売上だけでは判断できない。競合と比べて見えた市場の変化とは

ワインキュレーション株式会社

従業員数: 100人未満

EC推進部 羽島さま

ワインキュレーション株式会社について

ワインキュレーション株式会社は、国内外のワインを幅広く取り扱うEC企業です。楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングといった主要モールを中心に、単品ワインからギフトセット、飲み比べセットなど多彩な商品を展開しています。
京橋ワイン」というブランドを自社で運営しており、ECに加えてリアル店舗展開にも取り組んでいます。また、少人数ながら、データ分析や企画・販促まで自社で完結させる体制を整えており、柔軟でスピード感のある運営を強みとしています。

今回は、競合比較やカテゴリごとのシェアを数値で可視化し、自社が優位を築ける場所へ投資を集中する戦術を実現した背景について、EC推進部の羽島さまにお話を伺いました。

課題は競合の販売状況が見えないこと

私たちは以前から、ワインジャンル全体の動きはある程度つかめていました。しかし「他社がどの価格帯で、どのような施策を打って、どのくらい売上を上げているのか」までは把握できていませんでした。
特に楽天スーパーSALEや季節イベントの時期になると、売上が大きく動くため、自社の数字だけを見ていても全体の中での立ち位置が見えないというもどかしさがありました。
「この施策は競合に勝てているのか」「自社が想定していたポジションを取れているのか」を確認するためのデータがなかったのです。社内では感覚的な判断に頼らざるを得ず、明確な根拠を示せないことも少なくありませんでした。

売上が伸び悩んだときに、原因が価格帯なのか、施策タイミングなのか、商品構成なのかを特定できず、次の手を打つまでに時間がかかっていました。カテゴリや価格帯別にシェアを可視化できれば、課題の所在をより正確につかめるのではないかと考えていました。

データを一元的に見られる仕組みを探して

競合分析の必要性を感じながらも、手動で情報を集めるには限界がありました。モールごとに仕様が違い、同じ条件で比較するのも難しい状況でした。
そうした中で出会ったのが、Nint ECommerce(以下、Nint)です。商品単位、ショップ単位、ジャンル単位のデータを一元的に確認できる点に強く惹かれました。

特に「どのショップが、どの日に、どれだけ売ったか」というデイリーの販売動向を見られる点が非常に有用でした。
自社の販売施策を日次で評価できることはもちろん、イベント時に他社がどのような価格帯や商品で成果を出しているかを追えるのは大きな強みでした。
また、操作性が直感的で、複雑な条件設定をしなくても必要な情報にすぐアクセスできる点も、現場メンバーからの評価が高かったです。

導入後の変化と成果

Nintを導入してから、少しずつ業務の進め方にも変化が出てきました。現在は、価格帯別シェアの確認を週ごとの習慣として定着させているところです。
たとえば「5,000円以上の高価格帯ワインの売上が落ちている」「中価格帯が想定よりも伸びていない」といった兆しをすぐに把握できるようになり、その場で新商品の企画に反映しています。

セール時には競合と自社の売上をデイリーで比較できるようになったことで、「施策の効果が出たのか、それとも競合の影響で一時的に下がったのか」を即座に判断できるようになりました。
以前は1週間単位で振り返っていた分析が、今では翌日には数字で確認できます。
また、ジャンル全体の市場規模と自社シェアを同時に把握できるため、上層部へのレポートも数字で裏付けを持って説明できるようになりました。

メールでの社内共有も徐々に広がり、チームで同じ数字を見ながら意見を交わす場面が増えてきました。
その結果、商品企画のスピードは体感で半分以下に短縮。これまで見落としていたニッチな市場や新しいトレンドもデータから拾えるようになり、ヒット商品の開発につながったケースも出てきました。
さらに、楽天市場の担当者との商談でも、感覚ではなくデータを基に話せるようになり、やり取りの精度とスピードが格段に向上しました。

数字で会話できる文化が定着

導入して最も大きな変化は、社内の「会話の質」が変わったことです。
これまでは「この商品は売れそう」「このタイミングで出してみよう」といった経験則に頼る場面が多くありました。今では、Nintのデータをもとに「このジャンルでの自社シェアは何%」「この価格帯では競合が強い」といった具体的な数字を交えて議論できるようになりました。

数字が共通言語になったことで、上長や他部署、社外パートナーとの認識共有もスムーズになり、意思決定のスピードが飛躍的に上がりました。チームの報告・提案の説得力が増したと感じます。
最近では、週次の定例会議でもNintの最新データを確認するようになりつつあります。数字をきっかけに議論が始まる場面も増えてきました。

今後の展望と戦略

今後は、より深い分析へと進化させたいと考えています。
現状でも十分な成果を得られていますが、AIの出力上限によって得られる情報が一部に限られる場面もあります。将来的には、ジャンル上位ショップや商品の網羅的な一覧、市場規模の詳細データなどを自動で抽出できるようになれば、より効率的に仮説検証が進められるはずです。

さらに、2025年10月には初の実店舗をオープンし、オンラインとオフラインのチャネル統合にも着手しました。今後は、自社サイトと実店舗でのポイント連携や注文履歴の統合を進めることで、顧客体験の一体化を目指しています。特に、ネットだけではアプローチしきれなかった30〜40代女性などの新しい顧客層をリアル店舗で獲得し、既存のECチャネル(楽天市場・Yahoo!ショッピング・自社サイト)との相乗効果を生み出す戦略です。
楽天は2000年の出店以来、同社最大の売上チャネルとして成長を牽引しており、実店舗を「新たな成長エンジン」として位置づけることで、さらなる拡大を狙っています。

私たちが目指しているのは、データを見ること自体ではなく、「数字をもとに次の一手を導き出すチーム」です。Nintは、そのための思考の起点として機能しています。
数字を軸にしながらも、最終的にはお客様にどんな価値を届けられるかを常に意識し、データを活かした意思決定で新しい挑戦を続けていきたいと考えています。

ワインキュレーション株式会社の羽島さまにお話を伺いました。
本日はありがとうございました。

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