30時間の市場分析が10秒に。おからクッキー売上10倍を生んだデータ活用とは
株式会社HMit
従業員数: 100人未満
株式会社HMitについて
株式会社HMit(ハミット)は、「九州の本当に良いものを、日本中、そして世界中のお客様へ届けたい」という想いのもと、自社ブランド『PRID’S』を展開しています。九州の加工技術や素材を活かした商品づくりを行い、ECを通じて地域の魅力を発信しています。
今回は、データ活用によってEC事業の意思決定を大きく変え、商品の売上を大きく伸ばした取り組みについて、株式会社HMit 代表取締役副社長の森 裕也さまにお話を伺いました。
「勘と経験」だけでは続かなかったEC運営
私たちは「九州の本当に良いものを、日本中、そして世界中へ届けたい」という思いで事業を始めました。
生まれ育った福岡、そして九州には、まだ世に埋もれている素晴らしい加工技術や素材がたくさんあります。
それらを発掘して、日本を盛り上げたいという気持ちが根底にあります。
ただ、事業の初期段階では、データに基づいた意思決定ができていたわけではありませんでした。
新商品の仕入れやトレンド予測は、どうしても担当者の経験や感覚に頼る場面が多かったんです。
その結果、在庫リスクに悩まされることもありました。
賞味期限が迫った在庫を、私たち経営陣が自腹で買い取って社員に配るようなこともありました。
「自分たちは何をしているんだろう」と思う瞬間もありましたし、正直に言えば、当時は事業として成立している状態とは言えなかったと思います。
情熱だけでは、九州の良さを守り続けることはできない。そう痛感した出来事でした。
季節需要を読み違えた、生姜パウダーの失敗

データの重要性を痛感したのが、生姜パウダーの販売での失敗です。
当時は「生姜は一年中売れるもの」というイメージを持っていました。
料理にも使えますし、シーズン商品ではないと考えていたんです。
しかし実際には、お湯に溶かして体を温める用途で購入されることが多く、需要のピークは冬に集中していました。
直近の売上だけを見てテスト販売を始めたときには、すでにトレンドのピークが過ぎていたんです。
「生姜焼きや味噌汁に使うなら季節は関係ないだろう」という私たちの仮説は、客観的なデータの裏付けがないまま進めてしまった結果でした。
結果として在庫が積み上がり、大きな反省をすることになりました。
二度と同じ失敗を繰り返さないために、市場を客観的に見られるツールが必要だと考え、Nintの導入を決めました。
6人で30時間の市場分析が「10秒」に
導入後、現場で最も大きな変化を感じたのは、市場分析にかかる時間でした。
それまでは、Googleトレンドや各モールのランキングを手作業で確認しながら分析していました。
競合の動きを追い、表計算ソフトに数字を入力して整理するという作業です。
1つのカテゴリーを分析するために、スタッフ6人で合計30〜40時間かかることも珍しくありませんでした。
それが、Nintを使うようになってからは大きく変わりました。
今では市場分析にかかる時間は、実質「10秒」です。
ボタンを押すだけで、競合の売上推移や売れ筋の傾向がすぐに可視化されます。
これまで人海戦術で行っていた分析が、一瞬でできるようになったのです。
この変化は、単に作業時間が減ったというだけではありません。
スタッフがデータ収集の作業から解放され、「どうすれば九州の生産者の想いをより魅力的に伝えられるか」という人間ならではのクリエイティブな業務に時間を使えるようになりました。
廃棄されていた「おから」をヒット商品に

Nintのデータは、商品開発にも大きく役立ちました。
その象徴が『PRID’S』のおからクッキーです。
きっかけは、福岡・久留米の豆腐店との出会いでした。
豆腐の製造過程で大量に出るおからの使い道がなく、廃棄するためにお金を払っているという話を聞いたんです。
それを聞いて、「このおからを活用できないか」と考えました。
私たちが買い取り、焼き菓子メーカーと協力して商品化することにしたのです。
商品化にあたっては、Nintを使って徹底的に市場分析を行いました。
たとえば、
- 売れている価格帯はどこか
- おからの含有量はどれくらいがよいのか
- 消費者が求める食感はどの程度なのか
といった要素を、競合商品のデータから分析しました。
味へのこだわりと市場ニーズの両方を満たす「勝てる仕様」を探った結果、発売初月は約50万円だった売上が、3ヶ月後には10倍の約500万円規模まで成長しました。
さらに、過去の失敗も活かすことができました。
生姜パウダーの経験から「冬に生姜は売れる」ということはデータでわかっていました。
そこで、おからクッキーの冬季限定フレーバーとして生姜味を投入したところ、これも狙い通りヒットしました。
データがメーカーとの信頼関係を強くする
現在では、Nintのデータは仕入れ先のメーカーとのコミュニケーションにも欠かせない存在になっています。
私たちの実際の売上と、Nintの予測データの誤差は、今では数千円程度の近似値になることもあります。
この精度の高さがあるからこそ、メーカーにも自信を持って提案できるようになりました。
以前のように「なんとなく売れそうです」と説明するのではなく、データを根拠にした提案ができるようになったのは大きな変化です。
データを武器に、九州から世界へ

これまで私たちは、どうしても感覚や経験に頼った経営をしてしまう部分がありました。
ただ、今回の経験を通して感じたのは、「経験や勘が間違っている」ということではなく、それを裏付けるデータがあるかどうかが重要だということです。
実際、生姜パウダーでの失敗から「冬に生姜は売れる」という学びを得たことで、おからクッキーの冬季限定フレーバーとして生姜味を投入し、ヒットにつなげることができました。
今では、経験や現場の感覚を出発点にしながら、Nintのデータで市場を客観的に確認し、意思決定を行うようになっています。
九州には、本当に素晴らしい技術や素材があります。それらを誇りを持って世界に届けていくためにも、データを武器にしたEC経営をこれからも続けていきたいと思っています。
株式会社HMitの森さまにお話を伺いました。
本日はありがとうございました。
ECモールの市場トレンド・ショップ売上・売れ筋商品はNint ECommerceで確認可能です。
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