説します。

レディースファッションの市場規模

2025年8月〜10月の期間におけるレディースファッション市場の市場規模は以下の通りです。物価上昇の影響や気候変動による秋物需要の後ろ倒しなどが影響し、全体として調整局面にあるものの、単価の上昇が市場の質的変化を示唆しています。

  • 3ヵ月合計販売金額(GMV)約290億円(前年同期比 ▲13.3%)
  • 販売数量 約637万個(前年同期比 ▲19.0%)
  • 平均販売価格(ASP)約4,545円(前年同期比 +7.1%)

売上規模および販売数量は前年同期を下回る結果となりました。一方で、平均販売価格は約7%上昇しており、原材料費や物流費の高騰に伴う価格改定に加え、消費者が安価な商品を大量に購入するスタイルから、付加価値の高い商品を慎重に選ぶスタイルへ移行していることが推測されます。

レディースファッション市場のカテゴリ別売上構成比とトレンド

本章ではカテゴリ別の売上構成を比較し、トレンドを読み解きます。

カテゴリ別売上構成比(上位カテゴリ)

市場全体ではトップスが圧倒的なシェアを維持していますが、季節要因により「コート・ジャケット」などのアウター類や、イベント需要を含む「和服」が上位にランクインしています。

  • トップス

構成比 41.68%(前年同期比 ▲13.6%)| 平均販売価格 約3,965円

  • ボトムス

構成比 17.10%(前年同期比 ▲18.3%)| 平均販売価格 約4,302円

  • コート・ジャケット

構成比 10.84%(前年同期比 ▲5.9%)| 平均販売価格 約13,706円

  • ワンピース

構成比 8.53%(前年同期比 ▲25.3%)| 平均販売価格 約5,891円

  • 和服

構成比 6.44%(前年同期比 +1.2%)| 平均販売価格 約3,213円

製品開発のトレンド

今季は「ブラウン」や「グレー」といった落ち着いたカラーパレットがトレンドの中心となり、ニットやカーディガンなどのトップスで多く採用されています。単価上昇に伴い、オンオフ問わず着回せるデザインや「知的エレガント」なジャケットなど、流行に左右されにくいベーシックなアイテムが見直される傾向にあります。また、気温変動に対応しやすいシアートップスやベストなど、レイヤードスタイルを前提としたアイテムが、実用性とファッション性を兼ね備えた選択肢として支持されています。

レディースファッション市場の価格帯別販売構成と販売戦略

ここでは市場全体を価格帯別データに分けて整理し、販売戦略を考察します。

価格帯別の販売構成について

価格帯別の構成を見ると、依然として低価格帯がボリュームゾーンですが、アウターや高品質な和服などが含まれる高価格帯も一定のシェアを確保しています。ASPの上昇傾向を踏まえ、各価格帯での訴求ポイントを明確にする必要があります。

低価格帯(〜約6,200円)売上構成比:約49%

カットソー、薄手のニット、インナー類など、日常使いの消耗品やトレンドを試しやすいアイテムが中心です。

中価格帯(約6,200円〜約15,500円)売上構成比:約27%

デザイン性の高いブラウス、ボトムス、ワンピースなどが位置し、品質と価格のバランスを重視する層に支持されています。

高価格帯(約15,500円〜)売上構成比:約24%

コート・ジャケット、フォーマルウェア、和服などが含まれ、機能性や素材の良さが購入の決め手となる価格帯です。

価格帯別の販売戦略について

低価格帯

「2点購入で割引」などのバンドル販売や、着回し力の高いセットアップの提案により、客単価の引き上げを図ることが有効です。

中価格帯

今季トレンドの「リボン」や「ペプラム」などのディテールを取り入れた商品や、人気カラー(ブラウン等)の展開を強化し、ファッション感度の高い層へアピールします。

高価格帯

アウターやフォーマルウェアにおいては、素材の上質感、軽量性、保温性などの機能的メリットを詳細に伝え、レビューや着用動画を活用して購入への不安を払拭する戦略が求められます。

(参考)ジャンル別価格分布

Nint ECommerceを使った価格帯別売上規模推移
市場の見える化を実現するツール「Nint ECommerce」でTOP5メーカーの価格別売上構成比を見ると以下のように確認できます。
※ご契約プランによって確認可能

横軸:価格帯で分けており、太さが構成比
縦軸:該当価格帯におけるメーカーシェア率
出典:Nint ECommerce

展望予測とレディースファッション市場を読み解くヒント

本章では展望と市場を読み解くヒントをご紹介します。

今後の展望

気温の低下に伴い、これまで動きが鈍かったコートやダウンジャケットなどの重衣料の需要が本格化すると予測されます。特に、暖冬傾向も見据えた「軽量」かつ「機能性」を備えたアウターが市場の鍵となるでしょう。また、年末年始のイベントや成人式などに向けたオケージョン需要も高まり、ドレスや和服小物などが短期的には市場を牽引する可能性があります。

レディースファッション市場を読み解くヒントは「Nint ECommerce」!

詳細なレディースファッション市場の分析や、競合各社の動向把握には、ECデータ分析ツール「Nint ECommerce」が役立ちます。楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングの3大モールのデータを活用し、自社のポジショニング確認や次なる一手にご活用ください。

また、NintではAIを活用して市場トレンドをいち早くキャッチできる「AIインサイトレポート」も提供しており、変化の速いEC市場において、迅速かつ精度の高い意思決定をサポートします。

調査概要

  • 対象期間:2025年8月1日〜2025年10月31日
  • データソース:Nint ECommerce
  • 対象カテゴリ:レディースファッション

この記事を書いた人

山本 真大(やまもと まさひろ)
株式会社Nint マーケティングDiv ECアナリスト

株式会社明治の菓子営業としてキャリアをスタートし、主に店頭での販促施策を担当。その後IT業界・流通業界・他業界のメーカー職を経験し、オフライン市場における、製造・流通に携わる。EC業界の今後に魅力を感じ株式会社Nintへ入社。営業・カスタマーサクセスを経て現在、ECデータアナリストとして、数々のブログや電子書籍の執筆、セミナー登壇に関わる。
セミナー登壇数は20を超え、オフラインの経験とオンラインのデータ分析をもとにした、セミナー内容は参加者からも好評をいただいている。

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