ECモールの調味料市場規模は、昨年比95%で縮小!



問題定義
調味料市場は、日常生活に欠かせない商品の一つであり、ECでも人気の高いジャンルですが、その市場の現状や将来展望などについて詳しく知りたいEC事業様も多いのではないでしょうか。
本記事を読んで分かること
この記事では、調味料市場の現状や需要動向、ECモールでの市場動向比較、平均単価、メーカー比較、種類や特徴、など、調味料に関する様々な情報を解説します。さらに、各ECモールでの人気商品も紹介するので、自社の商品の取り扱いや販売戦略に役立つ情報を得ることができます。
本記事を読むメリット
上記の情報をもとにECモールに出店するEC事業者様、これから出店しようと検討しているEC事業者様が、競合他社との差別化や売上アップにつながる情報を得ることができます。


【目次】
1. 調味料市場の現状と今後の展望
2. 調味料市場の平均単価
3. 調味料市場のメーカー比較
4. Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングで人気の調味料の種類や特徴
5. まとめ


1. 調味料市場の現状と今後の展望

Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングの3モールにおいて、2023年4月時点のNint推計データより、2023年1〜3月の調味料・食用油・ドレッシングジャンルは95%へ縮小しております。今後の市場規模は、当社のAI分析を踏まえると、横ばいとの結果となりました。

各モールを観察すると、
Amazonの売上は堅調に拡大しております。サブジャンルの「食用油」や「香辛料・スパイス」の売上が大きく拡大したことが要因です。
楽天市場の売上も堅調に拡大しております。サブジャンルの「油」や「だし」の売上が大きく拡大したことが要因です。
一方でYahoo!ショッピングの売上は縮小しております。「料理の素」や「たれ」を筆頭に多くのサブジャンルで売上が縮小していたのが原因です。

2. 調味料市場の平均単価

当該ジャンルの平均単価は1,546円と前年同時期比で110%へと低単価商品の売上が減少したため増加しております。

外出機会の増加の影響か、全体の販売量が減少している中でも特に低単価で小容量の商品の売上が減少している傾向が見られました。今後の平均単価は、AI分析を踏まえると高止まりとの結果となりました。

3. 調味料市場のメーカー比較

各メーカーの動向を見ると、昨年の売上シェア1位のメーカーのA社が前年同時期比で21%へと大幅に売上が減少しているものの、僅差で売上シェア1位を堅守しております。

Yahooショッピングで主力のだしの商品が昨年4月から取り扱いがなくなったことが大きな要因で、この影響がYahooショッピングの当該ジャンル全体の売上減少の大きな要因となっています。

一方、一番売上を拡大したのはB社で売上は130%と急速に拡大しております。楽天市場で売上を大きく拡大しており、主力のだしの商品が売上を大きく拡大しております。B社はテレビで取り扱われた商品の販売企画を行っている会社なので、モール以外での各メディアでの広告効果が大きかったのではないかと考えられます。

4. Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングで人気の調味料の種類や特徴

Amazonの直近(※4月20日時点)のランキング結果を見ると、上位には調味料やドレッシングがランクインしています。中でも、しょうゆやめんつゆ、ポン酢などの定番調味料が人気を集めています。また、特定の食材に特化した調味料も多く、例えば焼肉のたれや餃子のたれなどが人気を集めています。
一方で、下位には主に調味油がランクインしています。こちらも人気のあるオリーブオイルやごま油などがランクインしていますが、上位と比べるとランキングが低い傾向にあります。
上位と下位の商品の違いとしては、上位は調味料やドレッシングなど、味を変えるためのアイテムが多く、使いやすさやバリエーションの豊富さが人気の理由の一つです。一方で、下位は調味油が多く、健康志向の強い消費者に向けた商品が多いため、味よりも健康に配慮した商品が多いと言えます。

楽天市場の直近のランキング結果を見ると、上位には調味料の中でも醤油やめんつゆ、ポン酢などの人気商品がランクインしています。中でも、有機栽培された素材を使用した商品や、保存料や着色料を使用していない商品が人気を集めています。
一方、下位には主に調味油や調味料の素材がランクインしています。調味油には、オリーブオイルやごま油、調味料の素材には、昆布やかつお節などが挙げられます。これらの商品は、上位の商品に比べて使用用途が限定的であるため、需要が低くランキングが低い傾向があります。
上位と下位の商品の違いとしては、上位は調味料であることが多く、味や香りのバリエーションが豊富で、健康や安全性に配慮した商品が人気です。また、季節限定商品やプレミアム商品など、特別感のある商品もランクインしています。一方、下位は調味油や調味料の素材が多く、特定の料理や調理法に合わせた商品が多くなっています。

Yahoo!ショッピングの直近のランキング結果を見ると、上位には調味料の中でもしょうゆやポン酢、めんつゆなどの定番商品がランクインしています。また、和食の調味料だけでなく、中華料理に欠かせない醤油や、西洋料理にも合わせやすいオリーブオイルなども人気があります。
一方、下位には調味料の素材や油がランクインしています。調味料の素材には、乾物や調味料の粉末などがあり、主に料理に味をつける際に使用されます。また、油には、ごま油やサラダ油、ココナッツオイルなどがあり、使用用途によって使い分けられます。
上位と下位の商品の違いとしては、上位は定番商品や代表的な調味料が多く、調理に必要不可欠な商品が多いと言えます。また、こだわりの素材や特別感のある商品も人気があります。一方で、下位は調味料の素材や油が多く、調理に必要な商品ではありますが、使用用途が限定的なため、需要が低くランクインが低い傾向があります。

5. まとめ

売上が縮小した調味料市場ですが、Yahoo!ショッピングでのメーカーA社の影響が大きく、それを除くとそこまで悪い傾向には見えませんでした。ただし外出機会の増加に伴い、低容量で低単価の商品の需要が低下している傾向が見られるので、販売戦略の見直しが求められます。各モールで人気の商品の特徴などを今後の販売戦略の参考にしていただければと思います。




作成者
加藤 洋平(Kato Yohei, ERP Div.カスタマーサクセスUnit)
編集者
Nint Blog 編集長 加藤 洋平(Kato Yohei, ERP Div.カスタマーサクセスUnit)


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